日本ブラジリアン柔術連盟
「第1回全日本オープン選手権 1日目」
2007年12月23日(日)東京・新宿コズミックセンター
▼アダルト黒帯レーヴィ級決勝
○杉江大輔(アライブ)
送り襟絞め
●大内 敬(パラエストラ小岩)
今大会の20日前、DEEP-Xでバレット・ヨシダと対戦した杉江“アマゾン”大輔は、パスされるかパスされないか、その攻防だけで観客を沸かし、そして終了間際に見事パスに成功。同大会ベストバウトを演出した。その攻防は、まさに“ノーギ・ジウジツ”と呼べるものだった。
そして今回、アマゾンはギ有りの闘いに挑んだ。「今回は2日間で行われるじゃないですか。ムンジアルも2日間ですよね。だからムンジアルを見据えて出場しました」とエントリーの理由を語る。
試合は、アマゾンの横綱相撲だった。まず大内が引き込むと、アマゾンはいつもどおりしっかりと腰を据え、プレッシャーをかけながらパスを狙う。だが大内もなかなかガードを崩さず、しばらくこの体勢が続いたために両者に膠着のマイナスアドバンテージが与えられた。するとアマゾンはすかさず相手の足を割ってパスの体勢へ。大内が亀になると、そのままバックマウントを奪い、送り襟絞めでタップを奪った。
試合後、アマゾンに祝福の言葉をかけると、「いや、“おめでとう”なんて言われる内容じゃないです」と苦笑い。その理由は、今回の大一番ともいえる、翌日のアブソルート級1回戦、マイク・ファウラー戦だ。
昨年2月26日、プロ修斗名古屋大会で両者は一度激突し、この時は2アドバンテージ差でアマゾンが勝利した。だがアマゾンは「前回とは違いますよね。前回は同じ体重(レーヴィ級契約)でやりましたけど、今回は階級が違う中でアブソルートでの試合ですから」と気を引き締める。
アマゾンが目指すのは、もちろんムンジアル制覇だ。そのために今の実力を確認するには、ファウラーは格好の強敵。アマゾンが返り討ちにするか、ファウラーがリベンジを果たすか。明日のアブソルート級は1回戦から目が離せない。
▼アダルト黒帯メジオ級決勝
○マイク・ファウラー(PUREBRED大宮)
腕ひしぎ十字固め
●上村 彰(パラエストラ東京)
いきなり引き込んだ上村に対し、ファウラーは上から相手の奥襟を掴んで固定したまま、すぐさまパス。そこからマウントへ移行し、十字絞めを狙うがここは極まらなかったものの、下から腕十字を極めて貫禄の強さを見せた。翌日のアブソルート級決勝で対戦するアマゾンと同様、引き手の強さ、そして上からのプレッシャーは目を見張るものがある。アマゾン×ファウラーの決戦やいかに!?
▼アダルト黒帯ペナ級決勝
○廣瀬貴行(パラエストラ葛西)
ポイント6-4
●荒牧 誠(アカデミアAz)
アブソルート級でアマゾンの前に立ちふさがる男がもう一人。もう一方の山にエントリーされた廣瀬だ。この日は1回戦で丹治章近(アカデミアAz)と対戦し、絞めで一本勝ち。続く決勝では丹治と同門の荒牧と激突した。
まずテイクダウンを奪われた荒牧はクォーターポジションからリバーサルに成功。しかし廣瀬は下からスパイダーガードを駆使し、リバーサルのお返し。荒牧もオモプラッタでさらに返そうとするも、廣瀬は腕を抜く。一旦ブレイクとなり、再開後、またも廣瀬はリバーサルでポイント奪い、その後の荒牧の攻めを凌いで勝利した。
アブソルート1回戦ではこの日アマゾンに敗れた大内と対戦する廣瀬。まさに混戦模様の頂上決戦といえよう。
▼女子アダルト紫/茶/黒ペナ級決勝
○塩田さやか(AACC)
アンクルホールド
●関口菜穂子(トライフォース柔術アカデミー)
ワンマッチ決勝となったこの階級は、今年のADCC世界王者の塩田さやかが制した。関口の引き込みをものともせず、塩田はかつぎでパスのプレッシャーをかけ続け、いきなり腕十字。さらに足関節と攻めまくる。これを凌がれ上を取られるが、最後は得意のアンクルホールドでフィニッシュ。女子組み技国内最強ともいえる実力を見せ付けた。
塩田は翌日のアブソルート級にもエントリー。強豪・服部恵子(アライブ)との対戦が注目される。
<他の主な優勝者>
▼アダルト茶帯の部
ガロ級:北出拓也(パラエストラ千葉)
プルーマ級:村上 直(PUREBRED京都)
ペナ級:嶌崎公次(クラブバーバリアン)
レーヴィ級:柿澤剛之(PUREBRED大宮)
メジオ級:中山 徹(トライフォース柔術アカデミー)
メイオペサード級:佐藤恒明(チームレグナム)
ペサード級:岡 晃一郎(KO京都ブラジリアン柔術)
▼女子アダルト紫/茶/黒帯の部
ガロ級:関谷由貴子(パラエストラ古河)
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