パンクラス
「PANCRASE 2008 SHINING TOUR」
2008年1月30日(水)東京・後楽園ホール
開場18:00 開始18:30
▼メインイベント 第3代ウェルター級キング・オブ・パンクラス決定戦 5分3R
○井上克也(和術慧舟會RJW/暫定王者)76.9kg
判定 2−1 ※29−29、29−29、29−29
●北岡 悟(パンクラスism/同級1位)77.0kg
※井上が第3代ウェルター級キング・オブ・パンクラシストに。
前日計量では「何となくベルトを巻いているのは俺なんだろうなと思います」と王座奪取を誓った北岡に対し、「一本かKOで決着をつけたい。勝っても負けても暫定王者じゃなくなるので、勝って正規王者になりたい」と語った井上。今回で3度目となる対戦でベルトを手に入れるのはどっちだ?
1R、互いにサウスポーの両者。じりじりと間合いを詰める井上に対して、北岡は下がりながらも、何発かインローを飛ばす。井上の左ストレートに対し、北岡はロープまで下がり、その反動を利用してパンチからタックル! そのまま井上をコーナーまで押し込んでいくが、井上はコーナーを背にしながらも、テイクダウンを許さない。肩パンチなどで嫌がらせをする北岡。しかしここはブレイクとなる。
北岡の放ったインローがローブローになり、試合が一時中断。再開後、井上はパンチで距離を詰めようとする北岡を右前蹴りと右ミドルで突き放す。それでも右フックで距離を詰める北岡。井上の蹴り足をすくうと、そのまま井上の足を高々と持ち上げてテイクダウンを狙う。井上は逆立ちのような態勢でそれを阻止するが、北岡は両手をマットについている井上にサッカーボールキック! そしてテイクダウンに成功する。
ハーフガードで上になった北岡はしっかりと井上を押さえ込んで小さなパンチ。そして隙を見て強烈なパウンド! 残り30秒になると北岡がパスガードにも成功し、ニーオンザベリーの態勢からサッカーボールキックと鉄槌。さらに足関節を狙ったところでラウンド終了となった。
2R、プレッシャーをかけながら前に出る井上。北岡はインローを蹴りながら距離を測る。ここから北岡はタックルに入るが、井上はそれを切って北岡の立ち際に右ハイキックを蹴る。距離が離れると北岡は片足タックル、そのまま井上をコーナーまで押し込んでテイクダウンを奪う。しかし井上は寝技の展開には持ち込ませず、背中を見せながら立ち上がる。
スタンドの状態で井上のバックにつく北岡。そこから井上の左足にしがみつき、井上の右足を折りたたむようにしてテイクダウンを狙う。これに対して井上は片膝の状態でバランスをとって、テイクダウンを阻止。北岡がタックルで井上をロープに押し込む状態が長時間続き、ブレイクとなる。スタンドでの再開後、北岡がインローを蹴ったところに井上がワンツー! 北岡が片足タックルで押し込んだ状態でこのラウンドは終わる。
3R、プレッシャーをかけて前に出る井上の周りを北岡がグルグルと周る展開が続く。右フックから飛び込んでタックルを狙う北岡。この右フックが井上の顔面を捉える場面があったものの井上は下がらない。逆に北岡のタックルを切った井上は、引き込もうとする北岡の顔面にサッカーボールキックを放つ。北岡は井上の手を掴んで寝技に持ち込もうとするが、井上は距離を取りながら再びサッカーボールキックを蹴る。
スタンドでの再開後、井上のパンチに北岡がカウンターのタックル。しかし距離が遠く下がりながらのタックルのため井上を倒せない。それでもしつこくタックルを繰り返し、井上をロープまで押し込でいく北岡。井上は必死に腰を落として、テイクダウンを許さない。ブレイク後、北岡のタックルを切った井上が左ストレート! そして北岡の引き込み際にサッカーボールキックを蹴る。
ここまでは全く寝技に付き合わなかった井上だったが、残り時間を考えてか、慎重に北岡の寝技をディフェンスしながら距離を詰めてパウンド。井上はハーフガードから距離を詰めよとする北岡の頭を潰して鉄槌を落とす。残り1分、試合がスタンドの展開に戻ると北岡がタックル! しかしこれを切った井上が引き込み際の北岡の顔面にサッカーボールキック!
さらに井上は北岡の体を押しつぶして鉄槌の連打。何とか立ち上がった北岡だったが、井上はそのまま前に出てパンチと膝蹴りで攻め続ける。完全決着が期待された一戦だったが、終わってみれば今回も明確なポイントがない試合内容に終わった。
判定は3者とも29-29でポイントをつけたが、マストシステムでのポイントは2-1で井上!
井上が第3代王者に認定される結果となった。初の暫定王座獲得から3年、ようやく正規王者としてのベルトを手に入れた井上は「(認定書が)4枚目で本当にベルトが獲れました。ありがとうございます」と喜びを口にする一方で、「減量も楽なんで昇侍選手が持っているもう一つのベルトも狙おうと思います」と発言。
ライト級転向を示唆するコメントを残しており、今後の動向が注目される。
▼セミファイナル 初代ライト級キング・オブ・パンクラス決定戦 5分3R
○昇侍(KIBAマーシャルアーツクラブ/同級3位)69.4kg
KO 2R0分21秒 ※左ハイキック→パウンド
●ウマハノフ・アルトゥール(ロシア/SKアブソリュート・ロシア/同級2位)69.9kg
※昇侍が初代ライト級キング・オブ・パンクラシストに。
このタイトルマッチに向けて「命をかける」「選手生命が終わってもいい」と語った昇侍。ケージフォースライト級王者にして、対日本人無敗のウマハノフを倒してベルトを腰に巻くことが出来るか?
1R、いきなりワンツーで飛び込む昇侍! そこから右ミドルを蹴るなど、試合開始直後から果敢に打撃を出していく。距離を取り、上体を振りながらパンチのフェイントを入れるウマハノフ。昇侍の右のロングフックに、ウマハノフは鋭い左ジャブ。さらにウマハノフは足払いのようなローキックで昇侍のバランスを崩す。ウマハノフのローに対して、すぐに右ローを返す昇侍。ウマハノフは昇侍のパンチの打ち終わりを狙って細かいワンツー。しかし昇侍も果敢にパンチを打ち返すし、舌を出してウマハノフを挑発する。
昇侍の蹴り足をつかんでテイクダウンを狙うウマハノフ。昇侍は背中を見せながら立ち上がるが、ウマハノフはそのまま弾丸のようなパワフルなタックル! 昇侍を吹っ飛ばすようにしてテイクダウンを奪う。
インサイドのウマハノフは昇侍の胸に頭をつけてポジションをキープし、立とうとする昇侍をマットに寝かせる。下からがっちりとウマハノフの上体を抱え込む昇侍。ウマハノフは小さなパンチを落とすだけでビッグヒットはない。
2R、ジャブとローのコンビネーションで攻める昇侍。ウマハノフはここでも昇侍の蹴り足をすくってテイクダウンするが、昇侍もすぐに立ち上がり、グラウンドでの展開を許さない。そしてスタンドの攻防になると、昇侍の左ハイキックがウマハノフの即頭部にクリーンヒット!
その場に崩れ落ちるウマハノフ! 大の字になったウマハノフに昇侍が追撃のパウンドを連打すると、レフェリーが試合をストップ! 劇的なKO勝利で昇侍が初代ライト級キング・オブ・パンクラスの座を手に入れた。
ベルトが腰に巻かれ、認定書が読まれると嬉し涙を流す昇侍。「僕はずっとウマハノフと対戦したくて、日本人のみんなが負けているのを見て、日本人として日本人が強いところを見せたくて闘いました。こうして初代ライト級キング・オブ・パンクラシストになったのですが、格闘家になるために三重県を飛び出してから6年、やっとベルトを巻くことができました。でもこれはまだ一つの夢です。もっと大きな舞台で日本人の強さを見せたいので、これからも昇侍をよろしくお願いします!」と今後の飛躍をファンに誓った。
▼第6試合 ミドル級 5分3R
○ガジエフ・アワウディン(ロシア/SKアブソリュート・ロシア)83.8kg
KO 1R0分41秒 ※右ストレート
●久松勇二(和術慧舟會TIGER PLACE)82.5kg
1R、ガードを高く上げる久松に対して、ガジエフは構わず左右のパンチで前に出て行く。ガジエフのラッシュに後退する久松。しかし久松は上体を低くしてガジエフに組み付いて足をかけてテイクダウン、一気にガジエフの体をまたいでマウントポジションに移行する。得意の寝技で有利なポジションを取ったの久松だったが…
ここからガジエフが驚異的な体のバネを使って久松の体を跳ね上げると、強引な形で無理矢理立ち上がる。するとガジエフが再び怒涛のラッシュ! 久松をロープに詰めると左右の連打を叩き込み、最後は右ストレートで久松をマットに沈めた。
▼第5試合 ライト級戦 5分3R
△小路伸亮(KRAZY BEE)70.1kg
ドロー 1−0 判定 30−28、29−29、29−29
△五十里祐一(パンクラスP’sLAB東京)69.6kg
1R、パンチを放ちながら組み付く五十里。それをがっちり受け止めた小路はテイクダウンしたが、五十里はうまく立ち上がる。コーナーに押し込んだ小路。距離を取った五十里は右ハイ。ダメージを感じさせることなく小路は組み付きにいく。五十里はヒザで突き離すも、執拗に密着していくる小路がひたすら押し込む展開が続く。
ブレイクがかかり、五十里のジャブにあわせて組み付いた小路は払い越しでサイドポジションを奪取。またしても立ち上がった五十里。両者差し合いとなり、小路のローブローで口頭注意。再開後すぐに1Rは終了した。
2R、右ストレートを放ちながら、再び組み付く小路。ここでバッティングがおき、小路は額をカット。再開後、変わらず小路はテイクダウン狙いで組み付くのみ。突進力を生かした小路がテイクダウインすると、上からがっちりポジションをキープ。そしてマウントを奪うと、こつこつとパンチ。五十里は一瞬の隙をついて立ち上がる。
距離をとったところで、小路の左ストレートがヒット。不意に後ろを向いた五十里にパンチを見舞うが、再び差し合いの展開となった。小路の出血がひどく再びドクターチェック。再開し、小路の右アッパーがヒット。目だった展開はなく2R終了。
3Rも今までと同じ展開。差し合いの中、五十里は鋭いヒザ蹴りで小路の顔面を打ち抜く。みるみるうちに小路の顔面は腫れ上がり出血がひどい。ドクターチェックの後に再開。お互いに押し合う展開が続く。
残り時間2分で、テイクダウンした小路はマウントポジション、バックを制したままの体勢から猛攻撃するが、決定的なチャンスを生み出せず。小路に一票入りるも、ドローに終わった。
▼第4試合 ライト級戦 5分2R
△高橋 渉(チーム桜畑)69.4kg
ドロー 1−0 ※19−19、20−19、20−20
△花澤大介13(総合格闘技道場コブラ会)70.1kg
1R、ジャブを放ちながら突っ込んだ花澤は2度目のタックルでテイクダウンに成功。ガードポジションの高橋に対し、花澤は上からこつこつとパンチを放つ。じっくりとポジションを固める花澤は肩固めを狙うが逃げられてしまった。
パスガードした花澤はじりじりとポジションを移動するも、一瞬の隙をついた高橋が立ち上がる。両者はコーナーで差し合いへ。今度は高橋がテイクダウンし、上から攻撃のチャンスを伺う。残り時間僅かのところで、花澤は立ち上がり反撃を開始するも1R終了した。
2R、花澤の左ジャブがクリーンヒットし、高橋はぐらつく。花澤はコーナーに押しこむも、展開作れない。スタンドから再開し、執拗にタックルを狙う花澤。逆に高橋が上を取り返し上からパウンド。下の花澤はうまくしがみつき有効打をもらわない。ブレイクがかかり、スタンドへ。
今までの展開とは違い、パンチ連打を出す高橋。それをかいくぐった花澤はテイクダウンしパウンド。残り20秒、お互いにパンチを出し合う展開。決定打がないまま判定へ。お互いに優劣付けがたい攻防戦でドローとなった。
▼第3試合 パンクラスアテナ
52kg以下契約戦 3分3R
○WINDY智美(パンクラスism)51.7kg
TKO 2R終了時
●富松恵美(パラエストラ松戸)※初参戦 50.1kg
1R、パンチの連打で詰めるウィンディー。顔面を防御しながらパンクラス初参戦の富松は組み付く。両者離れると、富松は再び胴タックル。コーナーに押し込んだが、展開は作れずブレイク。
変わらず圧力をかけるウィンディーは組み付きながらヒザ蹴り。富松は決定打をもらなないまま再び距離をとる。ウィンディーはワンツー、アッパーと打撃を繰り出すが、展開を作れない。
2R、パンチ連打から右ミドルのウィンディー。これがクリーンヒット。
富松は自分から打撃が出せなくなり、テイクダウン狙いに終始。やっとの思いでテイクダウンするとスリーパー。立ち上がったウィンディーは富松の腹目がけてサッカーボールキック。
富松は隙を見て立ち上がるものの、スタンドではウィンディーの手数が多く、主導権は変わらない。2R終了と同時に富松は腹部を押さえたまま立ち上がれず。そのままウィンディーがTKO勝利した。
▼第2試合 ウェルター級戦 5分2R
○山田崇太郎(パラエストラ松戸)76.7kg
1R1分42秒 ※チョークスリーパー
●ストラッサー起一(総合格闘技道場コブラ会&フリースタイルアカデミー)76.7kg
1R、左ジャブを放ちながらストラッサーが圧力をかけていくと、山田は胴タックル。そして引き込むながらラバーガードへ。そしてオモプラッタの体勢にいったところ、ストラッサーは立ち上がり腕を抜こうと必死だ。
山田は腕を固めながらそのままバックをとり、チョークを決めにいく。成す術なくストラッサーはタップ! 筋肉の鎧を身にまとったグラップラーの山田が関節技の真骨頂を見せ付けた。
▼第1試合 バンタム級戦 5分2R
○川原誠也(パンクラスP’sLAB横浜/デビュー戦)60.8kg
KO 1R0分28秒
●山澤勇紀(スタンド)60.7kg
前蹴り、ローを放ちながら蹴りでプレッシャーをかけていく川原、山澤も下がりながら前蹴り。お互いに様子見の展開が続く。川原じりじりと距離を詰めると、右ハイキックがクリーンヒット! ばったりと倒れた山澤に追撃しようとしたところでレフェリーがストップ! 川原が衝撃的なプロデビュー戦を飾った。
▼パンクラスゲート第2試合 ウェルター級(77.1kg未満)5分2R
○鈴木武利(U-FILECAMP町田)
KO 1R4分06秒 ※スタンドパンチ
●小野明洋(チームタイゴン)
▼パンクラスゲート第1試合 フライ級(58.0kg未満)5分2R
○江泉卓哉(総合格闘技道場武門會)
KO 1R3分47秒 ※スタンドパンチ
●廣瀬 勲(ストライプル)
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