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【NJKF】真昼の日タイ決戦! “日本の至宝”TOMONORIは元ルンピニー王者に敗れる

2007/10/14


ニューキャパンキックボクシング連盟
「FIGHTING EVOLUTION XII〜進化する戦い12th
〜THE“FIVE-STAR”FIGHT」

2007年10月14日(日)東京・後楽園ホール
開場10:15 開始10:30


▲渾身の右アッパーを突き上げるTOMONORI。元ルンピニー王者と紹介されたチャオタピーをダウン寸前まで追い込むものの、最後は首相撲の前に崩れ落ちた。

▼メインイベント WMC世界スーパーフライ級王者決定戦 3分5R
○チャオタピー・ギャットコーウィット(タイ/元ルンピニーSフライ級王者)
判定3−0 ※50−47、50−46、50−46
●TOMONORI(OGUNI/WMCインターコンチネンタル同級王者)

“日本キック界の至宝”TOMONORIが、試練のムエタイ3番勝負最終戦として、元ルンピニースタジアムSフライ級王者(※NJKFからのリリースによる)のチャオタピー・ギャットコーウィットに挑んだ。WMC世界スーパーフライ級王座決定戦でもあるこの一戦。日本とタイの国歌斉唱、そしてタイトルマッチ宣言の後、ワイクーを踊る両者。一気にリング上の緊張感が高まる。

 1R、TOMONORIはグローブを合わせるといきなり右ミドル。ここからはややアップライトに気味に構えて左右のミドルを放ち、細かくジャブを突く。チャオタピーは左の前蹴りを出しつつ、距離がつまると左のヒジ。さらにスピード感あるミドルを飛ばす。距離を詰めてくるチャオタピーに、TOMONORIは右ストレートから左フック。さらにチャオタピーのジャブに対してカウンターの左フック! チャオタピーの前蹴りをサイドステップでかわすと左アッパーを突き上げて右ストレートを打ち込む!

 一気に畳み掛けたいTOMONORIは左フックから右ローの対角線コンビネーション、チャオタピーが前に出てくるところに縦ヒジを合わせる。そしてラウンド終盤、奇襲の飛びヒザ蹴り! これでチャオタピーはロープに詰めるとワンツーから右ハイキックを飛ばす。

 思わずブロックを固めるチャオタピーにTOMONORIが回り込みながら左フック! これでチャオタビーの動きが止まる。しかしここからチャオタピーがスイッチが入ったようにテンカオの連打で前に出て、TOMONORIに追撃を許さない。1RはTOMONORIが攻勢に出た。

 2R、チャオタピーはTOMONORIのローに前蹴りを合わせてTOMONORIを蹴り離すと、ガードを固めてじりじりと前に出る。TOMONORIは下がりながら左のテンカオ。これがローブローとなり、一時試合が中断される。再開後、チャオタピーは左手を伸ばして前に出て、TOMONORIの首を掴むと首相撲からヒザ蹴り。TOMONORIもそれに真っ向から立ち向かいヒザ蹴りを返す。

 組みを狙うチャオタピーにTOMONORIはカウンターの縦ヒジ。さらにアッパーを突き上げて、サイドステップでポジションを変えると再び右ヒジを入れる。かなりTOMONORIの攻撃を受けたようにも見えるチャオタピーだったが、表情一つ変えずに前進する。そしてTOMONORIの頭と脇を腕で引っ掛けてボディにヒザ蹴り、さらにTOMONORIが首相撲を突き放そうとした離れ際にヒザ蹴りを突きあげる!

 これは間一髪のところでかわしたTOMONORIだったが、首相撲の攻防になるとチャオタピーに後方に投げ飛ばす。ボディへの左右の連打で首相撲から脱出しようとするTOMONORIだったが、チャオタピーの首相撲の固め方は一向に衰えなかった。

 そして3Rになるとチャオタピーの首相撲地獄が始まった。前蹴りで前に出るチャオタピーに対し、TOMONORIは下がりながら左右のロー、そして右ストレートを打っていくが、チャオタピーのガードは固い。必死に足を使って距離を保とうとするTOMONORIだが、チャオタピーの追い足が速く、首相撲に捕まってしまう。

 一旦、TOMONORIを首相撲に捕獲すると、待ってましたとばかりに首をガッチリと固めてボディにヒザ蹴りを打ち込むチャオタピー。3R序盤こそカウンターの縦ヒジや右ミドルで反撃していたTOMONORIだったが、チャオタピーにコーナーまで追い込まれる場面が目立ち、首相撲に捕まってしまう。

 右ストレートやバックブローで必死に抵抗するTOMONORI。すると組みつくのに時間がかかると判断したチャオタピーは、左手で距離を測りながらボディへのテンカオ! これまで首相撲の攻防でも抵抗していたTOMONORIだったが、チャオタピーの首相撲でバランスを崩されてしまう。それでもTOMOPNORIはジャブから右ロー、そしてワンツーを打ち込み、何とかチャオタピー攻略の糸口を探す。

 しかし4R、TOMONORIの望みを打ち砕くように、チャオタピーの首相撲地獄は続く。ひたすら前に出るチャオタピーは、TOMONORIの左フックや前蹴りをものともせずに前進。左ミドルでTOMONORIを後退させると、ロープに詰めて首相撲からのヒザ蹴り。

 こうして首相撲で確実にTOMONORIを削っていったチャオタピーは、左のテンカオをTOMONORIのボディにグサリ! この一撃でTOMONORIはバランスを崩してしまう。さらに追撃の組みヒザをもらうと、思わず横を向いてしまうTOMONORI。さらにチャオタピーの崩しを嫌って、ロープを掴んでしまうなど、気持ちの強いTOMONORIの姿からは想像も出来ない場面が続く。

 そのTOMONORIの心をへし折らんばかりに、首相撲からのヒザ蹴りを続けるチャオタピー。距離が開くと今度はTOMONORIの腹と顔面に前蹴りを突き刺していく。もはや万事休すかと思われたTOMONORIだったが、左フックから右ストレート! さらにチャオタピーをのどわで突き放し、強烈な右ローを蹴りこむ。試合のペースは完全にチャオタピーに傾いたものの、決してTOMONORIは諦めない。

 そして最終ラウンド、遂にその諦めない気持ちが身を結ぶ。チャオタピーの組み際にTOMONORIの組み際に左右のフック、そして左アッパーが立て続けにヒットしたのだ! 前進が止まるチャオタピーにTOMONORIは縦ヒジ、さらにがら空きになったボディに強烈なレバーブローを突き刺すと、そこから間髪いれずに顔面への左フックを叩き込んだ! 明らかに足元がおぼつかなくなったチャオタピーにTOMONORIは連打をまとめる。

 もはやダウン寸前のチャオタピーにトドメを刺すべく、しゃにむに左右のフックとアッパーを連打を打ち込むTOMONORI。大逆転劇の予感に後楽園ホールは沸き返るが、どれだけ殴られてもチャオタピーはダウンを許さない。するとこの連打を凌がれたTOMONORIの動きが急激に失速。このラッシュは最後の力を振り絞ったラッシュだったのだ。

 逆にTOMONORIの猛攻を凌いだチャオタピーは、再びTOMONORIのボディに照準を絞り、ヒザ蹴りを突き刺す。ダウンこそ宣告されないものの、首相撲のたびにマットに崩れるTOMONORI。何とか立ち上がり続けたTOMONORIだったが、残り1分を過ぎたところで遂にチャオタピーのヒザ蹴りでダウンを喫してしまう。

 口をあけてフラフラになるTOMONORIは、それでも最後まで手を出して、起死回生の胴廻し回転蹴りや左ボディと右アッパーを打ち続けるが、チャオタピーの首相撲に捕まったところで試合終了のゴングが鳴らされた。

 試合終了のゴングを聞くと、糸が切れた人形のように、その場にバタリと崩れ落ちたTOMONORIは、自分一人の力では立ち上がるすら出来ず。セコンドの肩を借りて、何とかバックステージに戻る姿は、この試合の壮絶さを物語っていた。

「完敗ですね。ヒザ蹴りに対処が出来なかったのが悔しくて…パンチも蹴りも強くないし、首相撲しかやってこないと分かっていたのに、何も出来ませんでした。情けないです。途中からは何をやっていいか分からなかった」と悔し涙を流し、試合を振り返ったTOMONORI。「9月に戦ったダーウサミンの方が強いと思うんですけど、そういう選手に何も出来ずに負けちゃって。これが俺の限界なのかなって…今は(チャオタピーに)再戦したいという気持ちはないです」と肩を落とした。

 この結果で試練のムエタイ3番勝負は1勝2敗に終わったTOMONORI。しかし神の領域と呼ばれるムエタイの軽量級にたった一人で立ち向かったことは高く評価したい。

【関連リンク】
>>ニュージャパンキックボクシング連盟公式サイト
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