ATHLETIC ENTERPRISE&ALL JAPAN KICKBOXING PRESENTS「浪漫」
「Kick Return/Kickboxer of the best 60 トーナメント〜決勝戦〜」
2007年10月25日(木)東京・代々木第二体育館
開場17:00 本戦開始18:00
※オープニングファイト17:20〜
▼メインイベント(第7試合) 「Kick
Return」Kickboxer of the best 60 トーナメント決勝戦 60kg契約 3分5R延長1R
○山本真弘(全日本フェザー級王者/藤原)
判定3−0 ※50−47、50−47、50−47
●大月晴明(WPKC世界ムエタイ・ライト級王者/AJKF)
※山本が60kgトーナメント優勝
60Kg級ベスト・キックボクサーを決めるトーナメントもいよいよファイナル。決勝の舞台に上がったのは山本真弘と大月晴明だった。本来はフェザー級の真弘に対し、大月はライト級。もちろん初対決だ。
1R、サウスポーの真弘に対し、大月もサウスポーに構える。右手を前に突き出し、完全ノーガードで誘う大月。右ローも繰り出す。大月はガードを下げたまま左右のロー。右手を大きく突き出したまま前へ行く。真弘は頭を左右に振りながら近づいていき、右フックを繰り出すも大月はスウェーでかわす。
どっしりと構えてカウンターを狙う大月。待っているだけでなく右ローも蹴る。真弘がパンチで来ればスウェーでかわす。上半身を大きく仰け反らせて蹴る&手を前に出しているため、真弘はパンチが当たる距離になかなか入れない。
2R、ジャブを突きながら右へ回る真弘。今度は大月もちゃんと構えて対処する。大月がオーソドックスに構えるとジャブ&サークリング、サウスポーに構えると右の蹴りを出していく真弘。大月が体を大きく後方へ倒しながらのローを出した瞬間、鋭くステップインしての左フックで真弘がダウンを奪う!
立ち上がった大月は真弘のパンチに右ヒジを合わせようとし、左右のフックで前に出る! 左フックを当てあったところでゴング。インターバル中、大月の左目上の傷から血が流れ出した。
3R、サウスポーの大月が左ロー、真弘が右フックで入っていくと、大月がフックで追いかける。ジャブを突いて右へ回る真弘は大月のローをかわしての右ストレート。大月は真弘のパンチにヒジを返す。至近距離でフックを打ち合い、ダッキングでかわす両雄にどよめきが起こる! 回りこむ真弘に右ヒジを振るう大月。右のジャブで突き放す真弘! 大月は前蹴りで距離を測っての左フック。
4R、再び右手を大きく突き出して構える大月に真弘が近づいていく1Rと同じ展開。大月のハイキックをダッキングで避けた真弘が左右のフック、大月もこれをかわす。ジャブを出しながら回り込む真弘、それを追う大月。真弘は左ミドルからの右ストレートで大月の傷を狙うと、大月の傷から血が流れる。真弘は右フックを多用。右フックをローに合わせてダウンを奪うが、これはカウントされず。
徹底的に右で大月の傷口を攻める真弘。大月が入っていくと左右のフック、アッパーで真弘が攻勢に出る! 残り10秒で真弘がジャブを突きながら前へ出ると、大月のローがローブローになってしまい、試合は一時中断。
5R、前蹴りとステップで距離をとる真弘にローからフックで飛び込む大月。捕らえきれないとガードを固めて真弘を誘うが、真弘はのらない。前蹴りとジャブで突き放す真弘。大月が入ってくると右フック。伸びるジャブを出しながら回り込む真弘は頭を振りながら接近して右フック。そこへ大月の左ヒジがヒット!
大月が前に出てなぎ倒すようなフックを繰り出すが、真弘はステップで逃げる。ヒジで突っ込む大月。真弘の左ハイキックは空を切る。パンチで前に出る大月だが、真弘はすんでの所でかわしていく。
突っ込む大月の頭がバッティングとなり、ここで真弘が右側頭部から流血。試合再開、フックで打ち合う二人、真弘がダッキングで大月のフックをかわし、すぐに打ち返す! そしてゴング!
判定は3−0で山本真弘! これで山本元気、石川直生、大月晴明を倒し、名実共に全日本キック最強を証明したことになる。
「もっともっと強くなって、この全日本キックを自分が引っ張っていける選手になりたいんで、これからも応援よろしくお願いします!」と真弘。これまで全日本キックを引っ張ってきたエースであり、真弘のジムの先輩でもある小林聡GMは、そんな真弘の肩を笑顔で抱き寄せた。
試合後、大月は試合1週間前に開幕戦のカノンスック戦で痛めた右手首に痛み止めを注射しながら練習していたことを告白。そのためほとんどスパーリングも出来なかったという。準決勝の前田戦が終わった後は「多分、折れてると思う」ほどの状態だったが、痛み止めの注射を二本打ち「右手はヒジ打ちだけ」と決めて決勝戦に臨んだ。
普通なら棄権してもおかしくない状況でもリングに上がり、勝ちに行った大月も素晴らしいベスト・オブ・キックボクサーだった。
▼セミファイナル(第6試合) スーパーファイト 日本VSタイ国際戦 55Kg契約3分5R
○藤原あらし(SVG/全日本バンタム級王者)
判定3−0 ※50−49、49−48、49−48
●ワンロップ・ウィラサクレック(タイ/ウィラサクレック・フェアテックス/M-1バンタム級王者)
1R、サウスポー同士で蹴り合いを展開。ワンロップは顔面前蹴り、ジャブから近づいて右のヒジを振り下ろす。ワンロップの前蹴りに吹っ飛ぶあらし。ワンロップの右ミドルにどよめきが起こる。あらしが下がるとすかさず蹴りから前へ出てヒジを振るワンロップ。あらしは右ロー、ワンロップは前蹴りを連発してあらしを下がらせると組みヒザ。ジャブで突き放すあらし。
2R、ワンロップの顔面前蹴り、あらしは右へ回りつつミドルキック。ワンロップは圧力を掛けてあらしを下がらせるとヒジ。あらしの右ミドル、前蹴り。セコンドからしきりに「下がるな!」と声が飛ぶが、ワンロップは左ストレート、ヒジと圧倒的な圧力で下がらせる。あらしが縦ヒジから左ミドル! ワンロップもヒジを打ち返す。左ストレートを繰り出して前に出るワンロップに、あらしはやや押され気味。
3R、あらしが左ミドルを連発して左フックで飛び込む。入ってこようとするワンロップに左ロー。あらしの左フックにバランスを崩すワンロップ! あらしがレバーを叩くとワンロップはたまらずクリンチ、あらしはヒザをボディへ突き刺し続ける。飛び込むように右のボディを打つあらし! 右ミドルもフォロー。あらしの左ボディストレート。
ワンロップはヒジを狙い続けるが、あらしは回り込んでかわし、ワンロップの蹴りを掴んでの左ミドル。このラウンドはあらしが優勢! ワンロップは明らかに動きが鈍くなっていった。
4R、距離を詰めていくあらしはジャブからロー。ワンロップは前蹴りとジャブ。あらしがロープに詰める! ワンロップはロープを背にしてミドル、前蹴り。クリーンヒットはなかなか奪えないが、あらしが圧力を掛けて手数を出し、ワンロップを下がらせる。ワンロップの右ミドルにあらしが飛び込み右アッパー!
5R、あらしがバックスピンキック。右へ回りながら左ミドル、ワンロップが前に出てくるとサイドへサッと逃げる。圧力でロープを背負わせるとローキック、ジャブからハイキックを狙う。右へ回り続けるあらしを捕らえられないワンロップ。
あらしはワンロップが前へ出るところへ右のジャブを突き、右アッパーを突き上げる。ワンロップはミドルを返すのみ。左ミドルの蹴り合い、あらしがコーナーへ詰めてのボディストレート! そしてゴング!
判定は3−0であらし! ついにワンロップの連勝を「11」でストップする日本人が現れた! 「ひとこと言いたいなと思って、勝つことがあったら言おうと思ってたんです。ナメんなよ! 日本人だって強いんだ!」あらしは声高らかに叫んだ。
▼第5試合 スーパーファイト K-1 WORLD MAXルール 3分3R延長1R
○山本優弥(青春塾/全日本ウェルター級王者)
判定2−0 ※30−30、30−29、30−29
●尾崎圭司(チームドラゴン/2007K-1 WORLD
MAX日本トーナメント第3位、2006R.I.S.E.DoAトーナメント優勝)
「テコンドーVSキックボクシング」というテーマを打ち出した尾崎は、4人の女性ダンサーを引き連れての入場。優弥はいつも通り尾崎豊の『Birth』で入場した。
1R、軽快なフットワークから前足を器用に動かして蹴りを飛ばす尾崎、優弥は右ロー。優弥の右ローに合わせて尾崎がワンツー。尾崎は優弥のミドル→ハイキックを警戒して自分からは前に出ず、優弥が出てくるのを迎え撃つ作戦。ロープに詰めていった優弥は左ミドル、尾崎はすぐにクリンチするが優弥はヒザを突き上げる。前足からテコンドースタイルの蹴りを飛ばしていく尾崎に対し、優弥は右ローを蹴り続ける。
2R、尾崎の前足を内・外から蹴っていく優弥、尾崎はヒザから前へ出てバックブロー、バックキック。優弥もバックブローを繰り出すが、尾崎はダッキングでかわす。優弥が連打で尾崎を転倒させるがこれはスリップ。パンチで前に出てくる優弥のパンチをかわし、左フックを被せる尾崎。
優弥は右ロー、右ストレート。尾崎も打ち合いに応じると優弥のショートの連打が当たりだす。優弥がハイから詰めてショートの連打。正面ではなく左側から繰り出される優弥の連打に、尾崎は左ジャブと左フックを返すのみ。距離がとれず、接近戦では優弥に分がある。
3R、ローとジャブのコンビネーションを見せる尾崎に、優弥はパンチで接近していく。左フック、尾崎のバックブロー。優弥がローを蹴ってショートの連打、尾崎はたまらずクリンチで逃れる。尾崎の左インローにバランスを崩す優弥だが、右ハイキックをヒットさせる。ショートの距離で打ち合う二人、優弥が細かくパンチをまとめる。
左ジャブ、フックを多用して離れようとする尾崎に、優弥はミドルで距離を縮めて左右のショート連打。尾崎は左フック、優弥の右フックがヒットすると尾崎もバックブローを打ち返す。尾崎のバックキックは空振り、優弥は徹底して距離を潰す。回転する尾崎に優弥がハイキック、最後まで距離を潰してショートでの連打を叩き込んだ。
尾崎に蹴りの距離を作らせず、また得意のヘッドスリップからの右クロスを打たせないように徹底したショートの距離での細かい連打で勝負した優弥が判定2−0で勝利。シュートボクシングでTATSUJIが宍戸大樹に足元を掬われたのに続き、K-1
WORLD MAX期待の若手がまたも老舗団体に敗れるという結末を迎えた。
▼第4試合 スーパーファイト 日本VSロシア国際戦 75kg契約 3分3R延長1R
○中村高明(藤原/全日本ミドル級王者)
TKO 3R0分32秒 ※ヒジによるカット
●キセレフ・キリル(ロシア/KOYUジム)
試合当日に娘が生まれた中村。キック戦績12戦12勝、新極真会ロシア王者と紹介されたキリルを下して、娘に勝利の報告が出来るか?
1R、中村はいきなり飛びヒザ蹴り! そこからすぐにヒザ蹴りを放ってダウンを奪う。幸先のいいスタートを切った中村はパンチで距離を潰しながら組みヒザ蹴りを連打。ほとんど首相撲が出来ないキリルにヒザ蹴りとヒジ打ちを入れ続け、2度目のダウンを奪う。このまま押し切りたい中村だったが、キリルも必死に両腕ブロックで中村のヒザ蹴りを凌ぐ。
2R、ジャブと右ローで攻める中村。キリルも右ストレートや右ミドルで反撃を試みるも、中村がジャブから右アッパー。1Rと同じように首相撲からのヒザ蹴りで確実にキリルにダメージを与える。その後も首相撲からのヒザ蹴りを繰り返す中村だったが、動きが単調になったのか、キリルの右ストレートが顔面をかすめ、ヒヤリとする場面も。やや中村の攻め疲れが目立つラウンドとなった。
3R、バックキックなど派手な技で前に出るキリル。中村はそれを落ち着いてさばくと、パンチで距離を詰めて立てヒジを一閃! そのまま組み付いてサバ折りでキリルをマットにこかす。すると立ち上がったところでキリルが左目尻から大量の出血。ドクターがチェックするとすぐに試合ストップを宣告した。
▼第3試合 「Kick Return」Kickboxer
of the best 60 トーナメント準決勝 3分3R
○大月晴明(WPKC世界ムエタイ・ライト級王者/AJKF)
判定3−0 ※30−26、29−26、30−26
●前田尚紀(全日本フェザー級2位/藤原)
前田は小林聡の入場曲「キッズリターン」のオープニングを取り入れた曲で登場。過去に敗れている大月へのリベンジを目論む。
1R、前田は細かくジャブを突いて右ローを蹴る。大月はその右ローに右フック、いきなり左アッパーを突き上げるなど、派手な動きを見せる。しかしここからは前田に右ローやミドルを打たせて、そこにカウンターを狙うような闘い方にシフト。細かくスイッチし、距離を取りながらパンチで攻め込むチャンスをうかがう。そして前田が下がったところで、ダッシュしてからの右ストレートと右アッパー!前田は必死にそれを前蹴りで突き放すが、大月は前田の蹴り合いを掴んで右ローを蹴っていく。
様子見のローを蹴る大月に対して、前田はジャブ、ワンツーから左右のフックで前に出る。左フックを出しながら距離をつめる前田に大月は前蹴り。左ハイキックや軸足払い、前田が突っ込んできたところに右ミドルを合わせる。
2R、前田は左フックを振りながら前に出て右ストレート。そして大月のミドルにパンチを合わせて、大月のバランスを崩す。一気に距離を詰めて右ローを蹴る前田。大月も右フックで飛び込んで左ボディを返す。前田は大月のローに右ストレートを合わせて、さらに右ロー。前田は細かくジャブを突いて大月を下がらせて、逃げ場がなくなったところで右ローを蹴り込む。大月は小さく手数を返すのみで、いつものような怒涛のラッシュはない。
逆に前田が大月のローにジャブや左フックを当てるなど、確実に自分の攻撃を当てていく。このまま前田ペースになるかと思われたのが、ここで大月の豪腕が炸裂! 左右のフックで前田を下がらせると、ブロックを固める前田に強烈な右フック!
この一発で前田が崩れ落ち、ダウンを喫してしまう。再開後、大月は左ハイキック! さらに前田が顔面のディフェンスに注意がいったところで、強烈な右ボディ! そして前蹴りを前田の腹に突き刺す! この大月のボディ攻めに前田の動きが止まる。
3R、ポイントでは後がなくなった前田はいきなり突進。しかしここで大月の左フックがカウンターでヒット! 前田が痛恨のダウンを喫してしまう。必死に右ハイキックや右ミドルで前に出る前田。しかし大月は冷静に左フックと右ローを当てる。しかしパンチの攻防の中で、大月が左目尻をカット。ドクターチェックを受ける大月。やや鮮血が目立つものの、ドクターは試合続行を宣言する。
大月のチェック後、ひたすら前に出る前田。しかし大月がそこに抜群のタイミングで左フックを当てて、そこから強烈な右ローを返す。パンチが大振りの前田に対して、右フックや左アッパーを当てていく大月。さらにパンチだけでなく左右のヒジやヒザ蹴りを見せるなど、攻撃を散らして前田に反撃を許さない。最後はジャブと前蹴りで前田を突き放した大月。引き出しの多さを見せた大月が前田を振り切った!
▼第2試合 「Kick Return」Kickboxer
of the best 60 トーナメント準決勝 3分3R
○山本真弘(全日本フェザー級王者/藤原)
判定3−0 ※29−27、30−27、29−27
●石川直生(全日本スーパー・フェザー級王者/青春塾)
1R、オーソドックスの石川に対し、山本は右にサークリング。石川の右ミドルをスウェーでかわすと、すかさず左ローを蹴り込む。さらに一気に距離を詰めて左フック、石川は山本が来るところに右ヒジを狙う。山本はジャブとインローで細かく手を出す。
石川のインローに対してもすぐに左ミドルによる返しを見せる山本。石川の前足に前蹴りを放って距離を取り、腕だけのフェイントから強烈な左ミドル、石川の前蹴りを手でサイドに流しながら左ストレートを打つなど、山本の細かいテクニックが光る。
石川の右ミドルにもしっかりと腕によるブロック&足でのカットでディフェンスする山本。そして石川の右ハイキックをスウェーで空振りさせると、すかさずカウンターの右フック! この一撃が石川の顔面を打ち抜いて石川がダウン!
そこまでダメージのない石川だったが、山本はワンツーから右アッパー、石川を前蹴りで突き放すと、今度は右フックからの左ストレート。山本がポイントを先制するラウンドとなった。
2R、右ミドルと前蹴りで攻撃を組み立てる石川。山本はここでも基本に忠実に右へのサークリングからローを蹴る。石川は山本の首を手で引っ掛けながら飛びヒザ蹴りを打つも、山本がすぐに石川の胴に組みついて追撃を許さない。
山本は石川のジャブにカウンターの左ストレート、石川の蹴りを空振りさせてインローを打つ。その後も山本は石川の前蹴りを流して右フック、ジャブをヘッドスリップして左ストレートを出すなど、手数を出し続ける石川のカウンターを取って、反撃を許さない。
それならばと石川は山本の首を掴んで、強引に首相撲に持ち込む。これに対し山本はぴったりと石川の体に自分の頭をつけてディフェンスする。しかし石川の右ミドルをブロックさせて、すかさず右ストレート! 首相撲で山本のバランスを崩すと、山本の左ストレートに右のヒジを強振! これが立て続けに山本の顔面を捉える。さらに石川はボディへのヒザ蹴りを突き刺して、山本の動きを止めにかかる。
3R開始直後、石川のインローがローブローとなり、山本にインターバル1分が与えられる。再開後、石川は前蹴りで山本を突き放す。そして山本が前に出たところを首相撲に捕まえる。ここでペースを掴みたい石川だったが、山本も必死に石川の体にしがみついてヒザ蹴りやヒジ打ちを許さない。山本はワンツーからインロー、さらに左ハイキックで応戦する。
山本のボディにヒザ蹴りを突き刺す石川。しかし山本は右フックから左ストレート、さらに右フックからの左ハイキックを当てると、そこからパンチを当てて石川をぐらつかせる! 何とか山本をロープまで押し込んでダメージをごまかす石川だったが、ブレイクになると山本は細かい右から左ストレート。
左右に動いて石川に攻撃の的を絞らせない。起死回生を狙う石川はバックブローも放つが、山本はそれを空振りさせると、右フックから左ストレート! ここで試合終了となった。
判定は1Rのダウンもありフルマークで山本! 開幕戦の大宮司戦同様にスピードマスターぶりを見せ付ける試合内容で決勝へと駒を進めた。
▼第1試合 「Kick Return」Kickboxer
of the best 60 トーナメント・リザーブファイト 60Kg契約3分3R延長1R
○梶原龍児(チームドラゴン/WFCA世界ライト級王者)
延長判定2−1 ※9−10、10−9、10−9
●ファイヤー原田(レグルス池袋/J-NETWORKライト級4位)
1R、いきなり距離をつめてパンチとローを放つ原田。梶原が下がりながら右ストレート、左ボディを打っていく。その後も一心不乱に前に出て体全身を使って右ローを蹴る原田。梶原は細かくジャブをついて、原田に距離をつめさせない。
さらにコーナー際で上手くサークリングして原田にコーナーを背負わせてヒジ! 右のアウトローだけでなく奥足も蹴っていく原田。梶原は原田のローをカットせずに足を上げて受け流す。梶原は原田のジャブの打ち終わりを狙って右ストレート、さらにワンツー。原田はしっかり顎を引いて前に出てひたすら右ローを蹴り続ける。
2R、ここでも原田は一気に距離を詰めてローを蹴る。梶原は1Rと同じように下がりながら距離を取ってジャブを当てるものの、原田は一向に下がる気配を見せない。逆に大振りの右フックで前に出て行く。しかしパンチのテクニックでは梶原の方が上。原田のパンチを上体を使って空振りさせると、ワンツースリーと細かく連打をまとめる。
それでも一歩も下がらず、こつこつとローを蹴り続ける原田。右ローのフェイントから右ハイキックを出すなど手数は衰えない。顔面へのパンチで倒れないと見たのか、梶原は原田のローに対して左ボディ! さらに前に出てくる原田に右ストレートから左アッパーを突き上げて、梶原が確実に攻撃を当てる。原田はバックブローの奇襲から距離をつめて右ローを出した。
3R、一気に飛び込んでいく原田は、梶原のジャブに右ストレートを狙う。梶原はジャブを突いて距離を取り、原田の足が止まったところにワンツーを打ち込む。しかし原田も左フックを強振! 梶原のパンチをもらいながらも、この左フックを何発も梶原の顔面に打ち込む。
梶原はジャブから右ストレート、さらに右アッパーから左フック。梶原のパンチが何発も顔面を捉えるのだが、原田は直線的に前に出て手を出し続ける。そして残り10秒、原田の左フックがヒット!
試合終了のゴングが鳴らされると、両者は手を挙げて勝利をアピールした。アウトボクシングを中心に戦った梶原とひたすら前に出て手を出し続けた原田。判定は原田に一票入ってのドロー! 試合は延長に突入した。
延長R、ここでもいきなり前に出てローを蹴っていく原田。梶原はそこに右ストレートを打ち込む。左フックが相打ちとなる両者。原田はパンチからローにつなげ、さらに右ハイキックも飛ばす。対する梶原は細かい連打で原田の足を止める。さらにジャブで突き放して右ロー、原田の大振りのパンチに右アッパーを合わせ、そこから左フックを返す。距離を取ろうとする梶原。
原田は梶原の左ボディにカウンターの左フック! フラフラになっても前に出て攻撃を出し続け、梶原に決定的な場面を作らせない。ワンツーから右ローにつなげる原田。梶原は梶原のローの打ち終わりにワンツースリーと連打!
そして残り10秒、足を止めて打ち合う両者! このラウンドも明確なポイントがないまま、試合終了となった。判定はスプリットで梶原! ファイヤーの健闘が光ったものの、梶原のテクニックがそれを上回った。
▲オープニングで行われた小林聡GMによる殺陣
▼オープニングファイト第2試合 ライト級 3分3R
○卜部弘嵩(西山道場/ISUMI GYM/2007年全日本新空手K-2軽中量級王者)
判定3−0 ※30−26、30−26、40−26
●相馬一仁(DEION GYM)
1R、左フックからの右ストレートで距離を詰める卜部。相馬が下がりながら右ローを返す。それでも構わず前に出る卜部は右アッパー、さらに鋭い出入りで相馬に攻撃を的を絞らせず、距離が詰まるとパンチで連打をまとめる。ローとミドルで距離を取ろうとする相馬だったが、卜部が左ストレート気味のジャブのカウンターで先制のダウンを奪う。再開後、卜部は左ミドルの連打で相馬を下がらせるものの、このラウンドは相馬が凌ぎきった。
2R、今度はパンチとミドルのコンビネーションで攻める卜部。足を止めてパンチの打ち合いに持ち込みたいところだが、相馬はパンチの後には必ず右ローを返して、コツコツとローを蹴り続ける。
しかし圧力で勝る卜部は相馬のパンチに右フックのカウンターを合わせて、この日の2度目のダウンを奪う。再開後、スイッチしながら左右のハイキックを飛ばす卜部。相馬はこれをしっかりブロックすると、逆にミドルを蹴りながら前に出て行く。卜部は左ハイキックや右フックを繰り出すものの、クリーンヒットはない。
3R、相馬はジャブやワンツーから右ローに攻撃をつなげる。2Rまでの勢いがなくなった卜部は左ミドルや前蹴りで相馬を突き放す。ポイントを挽回したい相馬は距離を詰めて左フックや右アッパーを打ち込むが、卜部は距離を取って的確にジャブ。そして右ボディを打ち込むと、左ミドルやジャブを当てていく。
ワンツーや右アッパー、ヒザ蹴りを放つ相馬。最後はお互い足を止めて打ち合うものの、共にダウンはなし。1Rと2Rにダウンを奪った卜部が3連勝を飾った。
▼オープニングファイト第1試合 バンタム級 3分3R
○瀧谷渉太(WSK/桜塾/2007年全日本新空手K-2軽量級王者)
KO 1R2分49秒 ※3ノックダウン
●原岡武志(STRUGGLE)
1R、お互いにサウスポーの両者。瀧谷は細かくパンチを突いて前に出て行く。そこに左ミドルを蹴る原岡。瀧谷は原岡の頭を手で引っ掛けてヒザ蹴り! 原岡を突き放すように、左ミドルと前蹴りを繰り出す。
さらに瀧谷は右アッパーから左ストレート。パンチで応戦する原岡だったが、瀧谷は左ローを返す。そして距離が詰まったところで左フック! この一発で瀧谷がダウンを奪う。
再開後、一気に原岡に襲い掛かる瀧谷。右前蹴りで原岡を突き放すと、左飛びヒザ蹴り。そして左ハイキックを飛ばす。ダウンを挽回しようと前に出る原岡に対し、瀧谷は右フックでサイドに周って左ハイキック!
これで瀧谷が2度目のダウンを奪う。何とか立ち上がった原岡だったが、瀧谷が右フックで3度目のダウンを奪い、原岡を下した。
瀧谷は全日本キックデビュー以来、3戦3勝3KO。バリエーション豊富な攻撃パターンと、相手を倒せる武器を持っているだけに、バンタム級戦線をかき回す存在になりそうだ。
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