▲決勝戦で小松裕弥(右)にかかと落としを見舞う高島大輔
11月18日(日)東京・後楽園ホールにて、日本テコンドー協会(JTA)主催『第18回全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会 ITA杯無差別級王者日本一決定戦』が開催された。
同大会は踵落としや後ろ廻し蹴りなど、テコンドーならではの華麗なる蹴り技でKOを狙い合う“直接打撃制”ルール。顔面突きもアゴと額限定で、それ一発でKOを狙うものではなく蹴りに繋げる攻撃や牽制のためならOKだ。
→華麗な蹴り技を見舞う、3位入賞の妹尾将吾(右)。今大会を最後に引退
この大会出身者には現在K-1 WORLD MAXで活躍する尾崎圭司(JTA湘南平塚支部長/チームドラゴン)がおり、プロ転向前に2002、2003と大会を連覇している。
トーナメントには男性21名、女性5名がエントリーし、計25試合が行われた。男性のトーナメントでは2回戦から波乱が続出。
優勝候補の“四強”のうち、前年度全日本大会2位で体重100kgを超える巨漢を誇る趙哲来(横浜鶴見支部)が延長戦の末に敗退。また、同大会3位で、尾崎と同じチームドラゴンに入門してJ-NETWORKでプロデビューを果たし2連勝中の坂本洸巳(湘南平塚支部)も2回戦で姿を消している。
→34kgも体重差があるにも関わらず、趙哲来(左)を相手に果敢に攻め、勝利した準優勝の小松裕弥
決勝に進出したのは、趙を下した小松裕弥(神奈川大学横浜体育会支部)。そして、“四強”の残る2人、古谷知也(高知支部)を準々決勝で、妹尾将吾(岡山支部)を準決勝で破った高島大輔(川崎中原支部)だ。
「憧れていた選手の妹尾を破ったことでモチベーションが爆発していた」と日本テコンドー協会の河明生会長が大会後に語った通り、決勝戦での高島は初優勝間近というプレッシャーに負けることなく持ち味を発揮。接近戦を仕掛ける小松に対し、華麗なかかと落とし、後ろ横蹴りを連発しKO狙い。本戦で決着はつかなかったものの、延長戦で判定勝ちを収めた。
→憧れの選手・妹尾(左)を準決勝で下した高島
初優勝と同時に、MVP(最優秀選手賞)を獲得した高島は「まだ優勝した実感は沸きませんが、これからもどんどん強い人を倒していきたい」とマイクアピール。そして試合後には、“尾崎に続かん”とばかりにプロデビューする夢を語った。
大会統括を行った河会長は「熱戦が続き、今までの大会と比べてレベルアップしていると実感出来た大会だった」と評価。「今日活躍した選手たちが、K-1MAXなどに挑戦してテコンドーの強さを立証していくでしょう」と“最強テコンドー”に自信を見せていた。
“長崎打倒=初優勝”のモチベーションで頂点を極めた江川沙織(右)
最前列で観戦していた初代無差別級王者・尾崎も「プロに行っても通用する選手がいたので、徐々にこっちの世界に引きずりこもうと思う」とJTA出身のプロキックボクサー6人目の輩出に意欲を見せている。
なお、女性の部では、3連覇を狙う長崎優子(湘南辻堂)と江川沙織(横浜鶴見支部)が決勝戦で対決。軽快なフットワークからの攻撃で江川が勝利し、初優勝を飾っている。
→来場した初代無差別級王者・尾崎圭司はK-1MAXのコスチューム姿で試割りを披露
日本テコンドー協会(JTA)
「第18回全日本フルコンタクト・テコンドー選手権大会
ITA杯無差別級王者日本一決定戦」
2007年11月18日(日)東京・後楽園ホール
開場10:00 開始10:30
<結果>
▼男性無差別級
優勝:高島大輔(川崎中原支部)
準優勝:小松裕弥(神奈川大学横浜体育会支部)
3位:妹尾将吾(岡山支部)
4位:鈴木明斗(横浜市体育会支部)
新人賞:朝比奈浩一(高知香南支部)
▼女性無差別級
優勝:江川沙織(横浜鶴見支部)
準優勝:長崎優子(湘南辻堂)
|