パンクラス
「PANCRASE 2007 RISING TOUR
第13回ネオブラッド・トーナメント決勝戦」
2007年7月27日(金)東京・後楽園ホール
開場18:00 開始19:00
▼メインイベント ウェルター級暫定キング・オブ・パンクラシスト決定戦 5分3R
○井上克也(日本/和術慧舟會RJW/同級2位)
TKO 2R2分33秒 ※レフェリーストップ
●ファブリシオ・ナシメント(ブラジル/ノヴァウニオン・イタリア/bodog/同級5位)
1R、いきなりパンチで飛び込んでいくナシメント! そのまま強引に片足タックルに入って、テイクダウンを狙う。ロープを背にしながらもそのタックルを切る井上。一旦、距離が離れるものの、ナシメントの勢いは止まらず、再びタックルで突進する。
この2度のナシメントの突進をさばいた井上。タックルを切ってサッカーボールキック! フォーム度外視の右ストレートを放っていくナシメント。井上はナシメントのタックルに左ミドルを蹴る。インローと右ストレートを狙うナシメントだったが、序盤のような勢いはない。井上はあまり深追いはせずに、ナシメントの攻撃を捌く。
時折、勢い任せのパンチを振り回すナシメント。ガードも低いためカウンターのチャンスもあるのだが、ナシメントの突進に井上も真っ直ぐ下がってしまい、反撃に転じることが出来ない。ラウンド終盤、ようやく左ストレートから連打をまとめた井上だったが、決定打にはならず。
2R、ワンツーで前に出るナシメント。タックルを切られると、自ら寝転がるようにしてグラウンドを要求する。一旦はグラウンドを中とした井上だったが、しっかりベースを作ってインサイドに入ると、背筋を伸ばした状態から左ストレート!
ガードのナシメントは井上の手首をコントロールすることに集中してしまい顔面ががら空き。井上はそこに的確にパンチを落としていく。亀になるナシメントに井上はサッカーボールキック! 明らかにダメージが見えるナシメントは、タックルを切られると力なくガードに引き込む。逆に井上は左のパンチを容赦なく連打。ナシメントの動きが完全に止まったところで、レフェリーが試合をストップした。
これで2度目の暫定王者獲得となった井上だったが、リングでマイクを握ると「今日の試合内容じゃ暫定の王者になれてないと思うんで、もっと練習して本当に王者になりたいと思います」と悔しさを露にした。
▼セミファイナル ライト級 5分3R
○ジョゼ・アルド(ブラジル/ノヴァウニオン/bodog)
判定 3-0 ※30-28、30-27、30-29
●昇侍(日本/K.I.B.A.)
1R、ジリジリと前に出てプレシャーをかけるアルド。強烈な蹴りを放つ。いつもは打撃で前に出る昇侍だったが、アルドのプレッシャーに負けてロープずたいに後退する。
しかしアルドが距離を詰めたところで左ミドル。さらに左フックから右ローを飛ばす。徐々にパンチが当たり出した昇侍は左ボディから右フック、しかしアルドも打撃で応戦。昇侍をコーナーに詰めると左右のフック、そして首相撲からのヒザ蹴りを連打する。
そして豪快な投げでテイクダウン、一気にマウントポジションをとると、ブリッジで逃げようとする昇侍からバックポジションを奪う。絶体絶命のピンチを迎えた昇侍だったが、アルドの体を跳ね上げて脱出。アルドに二度目のテイクダウンを許し、マウントポジションを許すものの、ここでも体のバネを使ってスタンドに戻す。
ここから得意の打撃で勝負したい昇侍だったが、柔術家とは思えない強烈なローキックを飛ばすアルド。昇侍は左ミドルを蹴るものの単発に終わり、アルドにテイクダウンを許してしまう。
2R、1Rほどのプレッシャーがなくなったアルドに昇侍は右ミドル、そして左フックをフェイントにしての左アッパー。アルドはテンカオから距離を詰めてテイクダウンを狙うものの、昇侍はそれを許さない。再開後、アルドが胴タックルで突進してテイクダウン、しかし昇侍は背中を見せるようにして立ち上がり、グラウンドの攻防を許さない。
それでも昇侍をコーナーまで押し込んで、強引に引っこ抜くようにテイクダウンするアルド。昇侍の脇を空けさせてポジションをキープする。昇侍もアルドの体を突き放して立ち上がるのだが、アルドはタックルでしつこく昇侍の体をマットに転がし続ける。
3R、勝負を焦ったか、パンチが大振りになる昇侍にアルドが胴タックル。昇侍はアルドの体を蹴り離して立ち上がると飛びヒザ蹴り! しかしアルドのタックルの勢いが上回り、昇侍がテイクダウンを許す。腰を切って立ち上がろうとする昇侍。
アルドは昇侍の体をマットに寝かせはするものの、そこからの寝技に進展がない。必死にガードから三角絞めやアームロックを狙うのは昇侍は、残り2分過ぎ、何とか立ち上がることに成功するものの、アルドのテイクダウンを阻止できない。ハーフガードでがっちりと押さえ込むアルド。最後は完全にキープファイトに徹し、勝利を確実なものとした。
▼第7試合 ミドル級 5分2R
○福田 力(日本/KILLER BEE)
KO 1R1分9秒 ※パウンド
●佐藤光留(日本/パンクラスism)
1R、ワンツー。福田はジャブで距離を詰めて右ストレート。組みの展開になると佐藤は前転するように足関節を狙うが、福田はそれを押しつぶして鉄槌を落とす。
亀になって立ち上がる佐藤。福田はすぐにパンチで距離を詰めていく。佐藤は自ら飛びつくようにガードをとって再び足関節。しかし福田はしっかりと中腰でベースを作って、強烈な右ストレートを連打。するとこのまま佐藤は戦闘不能となり、AKA帰りの福田が圧倒的な力の差を見せ付けた。
▼第6試合 第13回ネオブラッドトーナメント ウェルター級決勝戦 5分2R
○藤井陸平(日本/和術慧舟會RJW)
判定3-0 ※20-20(優勢・藤井)、20-19、20-18
●岩見谷智義(日本/高田道場)
1R、藤井がリーチ差を生かして鋭いジャブ。岩見谷はパンチからタックルでテイクダウンを狙うものの、逆に藤井がそれを切って四つ組みの状態から逆にテイクダウンを狙っていく。ブレイク後、藤井はジャブで距離をとって岩見谷が組み付いて来たところに首相撲からのヒザ蹴り、岩見谷のタックルも見切ってテイクダウンを許さない。
岩見谷も思い切ってジャブで踏み込むのだが、リーチで勝る藤井のジャブが当たる。しかし岩見谷はそれでも藤井をロープまで押し込んで、遂にテイクダウンを奪う。頭をつけてパスガードを狙う岩見谷。藤井は足一本抜かれるものの、そこからは岩見谷の体を押してパスガードを許さない。
2R、藤井は距離を詰めていく岩見谷に対してヒザ蹴りとミドル。するとこのヒザ蹴りで岩見谷が右目の下を大きくカットし、ドクターチェックが入る。再開後、まるでスイッチが入ったかのように打ち合う両者! 一旦は組み合いになるものの、ブレイクになると藤井のワンツーがヒット! 岩見谷は思わず尻餅をつく。
岩見谷はすぐに立ち上がって藤井をロープまで押し込むものの、動きがなくブレイク。再開後、藤井のパンチに片足タックルでテイクダウンを奪う岩見谷。しかしそこから動くことが出来ずに、特に有効な攻撃がないまま試合終了となった。
▼第5試合 第13回ネオブラッドトーナメント ウェルター級決勝戦 5分2R
○ヨシロックT(日本/和術慧舟會A-3)
TKO 1R3分12秒 ※レフェリーストップ
●高田谷悟(日本/格闘技吉田道場)
弁髪で気合充分のヨシロック。試合開始のゴングが鳴ると強烈なインローを飛ばすと、片足から豪快にテイクダウンを奪う。
高田谷はブリッジでポジションを返そうとするが、ヨシロックは高田谷の体をコントロール。必死にタックルに切り替えようとする高田谷だったが、ヨシロックはそれを許さない。
逆にサイドバックの状態から強烈な鉄槌を落としていく。するとこの攻撃で高田谷が徐々に失速し、最後は高田谷の動きが完全に止まったところで、レフェリーストップ。
ヨシロックが圧倒的な強さを見せてトーナメントを制すると共に、大会MVPを獲得した。ヨシロックは優勝挨拶で「星野先輩、門馬先輩に続き優勝することができた。これも皆さんの応援のおかげです。今以上に強くなるために、今以上の努力します。これからも応援よろしくお願いします」
▼第4試合 第13回ネオブラッドトーナメント ライト級決勝戦 5分2R
○五十里祐一(日本/パンクラスP’sLAB東京)
判定 3-0 ※20-19、20-19、20-19
●松本晃市郎(日本/今田道場)
田原俊彦の『抱きしめてTonight』を入場曲に、着流し&日本刀という個性的な入場の五十里。1R、松本が片足タックルからテイクダウン、そのままパスガードしマウントポジションに移行する。五十里は背中を見せるも、そこからブリッジでインサイドガードに戻す。そこから一旦距離を取る五十里。仕切り直しとばかりに、タックルでテイクダウンを試みるものの、松本もそれを潰してテイクダウンを許さない。
2R、首投げを狙う松本のバックに着く五十里。一度はポジションを返され、逆にバックを奪われそうになるものの、すぐに体を反転させてインサイドに収まる。そこからコツコツとパンチを落とす五十里。
必死に立ち上がろうとする松本だったが、五十里のしつこいタックルを切ることが出来ず。逆にテイクダウンを奪う五十里はサイドから鉄槌を落とす。終了間際、松本が亀になって立ち上がるが、五十里が松本の投げを潰してテイクダウンに成功。マウントからパンチを落としたところで終了。五十里が持ち味の粘り強さを発揮して勝利した。
▼第3試合 日韓対抗3VS3 大将戦 フェザー級 5分2R
○ジョン・ジンソク(韓国/ウルフ・チーム・マックス)
KO 1R0分40秒 ※右フックからパンチの連打
●村山トモキ(日本/AJジム)
1R、軽くジャブを付く村山だったが、ジャブの同時打ちになるとジンソクのジャブがヒット! この一発でバランスを崩した村山に一気にパンチで襲いかかるジンソク。連打の中から右フックを当てると、村山がそのままマットにバッタリ。キックボクサーの村山がKO負けを喫するという、予想外の結末を迎えた。
▼第2試合 日韓対抗3VS3 中堅戦 ウェルター級 5分2R
○坂口征夫(日本/TEAM坂口道場)
TKO 1R0分44秒 ※チョークスリーパー
●チェ・キーソク(韓国/チームタックル)
前日の計量ではウェルター級(75kg未満級)でありながら、70kgを切る体重だったキーソク。リミット一杯だった坂口との体格差は明らかだ。
1R、キーソクはいきなり右フックから突っ込んでいく。坂口はその突進を受け止めると、首相撲からヒザ蹴りを連打する。頭が下がるキーソクはこのこのヒザ蹴りを被弾し、鼻から出血。これを嫌って背中を向けると、坂口がすぐに後ろに回ってチョークスリーパーを狙う。坂口はスタンドのまま強引にキーソクの体を引っこ抜くように首を絞め続ける。最後はキーソクをマットに倒してタップを奪った。
▼第1試合 日韓対抗3VS3 先鋒戦 ライト級 5分2R
△伊藤崇文(日本/パンクラスism)
判定 0-0 ※20-20、20-20、20-20
△カク・サジン(韓国/チームタックル)
※サジン・クォークより改名
1R、タックルからテイクダウンを狙うサジン。伊藤はそれを切ってがぶりからバックに回る。
すぐに体をずらしてバックを許さないサジン。スタンドの展開になると、パンチとタックルでテイクダウンを狙うレスリングの中心の展開に。互いのポジションが激しく入れ変わるスピーディな攻防が続いた。
2R、伊藤のタックルを切ってグラウンドで上のポジションをとったサジンは、亀になる伊藤の後についてバックコントロール。
伊藤も必死にポジションを入れ替えるが、サジンのレスリング力とバックコントロールに苦しめられる。
しかしサジンにも有効な攻撃はなく、どちらにもポイントがつかずドローに終わった。
▼パンクラスゲート第4試合 ライト級戦 5分2R
―井上誠午(和術慧舟會GODS)
時間切れドロー
―原 昭仁(坂口道場)
▼パンクラスゲート第3試合 フェザー級戦 5分2R
―佐々木亮太(B-CLUB)
時間切れドロー
―齊藤 曜(パラエストラ仙台)
▼パンクラスゲート第2試合 フェザー級戦 5分2R
―杉島大輔(和術慧舟會東京本部)
時間切れドロー
―江上 剛(品川CS)
▼パンクラスゲート第1試合 フェザー級戦 5分2R
―本田智昭(KILLER BEE)
時間切れドロー
―江泉卓哉(総合格闘技道場武門會)
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