シュートボクシング協会
「SHOOT BOXING 2007 無双〜MU-SO〜其の四」
2007年9月30日(日)東京・後楽園ホール
開場17:30 開始18:00 ※スターティングファイト17:45
▼メインイベント シュートボクシングVSキックボクシング対抗戦
70kg契約 エキスパートクラス特別ルール3分3R無制限R
○宍戸大樹(シーザー/SB日本ウェルター級王者)
判定3−0 ※29−27、29−28、30−28
●TATSUJI(アイアンアックス/K-1
WORLDMAX日本代表決定トーナメント準優勝)
不調が続く宍戸の約10カ月ぶりとなるSB凱旋試合。客席からは「今日勝てねえと明日はねえぞ!」と厳しい声も上がる。
1R、まずは宍戸がインロー。TATSUJIがジャブを突いて前に出て行くと、宍戸は下がりながらも的確に左ミドルを返す。
しかしTATSUJIは宍戸をロープに詰めると、左ボディから顔面に左フック。さらに右ボディストレートを打ち込む。前蹴りで距離を取ろうとする宍戸だったが、TATSUJIは構わず前に出て右ボディストレートから左フック。
さらにストレート気味のジャブを突き刺すTATSUJI。その後もジャブと左ボディを使って、宍戸の顔面に右フックを打ち込んでいく。さらにTATSUJIは宍戸をロープに詰めて強烈な右ロー! TATSUJIがプレッシャーをかけて前に出続け、宍戸が下がりながらインローと前蹴りを蹴る展開が続いた。
2R、宍戸はテンポよく左ミドルとインロー。TATSUJIは1Rと変わらず、左ボディから顔面への左フック。さらに右ボディストレートから顔へ右フックを返していく。TATSUJIのパンチに対して、宍戸は左ミドルと左ジャブを多用し、徐々にペースを取り戻す。
この左ミドルでTATSUJIを後退させた宍戸は右バックキックをTATSUJIのボディに突き刺す。さらにここで構えをスイッチしてサウスポーになると、TATSUJIの左ローに合わせてカウンターの左ストレート! これがTATSUJIの顔面をとらえ、1Rは劣勢だった宍戸が先にダウンを奪った!
前蹴りでTATSUJIをふっ飛ばし、左右の連打で前に出る宍戸。そしてここでバックキックを放つのだが、これがTATSUJIの急所に直撃。偶然のローブローとなり、TATSUJIにはドクターチェックが入り、1分間のインターバルが与えられら。
再開後、宍戸が左ミドルとバックキック。TATSUJIも左ボディから左フックで応戦するが、ここで宍戸の右アッパーと左フックがヒット! これでTATSUJIは右目の下をカットして、ドクターチェックを受ける。
再びジャブを起点に右ストレートを打つ宍戸。さらに左ミドルを皮切りに左右のバックキックから左ミドル。TATSUJIの足が止まると右ローを蹴る。そしてラウンド終盤には足を止めて打ち合う両者! 場内は一気に盛り上がる。
3R、ポイントでは後がなくなったTATSUJIは、左フックから右ストレートで前に出る。それを止めようと左ミドルを蹴る宍戸。TATSUJIは左ボディから右アッパー、さらにセコンドの指示を聞いて右ローを蹴りこむ。さらに宍戸がガードを固めたところに、ジャブ、ボディ、フックと左の三連打を打つ。
ここで宍戸がバックキックを放つのだが、何とこれが再びTATSUJIの下腹部に入ってしまい、この日2度目のローブロー。その場から立ち上がることが出来ないTATSUJIに1分間のインターバルが与えられた。再開後、宍戸はインローやミドルと
いった左の蹴りで攻撃を組み立てる。そこに左ボディを打ち込むTATSUJI。宍戸の蹴りにパンチを合わせようとするものの、宍戸の蹴った後の両腕閉じブロックは固い。
逆に宍戸は前に出てくるTATSUJIに対してカウンターの左ストレート。これでTATSUJIの顔が跳ね上がる。さらに宍戸はTATSUJIの前に出る勢いを利用してバックブローを二発、さらに左フックから右ハイキックを蹴る。手数の多い宍戸を捕まえきれないTATSUJI。終了間際に渾身の左フックを打つものの、ダウンを奪うまでには至らなかった。 判定は2Rにダウンを奪った宍戸。今年初勝利を手に入れた宍戸は、リング上で涙ぐみながら「昨年から連敗が続いて、本当に苦しくて何度もやめようと思いました。でも周りの方たちのおかげで何とか頑張ることができました。これからもっと強さを求めて、本当の強さを求めていきたいと思います」と力強く語った。 大会終了後、総括の中でシーザー武志会長は「宍戸は以前からビッグベン(・ケーサージム=今年2月に緒形健一にKO勝ち。現ラジャダムナン&WMC世界スーパーウェルター級王者)とやらせてくれと言っていました。
宍戸にはそこに自分の力で行くまでは無理だと言っていますが、ちょっと考えてみて、そういうのもありかなと思っています」と、10月の両国大会で宍戸VSビッグベンの試合を組む可能性を示唆。今後の動向に注目が集まる。
▼セミファイナル シュートボクシングVSキックボクシング対抗戦
70kg契約 エキスパートクラス特別ルール3分3R無制限R
○HAYATO(FUTURE_TRIBE/UKF世界スーパーウェルター級王者)
TKO 3R1分3秒 ※レフェリーストップ
●大野 崇(Unite-K/ISKA世界ミドル級王者)
1R、サウスポーの大野にHAYATOはインロー、鋭い右ハイキックを飛ばす。ワンツーで前に出る大野に対し、HAYATOは右ロー。大野は右に回りながら右アッパーから左ストレート。さらに左ストレートから左ハイを飛ばす。
大野の蹴り足をとってこかすHAYATO。セコンドから「そろそろ前に出ろ」と指示が出ると、その通りにHAYATOは一気にテンポアップ!
大野をロープに詰めると鋭いパンチの連打! 大野が後ろによろめき、バランス崩す。さらに追い討ちをかけるHAYATOは前に出て左フック!
大野は左ハイを蹴って、左フックから右ストレート。HAYATOは構わず前に出て一気に攻め込むが、ここで大野が鮮やかな反り投げ! シュートポイントを奪う。しかしHAYATOはポイントを気にせず、ラッシュをかけて左アッパーから右ストレート! これで大野がダウンを奪い、ポイントでは五分と五分の展開に。
2R、大野が左ハイキック。さらに大野はワンツーでHAYATOにガードを固めさせて左ローを蹴る。大野のローをもらいながらも、HAYATOは前に出て右ストレートから連打。負けじと大野も右アッパーから左ストレートを返し、HAYATOのパンチにテンカオを合わせる。さらに距離が詰まると奥足へのローを蹴る。
しかしHAYATOもすかさず右ハイキック! さらに左ミドルを蹴っていく。そしてHAYATOは右ストレートから返しの左フック、大野の頭が下がったところで右ヒザ蹴りを突き刺す。
完全に試合のペースを掴んだHAYATOはジャブを突いて右ボディ。組みの攻防になるとHAYATO自ら投げを狙っていく。
そして大野が奥足へのローを蹴ろうとしたところで、HAYATOが右アッパーから左フック! この強烈な一撃でHAYATOがこの日2度目のダウンを奪う。
再開後、HAYATOは抜群の切れを見せる左フックを中心にパンチの連打! この左フックで大野をぐらつかせると右ストレートから左ボディ、そして右ストレートで再びダウンを奪う。ここは残り時間がなく、ラウンド終了となったが、大野のダメージは大きい。
3R、必死にワンツーで前に出る大野だったが、そこにHAYATOが左フック! さらにインローでバランスを崩して左フックを打ち込む。そして左フック、右ストレート、左フックの連打を叩き込み、大野がダウン。ここでも何とか立ち上がり、脅威の粘りを見せる大野だったが、HAYATOが再開直後にすぐさま左フック! これで大野がこの日5度目のダウンを喫すると、レフェリーが試合を止めた。
接戦が予想された一戦だったが、終わってみればHAYATOの圧勝。HAYATOの今後の活躍に期待を抱かせる試合となった。
▼第7試合 シュートボクシングVSキックボクシング対抗戦
60kg契約 エキスパートクラス特別ルール3分3R無制限R
○及川知浩(及川道場/SB日本スーパーフェザー級王者)
判定3−0 ※三者とも29−28
●末広智明(大道塾吉祥寺支部/2007年北斗旗全日本体力別選手権軽量級王者)
1R、互いにローを蹴り合う両者。ここで末広が及川のバランスを崩してマットにこかすと、場内が沸き返る。末広の右ローに左ミドルを返す及川。するとここでロープの反動を使った飛びヒザ蹴り! この一発で末広の顔が跳ね上がる。しかしここは末広も蹴り足をキャッチして、追撃を許さない。
ガードを上下させ、細かくスイッチして独特の構えを見せる末広。及川はそれに惑わされることなく強烈な右ローを蹴る。末広は及川のローに前蹴り、組みの攻防になるとヒザ蹴り。距離が離れると再び前蹴りを突き刺す。末広は目線でフェイントを入れて右アッパーから飛び込んで左フック。
左手を前に出して、及川のヒジ打ちを防ぎながら右ローを蹴る。及川は末広が踏み出そうとしたところで、絶妙のタイミングで右ロー。さらに末広の右ローに右ストレートを合わせる。対する末広はスピード感ある左ミドル、そして左手を前に出しての右ローや前蹴り。組みになると及川のヒジを警戒してがっちりと上体を固める。
2R、末広が右ローから左フック。及川が少しでもアクションを起こすと、すかさずと左手を前に出してそれを止め、前蹴りで突き放す。及川はやや手数が少ないものの、末広に負けじと強烈な前蹴り。さらに右ローを返す。1R以上に前蹴りを多用する末広は、R.I.S.E.で抜群の威力を発揮したテンカオ! 少しでも距離が開くと左右のミドルで前に出ていく。しかしここで及川が右ハイキック! これが末広の顔をかすめる。
さらに及川は末広のパンチをダッキングでかわして、そのままバックに回ると豪快なバックドロップ! これでシュートポイントを奪取する。再開後、末広は細かくジャブ。及川はヒジを出すものの、末広のジャブで当たらない。左ミドルを蹴って前に出る末広は、右アッパーや左フック。及川はしっかりバックステップでよけてカウンターの右を当てる。
3R、体を揺らせて左ミドルのフェイントを入れる末広。前蹴りで飛び込み、及川の頭を引っ掛けてヒザ蹴りを入れる。ポイントで負けている末広はインローから右ストレート、再び右ストレートを打って左右の連打! ここから一気に前に出ていく。その末広に立てヒジを狙う及川。
末広は左ミドルを蹴って右ボディストレートから左フック。及川のジャブをもらいながらも、前に出て左ミドルを連打する。右ストレートから飛び込んで左フック、及川が押し戻してきたところに右ミドル。首相撲になるとヒザ蹴りを突き刺す。その後も末広は左右のフック、及川が前に来るところにテンカオ。組みの攻防になると立て続けに、及川をマットに転がした。
判定は2Rにシュートポイントを奪った及川に軍配。しかし試合内容に納得していないのか、及川は「勝ちじゃないです」と言いながら四方に礼をしてリングを降りた。
▼第6試合 70kg契約 エキスパートクラス特別ルール3分3R無制限延長R
○ヤン・カシューバ(アイアンアックス/2005年ワールド士道館空手ミドル級王者)
判定3−0 ※三者とも30−27
●山口太雅(寝屋川/SB日本スーパーウェルター級1位)
1R、サウスポーの山口は左インローから右ロー。カシューバは左フックから右ストレートや右ストレートを繰り出す。長身のカシューバに対し、山口は左ボディストレート。カシューバは左フックを使って、そこから右ハイキック。山口は前蹴りでカシューバを突き放そうとするが、伸びのあるカシューバの右ストレートをもらってしまう。
山口はカシューバのパンチをブロックして左ロー。カシューバはそこにジャブを合わせる。カシューバの右ストレートに苦しめられる山口だが、カシューバの右の打ち終わりに左ストレートを合わせ、さらにそこから左右の連打。カシューバは山口を首相撲につかまえ、離れ際に左フックを打ち込む。
2R、左ミドルを蹴って前に出ていく山口。ボディへの左ストレートから、今度は顔面への左ストレート。その後も一気にパンチで前に出ていく山口だったが、長身のカシューバの顔面までパンチが届かない。逆にカシューバの右ストレートが当たり、山口が後退する。
歯を食いしばって必死にパンチを返す山口。しかしカシューバが左フックから右ストレート! 山口はセコンドの指示通り、ボディに照準を絞って左ボディを連打。組みになると首投げも見せる。しかしカシューバが左フックを効かせて、最後は下がる山口に右ストレートを合わせて、ダウンを奪う。
3R、後がなくなった山口は左ストレートから前に出ていく。しかしそこにカシューバが打ち下ろすような右ストレート! さらにカシューバはヒザ蹴りを突き刺す。攻撃を出しているのは山口だが、カシューバの攻撃が的確に当たり、ダメージがあるのは山口の方だ。何とかカシューバに組み付いてダメージを誤魔化す山口。声を出して気合を入れて、前に出る山口に対し、カシューバは首相撲からヒザ蹴り、さらに右ストレートを打ち込む。
バックキックやバックブローを繰り出す山口。ところがカシューバの破壊力あるパンチを受け、逆転の糸口を掴めない。そのまま試合終了のゴング。山口の攻撃を受けても、全くひるむことなく、逆にそこから強烈な右ストレートや左フックを返していったカシューバが大差の判定勝利を収めた。
▼第5試合 62kg契約 スターティングクラスルール2分3R延長1R
○歌川暁文(U.W.F.スネークピットジャパン/SB日本スーパーフェザー級2位)
KO 2R1分33秒 ※右ヒザ蹴り
●福地翔太(グラップリングシュートボクサーズ)
1R、サウスポー同士の両者、まずは歌川が左ミドルを飛ばす。福地はそれを受けて左右のワンツー、ローを返す。左ローから右フックを打つ歌川。さらに福地のパンチに左ローと右フックをカウンターで返す。さらにインローから左ストレートを打つ歌川。
福地も細かい連打で前に出て行くが、歌川はそれをしっかりブロックして左ロー。そして右フックのカウンターを合わせる。首相撲の展開になると福地が先に首投げを仕掛ける。
2R、左ミドルとローを上手く蹴り分ける歌川。首相撲の攻防では福地も果敢にヒザ蹴りを返す。しかし歌川が右ボディを効かせると、そこから左フックを皮切りに連打。福地はそれを嫌って歌川から離れようとするのだが、そこに歌川のヒザ蹴りがグサリ! 福地はマットに崩れ落ち、そのままカウントアウトとなった。
▼第4試合 56kg契約 エキスパートクラス特別ルール3分3R無制限延長R
○ファントム進也(龍生塾/SB日本スーパーバンタム級4位)
判定3−0 ※三者とも30−29
●崎村暁人(グラップリングシュートボクサーズ)
1R、強烈な左右の蹴りを見せる崎村。ファントムも左ミドルをブロックしてすぐに右ローを返すなど、スピーディな展開が続く。崎村の前蹴りを捌いて、左フックで踏み込むファントム。崎村もワンツー、ローで前に出ていくが、ファントムは足払いで崎村をこかす。ファントムは徐々にプレッシャーをかけて前に出て行く。崎村はコーナーを背にしながらも左ハイキック、組み付いて後方にファントムを押し倒す。
2R、鋭い右ローを飛ばすファントム。さらにワンツーでガードを固めさせて、左ボディ。一気に攻め込むファントムだったが、崎村もタイミングよく左ミドルを蹴ってファントムの動きを止める。しかし組み際にバッティングが発生し、崎村に減点1が宣告される。
右ストレートから連打をまとめるファントム。崎村は左フックから首をひっかけてヒザ蹴り。このヒザ蹴りを中心に攻める崎村に、ファントムはなかなか有効打がない。また組み際に崎村の頭が当たる場面があるなど、ファントムはやや苛立った表情を見せる。
3R、ファントムのパンチにタックルを合わせる崎村。ファントムはジャブでそれを止めて右ロー。さらに咲き村が組もうと手を伸ばしたところに右アッパーや左フックを打つ。左フックから踏み込んで右を返すファントム。崎村はそれを突き放して左ミドルとヒザ蹴り。崎村がタックルに入ったところで、ファントムはフロントチョーク! かなり入っていたが、崎村はそのままファントムをマットに転がして逃げる。残り30秒、互いに一発攻撃を出しては組むという展開が続き、そのまま試合終了。結局、減点で勝敗が分かれる形となった。
▼第3試合 70kg契約 フレッシュマンクラスルール3分3R延長2R
○中島弘貴(シュートボクセ・アカデミージャパン)
KO 2R2分49秒 ※左フック
●松本賢治(シーザー)
中島がシュートボクセらしい早い連打と首相撲で松本を圧倒。2Rに松本の右ストレートに右をかぶせてぐらつかせた中島は、そのまま松本をコーナーに釘付けにしてパンチの連打でダウンを奪う。再開後、中島は右ローを効かせ、再びコーナー際で連打をまとめて、最後は強烈な左フック! この一発で松本をマットに沈めた。
▼第2試合 59kg契約 フレッシュマンクラスルール3分3R延長2R
○山本秀峰(マッハ道場)
判定3−0 ※三者とも30−28
●植松辰也(シーザー)
▼第1試合 55kg契約 スターティングクラスルール2分3R延長1R
○鈴木友則(湘南) 判定3−0 ※29−26、30−26、30−26 ●中森保貴(シーザー)
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