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【大道塾】藤松泰通が史上初の無差別三連覇を達成、18歳ニューヒロインも誕生

2007/12/08



全日本空道連盟
「2007北斗旗オープントーナメント全日本空道無差別選手権大会
2007全日本空道女子選手権大会」
2007年12月8日(土)東京・国立代々木競技場第二体育館
開会式11:00 開始11:30

▼全日本空道無差別選手権決勝戦 本戦3分・延長3分
○藤松泰通(総本部/178cm/80Kg/27歳)
延長戦 一本 ※腕ひしぎ十字固め
●吉澤雅宏(八王子/188cm/94Kg/40歳)

“達人”藤松泰通が磐石の強さで北斗旗無差別史上初の三連覇を達成した。西良典、長田賢一、山田利一郎、市原海樹、加藤清尚、セーム・シュルト、稲垣拓一ら歴代の名王者たちでさえ成し遂げられなかった新記録を樹立したのである。

「相手に攻撃を出させず、一方的に勝つ」という達人の域を目指している藤松。2回戦(1回戦はシード)は江川知明(早稲田)が出したパンチの脇を潜り、バックへ回って首に腕を引っ掛けての投げなどでスタミナを奪い、無難なスタートを切った。

 大会を通して最もインパクトがあったのは3回戦の高野望(秋田)戦だ。相手の蹴り足を掴んだ藤松は右フック一閃! 一発で高野をKOし、担架に乗せたのである。「自分はKOが少ないって言われたので、やろうと思えばやれることを見せただけ」と藤松。

「武術は死ぬか生きるか、闘う時は殺すつもりでやる。自分は殺すという気持ちを出すのが嫌なんです。(刀を)抜いたらその瞬間に終わり。こういう公の場で殺す気持ちを出す、抜くのはよくないことだと思います。あの突きで相手が死んだと思いましたからね。この試合では抜きましたが、あまり刀を抜こうとは思いません」

 以後、藤松の動きは精彩を欠くことになる。「殺す気持ちを出してしまったので、ずっと凄く嫌な気分だった」のがその理由だという。特に準々決勝で対戦した総本部の後輩・堀越とは、その真剣を抜かないように気をつけながら闘っていたため「負けてもいいかなって思った」。

 本戦はほとんど手を出さないままに延長戦(本戦で有効が二つ以上ない場合は自動的に延長戦となる)へ突入、堀越は藤松のパンチを空振りさせたり、投げを防いで場内を大いに沸かせる。しかし、「一生懸命やった自分に勝って欲しい」と藤松は思いなおし、試合終了間際にローキック、右ストレートをヒットさせて判定4−0で勝利を得た。

 準決勝の相手・高橋腕には右フックでグラつかされる危ない場面もあったが、延長戦になると左前蹴りをボディに突き刺し、高橋に「グフッ!」と息を吐き出させた。最後には右ストレートもヒットさせて判定5−0で優勢勝ち。

 決勝戦では、なんと40歳ながらもタイミングのいい強烈なパンチで全試合において効果・有効・技あり・一本勝ちなどを奪ってきたハードパンチャー、闘う会社役員・吉澤雅宏との対戦。

 藤松はここまでの受けの体勢ではなく、思い右ローを次々と叩き込んで吉澤の体をねじれさせる。さらに吉澤のお株を奪うような右の突き、前蹴り。自動延長に入ると吉澤もパンチを狙い始め、藤松を後方へ吹っ飛ばす場面も生み出した。場内は吉澤勝利への期待に沸くが、吉澤が藤松のローにパンチを合わせたと思った直後、藤松はすぐに組み付いてマウントから腕十字! 「寝技を一番警戒していた」という吉澤をまんまと罠にはめ、一本勝ちで優勝を飾った。

 今後は自分の武術を磨きながら、「若い選手にも出てきて欲しいから指導をやっていきたい。堀越もいいですが、もっと出てきて欲しいですね。若者を導くような先輩になりたいです」と、若手の強豪を育ててみたいと藤松は語った。

RESULT
優勝 藤松泰通(総本部/178cm/80Kg/27歳)
準優勝 吉澤雅宏(八王子/188cm/94Kg/40歳)
3位 高橋 腕(新潟/168cm/65Kg/31歳)
4位 稲田卓也(横浜北/181cm/85Kg/35歳)
5位 久松勇二(フリー/177cm/86Kg/36歳)
6位 平安孝行(全中国/162cm/66Kg/27歳)
7位 堀越亮祐(総本部/170cm/68Kg/23歳)
8位 前田 聡(大宮/182.5cm/95Kg/36歳)
特別賞 堀越亮祐、キーナン・マイク(成田/187cm/91Kg/30歳)
ベストサブミッション賞 久松勇二


▼全日本空道女子選手権決勝戦 本戦3分・延長3分
○森本絢香(名張/161cm/49Kg/18歳)
本戦 判定5−0
●岡 裕美(横浜北/153.5cm/57.5Kg/31歳)

 男子無差別と初の同時開催となった全日本女子選手権大会で、待望のニューヒロインが誕生した。森本は18歳ながら9年の修行年数、第10回全日本女子ジュニア柔道体重別選手権大会−48Kg級7位の実績を持つ。

 右ハイキックと右前蹴り、投げ技を駆使してBリーグ戦を全勝で勝ちあがり、同じくAリーグ全勝で2006秋全日本空道女子選抜大会で優勝している岡裕美と決勝戦を争った。

 森本は前蹴りオンリーの攻めから組み付いての投げ、岡はパンチで応戦したが、延長戦で森本が投げから2度の抑え込みに成功し、初優勝を飾った。

<テレビ放映>
GAORA「格闘KING」=http://www.gaora.co.jp/kakutogi/index.html

【関連リンク】
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