日本サブミッションアーツレスリング連盟
「第19回全日本SAW選手権大会2007『闘』40」兼「国際交流大会」
2007年10月21日(日)東京・ゴールドジムサウス東京アネックス
予選開始10:00 開場13:00 本戦開始14:00
▼全日本無差別級決勝 5分2R
○中倉憲一(SAW本部)
ビッグポイント1-0
●鳥山洋一郎(湘南格闘クラブ)
高江洲、小西、矢内といったベテラン勢が次々と敗れていく中、決勝に残ったのは昨年2位の新鋭・中倉と鳥山だった。柔道3段という実力を発揮して、中倉が大内刈りで鳥山を綺麗に投げるとビッグポイント(柔道の一本に相当する投げ技)を獲得!
そこから中倉はさらに大内刈りを仕掛けるが、そのまま1Rが終われば負けとなってしまう鳥山は、投げを潰してバックに回り、腕十字やスリーパーで逆転を狙う。しかし中倉はしっかりとディフェンスし、なんとか逃げ切った。
「予選リーグ(今回の予選は4ブロックで総当りリーグ戦が行われ、その勝者が決勝トーナメントに進出する方式を採用)で最初の試合を落としたのですが、そこから決勝トーナメントに上がれて『運が味方したな』と思いました。次の目標は来年5月に大阪で開催される体重別です。体重別には今まで3回出て一度も勝てていないので、今度は優勝したいです」(中倉)
RESULT
優 勝:中倉憲一(SAW本部)
準優勝:鳥山洋一郎(湘南格闘クラブ)
3 位:矢内純一(SAW本部)小西良徳(SAW本部)
敢闘賞:遠藤 隆(SAW東北)吉岡直樹(日本ウェルネス)
▼全日本ルーキークラス -60kg級決勝 5分1R
○西村誠太郎(豊道館)
一本 ※腕絡み
●永山晃太(日本ウェルネス)
ポジションの奪い合いから上を取った西村が抑え込みに入ろうとするが、永山はこれをディフェンスし、上を取り返す。すかさず永山は腕十字の体勢に入るが、これは失敗しブレイクがかかる。再開後、投げを打って1ポイントを獲得し、上になろうとする永山に対して西村は切り替えしてのアームロック! 反転して抑え込んだところで試合終了となった。
本来なら1-0で永山の勝ちになるところだが、ここで西村が「相手はタップした」との抗議。永山は「タップしていない」と主張するも、ビデオで確認すると確かに反転したところで永山がタップしていたということで、西村の一本勝ちという結果に。
タップを見逃したレフェリング、そして抗議によって覆ったジャッジ。今後の大会運営に関して大きな課題を残す試合となった。
▼全日本ルーキークラス -68kg級決勝 5分1R
○山崎和也(SAW本部)
一本 ※腕ひしぎ足固め
●清水靖弘(日本ウェルネス)
山崎が投げで5ポイントを連取すると、そのまま袈裟固めで抑え込み、ポイントを追加。さらにその体勢から腕を取って、腕ひしぎ足固めを極めた。
▼全日本ルーキークラス -78kg級決勝 5分1R
○井上雄策(日本ウェルネス)
ポイント5-0
●丸山航平(日本ウェルネス)
長いスタンドレスリングの展開から、井上が投げで2ポイントを連取。さらに袈裟固めにより抑え込み20秒で3ポイントを獲得し、勝利した。
▼S.A.W.SPルール 5分2R
○村井義明(未来格闘塾)
反則
●Jesse Ried(Northstar
Martial Arts)
ローとボディの打ち合いから、村井はタックル。しかしリードはこれを潰す。村井は下からギロチンを狙うが極まらない。ブレイクがかかり再開後、リードのパンチが顔面に入り、試合は中断。ドクターチェックにより、村井は眼底骨折の疑いがあるとして試合をストップ。重い打撃で押していたリードの反則負けとなった。
▼S.A.W.SPルール 5分2R
○大石大介(大石道場)
6-5
●Adam Gulla(Northstar
Martial Arts)
1R、ローとヒザで攻め立てるギラは、大石のタックルを切るが、ロープを掴んでしまいコーションを与えられる。再開し、再びタックルを切ったギラは、逆に投げでテイクダウンし、1ポイントを先制。ところが相手のコスチュームを掴んでバスターを仕掛けたため、再びコーションとなった。さらにギラはマウントを奪うも、ここでもコスチューム掴みで遂に1点減点された。
2R、大石がテイクダウンから抑え込みに入るが失敗。上を取られても下から腕十字を仕掛けるが、ここも極めることができない。スタンドに戻り、大石がまたもタックルに入ったところで、ギラが今度は顔面へヒザ! この反則で大石に3ポイントが与えられた。試合終了直前にギラは大石のミドルをキャッチして、投げで3ポイントを得るが逆転はならず、反則による失点が痛い結果となった。
▼S.A.W.SPルール 5分2R
○矢内純一(SAW本部)
一本 ※ヒールホールド
●Matt Fan(Northstar Martial
Arts)
両者スタンドで打ち合う中、矢内がタックルで上を奪い、ヒールホールドを仕掛けるが極まらず。スタンドに戻り、再びテイクダウンした矢内は、またもヒールホールド! これはガッチリと極まり、ファンはタップした。
▼特別試合 日本スポーツ柔術マッチ 3分2R
○Mike Martel(Grizzy Gym)
一本 ※腕絡み
●遠藤 隆(SAW東北)
1R、遠藤が前蹴りからタックルに入るが、それを切ったマーテルはバックに回る。しかし遠藤も足を入れさせず、バックマウントまでは行かない。この展開が続くと、遠藤のセコンドから「奥襟を取って!」との指示。すると遠藤はタックルを諦め、組み付いて奥襟を取り、立ち技でテイクダウンを狙うようになる。
2R、ここでも奥襟を取った遠藤が投げを狙うが、それを潰したマーテルがハーフガードの状態ながらもV1アームロックへ。これが極まり、全敗に終わっていた無差別級予選リーグでの借りを返した。
<SAW創始者・麻生秀孝代表 総括>
非常に残念なことだけれども、今回は一回戦の不戦勝が多かった。みんな、なぜ参加費を払っているのに出てこないんだろう? 今はトーナメントよりワンマッチを望む人が多い傾向にあって、トーナメントに申し込んだのに当日になったら出場をキャンセルする。そういう気持ちが分からないね。もう「そういう時代になったのかな」という気がしている。
今日はSAWにしては一本勝ちが少なかった。そのために微妙な接戦が多くなったんだけれど、そういう試合の時のレフェリングの難しさというのを感じたね。続けなきゃいけないという時に見なし一本を取ったり、極まっているのに見なし一本を取らなかったり。これは本部として統率を取らなきゃいけない部分だと思う。
ただし、格闘技は規約を細かくしたらいけない。基本的な反則や、攻めないコーションなどを気をつけて。あとはタップしたら、ちゃんと「しました」と言うのが正しい格闘スポーツだよ。
無差別で優勝した中倉は、不安定さはあるけど徐々に実力が出てきたね。ただ、最後は危ないシーンもあったけれども、大きな技を狙いすぎる。でもひとつ中倉が勝っていたのはスピードじゃないかな。あいつは柔道3段で、道衣を着たらもっとキレがあるよ。あえて言えば、初めて戦う相手にも負けない選手にならないといけないね。
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