株式会社キルゴア/スマックガール実行委員会
「SMACKGIRL GRAPPLING QUEEN TOURNAMENT2007」
2007年9月24日(月/祝)東京・北沢タウンホール
開場10:15 開始10:30
▼ライト級(-52kg)
藤井惠が絶対的な本命と思われたこの階級。そのとおり、藤井は難なく決勝まで進んできた。一回戦で平林直子をフロントチョークで一蹴すると、準決勝では山崎裕子をアンクルホールドで秒殺した。
もう一方のブロックを勝ち上がってきたのも、これも予想通りというべきか、レスリングをベースに持つ高林恭子だった。一回戦はアンクルで、準決勝はスリーパーで、藤井と同じく連続一本勝ちで決勝に出場することとなった。
そしてその両者が激突した試合は、大半がスタンドレスリングでの攻防となった。互いにテイクダウンの攻防には自信を持っているため、なかなか中に入って組み付くことができず、見合って首や手首を取ろうと両者の腕が交錯する。特にこれまでテイクダウンと極めの強さを最大の武器に勝ち上がってきた藤井には嫌な展開だ。
それでも藤井はチャンスを逃さなかった。かすかに組み付いた瞬間、内股で高林を投げ飛ばし、テイクダウンポイントを獲得! そこからアキレスを狙っていくが、高林もヒールで切り返すなど、見応えのある攻防に。
しかし再びスタンドに戻ると、藤井も高林もテイクダウンにいけず、見合ったまま試合が終了した。テイクダウンの強い相手にはてこずることもある藤井だが、それでも一瞬の勝機を逃さないのは、さすが女王の貫禄といったところだろう。
優勝:藤井惠(AACC)
準優勝:高林恭子(ALIVE)
3位:茂木康子(ストライプル)
▼フライ級(-48kg)
最初の山は準決勝で訪れた。昨年のこの大会で優勝した玉田育子と、生粋のグラップラー・小寺麻美の対戦だ。得意のスピードある動きを活かして一回戦で一本勝ちしていた玉田は、小寺のうるさいガードワークを突破し、ハーフガードの状態まで持っていくと、そのまま上からチョークを極めて決勝に進出した。
続いて決勝に進出したのは、関西の関係者の中では絶大な評価を得る花澤直。昨年4月のスマック大阪大会で、グラップリングルールで大室奈緒子というトップ選手を下している花澤は、総合の世界で活躍する花澤大介13の妹である。その評判どおり、圧倒的な強さを発揮した花澤は、一回戦、準決勝共に腕十字を極め順調に勝ち上がった。
そんな両者の一戦は、静かな立ち上がり。両者見合ったまま攻防が無く、膠着の注意アドバンテージ、さらに2ポイントが取られてしまう展開に。その流れを断ち切ったのは、花澤だった。まずテイクダウンを奪うと、玉田のスイープをディフェンスしてパスガード! しかし、そこから腕を狙っていったものの、逆に玉田に返されてしまう。
ここで玉田はリバーサルとハーフガードのアドバンテージを獲得するが、ポイントまでには至らず。終了間際には花澤は玉田にパスガードをなんとかディフェンスしながら、危ないシーンのままタイムアップ。なんとか7-2で逃げ切った。これで全国的な実力を証明したといえる花澤。新たなグラップリングクイーンの誕生か!?
優勝:花澤直(総合格闘技道場コブラ会)
準優勝:玉田育子(AACC)
3位:小寺麻美(REDIPS)
▼ミドル級(-58kg)
スマックミドル級女王の端貴代と、前年度優勝の赤野仁美が不参加の中、この階級は、強力なツートップの一騎打ちとなった。
まず藪下めぐみが25−0と圧勝で準決勝を突破すると、2002&2005同大会王者の二宮亜基子も準決勝で13−2という大差の勝利。
予想通りの二人が進んできた決勝は、まず藪下が得意の投げでテイクダウンを奪い、ポイントを先行。そのまま抑え込みに入ろうとする。しかし下からの展開を得意とする二宮は、藪下を突き放し、シッティングガードの体勢を取る。ここで藪下も相手に合わせて座り込むが、このルールでは上にいた選手が攻めないと膠着の注意を受けてしまうため、二宮のアドバンテージが与えられた。
藪下はルールに対して首をかしげながら、飛び込んで二宮のシッティングガードを崩そうとするが失敗。すると二宮はすかさず藪下の足に絡みつきながら、バックを奪って4ポイントをゲット! さらに二宮が首に腕を回すと、藪下は立ち上がるが、二宮はそのまま首を締め上げる! しばり耐えた藪下だったが、もうタップするほかなかった。
優勝:二宮亜基子(ALIVE)
準優勝:藪下めぐみ(巴組)
3位:葛西むつみ(パラエストラ東京)
▼無差別級
本命不在という予想が立ったこの階級では、まず一回戦で、実績では他を圧倒するたま☆ちゃんが新鋭・弁慶を相手に終始上を取りながら、最初にポイントを取られていたために敗れ去った。しかしその弁慶も、準決勝で佐藤瑞穂に15−0と完封されて敗退する。
一方、混戦の模様を呈したトーナメントで、極めの強さを発揮したのは、佐藤と同門の竹下嘉奈子だった。いまだ総合では無敗の竹下は、一回戦を腕絡みで、準決勝を腕十字で勝ち進む。そして決勝は、竹下と佐藤の同門対決となった。
まず試合のペースを握ったのは佐藤。柔道ベースのテイクダウンの強さを発揮し、竹下を倒すとそのままパスガードでポイントを獲得する。佐藤が腕を取りにいったところ、竹下はリバーサルに成功し、パスガードのアドバンテージも得る。しかし竹下が腕十字を狙った瞬間、佐藤がリバーサル→パスガード→マウントとポイントを連取! 佐藤の一方的なペースとなってきた。
ところがここで佐藤の腕十字をかわした竹下がすかさずバックを奪い、スリーパーへ! 佐藤はタップし、竹下が見事な大逆転勝ちで、同門決勝を制した。
優勝:竹下嘉奈子(和術慧舟會東京本部)
準優勝:佐藤瑞穂(和術慧舟會東京本部)
3位:弁慶(ガムランナック)
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