全日本キックボクシング連盟
ALL JAPAN KICKBOXING 2007
「Super Fight2007」
2007年7月29日(土)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:00
▼ダブルメインイベント第2試合 日本・オランダ国際戦 3分5R
△山内裕太郎(AJ/全日本スーパーウェルター級王者)
判定 1−1 ※50−49、49−50、49−49
△レイ・スターリン(オランダ/KBアーネム/WFCA世界ミドル級王者)
今大会の大トリを任された山内と拳を交えたのは“ドラゴに勝った男”スターリン。山内は今年4月のK-1MAX横浜アリーナ大会でドラゴに計5度のダウンを喫してTKO負けしているだけに、スターリンに勝利してドラゴ戦の敗北を払拭したいところ。
1Rから圧力をかけて前に出て行ったのはスターリン。山内をロープまで詰めて左右のフックから右ローを蹴っていく。これに対し山内はしっかりと両腕ブロックをしてから右ローを返してく。
2Rに入ると山内はパンチで距離を詰めてくるスターリンに両腕ブロックからの右ヒジ!これでスターリンの額を切ることに成功する。
その後も山内はスターリンのパンチをブロック→右ヒジを繰り返し、山内のヒジを警戒するスターリンはなかなか距離を詰められなくなる。
スターリンは前に出てワンツー、左右のフックを繰り出すものの、山内のブロックは固い。逆に山内が下がりながらも右ストレートや右ローを当てていく。
3R以降は前に出るスターリンと下がりながら攻撃を返す山内という展開に。4R終了間際にスターリンが左フックをクリーンヒットさせるが、山内もすぐに右フックを返してそこから細かい連打。最終ラウンドまで一進一退の攻防が続く。
そして5R、ここで勝負を決めたい山内は右ストレートを皮切りに左右のパンチに連打と右ミドル、さらに右ヒジを繰り出していく。
しかしスターリンの手数は一向に減ることがなく、互いに手を出し続けた状態で試合終了。判定は3者3様のドローに終わった。
試合後「無理にKOを狙うよりは判定でもいいから勝ちたかった。何が何でも勝ちたかったからとても悔しい」と語った山内。
しかし課題とされていた体力面に関しては「力負けもしなかったし、まだ発展途上だけど肉体改造の効果は出ている」と話し、「ポジティブに考えれば前回ドラゴにKO負けして、今回はドローだった」と前向きな発言も残している。
対戦相手のスターリンも「世界の真のトップは魔裟斗やサワー、ブアカーオといった数名だけど、山内はそのすぐ下のレベルの選手だと思う」と山内の実力を認めており、山内にとっては意味のあるドローだったと言えるだろう。
▼ダブルメインイベント第1試合 日本・オランダ国際戦 3分5R
○山本優弥(青春塾/全日本ウェルター級王者)
判定 3−0 ※50−45、49−45、50−45
●ジミー・エイメルス(オランダ/KBアーネム/WFCAオランダ・ウェルター級王者)
今年5月に悲願の全日本王座を獲得した優弥の対戦相手はWFCAオランダ王者のエイメルス。
オランダ出身の選手らしく飛び跳ねるようなステップを使ってパンチのローのコンビネーションで攻めるエイメルスに対して、優弥はパンチをブロックして強烈な右ローを返す。さらに鋭い左ミドルを飛ばす優弥は2R開始早々に左ハイキックで先制のダウンを奪う。
このまま一気に攻め込みたい優弥だったが、逆にエイメルスの右ハイキックでぐらついてしまう。しかしその後、優弥は左ミドルを中心に攻撃を建て直し、右ローを何発も叩き込んでいく。
試合序盤こそはステップワークを使っていたエイメルスだったが、試合が進むに連れて優弥の蹴りで動きが止まってしまう。
左ミドルでエイメルスの脇腹をドス黒く変色させ、左ボディを打ち込む優弥。
エイメルスの脅威のタフさにKOこそ出来なかったものの、50−45、49−45、50−45という大差の判定勝ちでオランダからの刺客を退けた。
▼ダブルセミファイナル第2試合 日本・タイ国際戦 70kg契約 3分5R
○カノンスック・JMC(タイ/JMC横浜/元ラジャダムナンスタジアムライト級10位)
KO 3R2分30秒 ※右ヒジ
●望月竜介(U.W.F.スネークピットジャパン/全日本スーパーウェルター級1位)
4月大会では、デビュー以来無敗街道を突き進んでいた大輝に土をつけた望月。中量級戦線に生き残るためにも大事な一戦だったのだが…
1R、望月は大輝戦でも見せた左前蹴りから攻撃を組み立てる。カノンスックはそれを距離を外してよけると左ミドルと右ロー。望月よりも先手を取って攻撃を仕掛ける。コツコツとローを蹴る望月。
2Rに入ると望月の左インローと右ローでカノンスックの動きが止まる。1Rまでの勢いがなくなったカノンスックは得意のパンチで前に出て行くが、望月はそれをしっかりとブロックして右ローを返す。
そして3R、望月がカノンスックの顔にパンチをまとめて、カノンスックが棒立ちになったところに強烈な右ロー! ここまで何とか表情には出さなかったカノンスックだが、このローで顔をしかめる。
完全にローを嫌がっているカノンスックだったのだが、ここから望月はローではなくパンチを中心の攻めに変わる。これにはローで行けと指示を出していたセコンドの大江慎も「何やってんだよ!」と怒りの声を飛ばす。すると組みの攻防からカノンスックが右ヒジ!
この一発で望月は後方にばったりと倒れてダウンを喫してしまう。不意を突かれた一発だったのか、望月のダメージは大きく、カウント内に立ち上がることができず。圧倒的に試合を有利に進めていた望月がまさかのKO負けを喫した。
▼ダブルセミファイナル第1試合 日本・タイ国際戦 70kg契約 3分5R
○クンタップ・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック/M-1スーパーウェルター級王者)
判定 2−0 ※49−49、49−47、49−48
●大輝(JMC横浜/ラジャダムナンスタジアムウェルター級9位・全日本スーパーウェルター級2位)
望月戦で初黒星を喫した大輝が再起戦を迎えた。相手は日本人に4連勝中の“凶器戦士”クンタップだ。
1R立ち上がりは互いにミドルを蹴り合う静かな展開。しかし徐々にクンタップがペースを掴み、大輝の左ミドルをブロックして右ロー、パンチで大輝を下がらせて右ローを蹴る。さらにバランスのいい大輝を軸足払いで2度もマットに転がした。
2R以降も試合を支配するのはクンタップ。無理に前には出ずに、下がりながらも的確に左右のミドルを蹴り、大輝が距離を詰めようとすればジャブとワンツーでそれを許さない。大輝はクンタップのパンチをもらうと、すぐに後退してしまうため、なかなか攻めに転じられない。
クンタップのスタミナが切れ始めた3Rには右フックを当てる場面があったものの、大輝はクンタップが前に出るとやはり後退。逆にロープを背負ったところでクンタップに左フックからの連打をもらい、組み付いてパンチの交換をさける。
4R、寺岡会長に「前に出ろ!」と激を飛ばされる大輝は右ローからワンツー、右ストレートを立て続けに当ててクンタップの動きを止める。5Rに入ると完全に逃げ切りモードに入ったクンタップに怒涛のラッシュを仕掛けた大輝だったが時既に遅し。クンタップが序盤のポイントを守る形で判定勝ち。大輝にとっては屈辱の2連敗となった。
▼第5試合 全日本ウェルター級ランキング戦 サドンデスマッチ3分3R延長1R
○湟川満正(AJ/全日本ウェルター級1位)
延長判定 2−1 ※10−9、9−10、10−9
●吉川英明(チームドラゴン/J-NETWORKウェルター級1位)
距離を詰めてくる吉川をミドルで突き放す湟川。そしてパンチの距離になると左フックでダウンを奪う。しかしここから吉川が猛反撃!
顔面のガードを固めてジリジリと前に出て、左右のフックと相手の奥足を内側から蹴る変則的なローを蹴る。この追撃で本戦はドローとなり、マストシステムの延長戦へ。
延長では吉川のパンチと湟川のテンカオが何度も交錯。このラウンドもほぼ互角の展開が続いたが、ジャッジは湟川のヒザ蹴りを支持。スプリットの判定ながら湟川が全日本キックの牙城を守った。
▼第4試合 ライト級 3分3R
○卜部弘嵩(西山道場/2007年全日本新空手K-2中量級王者)
KO 1R0分58秒 ※3ノックダウン
●西山洋介(光)
デビュー戦とは思えないほど落ち着いた表情の卜部。試合が始まると左フックから強烈な右ストレートを叩き込んで、いきなり西山からダウンを奪う。
さらに卜部は両手をグルグル回して大月晴明を彷彿とさせるパフォーマンスで会場を沸かせると、右ストレートと左ハイキックで立て続けにダウンを奪い、ド派手なKO勝利でデビューを飾った。
▼第3試合 ライト級 3分3R
△白濱卓哉(建武館/2006年全日本新空手K-2軽中量級王者)
判定 0−1 ※30−29、30−30、30−30
△園山翔一(白仙会/2007年全日本新空手K-2軽中量級第3位)
デビュー戦の影響からか園山はややパンチが大振り。白濱は距離を取ってミドル、園山がパンチで前に出てくれば首相撲に捕まえる。
園山は左フックから飛び込んで一気に連打をまとめるが、白濱もそれに負けじとパンチで応戦し真っ向から打ち合う。どちらも手数を出し続けた試合だったが、判定はドローに。
▼第2試合 フェザー級 3分3R
○九島亮(AJ)
TKO 2R0分40秒 ※ドクターストップ
●大前力也(KSS健生館/2006年全日本新空手K-2軽量級王者)
勢いよくパンチで前に出て行く大前が先制のダウンを奪う。しかしその直後に九島が左ハイキックからヒザ蹴りでダウンを奪い返す。
するとこの攻撃で大前は鼻から大量の出血、ドクターチェックが入る。2Rに入ると九島は首相撲狙いにシフトチェンジ。
大前を首相撲で捕まえてヒザ蹴りの連打を叩き込むと、大前の鼻からさらに激しく出血。ここでドクターストップが宣告された。大前にとっては悔しい敗戦となったが、鋭いパンチでダウンを奪っているだけに、首相撲への対応が身に付けば今後の活躍にも期待できるだろう。
▼第1試合 バンタム級 3分3R
○瀧谷渉太(桜塾/2007年全日本新空手K-2軽量級王者)
KO 1R2分12秒 ※左ヒザ蹴り
●ケンゴ(格闘技道場G-1)
最初は動きに固さも見られた瀧谷だったが、右フックを当てると動きがやわらかくなり、左ストレートや左ミドル、首相撲の離れ際に右フックを当てる。
そしてケンゴが組み付いてきたところで瀧谷は鋭い左のヒザ蹴り! これがボディに突き刺さると、ケンゴはダウン。そのまま立ち上がることが出来なかった。
▼オープニングファイト第2試合 ライト級 3分3R
○渡部太基(藤原)
KO 3R1分51秒 ※左ハイキック
●丹藤義則(AJ)
▼オープニングファイト第1試合 ウェルター級 3分3R
○清水 武(藤原)
KO 3R1分47秒 ※左ローキック
●古屋一樹(光)
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