全日本キックボクシング連盟主催
ALL JAPAN KICKBOXING 2007
「Kick Return/Kickboxer of the best 60 トーナメント〜開幕戦〜」
2007年8月25日(土)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:00
観衆=2,090人(超満員札止め)
▼第9試合 「Kick Return」Kickboxer
of the best 60 トーナメント1回戦 Bブロック
○大月晴明(WPKC世界ムエタイ・ライト級王者/AJKF)
TKO 5R2分21秒
●カノンスック・ウィラサクレック(M-1フェザー級王者/タイ/ウィラサクレック・フェアテックス)
1R、サウスポーにどっしりと構えるカノンスックは左ロー、大月は右のインロー。カノンスックの左ローをかわして大月が右ロー。右ローから右フックを放つ大月はスウェーするカノンスクのボディを叩く。この一発でカノンスックの表情から余裕が消える。
大月の右ミドル、カノンスックも右フックを返す。カノンスックの左ハイキックが大月の首筋をかすめたが、大月は左ロー。上にプレッシャーをかけながら前足を左右で蹴っていく。
2R、またもカノンスックの左ハイキックが大月をかすめる。カノンスックが右を突き刺し、大月のパンチに縦ヒジを合わせる。大月がボディから右フック! カノンスックもヒジ。大月のボディがめり込む!
大月の左フックがヒット! カノンスックが左ロー、大月が右フック。大月の左右フックをカノンスックがブロックしてインからストレートを狙ってくる。
3R、大月が右ミドルから左右のフック、右ボディから右フック、嵐のようなフックを繰り出していく大月。カノンスックもヒジを繰り出す。大月がローからボディ、左右フック、ローを蹴って再びボディ。
大月がローに左を合わされ、腰を落とすがこれはスリップ。ボディを叩く大月、カノンスックの左ハイ。次第に動きが止まり始める大月。手は出してはいるものの、大月は大振りが多く、ボディは当たっているがその他の攻撃にキレがなくなった。逆にカノンスックは圧力をかけていく。
4R、左右のフックをなぎ払うように放つ大月、右のパンチが前へ出てくるカノンスックを何度も捕らえるが、カノンスックは構わずに前へ出てくる。カノンスックの左ロー、ボディ。
カノンスックのボディに下がる大槻。カノンスックが圧力をかけてパンチ、ロー、大月はほとんど手が出なくなった。 コーナーへ戻る大月は何度も首を横に振る。
5R、カノンスックが前へ出て左ミドル、大月は左ロー。カノンスックの左ミドルが快音を発してヒット! 大月のフックにも左ミドルを合わせ、足払いでコカす。
カノンスック優勢のまま時間が進み、劣勢を覆せない大月。しかしその刹那、大月の大逆転の左フックが強烈にヒット!
グラグラとなるカノンスックを大月が左フックでなぎ倒す! カノンスックがダウン! 立ち上がったカノンスックのアゴを大月の下からの左フックが捕らえた瞬間、レフェリーがストップ!
カノンスックはカッと目を見開き、ロープにもたれかかったまま呆然としてTKO負けの宣告を聞いた。
これで10・25代々木大会で行われる決勝トーナメント、準決勝は大月晴明VS前田尚紀、石川直生VS山本真弘に決定した。
▼第7試合 「Kick Return」Kickboxer of the
best 60 トーナメント1回戦 Aブロック
○石川直生(全日本スーパー・フェザー級王者/青春塾)
判定 3−0 ※50−48、50−48、50−49
●村浜武洋(1997年K-1JAPANフェザー級王者/大阪ファイティングファクトリー)
リング中央で向かい合った両者、大きな身長差に場内がどよめく。
1R、前蹴りでフェイントとしながら前へ出る石川。村浜は上を見ながら右ロー。石川の前蹴りで村浜が吹っ飛ぶ。立ち上がった村浜へ石川がテンカオ。村浜のフックは空振り、石川がすかさず組んでヒザ蹴りを入れる。
右ミドル、右ハイキックを飛ばす石川は接近するとテンカオから右ヒジ。村浜が打ち合おうと距離に入ると、待ってましたとばかりに石川のテンカオが突き刺さる。入り込むのにツーステップ必要な村浜に対し、石川は一歩踏み込むだけ、しかもその一歩目でテンカオをカウンターで決める。
石川が顔面への前蹴り、ボディへの前蹴りで突き放す。組んではヒザ。歩くように前へ進む石川はテンカオ。村浜がパンチの距離に入り、フックを出してもテンカオを決める。
そのまま組み付いてヒザに行く石川。村浜の連打を完全に封じている。真正面から入る村浜はリーチ差を克服できない。
2R、いきなり組みに行く石川、村浜の倒れ際にも右ヒザを頭に入れる。石川が前蹴りから長距離のストレート、そしてヒザ。村浜は右ローを蹴っていくが、石川の右ストレートに仰け反る。連続してヒザをもらう村浜は入ろうとするところへもテンカオをもらう。
村浜はボディから右ストレート、フックへ行こうとすると石川がヒジからテンカオ。石川が飛びヒジに行くとバッティングとなって石川が右の眉上から流血。
3R、歩くような前蹴りから村浜が突っ込もうとすると石川はテンカオのカウンター。そのまま組み付いてヒザ。村浜の距離、パンチは完全に封じられた。村浜がアッパーからフックで入り込む。石川は飛びヒザ! 再び石川にドクターチェックが入る。
左右にフェイントして入り込もうとする村浜、石川は前蹴り、入ってくるところへテンカオ。村浜のパンチは空を切る。石川の右ロー、右ハイ、右ミドル。
石川は興奮したか、後頭部へヒジを入れてしまい注意が与えられ、場内からはブーイング。村浜は右ロー、パンチで行こうとする。村浜が徐々に圧力をかけ始め、石川の前蹴りをサイドに交わして左右のフック!
4R、右ローを連打する石川、村浜は右のパンチから入り込もうとする。しかし、石川が左ヒザで顔面を蹴り上げ、ローと前蹴りで距離をとる。村浜が強引に入っていこうとすると組んでしまう石川。村浜の入り際にはテンカオ、そのまま掴んでヒザ連打。
村浜が左フックをヒットさせたが、その直後に石川のテンカオがグサリ。村浜のボディ、石川は顔面へのヒザからヒジ、左右のヒザ連打。村浜の右フックに石川が左ヒジを合わせる。
5R、村浜が左右のフックから右ロー、石川は前蹴りで距離を取りつつハイキックを狙い、村浜が入ってくるとテンカオから組み付いてヒザ。組まれてしまうと村浜は何も出来ず、苛立ちからか首投げを見舞おうとする。
石川の顔面前蹴り、村浜の左フックが顔面にヒットするも石川は組み付いてヒザ。前に出る石川は組みついてヒザ、村浜の頭を下げて顔面へヒザを狙っていった。
身長・リーチの差が如実に現れ、インファイトに勝負を賭けるしかない村浜に対し、決して打ち合わず組み付いて自分のやりたいことだけをやった石川。試合としては噛み合わない展開だったが、石川が公約どおり代々木の決勝トーナメントへ駒を進めた。
▼第6試合 「Kick Return」Kickboxer of the best 60 トーナメント1回戦 Aブロック
○山本真弘(全日本フェザー級王者/藤原)
KO 2R2分33秒
●大宮司進(M-1スーパー・フェザー級王者/シルバーウルフ)
1R、山本が右へ回りながらジャブと右ロー、大宮司の右ロー&ミドルをスウェーとステップバックでかわし、左ローキック。山本が正面に立つと大宮司が左ミドル。
山本はサイドへ回りながら右フックから左ストレート。特に左ストレートが決まる。ジャブを突きながら右へ回っていく山本、大宮司が飛び込み様に放った右アッパーに右フックのカウンター!
2R、回り続ける山本、大宮司にハイキックを蹴られると同じハイを返す。山本の止まったところに強烈な右ミドルを叩き込む大宮司。山本はインファイトでボディを叩きに行ったが、バッティングになってしまい大宮司が流血。
ジャブを出しながら右へ回る山本は左ハイキック、大宮司も左ミドルを返し、一気に打ち合いに持っていったが、山本の左ショートのカウンターで大宮司がダウン!
IKUSA GPの決勝戦を髣髴させる左右フックの連打でツメに入る山本、右フックから右のアッパーで2度目のダウンを奪取!
大宮司は組み付いてこのピンチを逃れようとしたが、ラスト30秒、再び山本が左のショートでダウンを奪い、大宮司は膝から崩れ落ちた。
「大宮司選手は左のミドルが2倍くらい強いと言ってましたけど、賞金の掛かった僕は1.5倍くらい強いんで」と、山本は2度目の60Kg級トーナメント制覇へ一歩進んだ。
▼メインイベント 全日本バンタム級選手権試合 3分5R
○藤原あらし(SVG/王者)
TKO 4R2分06秒
●寺戸伸近(BOOCH BEAT/挑戦者/同級1位)
※藤原が初防衛に成功
1R、右ローの蹴り合いからサウスポーのあらしが左ミドルをやや遠目の距離からヒットさせていく。寺戸はあらしが左ミドルを出した直後に左のパンチを返し、パンチからローへ繋げる。
2R、あらしが右ミドルを混ぜながら左ミドル、左ストレート、左ハイ。前半は完全にあらしのペース。寺戸もワンツーでグラつかせたが、すぐにあらしは体勢を整えて左ミドル連打で盛り返す。あらしの上・中・下に振り分ける攻撃が冴え渡る。
3R、あらしは寺戸の右のパンチを右手でパーリングしながら寺戸の背後へ回る。この動きが随所に出ていた。左ミドルを中心に、寺戸が入ってくるとヒジ。寺戸はワンツーで入っていくも、あらしに回り込まれて左ミドルの連打をもらう。完全にあらしペース。
4R、寺戸がパンチで来るとサッと回り込んで攻撃に繋げるあらしの左右連打が面白いように決まる。あらしは左の攻撃だけでなく、右ジャブ、右フックも効果的に使う。
寺戸が強引に入ってきたところであらしは首ヒザ蹴りの連打! 逃げようとする寺戸へさらにヒザで追い討ちをかけ、倒れ際に右ヒジ! 寺戸ダウン! 歓声が大爆発する!
立ち上がった寺戸だがダメージは濃く、あらしは再びの首ヒザ連打から右ヒジ! ここで寺戸のセコンドからタオルが投入され、あらしはガッツポーズ! 壮絶な決着に場内は大歓声!
「全日本キック、最高!」あらしは高らかに宣言した。
▼セミファイナル 全日本フェザー級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R延長1R
○上松大輔(チームドラゴン/同級7位)
判定 3−0 ※30−29、30−29、30−29
●岩切博史(月心会/同級6位)
1R、上松は下がりながらジャブとロー。岩切は前蹴りで距離をとりながらパンチを返す。上松は右フックからレバーに繋げるコンビネーションを多用し、右ボディストレートとレバーを次々とヒットさせていく。
2R、上松がレバーから右ローのコンビネーションを的確に決めていく。岩切はストレートの連打からヒジ。前に出るのは岩切で、上松はややコーナーを背負う場面が多いが、ボディを叩いての右ローで主導権を握る。岩切がパンチを放ってくると、その3〜4倍の回転力でパンチを返していく。
3R、岩切が勝負に出てパンチの連打で上松をコーナーへ押し込んでいく。上松はコーナーやロープを背にするが、しっかりブロッキングしてフックやアッパーを返す。岩切はマシンガンパンチで手数を出すも、上松のブロックを破れず逆に返しのパンチをもらってしまっていた。
いつもより慎重なように見えた(前回の全日本キックで1RKO負けを喫したためか)上松だったが、テクニックで完封して全日本キックのリングでは初勝利。師匠である前田憲作がかつて巻いていた、全日本キックフェザー級王座のベルトへ一歩前進した。
リングサイドで試合を観戦していた藤原敏男会長は、「いい選手だね。打たれ強いし」と上松を評した。
▼第3試合 フェザー級 3分3R
△永野裕典(和術慧舟會DUROジム)
判定 1−0 ※29−29、29−29、30−29
△梅原ユウジ(REX JAPAN)
▼第2試合 バンタム級 3分3R
○菊地 慧(藤原ジム)
判定 3−0 ※28−26、28−26、28−26
●那須儀治(WSK/興気塾/2004全日本新空手K-2軽量級王者)
▼第1試合 54kg契約 3分3R
△尾田兼次(S.V.G.)
判定 1−0 ※30−29、29−29、29−29
△菅原雅顕(和術慧舟會DUROジム/修斗世界バンタム級7位)
▼オープニング第3試合 ミドル級 3分3R
○YO次郎(P’s LAB東京)
KO 1R2分59秒
●夏鬼(SOUL GARAGE)
▼オープニング第2試合 バンタム級 3分3R
○輝龍(チームドラゴン)
不戦勝
●塚原 健(青春塾)
▼オープニング第1試合 ミドル級 3分3R
△三澤勲大(韓道場)
判定 0−0 ※28−28、28−28、28−28
△ハイン・ディオ(チャモアペット)※デビュー戦
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