パンクラス
「PANCRASE 2007 RISING TOUR」
2007年9月30日(日)大阪・梅田ステラホール
開場15:00 開始16:00
▼メインイベント 第7試合 フェザー級戦 5分3R
○藤原大地(パンクラス稲垣組)
KO 2R0分9秒 ※左ハイキック
●砂辺光久(P’s REAL/同級4位)
メインイベントで藤原大地との対戦が決定していたエマニュエル・フェルナンデス(フレンチ・トップチーム)が、家族に不幸があったため今大会を欠場。フェルナンデスの代役として、急遽、フェザー級4位の砂辺光久が出場することとなった。砂辺は今月5日の後楽園大会で吉本光志(AJジム)と対戦したばかり。背中の大部分をテーピングでがっちり固定するなど、明らかにコンディションの悪さがうかがえた。
1R、大振りのフックやアッパーで距離を詰める藤原に対し、砂辺はローを散らしながら得意のタックルでテイクダウンを試みる。だが、うまくがぶった藤原はスピニングチョークで砂辺を転がすと、グラウンドで優位なポジションをキープ。ランカー相手に、堂々の試合運びを見せていく。
後半はやや手堅い攻めとなったが、これについては「3R戦が初めてなので、最初から飛ばしたら持たないやろと思ったから」とのこと。初のメインながら、冷静に戦局を見極めていたことがうかがえる。
試合が一気に動いたのは2R。藤原がボディへのワンツーで砂辺の意識を下に向けさせると、そのままの流れで左ハイキックを一閃。これがモロに側頭部にヒットし、砂辺は半ば意識を失ったままダウン。レフェリーがすぐに両者の間に割って入り、藤原のKO勝ちが確定した。
以下は試合後の両者のコメント。
「まずは稲垣さん、誕生日おめでとうございます。そして砂辺選手。5日に試合したばかりなのに、無理やりオファーを受けてもらって…勝ったとはいえ納得はしていません。次はお互いが万全のときに再戦したいと思います。あと今までずっと一緒に頑張ってきた藤本さん、ありがとうございました。ミッチー(砂辺)とは試合前まで笑いながら喋ってたんですけど、リングに上がったら顔が変わってたんで、やったろうかと思いました。今後? ケージフォースやDEEPで戦ってみたい。特に金網は一回やってみたいですね。似合いそう? 俺もそう思います」(藤原)
「試合のことは、まったく覚えていません。今回の試合を受けたことについては、直治の引退、そして藤原選手の相手が来られないということで、彼らのためにできることを考えた結果、オファーを受けることが自分の宿命と感じ、あのリングに立ちました。コンディションはほんと最悪だったんですけど、ライバルが引退するって聞いて、いてもたってもいられなくなりました。あと僕が出なかったらメインはなかったかもしれない。梅田大会をどうしても手助けしたかったので、オファーを受けました。
(リングに上がって顔が変わったが)俺が戦闘モードにしないと、アイツは殴らないと思うし。自分が引っ張らないと戦いじゃなくなると思ったんで。KO負けは初ですけど、でもそれ以上にこの大会を盛り上げたかった。この大会じゃなきゃ、受けてないオファーです。直治については、会った瞬間に涙が出てきました。稲垣組はみんなはライバルと思っていたので。宮城も辞めて色々考えるものがあった。でも負けても、今日このリングに上がって良かったと思っています」(砂辺。終始、涙目で)
▼セミファイナル 第6試合 フェザー級戦 5分2R
○藤本直治(パンクラス稲垣組/同級5位)
判定 3−0 ※20−19、20−19、20−18
●パンチィー山内(総合格闘技道場コブラ会)
1R、差し合いからテイクダウンを狙う山内に対し、藤本は逆にタックルでテイクダウンを奪取。そこからチョークスリーパーを極めかけるなど、優位に試合を進めていく。2Rに入ってもテイクダウンを奪うのは藤本。一本勝ちこそ逃したが、藤本が判定で勝利した。
試合後、マイクを握った藤本は、突如、この一戦をもって現役を引退することを発表。騒然とする観客をヨソに、すっきりとした笑顔でリングを後にした。
「2月の砂辺戦が終わったくらいから考えていました。それで今回の試合が決まったことで決心しました。悔いが残らないといったら嘘になりますけど、今後、悔いが残らないように頑張れるかといったら、そこまで心がついていかないかなと。体調は悪くないです。気持ちの問題です。プロになってからは、ずっと夢みたいでした。僕みたいなヤツがパンクラスで試合をさせてもらって、みなさんには感謝しています」
なお今後については就職して、格闘技とは別の人生を歩むとのこと。稲垣組の影の実力者として大阪大会を盛り上げた藤本が、約4年にわたる格闘技人生に終止符を打った。
▼第5試合 ウェルター級戦 5分2R
○枝折優士(TEAM VAMOS)
一本 1R4分4秒 ※チョークスリーパー
●高田谷悟(格闘技吉田道場)
04年修斗ミドル級新人王の枝折優士が、満を持してパンクラスマットに初参戦。今年のネオブラッド準優勝者・高田谷悟と対戦した。序盤は高田谷の足関節に苦しんだ枝折だが、足を抜いてからは優位なポジションをキープ。そしてパウンドから一気にマウントを奪うと、バックマウントの状態からチョークスリーパーに移行。粘る高田谷からタップを奪い、新天地の第一戦を白星で飾ってみせた。
▼第4試合 ミドル級戦 5分2R
○鳥生将大(パンクラスism)
判定3−0 ※20−18、20−19、20−18
●北浦徳之(和術慧舟会兵庫支部)
柔道初段、ブラジリアン柔術青帯の他にレスリングのキャリアを持ち、レスリング西日本学生選手権でも準優勝。05年にはアマチュア総合格闘技大会JTCの関西大会と全国大会を連覇。パンクラスゲートで1勝1分、2・17ケージフォースでは、わずか49秒で一本勝ちを収めるなど波に乗っている北浦徳之が本戦に初登場。パンクラス期待の新人・鳥生将大と対戦した。
1R開始早々、パンチをヒットさせた北浦が、そのままテイクダウンを奪いパウンドでラッシュ。あわや秒殺か、という空気のなか、鳥生は冷静に足を利かせ、隙をみてポジショニングを入れ替える。上をとった鳥生は、そこからコツコツとパウンド。ポイントをイーブンに戻したところで1Rが終了。
2R、北浦のパンチをかわした鳥生が、ドンピシャのタイミングでタックルを敢行。パスこそ奪えなかったが、そこからラウンド終了までパウンドを振り下ろし判定で勝利した。
▼第3試合 ミドル級戦 5分2R
○ストラッサー起一(総合格闘技道場コブラ会)
TKO 1R3分27秒 ※パウンド連打でレフェリーストップ
●中村勇太(和術慧舟會福岡支部)
▼第2試合 フェザー級戦 5分2R
△長谷川孝司(パンクラス稲垣組)
判定 1−0 ドロー ※20−20、20−19、20−20
△中村健太(禅道会広島)
▼第1試合 パンクラス・アテナルール 58kg未満契約 3分3R
○伊藤あすか(パンクラス稲垣組)
判定2−0 ※30−30、30−29、30−29
●佐々木絹加(ALIVE)
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