「Fury
FC 5」
2007年12月6日(木・現地時間)ブラジル サンパウロ
ジナーシオ・パウロ・ピンヘイロ
▼第7試合 68kg 5分3R
○大塚隆史(日本/AACC)
TKO 2R3分12秒
●ホドリゴ・ルイス(ブラジル/ブラザ)
プロ・エリートと提携するなど、バーリトゥードの母国ブラジルにあって、現在最も人気の高いMMA大会=ヒューリーFC。柔術衣ブランド、コラルの代表ヴィトー・コスタ氏がジャイアント・スポーツ&エンターテインメントというプロモーションを興し、活動を行ってきた。
今年は5月と8月に、83kg級GPとしてトーナメントを開催し、今大会で準決勝と決勝が行われた。そのヒューリーFCに参戦した大塚隆史は、地元サンパウロのファイター=ホドリゴ・ルイスと対戦。試合開始早々、跳びヒザを放ってきたルイスに対し、大塚はこの蹴り足をキャッチし、テイクダウンに成功する。
長い手足を利用し、ハイガードや蹴り上げで反撃の機会をうかがうルイスだったが、大塚は要所要所で強烈なパウンドを落として、反撃の芽を摘んでいく。
長いリーチのルイスの攻撃をしっかり見切り、カウンターを当ててテイクダウン。下からのタックルをがぶり、さらにパウンドを落とし、マウント奪取に成功する。そのまま1Rを攻勢のまま終えた大塚は、2R開始直後には飛び込んでパンチを放ちながら、タックルにスイッチ。
テイクダウンに成功したが、ここでギロチンを仕掛けられてしまう。かなり苦しそうな表情を浮かべる大塚だったが、頭を相手の正面にもってきてエスケープに成功。この攻撃後、完全に動きが止まったルイスからパス、さらにバックマウントを奪い、左右の拳を思い切り落とし続けると、レフェリーが試合をストップした。
試合終了直後、TKO勝ちした大塚にセルジオ・ヴィエイラ(グレイシーヒュージョン)が挑戦をアピール。このポルトガル語の挑発に対し、大塚は「誰の挑戦でも受ける!」と日本語でしっかり返答した。そして、この一言が通訳のマイクを通して、館内に告げられると大きな歓声に包まれる。コスタ氏も「ブラジルのサクラバだ」と、やや意味不明の表現で大塚の活躍を喜ぶなど、ブラジルで大きな勝利を手にした。
そのブラジル人に当たり負けしなかった体の強さ、物怖じしない強心臓、日本でもこれからの活躍が気になるーーそんな大塚のブラジルでのファイトだった。
▼メインイベント 83KgGP決勝戦
○ホウジマーウ・トキーニョ(ブラジル/ブラジリアントップチーム)
一本 1R2分45秒 ※ヒールホールド
●ダニエル・アカーシオ(ブラジル/シュートボクセ)
ブラジル最強のミドル級選手は誰か? この日、その座を争う最後の4つの席に残っていたのが、ダニエル・アカーシオ、アンドレ・ミキート、ホウジマーウ・トキーニョ、ファブリシオ・ネガォンの4名。
まず、準決勝でアカーシオが1Rはやや苦戦しながらも、2Rにスタミナの切れたミキートをパウンドで攻め込むと、ミキートはストップドントムーブの際に試合再開を拒否、まずアカーシオが決勝進出を決めた。
続いて行われたネガォンとトキーニョの一戦は、戦前は互角のタフファイトと予想されていたが、軽々とネガォンを抱えあげテイクダウンに成功するトキーニョが、ネガォンを圧倒。
1R中盤にスタンドでバックを奪うと、そのまま後方に座り込みヒールを極めてタップを奪った。
4試合後、リングで向かいあったアカーシオとトキーニョ。ここでもトキーニョは、テイクダウンの強みを見せつけ、トップを奪う。と、その直後にヒールホールドへ移行し、あのアカーシオが即タップ。
とんでもない強さを見せ付けたトキーニョは、「WECもUFCも世界王者は友人。僕は日本で戦いたい」と、日本上陸を希望するコメントを残した。
<その他の主な試合>
▼第4試合 83KgGP決勝戦
○ジョルジ・ミシャレ(ブラジル/ブラザ)
一本 1R2分0秒 ※腕ひしぎ十字固め
●レオナルド・バタタ(ブラジル/ノヴァウニオン)
11月8日のプロ修斗代々木大会に来日し、勝利しているバタタ。テイクダウンからパウンドで攻めようとした矢先、ミシャレの腕十字で一本負けを喫した。
▼第6試合 70.5kg級
○ハファエル・ドスアンジョス(グレイシーヒュージョン)
判定3−0
●ガブリエル・ヴェイガ(ナインナイン)
明らかに体が一回り小さかったドスアンジョスは、今大会の掘り出しもの。素早いタックルの仕掛けと、アグレッシブな寝技、次々とポジションを奪いヴェイガを圧倒。3Rこそ、打撃を受けるシーンもあったが、しっかり距離を見定めてテイクダウンを奪い、ピンチを乗り切った。
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