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JAPAN KICKBOXING 2007 「70’s 全日本キック中量級最強決定トーナメント〜開幕戦〜」 2007年11月18日(日)東京・後楽園ホール 開場17:00 本戦開始18:00 オープニングファイト開始17:15
▼メインイベント 70’sトーナメントAブロック一回戦 70Kg契約3分5R(延長1R) ○山内裕太郎(AJジム/全日本スーパー・ウェルター級王者) TKO 3R2分1秒 ※ヒジによるカット ●喜入
衆(ソーチタラダ渋谷/前J-NETWORKスーパーライト級王者)
全日本キックの現役王者としてトーナメントに参戦した山内。大会3日前に対戦予定だったサムゴー・ギャットモンテープが負傷により欠場、急遽対戦相手が元J-NETWORKスーパーライト級王者の喜入に変更されるという事態に見舞われた。
前日計量の時点では「まだ気持ちの整理がまだついていません。(試合に対する)モチベーションは下がっています」とこぼしていた山内だったが… 1R、パンチのフェイントから鋭いローを飛ばしていく喜入。場内に「バチーン!」と乾いた音を響かせる。対する山内は喜入の攻撃をじっくり見ながら右のボディストレートを打つ。山内のパンチを打たせてそこにローキックを狙う喜入。
さらにローだけでなく山内のパンチに右のヒジも合わせていく。なかなか動きにエンジンのかからない山内だったが、ラウンド終盤に入ると喜入をロープ際に詰めてワンツーから連打。喜入のブロックの間を狙って右アッパーや左フックを打ち込み、右のヒジを喜入の側頭部に叩き込む。 しかし2Rが始まると、1Rと同じように後手後手に回ってしまう山内。逆に喜入は山内の奥足に左ローを蹴ってバランスを崩させると、左手のガードが低い山内に右のロングフック! これが山内の顔面を捉えて、喜入は一気に前に出てラッシュを仕掛ける。
この一発でようやく目が覚めたのか、山内は喜入を突き放して右のヒジを強震! これで喜入の側頭部を切り裂く。しかしそれでも喜入の勢いは止まらず、奥足へのローに始まり、バックブロー、右のロングフックと果敢に攻撃を繰り出す。するとこれに呼応するように右ストレートやヒザ蹴りを出した打ち合う山内。 そして3R、前のラウンドの続きを見るかのように、山内は序盤からラッシュをかける。パンチで喜入にガードを固めさせると、そこに右ヒジを連打。喜入をロープまで追い詰めるとヒジとパンチでラッシュをかける。公開練習でも予告していた跳び膝蹴りを繰り出す山内。さらに左ボディを打ち込んで喜入の動きを止める。
何とか右フックで突破口を掴みたい喜入だったが、山内のヒジ打ちを受けて左側頭部の出血がひどくなる。そしてドクターチェックが入ると、ドクターはストップを宣告。山内がTKOという形で開幕戦を突破した。 試合後のインタビュースペースでは、試合内容について「全然ハートを見せられなかった。反省してます」と表情が優れなかった山内。試合内容はともかく、これで準決勝への進出は決まっており「勝ち上がった3選手とは一度対戦しているんですけど、みんなやりがいがある選手だと思います」と意気込みを語った。
▼第7試合 70’sトーナメントBブロック一回戦 70Kg契約3分5R(延長1R) ○レイ・スターリン(オランダ・KBアーネム/WFCA世界ミドル級王者) 判定3−0 ※50−46、49−47、49−47 ●石毛慎也(NJKF・東京北星ジム/元NKBウェルター級王者)
“ドラゴに勝った男”として鳴り物入りで来日を果たしたスターリン。しかしここまで1敗1分と結果は芳しくない。一方の石毛は全日本初参戦で濱崎一輝(シルバーアックス)を得意のヒジ打ちで下している。いつものように屈強なマスクマンズに囲まれての入場となった石毛。キックトランクスの下からのぞく両太腿のテーピニングが気になるところ。 1R、スターリンは細かくステップを踏みながら、ジャブを出してくる。さらにそこから右ストレート、左ハイキックを飛ばす。出入りの早いスターリンをやや捕まえきれなかった石毛だったが、前蹴りとローで少しずつ手を出していくと、スターリンが前に出てくるところに右の立てヒジ。このヒジ打ちでスターリンの左目下を切り裂き、石毛が幸先のいいスタートを切る。 しかしそんな石毛に落とし穴が待っていた。2R開始直後、右ミドルを放った際に、蹴り終わりを狙われてスターリンの左フックからの右ストレートで尻餅を付いてしまう。ダメージこそなかったものの、レフェリーはダウンを宣告し、試合としては石毛がポイントを追いかけるという展開に。その影響もあってか石毛はここから右ストレートを中心に反撃を開始、激しくパンチで打ち合うが、パンチの打ち合いならスターリンの方が上か。不用意なパンチを出してはスターリンにカウンターを狙われてしまう。 3R、ローやミドルを蹴る石毛にパンチを狙っていくスターリン。さらに石毛のお株を奪うようにパンチの中にもヒジ打ちを織り交ぜる。
スターリンの外から入ってくるパンチに内側からヒジを立てる石毛。さらにヒジだけでなく右ストレートからの左フックを当てるなど、パンチでも応戦する。しかし打たれ強いスターリンは石毛のパンチでバランスこそ崩すもののダウンは許さず、逆に石毛の攻撃の打ち終わりに左フックを当てる。 4R、スターリンの右ヒジがヒット! これで石毛が左目尻付近から流血し、ドクターチェックを受ける。試合再開となると、ここまでポイントを奪われていると判断してか、パンチとヒジで勝負をかける石毛。
右ストレートや左ボディを当て、右ハイキックを繰り出すがクリーンヒットはない。またスターリンのパンチにヒジを合わせていくが、これもスターリンにダメージを与えるまでには至らない。スターリンは石毛のパンチをディフェンスしながら、小さくパンチを返していく。 5R、4R以上にパンチを振り回して前に出る石毛。パンチだけでなくテンカオをスターリンのボディに突き刺すのだが、スターリンは倒れない。逆に石毛のパンチを空振りさせるなど、的確にカウンターでパンチを当てていくスターリン。石毛は左目尻と鼻から大量の出血、フラフラになりながらも必死に攻撃を続けたが、逆転とはならなかった。
▼第6試合 70’sトーナメントBブロック一回戦 70Kg契約3分5R(延長1R) ○望月竜介(U.W.F.スネークピットジャパン/全日本スーパー・ウェルター級1位) 延長判定3−0 ※10−9、10−9、10−9 ●川端健司(チームドラゴン/2006年R.I.S.E.70kgトーナメント第3位)
1R、ガードを高く上げて左ミドルを蹴っていく望月。川端はそれを腕でブロックして、すぐにローを返していく。そして左フックから右ローにつなげる川端。望月はほとんどパンチは出さず、川端のパンチをしっかりとブロックして左右のミドルを蹴り続ける。川端も望月のミドルをブロックし、ガードの間を狙って左フックやアッパーを打っていく。 2Rに入っても望月はミドルで試合を組み立てる。左ミドルで川端の前進を止めて、前蹴りで突き放す。ミドルをブロックしてからローやパンチを返していた川端だったが、望月のミドルを腕で受けるために手数が出せなくなる。逆に望月は川端がパンチで前に出て来たところに必殺の右カウンター! パンチの数こそ少ないものの、確実にパンチをヒットさせる。 3R、望月の左ミドルに手こずっていた川端だったが、ここでカウンターの右ストレート! 望月の蹴り終わりに一気に踏み込んでパンチをまとめる。やや守勢に回る望月だったが、川端のパンチをしっかり顎を引いて受け、ブロックでディフェンスすると、ここでも左ミドルを多用。前に出る圧力が強い川端だが、望月はミドルのプレッシャーで川端を後退させる。 4R、右ストレートから前に出る川端。望月のガードの間を狙ってアッパーやフックを打っていく。川端のこのパンチに下がる場面のあった望月。しかし距離が詰まればすぐに川端に組み付いて首相撲で川端をマットに叩きつける。レフェリーからは足をかけてこかしたとしてイエローカードが提示されるが、マットに転ばされる川端は体力を消耗する。さらに望月は何度も右ミドルを叩き込み、川端がガードを固めたところに左右のアッパーを突き上げる。 5R、パンチで距離を詰める川端を望月は首相撲でこかす。ひたすらパンチを振って前に出る川端。望月はそれを前蹴りでストップしたり、足を使って逃げる。それでも追い足を止めずに距離を詰める川端は、顔が下がる望月に左アッパー、さらに右フックを打っていく。これを何発かもらってしまう望月だったが、川端が前がかりになったところで右のカウンター! 川端の追撃を足をつかってかわした。 勝利を確信し、両腕を上げてコーナーに戻る望月。しかしジャッジ1名こそ50−49をつけたものの、残り2名は望月のミドルにはポイントをつけず50−50のドロー。望月にとってはまさかの延長戦突入となる。 延長R、足を止めて打ち合う両者。本戦ではやや劣勢が続いた川端も、ここでは一気にパンチをまとめて、右のヒジを望月の額に打つ込む。するとここで望月が流血、ドクターチェックが入る。再開後、果敢にパンチで前に出て行く川端だったが、望月が狙い済ました右のカウンター! これで川端の動きを止めると、右から返しの左フック。さらに右ミドルを蹴り込み、川端に反撃のチャンスを与えず。マストシステムの延長Rを10−9×3できっちりものにした。 試合後「前蹴りとミドルで距離を取る作戦だった」と望月。パンチ勝負を仕掛けるのは作戦外だったことを明かし、作戦通りの勝利だったと話した。
▼第5試合 70’sトーナメントAブロック一回戦 70Kg契約3分5R(延長1R) ○白虎(和術慧舟會・RANGER品川ジム) KO 2R0分48秒 ※3ノックダウン ●クリストフ・プルボー(スイス・スクランブル渋谷/全日本ウェルター級2位)
1R、ジャブを突きながら前に出るプルボーは強烈な右ロー。白虎にパンチを出させて、そこに右ローを蹴りこんでいく。
そして首相撲の攻防になると白虎を豪快に投げ捨て、白虎のパンチに立てヒジや振り下ろしのヒジを合わせるなど、タイ修行の成果を垣間見せる。
右ローで白虎の足を止めるプルボー。しかし白虎もラウンド終盤、プルボーのガードの間を縫うような強烈な左ジャブ。さらにプルボーのヒジ打ちを空振りさせると右フックを打ち込む。 2R、左ミドルを蹴っていくプルボー。白虎はそのミドルをブロックしてすぐに右フック! 側頭部を擦るように当たったこのパンチでプルボーは足元がおぼつかない。一気に攻め込む白虎。
必死にガードを固めるプルボーにアッパーとフックを乱れ打ちして先制のダウンを奪う。何とか立ち上がったプルボーだがダメージは明らか。
必死にヒジ打ちを出していくが、白虎はそれをかわすとパンチの連打を叩き込み、立て続けに2度のダウンを奪い、“影の優勝候補”プルボーをマットに沈めた。
▼第4試合 全日本フェザー級王座次期挑戦者決定戦 3分5R(延長1R) ○上松大輔(チームドラゴン/同級4位) TKO 2R0分38秒 ※ヒジによるカット ●水落洋祐(はまっこムエタイ/同級3位)
1R、軽くローと右ミドルを蹴る水落。上松はそのミドルをブロックして左フックや右ストレートで前に出る。ややパンチが大振りの上松は、セコンドに注意を受けると、それにうなずく余裕を見せる。
そしてラウンド終盤、水落がパンチで距離を詰めてきたところに、上松がワンツーのタイミングで右ヒジ! これが水落の左即頭部をざっくりと切り裂く。ドクターチェック後、試合続行となったが傷はかなり深い。 2Rに入り、逆転を狙って立てヒジで前に出る水落。しかしすぐに出血がひどくなり、ドクターストップ。上松がリベンジを果たすと共に山本真弘への挑戦権を獲得した。
▼第3試合 全日本バンタム級ランキング戦 サドンデスマッチ3分3R(延長1R) ○寺戸伸近(BOOCH
BEAT/同級1位) KO 3R1分51秒 ※左ローキック ●ウエンツ☆修一(スクランブル渋谷/同級3位)
1R、ウエンツはガードを高く上げて前蹴りと右ロー。寺戸はジャブと左フックを上手く使って、ウエンツのサイドに回って右ローを蹴っていく。さらに左フックから右ストレートを打つ寺戸。ラウンド終盤には右ローで早くもウエンツがバランスを崩す。 2Rに入ると、寺戸はさらにパンチの回転を上げて、確実に右ローを当てて行く。この攻撃にディフェンスが追いつかなくなるウエンツ。縦ヒジを試みるも、寺戸はバックステップで距離を外す。すると寺戸もお返しとばかりにヒジを繰り出し、そこから右ロー。
さらにウエンツが右ローを意識すれば、奥足への左ローを蹴るなど、多彩なテクニックでウエンツを翻弄する。ここまで何とか耐え凌いでいたウエンツだったが、ラウンド終了間際に寺戸の右ローを受けると、大きくバランスを崩す。左足のダメージでダウン寸前となる。 3R、一発逆転の右フックを狙うウエンツ。ややこれを受ける場面があった寺戸だったが、左フックからの右ストレートと右ロー。左アッパーから右ストレート。右ローをフェイントしての右ハイキックなど、次々と攻撃を当てていく。
そしてパンチをまとめてウエンツの足が揃ったところで、ウエンツの右足の左右のローキック! これでウエンツはバタリとマットに崩れ落ち、立ち上がることが出来ず。寺戸が実力差を見せてのKO勝利を飾った。
▼第2試合 全日本スーパーウェルター級ランキング戦 サドンデスマッチ3分3R(延長1R) ○武田一也(JMC横浜) 延長判定3−0 ※10−9、10−9、10−9 ●小松隆也(建武館/同級5位) ▼第1試合 フェザー級3分3R ○倉田光敏(AJ) 判定3−0 ※30−25、30−25、30−25 ●義和(SVG) ▼オープニングファイト第3試合 ライト級3分3R ○白濱卓哉(建武館) 判定3−0 ※30−27、30−27、30−27 ●原田直樹(BOOCH
BEAT) ▼オープニングファイト第2試合 ライト級3分3R ○佐藤 琉(JMC横浜) KO 1R1分11秒 ●西山洋介(光) ▼オープニングファイト第3試合 ウェルター級3分3R ○牧平圭太(AJ) 判定3−0 ※30−26、30−27、30−27 ●増田光紀(超越塾)
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