新日本キックボクシング協会/治政館 「BRAVE HEARTS 7」
2008年1月20日(日)東京・後楽園ホール 開場16:45 開始17:00
▼メインイベント WKBA世界スーパーウェルター級タイトルマッチ 3分5R ○ジョン・ウェイン・パー(オーストラリア/王者)
KO 4R1分20秒 ※3ノックダウン ●武田幸三(治政館/挑戦者・同級3位) ※ジョン・ウェインが王座防衛に成功。
入場時、リングアナウンサーから武田の名前がコールされると、早くも後楽園ホールには「武田!」コールが巻き起こる。その中を武田は真っ白なガウン姿で登場。国歌斉唱では君が代をファンが熱唱し、武田への激励賞の数々が読み上げられ、ファンからは花束が贈呈されるなど、場内は武田の応援ムード一色となった。
1R、武田はいきなり強烈な右ロー! パーはワンツーから左ミドル、さらにインローを蹴っていく。ジリジリと間合いを探りながら右ローを蹴る武田。パーの右ミドルをブロックすると、すかさず右のローを返す。
武田の右ローに対して、右ストレートで距離を詰めるパー。しかし武田はそれを突き放して着実に右ローを当てていく。それでも構わず前に出るパーは武田をロープまで詰めると、左フック、左アッパー、右ストレートと怒涛の連打! しかし武田も両腕でガッチリと自分の顔面をブロックし、逆にカウンターの右ストレートを返す! 距離が開くと武田はやはり右ロー。パーは自分の左足を上げたまま、受け流すようにして武田のローをディフェンスする。そしてインローや左ミドルを蹴りながら、武田のブロックの間を狙って右のパンチを強引にねじ込んでいく。
下がりながらも必ず右ローを蹴る武田。パーがパンチで前に出てくると、狙い済ました右ストレート! これをもらいながらも前に出て右アッパーを連打するが、再び武田の右ストレートがヒット! 動きの止まったパーだったが「効いていないよ」とばかりにガードを下げて武田を挑発する。 2R、まずはパーが先に右ローを蹴る。武田はそれを受けながらも強烈な右ローを返す。武田のローに合わせてパンチで飛び込むパー。武田のブロックが固いと見るや、パンチから右ミドル。さらにはボディへの右ストレートなど、バリエーション豊かな攻撃で武田を攻め立てる。しかし武田のブロックは固く、クリーンヒットを許さない。逆に武田は確実に右ローを当て続け、パーのパンチに対してもカウンターの右! 手数ではパーに圧倒されるものの、一発の破壊力と的確さでは武田が上回る。ラウンド後半はガードを固めて亀になる武田のディフェンスをパーがなかなか崩せないという展開が続いた。 3R、右ローや左の前蹴りで距離を測るパー。武田は右ローを蹴る。武田の右ローにワンツーで飛び込むパーは、そこから右アッパーや左ハイキック。さらに右ストレートで前に出る。武田はパーの連打に対しても冷静にブロックを固めて右ロー、そしてパーが打ち気になって前に出て来たところにカウンターの右! これがパーの顔面を捉える。これを受けても全く下がらないパーだったが、足が止まったところに武田が強烈な右ローを蹴り込む! 右ボディストレートで前に出るパーは、パンチで武田にガード上げさせてをそこに左ミドル。武田にロープを背負わせると、強烈な右ストレートを打ち込む。するとここで武田が左目まぶたをカット、ドクターチェック後に試合再開となる。再開後、パンチの打ち合いになると武田の左フックがヒット! さらにそこから立て続けに右ストレートも当たる! 猛然とパンチで攻め立てる武田! するとパーも武田のパンチに応じて、足を止めて真っ向から打ち合う。激しい打ち合いに場内は一気に盛り上がった。 4R、ここはパーがジャブと右ローのコンビネーション。しかし武田の強烈な右ローでパーの足が止まる。さらに武田はパーのジャブに対して右ストレートのカウンター! さらに返しの左フックを当てる! ここから武田が一気に攻勢に出るかに見えたが、パンチの打ち合いの中でパーが体ごと突っ込むような右! この一発で武田が尻餅をついてしまい、武田が先にダウンを奪われる! 再開後、ダウンを奪い返そうと激しく打ち合う両者だったが、ここでもパーの右ストレートが当たり武田が2度目のダウン! これで武田は完全に後がなくなってしまう。何とか立ち上がり、ガードを固める武田に対し、パーは右アッパーを連打。武田も距離を取って必死にパンチを打ち返すが、パーの右ストレートが武田の顎を打ちぬき、武田がマットに崩れ落ちる。パーへのリベンジを誓った武田だったが壮絶なKO劇でマットに散った… 昨年5月のサムンサック戦後、パーとのリベンジマッチについて「そろそろいろんな答えを出さないといけないので、今年はいろんな意味での節目になると思います」と意味深な発言をしていた武田。
(※当初、ジョン・ウェインとの再戦は2007年中に行われる計画だった) 試合終了後のコメントに注目が集まったが「自分の攻撃が効いているのも分かったし、いつもみたいにパンチをもらって記憶が飛ぶこともなかった。本当に悔しい。本当に悔しかった」と試合を振り返り、今後について聞かれると「もうちょっとやってもいいですか?」と現役続行を宣言。 武田は「この年齢になると毎回“引退”の二文字が頭について回る。(現役続行は)プロである以上、見に来てくれるお客さんあってのものだし、それはお客さんが決めることだと思います」としながらも「個人的には悔しくてしょうがない。練習量が落ちているわけじゃないし、練習以外のアフターケアも今まで以上にやってきた。目も前よりはいいんですよ。もうちょっとやりたい。個人的にはやれる気がします」と、悔しさを噛み締めながらも力強く語った。
▼セミファイナル ライト級国際戦 3分3R ○石井宏樹(藤本/日本ライト級王者)
判定3-0 ※29-28、29-27、29-28 ●チャイディー・カー(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定フェザー級王者)
今年3月に念願だったラジャのタイトルマッチが決定した石井。この日は前哨戦となった試合で、元ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王者のチャイディーを迎え撃った。
1R、石井はテンポ良く左ミドルと左インロー。前蹴りでチャイディーを突き放し、右ローを蹴っていく。じりじりと前に出てプレッシャーをかけるチャイディーだったが、石井はサイドステップを使いながら右ローと左フック。さらに前蹴りでチャイディーを突き放す。
ここから石井は的確にジャブを突いて、スピーディなパンチの連打から右ロー! チャイディーに顔面のガードを固めさせておいて、左ボディから右ローを蹴るなど絶妙のコンビネーションで攻める。
さらに石井はこのジャブを起点に、ジャブをフェイントにしてからの右ロー。チャイディーがミドルを蹴ってきたら、それをブロックして右アッパーや左フック。石井はラウンドを通じてパンチとローを当て続けた。 2R、とにかくパンチで前に出てくるチャイディー。しかし石井はバックステップで距離を取りながら左ミドル。チャイディーがパンチを振り回しても、上手くそれをかわしながら的確に右ストレートを打ち込む。顔にパンチが当たらないとみるや、チャイディーは頭から突っ込むようにして石井のボディにパンチの連打。しかし石井はそれを前蹴りで突き放して右ローを蹴る。 ここまで完全に試合を支配していた石井だったが、チャイディーに距離を詰められたところで右フックを被弾! この一発で思わずバランスを崩してしまう! 一気に形勢逆転となったチャイディーはガードを固める石井に左右の連打。
しかし石井も果敢にチャイディーのパンチに右ストレートや左フックを返していく。するとここでチャイディーの左フックがヒット! 再びバランスを崩しかけた石井だったが、すぐに態勢を立て直し、距離をとりながら立て続けに右ストレートを連続で当てる。
タフなチャイディーは効いた素振りを全く見せないが、ここから石井は再びジャブを使って、そこから左ボディや右アッパーにつなげる攻撃を見せる。 3R、右ローを軸に攻撃を組み立てる石井。完全に2Rのダメージから立ち直っており、ジャブをつきながら距離を測り、突っ込んでくるチャイディーに右ストレート。チャイディーがミドルを蹴れば、それをしっかりとブロックして左フックや右アッパーを返す。
さらに細かいパンチでチャイディーに顔面をディフェンスさせておいて、左ボディから右ロー。石井が上下左右にパンチと蹴りを振り分けて、完全にチャイディーを圧倒する。 終了間際にはチャイディーの前蹴りをさばいて、石井が右ストレートから左フック! チャイディーは「効いてないよ」とアピールし、ノーガードで石井のパンチをディフェンスする余裕を見せたが、このラウンドもポイントは確実に石井。2Rこそポイントを奪われた石井だったが、1Rと3Rは完全に試合を支配し、ラジャのタイトル挑戦に弾みをつける勝利となった。
▼セミファイナル フェザー級国際戦 3分3R ○菊地剛介(伊原/日本フェザー級王者)
KO 2R1分26秒 ※右ストレート ●チョンブートン・ゲニワット(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級王者)
1R、左右のローを蹴っていく菊池。チョンブートンは菊地の蹴り足をキャッチしてローを返したり、菊地のローにパンチを合わせていく。
インローから奥足へのロー、インローから右のアウトローなどローを蹴り分けていく菊地。ジャブをつきながらチョンブートンをロープに詰めて右のローを蹴る。
さらに菊地はチョンブートンのミドルをキャッチしてチョンブートンをマットにこかす。するとチョンブートンも同じように菊地の蹴り足をキャッチして、菊地をマットに転がした。
2R、右ローを蹴っていく菊池。チョンブートンはマットに手をついてからの蹴りなど変則的な技を出すが、菊地はそれに動じずコツコツと右ローを蹴っていく。さらに菊地は奥足ローを蹴っておいて、そこからの左ハイキック! これはクリーンヒットしなかったものの、菊地が蹴りを左右に散らすとチョンブートンはディフェンスが追いつかない。
そしてチョンブートンが蹴り足を掴んで前に出て来たところに、菊地が強烈な右ストレート! これがチョンブートンは前のめりにバタリ。ダウンカウントが数えられたが、ダメージは大きく、菊地の豪快なKO勝利となった。
▼第9試合 特別マッチ 130P契約国際戦 3分5R
○ドーマイパー・ウォサンパパイ(タイ/元ルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級3位)
TKO 1R2分12秒 ※ヒジによるカット
●蘇我英樹(市原/日本フェザー級2位)
1R、サウスポーのドーマイパーに対して、蘇我は右ミドルと右のインロー。ワンツーで前に出て行く。ドーマイパーは蘇我のパンチをしっかりブロックしながら左ミドルを蹴る。蘇我が前に出るため、後退するドーマイパーだったが、パンチへのブロックを固く、的確に左ミドルを返していく。
そして蘇我がパンチで前に出てきたところに左のヒジ! この一発で蘇我は右目上をカット! 勝利を確信してドーマイパーがガッツポーズを見せる中、ドクターチェックとなると蘇我の傷を見たドクターはストップを宣告した。
▼第8試合 ミドル級 3分3R
△青木克眞(トーエル/同級1位)
ドロー ※三者とも30-28
△喜多村誠(伊原/同級5位)
1Rから互いに激しく打ち合う両者。互いにノンストップの打撃戦を繰り広げるがランキング下位の喜多村が優位に試合を進める。3Rになっても喜多村が左ハイキックを当て、ボディへの強烈な前蹴りで青木を一気に攻め込んでいく。このまま喜多村が試合を有利に進めていたのが、終了間際の拍子木の音が鳴るのとほぼ同時に青木の右フックがヒット! 何とこの一発で喜多村が痛恨のダウン! この一発により判定は3者とも28-28のドロー。喜多村にとっては十中八九手にしていた勝利を失う悔しい結果に終わった。
▼第7試合 69Kg契約 国際戦 3分3R
○イソラサック・シッセックサン(タイ/元ルンピニースタジアム認定フェザー級王者) 判定3-0 ※30-29、30-28、30-28
●萩野兼嗣(ビクトリー/日本ミドル級3位) ▼第6試合 ミドル級 3分3R
○アピチカート・ユンサン(タイ) 判定2-0 ※30-29、30-29、30-30
●阿久澤英一(山田/元NKBミドル級王者)
▼第5試合 ライト級3分2R
○勝次(藤本) 判定2-0 ※20-19、20-19、20-20 ●野口俊明(西八王子大塚) ▼第4試合 フェザー級3分2R
○逸可(トーエル) 判定3-0 ※三者とも30-29 ●石堂大地(横須賀太賀) ▼第3試合 フェザー級3分2R
△伊野康弘(伊原稲城) ドロー △許宰哲(韓国) ▼第2試合 ウェルター級3分2R
○ロッキー壮大(治政館)※デビュー戦 KO 2R1分19秒 ●城戸健司(揚心)※デビュー戦
▼第1試合 バンタム級3分2R
△江幡塁(伊原土浦) ドロー
△やす吉(治政館)※デビュー戦
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