サステイン
「プロフェッショナル修斗公式戦
BACK TO OUR ROOTS 04 Supported by Crymson」
2007年7月15日(日)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始17:30
▼メインイベント 世界ライトヘビー級チャンピオンシップ 5分3R
○シアー・バハルドゥザダ(オランダ/ゴールデン・グローリー/挑戦者)
判定 3−0 ※30−26、30−26、30−26
●山下志功(日本/パラエストラ札幌/王者)
※シアーが第5代世界ライトヘビー級王者に就く
1R、サウスポーの山下がタックルに行くとシアーは山下の頭を押さえつけながら離れてこれを潰す。山下は左フックに合わせてタックルに入り、コーナーへ持っていくがテイクダウンは出来ず。離れた後、山下が左フックを打ちに行ったところでシアーの右フックがヒット! 山下はダウンを喫してしまう。
シアーはジャブを出しながら圧力をかけていき、山下は右へ回りながらのローキック。シアーの右強打をかわしてタックルに行くが、やはりシアーは頭を押さえつけてタックルを切る。そしてすぐに左右のフック。シアーの右のパンチはかなり強烈だ。
その後も何度もタックルに行く山下だが、ことごとくシアーに切られ、左右のショートフックで左目下をカットされる。右の強打を狙い続けるシアー、山下の左目は腫れていく。
2R、シアーは左右のフックとローで前に出る。山下は回りながら右ローを放ち、シアーのワンツー左フックにタックルを合わせるがやはり切られる。山下は右ローを連発、シアーの右ストレートをかわして組み付き、フロントチョークに捕らえるもシアーが首を抜いたところでゴングとなった。
3R、回りながら右ローを蹴り、タックルに行く山下。しかし、シアーは頭を押さえながらサッと離れるとパンチ、ハイキック。ならばと山下は引き込み、ラバーガードの仕掛けを見せるもシアーにパンチを打たれ、蹴り放す。シアーはそれでも離れず、左のパンチをボディへ叩き込んでパスしようとしたところで山下が立ち上がる。
そこで、すぐにタックルで山下をテイクダウンしたシアーはサイドポジション。ボディへヒザ蹴りの連打を見舞う。スタンドに戻ると今度はすぐに山下がタックルに行ったが、シアーの右ヒザがクリーンヒット! 山下が膝をついたところで試合終了となった。
判定で勝利したシアーは「自分がチャンピオンになれたのはマルタインがいたからだ。このベルトは彼が巻くべきだよ」と、コーチのマルタイン・デ・ヨングの腰にベルトを巻く。そして、「今日は祖父と共に闘ったんだ。おじいちゃん、ありがとう!」とマイクで叫んだ。
●シアーのコメント
「長い間試合をするチャンスがなかったけれど、日本でタイトルマッチが出来てよかった。格闘技を始めた頃からチャンピオンになれるとマルタインに言われていたので、今日は彼のためにもチャンピオンになりたかったんだ。
テイクダウンされたのは予想外だったけど、戦略も成功して今日は上手くいったと思う。タフな試合になることは分かっていたし、タフじゃなければチャンピオンになれないことも分かっていたよ。僕はこれに人生を賭けているから、チャンピオンになれてよかった。
山下がテイクダウンに来るのは分かっていたし、自分が負けることは想像もしていなかった。今日はプランAが成功したけれども、それが通用しない場合のプランBもあったからね。彼がグラウンドを狙ってくるのは分かっていたので、対策としてグラウンドの練習はしてきた。
今は家に帰ってゆっくり休みたいね。なるべく長くチャンピオンでいたいと思っている。修斗には世界で最もベストな選手が揃っているからね。母国のアフガニスタンでも試合がしたい。今日もアフガニスタンのTV局が僕の取材に来てたんだけど、将来的には生中継してもらいたいと思っているよ」
▼セミファイナル バンタム級 5分3R
○BJ(同級世界王者/日本/勝村道場)
TKO 3R3分36秒
●赤木康洋(同級世界6位/日本/ALIVE)
1R、パンチで前に出る赤木へサウスポーのBJはワンツーから左ハイキック。赤木が組みに行くとBJが逆にタックル、赤木はフロントチョークに捕らえる。BJは足を固めに行くが赤木は首を離さずにガブり、長時間絞め続ける。極まらないとみるや赤木はフロントチョークを外してパンチを落とす。BJは上体の動きで赤木のパウンドをかわし、ニヤリと笑って挑発する。
赤木が膝を立てたところでBJが下から足関節狙い、赤木が逃げたところでBJも立ち上がりパンチのラッシュ! 赤木も負けじとパンチで打ち合い、組んでのヒザ。ロープ際で打ち合うと場内が沸く。その打ち合いでBJのフックがヒットすると、赤木は投げでテイクダウン。BJからトップポジションを奪ったところでラウンド終了となった。
2R、BJの左ストレートを皮切りに足を止めての打ち合い! 左右のパンチで前に出るBJは赤木の蹴りをキャッチして、軸足を払ってのテイクダウン。しかし、赤木は再びフロントチョークの体勢に。これは不十分でブレイクがかかる。
赤木の右にBJも右を返し、ヒザ蹴り、ハイキック。組んだ赤木はテイクダウンしてバックから鉄槌を落とす。BJは体を入れ替えて立ち上がり、赤木のバックを奪いにいくも失敗。赤木がパンチを打ちにいき、下がったBJがタックルに入ったところでラウンド終了。
3R、いきなり組みに行った赤木が投げでテイクダウン。しかし、上になったのはBJだ。立ち上がろうとする赤木に喰らい付いていき、BJが今度はバックを奪う。スリーパーを狙いつつバックから殴るBJ。
ここで赤木の右耳から激しい出血が見られドクターチェックとなり、BJのTKO勝利となった。赤木は「何でだよ! もうちょっとじゃないか!」と抗議したが、冷静さを取り戻し、悔しい表情でリングを後にした。
▼第7試合 ウェルター級 5分3R
○中蔵隆志(日本/同級環太平洋王者/シューティングジム大阪)
一本 1R2分56秒 ※ヒールホールド
●ヤニ・ラックス(スウェーデン/同級欧州王者/チーム・スカンジナビア)
2月に環太平洋王者となった中蔵は約2年ぶりの後楽園ホール登場。当初は初防衛戦というプランもあったが、今回は初代欧州チャンピオンのラックスを迎え撃った。
ボクシング経験があり、菊地昭からダウンを奪ったこともあるラックスは1R開始と共に奇襲攻撃ともいえる両足タックル。中蔵が難なく突き放してスタンドに戻り、中蔵の右ローにラックスは右フック、そのまま前に出てのタックルと中蔵の打撃を警戒しているかのような攻めを見せる。
しかし、コーナーに押し込んだラックスに中蔵がバレリーキック(踵で大腿部を蹴る)を連打していると、ラックスは7cmの身長差を利した飛びヒザ蹴り! これがモロに入り、中蔵はダウン。意識が飛んだかと思われたくらいの当たりだったが、中蔵はカウント内に立ち上がると突っ込んできたラックスに意外なジャンピングバックスピンキックを繰り出す。
ダウンのダメージがある間に仕留めたいラックスは、中蔵をコーナーへ釘付けにして左右の連打を見舞っていく。中蔵は首相撲でラックスの攻めを封じるとそのままテイクダウン、ラックスの三角絞めを外してパウンドを見舞っていく。
コーナーでパンチを落とした中蔵は、すぐにオープンガードのラックスの左足を抱えてアキレス腱固め! このコンビネーションがバッチリ決まり、ラックスはタップ。中蔵はロープに飛び乗って逆転勝ちをアピールした。
「ダウンしちゃって…ヒザ蹴りだったんですか?」と首を捻りながらリング上のインタビューに答える中蔵。『必殺仕事人』のテーマ曲で入場してきたことを聞かれ、「これで判定じゃあ全然“必殺”じゃない」と言って笑いをとり、防衛戦のことは「これじゃあ全然ダメ」と言いながらも防衛期限が近づいていることを告げられると「じゃあ、次はヒザでダウンしないように頑張ります」とジョークで締め括った。
▼第6試合 68kg契約 5分3R
○リオン武(日本/同級世界ライト級3位/シューティングジム横浜)
一本 1R3分16秒 ※スリーパー
●マーク・ドゥンカン(オランダ/欧州ウェルター級3位/タツジンドージョー)
外薗VS松根の世界フェザー級チャンピオンシップ中止を受け、急遽、復帰戦が決まったリオン。マークは2001年11月に朴光哲に敗れているが、今年に入ってからは三連勝を挙げているという。ライト級のリオンよりも一階級上のウェルター級欧州ランカーだ。
1R、マークはいきなり首相撲からのヒザに持ち込む。しかし、離れて右のパンチを出したところでリオンの右クロスが炸裂! ダウンを奪う。立ち上がったマークは飛びヒザ蹴りから首相撲、顔面へヒザ蹴りを伸ばしたがリオンがテイクダウンを奪う。
リオンは中腰からパンチを入れ、パスガードしてマウントへ。右の連打を叩き込むと嫌がって背を向けたマークのバックマウントを奪う。マークはリオンを背負ったまま立ち上がり、リオンはバランスを取りながら殴り続け、スリーパーホールドに。
しばらくは耐えたマークだったが、力尽きて背後に倒れるとリオンの腕がガッチリと食い込みタップを余儀なくされた。
復帰戦で一階級上の相手から勝利を収めたリオンは、「試合の話を聞いたのは2週間前だったんですけど、自分はオファーが来るのが試合をするタイミングだと思っていたので、問題なかったです」と語り、「夏は充電して秋に環太平洋のタイトルマッチをやりたい。
まずは環太平洋を狙い、その後、また世界チャンピオンになれるように頑張る」と、世界タイトルをリオンから奪った、田村彰敏が返上した環太平洋ライト級王座獲得を次の目標に掲げた。
▼第5試合 フェザー級 5分3R
△上田将勝(日本/同級環太平洋8位/パラエストラ東京)※06年フェザー級新人王
ドロー 判定 1−0 ※29−28、29−29、29−29
△水垣偉弥(日本/同級世界7位/シューティングジム八景)※05年フェザー級新人王
1R、サウスポーの上田は左のジャブを突き、パンチから足へのタックル、ジャブから足へのタックルと上下へ揺さぶりをかける。組み付き、コーナーまで押し込んだ上田だが、水垣はパンチで突き放す。
上田のは左ハイキックに右ストレートを合わせる水垣。そのままパンチで前に出るも上田がタックルでコーナーへ押し込み、投げを見舞うと水垣がすぐに上に。パウンドを見舞う水垣だが、上田も反応が素早く立ち上がる。
上田の右フックを待って左右のフックを返す水垣。コーナーへ追い詰めて上田に連打を見舞い、タックルはしっかりと切る。水垣がボディストレートを放った直後、上田は片足タックル。テイクダウンを嫌がって離れようとした水垣のバックに回った上田はしつこくバックをキープし、なんとジャーマン!
2R、上田は左ミドル、水垣は低く潜り込んでのパンチを狙う。上田がタックル、相手側のコーナーへ押し込んだが、水垣は離れ際に連打で前へ出る。水垣の右ストレートに上田が片足タックル、離れようとする水垣に喰らい付いていく上田だったが、水垣も必死に逃げ出す。ボディ。顔面へと右フックを放って前へ出る水垣。
上田もやはりタックルだ。ジリジリと迫り、上田のパンチや蹴りにパンチを合わせようとする水垣と、さらにそこでタックルをとろうとする上田。残り40秒で上田がテイクダウンに成功! マウントを奪い、バックマウントからスリーパー! 水垣が腕を外したところでラウンド終了となった。
3R、右のパンチを出して前に出る水垣をタックルで捕まえる上田。離れた水垣は再び右を出しながら前へ出るが、再び組み付かれる。上田のパンチに片足タックルを合わせる上田はコーナーへ押し込み、離れ際に右フック。
水垣は右インロー、上田は左ミドル。水垣がパンチでくれば上田がタックルで組み付くという展開が続く。上田は片足タックル、必死に切りに行く水垣だが上田は粘り強くタックルで押し込んでいく。ブレイク。
上田のワンツーに右の強打を返していく水垣だが、上田はすぐにタックル。ジャブで誘い、水垣がパンチで前に出てくると下がりながら待ってましたとばかりにタックルへ入る。テイクダウンを奪った上田は時間いっぱいまでパンチを見舞っていったが、判定はドローとなった。
▼第4試合 バンタム級 5分3R
○正城ユウキ(日本/クロスワンジム湘南)
一本 2R3分33秒 ※スリーパー
●阿部マサトシ(同級世界1位/日本/AACC)
1R、細かいパンチのコンビネーションを放っていく阿部に対し、正城は組み付いていく。阿部は首ヒザ蹴り、正がテイクダウンに成功し、ドッと沸く場内。阿部は足を利かせようとするも正がパウンドの嵐。マサガ上体を上げたところで阿部が両足タックルに行くも、正城は倒れなかった。
2R、開始早々、正城が放った右ローが阿部の急所に入り一時中断。ショートのパンチ連打で入っていく正城に、阿部もショートで打ち返す。正城はクリンチアッパー、そして胴タックル。阿部はフロントチョークに捕らえるも、正城がテイクダウンする。
ロープ際で首を抜いた正城はパウンド、自軍コーナーまで運んでパウンドを見舞っていく。阿部は下からスイープ狙いで股を掬い、そのまま足関節へ。正城が逃げたところで低いタックルを仕掛け、テイクダウンを狙った阿部。
しかし、阿部は正城のフロントチョークに捕らえられる。締め上げる正城、首を引き抜いた阿部はパウンド、立ち上がろうとしたが正城は足のフックを外さず中腰の阿部をもう一度フロントチョークに捕らえる! 渾身の力で締め上げる正城! バンタム級10位の正城が1位の阿部を一本で破るという番狂わせとなった。
▼第3試合 ライト級 5分2R
○山田啓介(日本/roots)
判定 3−0 ※20−19、20−18、20−18
●中尾享太郎(日本/シューティングジム横浜)
1R、低く構えて前に出て行く山田。中尾はどっしりと構えて右フック。間合いを保ったままのお見合いが続き、中尾がローからパンチ、そして胴タックル。組んだままロップ際で体勢を入れ替える両雄だが、これはブレイクに。ジャブを出す山田、中尾は左へ回りながら右ロー、山田が前に出てくると右ストレート。
再び距離の取り合いでお見合い、右フックで仕掛けたのは山田で中尾もカウンター狙いの左フック。ここで再び組みとなったが、離れ際に中尾が右ストレート! すぐに両足タックルに行く中尾だったが、山田が切りながら顔面へのヒザ蹴り!
2R、前に出る山田はジャブ、中尾は左フックから右ロー。山田が右フックで突っ込んでくると中尾は左フックを強振する。山田が前に出てくると右ローを合わせる中尾。山田の右に中尾が右を返し、それを軽いスウェーでかわした山田がカウンターの右ストレート! この一発で中尾の左目が腫れる。
すぐに両足タックルに行く中尾だったが、山田は突き放して打撃勝負。両手を胸の前でクルクル回す独特な構えからジャブを出し、中尾は右フックを振るっていくが、山田の圧力に下がらされる。
ローを蹴り続ける中尾は山田の左に合わせて右のクロスから組み付き、ついにテイクダウンに成功。四の字フックのバックマウントからスリーパーを狙うが、山田がリバーサル。
立ち上がる山田に食いついていった中尾を今度は山田がテイクダウン。マウントを奪い、バックマウントからパンチを見舞って、山田を背負ったまま立ち上がる中尾にスリーパーを仕掛けたところでゴング。中尾は鼻からポタポタと血を流し、最後の攻勢がものをいって山田が判定勝ちした。
▼第2試合 2007年新人王決定トーナメント準決勝 ライト級 5分2R
○谷口智則(日本/マッハ道場)
TKO 1R3分53秒
●直撃我聞(日本/PUREBRED大宮)
同階級の新人王決定トーナメントで優勝候補と目されている谷口はシード出場。この準決勝で対戦する直撃は昨年のアマ修斗全日本選手権の準優勝者で、1回戦では野口ヨシキを1RでTKOに破っている。谷口のセコンドには桜井“マッハ”速人。
1R、サウスポー同士の対戦、軽快なステップを踏む直撃に谷口がジャンプしてのパンチ。組み付いた直撃が首投げを狙うも投げられず、離れる。直撃の連打をかわして左のパンチを当てて行く谷口。
直撃のパンチはやや大振りで、谷口はよく見えている。直撃は右フック→左ストレートのコンビを繰り返して谷口を打ち気にさせてのタックル、首投げからバックに付く。すぐに立ち上がる谷口に胴タックルを仕掛けるもテイクダウンを奪えず離れる。
パンチでプレッシャーをかけていく谷口は、右フックからの左フックで直撃からダウンを奪う! 直撃はカウント8で立ち上がるとすぐにタックル、谷口はパンチでプレッシャーを与えていく。直撃が打ち合いを避けてタックルを繰り返し、谷口がアッパー&左右フックでどんどん前に出て行く。谷口のパンチで右目を大きく腫れあがらせた直撃がドクターチェックとなり、その場でドクターストップ。谷口は「ヨッシャー!」と大きく吼え、決勝進出を決めた。
▼第1試合 フライ級 5分2R
○猿丸ジュンジ(日本/シューティングジム横浜
デビュー戦)※伊藤淳二より改名
TKO 1R0分53秒
●豊島孝尚(日本/総合格闘技道場STF)
昨年のアマ修斗全日本選手権で準優勝している猿丸は、準決勝で室伏カツヤを下した実績を持つ。対する豊島は2002年のプロデビューからキャリア5年目を迎えたベテランだが、ここまで5連敗中。ランバー・ソムデートM16の参戦で、ますます活性化したフライ級戦線で頭角を現すのはどっちだ!?
1R、両者距離を縮めて打ち合う中、猿丸がクリンチアッパーの連打から右ストレート! 仰向けに倒れた豊島にパウンドを見舞い、猿丸が速攻勝利を飾った。
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