7月20日(金)東京・新宿FACEにて、MARS事務局主催『MARS 08 BURNING RED』が行われ、メインイベントでトルネード・ソン(韓国)が梶田高裕(GSB)に1R2分56秒三角絞めで一本勝ちし、デビュー以来続いている連勝記録を7に伸ばした。(MARS6勝・HERO'S韓国大会1勝)
自らの倍以上のキャリアを持つ梶田に挑んだソンは、序盤こそ梶田の打撃に苦しんだものの、得意のグラウンドの展開になると三角絞めで梶田を捕獲。梶田の首を一気に締め上げて、鮮やかな一本勝ちを収めた。
韓国人選手の中でも抜群の寝技テクニックを誇るソン。ソンによれば、柔術の師匠がヒーガン・マチャドの弟子で、ソンはヒーガンの孫弟子に当たるのだという。またソンはジャンジャック・マチャドのことを尊敬しており、自らの右腕に「失敗を恐れるな。挑戦しろ」というジャンジャックの言葉をタトゥーとして刻み込んでいる。
ここまで無敗記録を驀進し絶好調中のソンだが、実は大きな問題を抱えていた。それは韓国人選手であれば通る道、2年間の兵役である。これまでソンは兵役の期間をずらして、格闘家として活動を続けてきたが、それももう限界に達しており、プロとして活動できるのは年内までなのだ。すでにこの試合の前にも兵役に関する業務があり、1日1・2時間しか練習時間を確保することができなかった。
「これまでは運が良くて勝ち続けることができました。でももうその運はこれ以上続かないでしょう。もっと強くなっていきたい。12月の試合までは韓国でムエタイや柔術、グラップリングの試合をやってみたいですね。兵役があったとしても、格闘技は一生続けていきますよ」とソン。
尊敬する選手として須藤元気の名前を上げ「僕は須藤選手のことを目標にしていて、尊敬しています。僕も彼のように色んな分野に挑戦したい。それに僕は須藤選手よりも年が若いわけですから、須藤選手よりもチャンスがあるし、須藤選手よりも成功したいと思っています」と、残り少ない競技生活の目標を語った。
MARSエグゼクティブ・プロデューサーの天野勇気氏は次のソンの対戦相手について「試練と思われるような厳しい相手をぶつけたい」とコメント。さらに12月大会で70kgトーナメントを開催するプランがあることを明かしている。もしトーナメントが開催されるのであれば、それはまさにソンのためのトーナメント。ソンはこのビッグチャンスを生かして、“韓国の須藤元気”になることが出来るか?
MARS事務局
「MARS 08 BURNING RED」
2007年7月20日(金)東京・新宿FACE
開場17:30 開始19:00
▼メインイベント 70kg以下級試合 総合ルール
○トルネード・ソン(韓国/テグ異種格闘技アカデミー)
一本 1R2分56秒 ※三角絞め
●梶田高裕(日本/GSB)
1R、鋭いインローと左ミドルを飛ばす梶田。ソンはなかなか打撃でペースを掴めない。首相撲から鋭いヒザ蹴りを飛ばすものの、梶田にテイクダウンを許してしまう。ガードになったソンに対して、梶田は落ち着いてベースを作ってパウンド。
腰を上げてパスガードを狙っていく。しかしソンも長い手足を使って、梶田のパスガードをディフェンス。逆に梶田の担ぎパスガードを三角絞めで切り返す。体を起こそうとする梶田だったが、ソンの足が深く入っておりタップ。これでソンがデビュー以来無傷の7連勝を飾った。
▼セミファイナル 73kg以下級試合 総合ルール
―キム・ドヒョン(韓国)
試合中止 ※マイヤーが試合前のウォーミングアップで肩を負傷
―アダルベルト・マイヤー(ブラジル)
▼第4試合 77kg以下級試合 総合ルール
○べ・ミョンホ(韓国/闘神塾MAD)
判定3-0
●梁 正基(日本/STAND)
1R、パンチで前に出るミョンホに、梁はヒザ蹴りを突き立てる。手数の少ない梁に対して、ミョンホは距離を詰めてフックとアッパーを打ち込む。2R、ミョンホのパンチに梁の右フックがカウンターでヒット。
ミョンホは後退するものの、梁に追撃はない。手数の少ない梁にセコンドからも「手を出せ!」と激が飛ぶが、残り一分でラッシュを仕掛けたのはミョンホ。結局、圧倒的に手数で上回ったミョンホが判定をモノにした。
▼第3試合 65kg以下級試合 ブラスターバウトルール
○今井信祐(日本/AACC)
TKO 2R2分17秒 ※レフェエリーストップ
●氏原文男(日本/闘神塾)
1R、氏原はサウスポーの今井にインローと右ストレート。組みになってもバックチョークを狙うなど、アグレッシブに攻め続ける。
しかし2Rにパンチの乱打戦になると、今井の左フックと左アッパーがヒット!氏原がダウンを喫する。何とか立ち上がる氏原だったが、ダメージは明らか。今井のパンチをもらうと、すぐに二度目のダウンを奪われ、レフェリーが試合を止めた。
▼第2試合 67kg以下級試合 総合ルール
○杉内 勇(日本/team−ROKEN)
一本 1R0分39秒 ※三角絞め
●ジョニー・オノ(ブラジル/HARD COMBAT)
1R、前蹴りでオノを突き放し、ヒザ蹴りを連打する杉内。オノはこのヒザ蹴りをキャッチして、テイクダウンを許す奪うものの、杉内は落ち着いてオノのパウンドを阻止しながら、下から足を効かせて関節技を狙っていく。
そしてオノの動きに合わせて三角絞め! 腕を外に流して粘るオノに対して、腰を突き出すような形で一気にオノの首を絞り上げて、タップを奪った。
▼第1試合 76kg以下級試合 総合ルール
○木村直生(日本/EVOLUTION)
一本 1R3分20秒 ※パウンドによるタップ
●チョン・ドジェ(韓国/江南ボクシングランド)
1R、チョンのパンチを受けた木村だったが、タックルでテイクダウンを奪うと、インサイドガードから鉄槌。これでダメージを与えてタップを奪った。
▼オープニングファイト 83kg以下級試合
○増ブッチ 博(日本/AACC)
判定3-0
●エンリケ・シゲモト(ブラジル/MUAY
THAI DREAM TEAM/東海BJJ)
▼オープニングファイト 60kg以下級試合
○岩崎秀雄(日本/ライコンドー)
一本 1R2分40秒 ※フロントチョーク
●関根一隼(日本/マルワ格闘技)
▼オープニングファイト 70kg以下級試合
○石島大悟(日本/ライコンドー)
判定3-0
●三上智司(日本/マルワ格闘技)
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