TBS/FEG
「Ameba presents K-1 WORLD MAX 2008 日本代表決定トーナメント」
2008年2月2日(土)東京・日本武道館
開場14:00 開始15:30
観衆=9,549人(主催者発表)
▼メインイベント 日本代表決定トーナメント 決勝 K-1ルール 3分3R延長1R
○城戸康裕(谷山ジム)
KO 1R1分7秒 ※3ノックダウン
●HAYATO(FUTURE_TRIBE)
※初出場の城戸がトーナメント優勝。
尾崎、オロゴンを下し“決勝に駒を進めた城戸。一方のHAYATOは龍二を相手に接戦の末の判定勝利、準決勝の前田戦ではダウンを奪われながらも、前田の負傷によるドクターストップで辛くも決勝への切符を手にした。
日本トーナメント初出場の城戸が勢いに乗って一気に頂点までかけ上がるか? ベテランHAYATOが悲願の初優勝を達成するか?
1R、ここまではムエタイスタイルで下がりながら距離を取ってきた城戸だったが、この試合では一気にジャブを突きながら前に出る。そしてHAYATOがパンチを出したところに左フックから右ストレート! この一発で城戸がHAYATOからダウンを奪う。
再開後、すぐにパンチで前に出ていく城戸。今度は左ストレート気味のパンチでHAYATOから2度目のダウンを奪う。何とか立ち上がったHAYATOだったが、足元はフラフラ。城戸はHAYATOを仕留めにかかるが、HAYATOがカウンターの左フック! 何とKO寸前だったHAYATOが起死回生の一発でダウンを奪い返した!
これで勢いづいたHAYATOはポイントを挽回しようと一気に前に出る! しかし激しい打ち合いの中、パンチを当てたのは城戸! 城戸の右ストレートがHAYATOの顔面を打ち抜き、HAYATOが前のめりにダウン! 激しいダウンの応酬の末に城戸が日本代表の座を手に入れた!
初出場にして初優勝を果たした城戸は男泣き。「最後はKOで倒せたましたけど、まだまだダメだと思うし、自分の憧れのスーパースター魔裟斗選手には追いつけないと思います。魔裟斗選手にMAXを任せてもらえるような選手になるように頑張ります。これからもよろしくお願いします!」と挨拶した。
●城戸のコメント
「信じられないですね。1回戦のことしか考えてなかったので、他の選手のビデオは一切見てませんでした。
1回戦の尾崎選手は本当に強かった。1Rに左インローを蹴られた時に、“グチャッ”となっていっちゃったかと思いました。それでサウスポーに切り替えたんです。左ミドルが当たる予定だったんですけど全然当たらず、1、2Rは取られたと思ってました。3Rにヒザを乱射して、倒れてくれてよかった。
ハイキックは常に狙ってます。それがノッパデッソーンの一番の教えなので。尾崎戦の時は距離を空けてミドルを蹴って、近付いたらヒザというのをずっと一緒にやってきました。
あと(尾崎の)バックブローは右回りなので、絶対に右のガードを落とさない、と。一番苦しかったのは尾崎戦です。ヤバかったですね。本当にキツかった。アンディは前に来なかったので、前蹴りとミドルがハマッたからそんなでもなかったです。あと、山本優弥戦でローをもらってたのでラッキーでした。
HAYATO選手の試合は2回ダウンを取ってあと1回じゃないですか。それでガツッともらってグラングランきてて、目がチカチカしたんですけど、これで2-1だと思って。あと1回(のダウンでKO勝ち)だと思って狙って打ちました。右足が尾崎戦で効いちゃってたので、パンチで行こうと思ってました。
バイトをしないでファイトマネーを切り詰めてここまで来たので、これで(大学の)奨学金を全部返せます。35〜36歳までに全額返す予定だったんですが、これで一気に返せます。クソ嬉しいです! あとは欲しいものを買わずにずっと来てたから、欲しいものを買いたい。誰も僕が優勝するとは思ってなかったと思うので、注目されてなかったのでやりやすかったですね。
今月末からタイへ行って練習してきます。10日間の予定です。4月の試合を取りこぼさないように、今日の試合を反省してノッパデッソーンと頑張っていきたい」
●谷川貞治K-1イベントプロデューサー総括
「優勝した城戸選手は身体能力が凄く高くて、小比類巻選手の再来のようなタイプ。決勝戦以外は課題が多く残りましたが、これからがスタートですからね。おめでとうは言いたいですが、闘い方はまだまだだよ、と言いたい。
MAXの1日3試合は改めてキツイと思いました。HAYATO君はボロボロでしたね。組み合わせとか運も含めて、城戸選手が良かったと思います。世界大会は魔裟斗選手、佐藤選手、城戸選手で決定です。その他の日本人はないですね」
▼セミファイナル スーパーファイト K-1ルール 3分3R延長1R
○ブアカーオ・ポー.プラムック(タイ/ポー.プラムック)
延長判定2−1 ※10−9、9−10、10−9
●佐藤嘉洋(フルキャスト/名古屋JKファクトリー)
コールを受けた佐藤は右手をブアカーオに向けて伸ばす。ブアカーオはガッツポーズで声援を受けた。リングサイドでは魔裟斗がこの一戦を見つめる。
1R、佐藤は右ローから左ミドル、ジャブを突いて右ロー。ブアカーオも右ローを蹴り返す。ジャブを出しながら右ローを蹴り続ける佐藤、ブアカーオは前蹴りで突き放し、左フックを狙う。前蹴りを多用するブアカーオ、佐藤のローには左右のフック。ブアカーオが左フックを出そうとすると、右手を伸ばしてパンチを殺し、右ローを蹴る佐藤。佐藤の左ミドルをキャッチして足払いで転倒させる。ブアカーオの強い右ロー。
2R、お互いにパンチを出してローに繋げる。佐藤のローに同じくローを返すブアカーオ。佐藤の右ローに強い右ローを返していくブアカーオは、ジリジリと前に出て右フックを放っていく。佐藤が左のテンカオを連発、ブアカーオもヒザを返して右ロー。しきりに左フックを放つブアカーオだが、佐藤はしっかりとブロックしている。前蹴りを多用するブアカーオに、佐藤は右ローだ。
3R、前蹴りからアッパーを出すブアカーオに佐藤が右ロー。ブアカーオが左フックから右フック、佐藤が下がるところへブアカーオがパンチとハイキックで攻めて行く。佐藤は左フックから右アッパー、両者クリンチが多くなる。自分から組みに行ってしまうブアカーオに佐藤の右ストレートがヒット!
ブアカーオもすかさず右アッパーを打ち返す。ローの蹴り合いからブアカーオが前蹴りで佐藤を大きく突き放し、パンチで前に出るが佐藤もパンチを放っていく。ここでゴング。判定は微妙になりそうだ…。
判定は三者とも30-30で差がつかずにドロー、延長戦へもつれ込んだ。
延長R、フックを繰り出すブアカーオに佐藤が右ロー。ブアカーオの右フック、右のボディ、さらに左フック、アッパーで佐藤がついに後退する。ボディを攻めて右ストレートを突き刺すブアカーオは、左右の拳でボディ責め。右から左フック、一発一発に重さを感じさせるブアカーオがパンチで佐藤を下がらせる。組み付いてしまう佐藤。
残り1分、ブアカーオは全力のパンチを顔面、ボディへ叩きつける。左フックに佐藤がグラつく! 組み付く佐藤。残り10秒、佐藤がブアカーオの右ボディに左フックを合わせ、ブアカーオを大きくグラつかせたが、そこでゴング!
判定は2-1のスプリットでブアカーオの勝利! 判定を聞いた佐藤はその場に崩れ落ちた。
▼第8試合 日本代表決定トーナメント 準決勝 K-1ルール 3分3R延長1R
○HAYATO(FUTURE_TRIBE)
TKO 1R終了時 ※ドクターストップ
●前田宏行(BUKUROジム)
1回戦ではTATSUJIを1RKOで下した前田に対し、龍二とフルラウンド殴り合ったHAYATO。ダメージとスタミナを考えると前田がやや有利か。
1R、ジャブを突いて前に出る前田。HAYATOは距離を取りながら左ミドルとインローを蹴っていく。前田のパンチをブロックしてミドルとローを蹴る作戦だ。しかし前田はHAYATOのミドルをブロックしながら前に出て右アッパーや左フックを打ち込む。丁寧に左ミドルを蹴るHAYATO。これで前田の足を止めて強烈な右ローを二発! 前田の足が泳ぐ。
それでも前田は前に出てジャブから右アッパー! HAYATOの顔が跳ね上がる! 距離を取って左右のローを蹴るHAYATO。前に出る圧力が弱くなる前田。しかし距離を詰めてHAYATOの顔面に強烈な左右のフック! この右フックでHAYATOがダウン!
何とか立ち上がったHAYATOだったが、ダメージは明らか。フラフラのHAYATOに一気にラッシュをかける前田! しかしHAYATOも必死にガードを上げてディフェンス! 残り10秒、HAYATOが何とか前田の猛攻を凌ぐ形でラウンド終了のゴングを聞いた。
するとインターバル中にドクターが前田の右肘をチェック。HAYATOの左ミドルを腕ブロックしたためか、前田は右肘を負傷したようだ。試合続行をアピールする前田だったが、チェックにあたっていた中山ドクターは試合をストップ。リング上から、前田が「右肘付近を骨折した疑いがあるため」とストップの理由を説明した。
▼第7試合 日本代表決定トーナメント 準決勝 K-1ルール 3分3R延長1R
○城戸康裕(谷山ジム)
判定3−0 ※30−29、30−29、30−29
●アンディ・オロゴン(ナイジェリア/チームオロゴン)
1R、パンチで圧力を掛けて前に出てくるアンディを、城戸は右ローキックで迎え撃つ。城戸の鋭い左ミドル、アンディが前蹴りを放つと、城戸もすぐに前蹴りを蹴り返して吹っ飛ばす。アンディのパンチをガッチリと両腕ブロックで受ける城戸、飛びヒザ蹴りをいきなり放つがこれは不発。パンチをガードしながら右ロー、前蹴りでアンディを突き放す。
2R、前蹴りで距離をとりつつ、ミドルを蹴る城戸。アンディのパンチは両腕ブロック、右ローを返していく。アンディも左フックから右ロー。城戸は顔面への前蹴りを伸ばしていくが、蹴り足を取られて転ばされる。下がりながら左インローを蹴る城戸、バックブローも繰り出す。パンチで攻めようとするアンディに徹底して右ローを蹴り続ける城戸。
3R、ジャブで前に出るアンディを前蹴りで突き放す城戸、右ローを蹴り続ける。城戸の右ローでアンディの体が揺らぎ始める! 無理をしない城戸はアンディがパンチで攻めてくるのを待ち、右ローを放つ。両者なかなか手が出ない状態が続いたが、残り30秒、城戸がパンチで前に出る。防戦一方となるアンディ! 城戸がパンチを出して左ハイキック、アンディがクリンチしたところでゴングが鳴った。
判定は三者とも30-29で城戸! キックボクシングの老舗団体MAキックの日本ミドル級チャンピオンが、優勝候補筆頭のアンディを破る大金星を獲得した。
▼第6試合 リザーブファイト 1回戦 K-1ルール 3分3R延長1R
○白須康仁(日本/花澤ジム)
KO 2R2分46秒 ※2ノックダウン
●蜜山剛介(日本/ファイブリングス)
オーストラリアからの逆輸入ファイター蜜山と“ローキックの鬼”白須によるリザーブファイト。白須は木更津キャラ&『やっさいもっさい』のイメージから一転、真っ黒のガウンに不気味なマスクをつけての入場となった。
1R、サウスポーの蜜山に対し、白須はインローを蹴る。蜜山は左ミドルで距離を測り、白須が前に出てくるところに左ストレートを狙う。しかし白須はパンチで蜜山を下がらせて右ロー。そして白須が右ローのフェイントから右ストレート! これで蜜山がバランスを崩すと強烈なローを蹴り込む。蜜山も果敢に左右のパンチ、ミドルやハイキックを飛ばしていくが、白須は落ち着いてディフェンス。蜜山に圧力をかけて確実にローを当てていく。
2R、じりじりとパンチで前に出て行く白須。蜜山の右が当たりスリップする場面があったものの、左のパンチで距離を詰めながら右ローを蹴っていく。蜜山をロープに詰めて右ローを蹴り込む白須。蜜山はこれでバランスを崩す。
さらにローだけでなく、左フック、左アッパーなどパンチでも攻勢に出る白須。そして蜜山がパンチで前に出てきたところにカウンターの右フック! これで蜜山をぐらつかせると、パンチで蜜山を下げさせて右ロー! これで白須が蜜山からダウンを奪う。再開後、パンチとローで攻め込む白須。何とか耐え続けた蜜山だったが、ローとパンチのダメージで2度目のダウンを喫し、白須が貫禄のKO勝利を収めた。
▼第5試合 日本代表決定トーナメント 1回戦 K-1ルール 3分3R延長1R
○HAYATO(日本/FUTURE_TRIBE)
判定2−0 ※29−28、29−29、29−28
●龍二(日本/リアルディール)
尾崎、TATSUJIとR.I.S.E.のDoA歴代王者が敗れて行く中、現役のDoA王者・龍二が登場。対するは30歳になったベテランHAYATOだ。
1R、HAYATOのジャブに左フックを返していく龍二は圧力を掛けながら前へ出て、下がるHAYATOにフックを繰り出していく。ジャブを出しながら左ローを放つHAYATOを、コーナーへ詰めて右アッパーから左レバーを叩く龍二。HAYATOはこのピンチにパンチを出しながら脱出し、ジャブで距離をとる。そこへ龍二の左フックがヒット! 距離をとろうと下がるHAYATOだが、足がもつれる。追い討ちをかける龍二は重い左フック、HAYATOは左ミドルで応戦。ガンガンと前へ出る龍二は左フック、HAYATOは右ローからボディへ連打、ヒザへ繋げる。
2R、龍二の右ストレートにグラつくHAYATO。下がりながらもミドルやパンチを返していくHAYATOだが、龍二のパンチの重さに下がっていく。龍二の左フックがまたもクリーンヒット! 絶体絶命のピンチに追い込まれたHAYATOだったが、龍二のヒザに右ストレートのカウンター! これで龍二がダウン! 起死回生の逆転に成功したHAYATOは左右のパンチを繰り出し仕留めに行くが、龍二もパンチで打ち合いに行き、両者ともいつ倒れてもおかしくない状態に。
左フックでHAYATOをグラつかせた龍二は、さらにロープ際へ追い詰めて連打していく。それでもHAYATOはハイキックを返し、左フックから右フック、龍二も左フック。HAYATOの左フックから右アッパー、飛び込むような右ストレート!
3R、細かいパンチから左ミドル、ローキックに繋げるHAYATOだが、龍二の右ストレートに大きく後退。龍二の左右のフックを浴びながらも打ち返し、蹴り返す。接近戦で激しくパンチを打ち合う二人、もういつ倒れてもおかしくないパンチを当て合う。火の出るような打ち合いだ。龍二の左右フックにHAYATOが左フックから右ストレート、龍二の左フックをブロックしながら左フック、右ストレート、左ボディ、右ローをまとめる。
しかし、龍二の左フックがまともにヒット! 龍二がパンチで前に出て、HAYATOもパンチを打ち返して左ミドル。最後までお互いに凄まじい殴り合いを展開し、ゴングが鳴った。ジャッジ1名が29-29でドローにつけたが、判定2-0でHAYATOが辛くも勝利を収めた。
▼第4試合 日本代表決定トーナメント 1回戦 K-1ルール 3分3R延長1R
○前田宏行(日本/BUKUROジム)
KO 1R1分10秒 ※2ノックダウン
●TATSUJI(日本/アイアンアックス)
共にボクシングをバックボーンに持ち、試合前から殴り合いを宣言している両者。K-1の実績では2年連続日本トーナメント準優勝を果たしているTATSUJIに分があるが、ボクシングでは前田が3階級制覇の結果を残している。前田はロッキーのテーマで入場。TATSUJIはリングを睨み付けるようにしてリングイン、気合を感じさせる。
1R、いきなりパンチで前に出て行く前田。TATSUJIはインローを蹴っていくが、前田は止まらない。そしてパンチの打ち合いの中でTATSUJIの左フックに、前田がカウンターの左フック! この一発が綺麗にTATSUJIの顔面を捉え、前田がタフなTATSUJIから先制のダウンを奪う。
再開後、必死にパンチを繰り出すTATSUJIだったが力がない。逆に一気に攻め込むのは前田。TATSUJIを後退させて左フック、右アッパー、左フック! これでTATSUJIが2度目のダウン! 前田がKO勝利でディフェンディングチャンピオンのTATSUJIを下す番狂わせを起こした!
▼第3試合 日本代表決定トーナメント 1回戦 K-1ルール 3分3R延長1R
○城戸康裕(日本/谷山ジム)
判定3−0 ※30−28、30−28、30−28
●尾崎圭司(日本/チームドラゴン)
1R、いきなり左ハイキックを飛ばす城戸、尾崎の左ローにも左ハイキックを合わせようとする。12cmの身長差を活かして左ハイキック、左ミドルと高めの蹴りを放つ城戸。さらに尾崎のお株を奪うようなバックブローを繰り出すが、尾崎はスウェーでかわしていく。
城戸の左ハイと尾崎の左ローという対決。城戸がワンツーから左ハイ、尾崎の右バックキックが鮮やかにヒット! 続いて右ストレートを突き刺す尾崎は、パンチでラッシュを仕掛けてボディも叩く。
2R、お互いにローとハイを織り交ぜながら蹴り技の応酬。そして強烈なローの蹴り合い! 尾崎が接近すると長いリーチのパンチと蹴りで突き放す城戸。尾崎はどんどん接近して左ロー、右ストレートも突き刺す。ジャブを出しながら木戸を下がらせる尾崎、城戸も下がりながら左ハイキック。
3R、尾崎はジャブを突きながら接近、城戸はそこへヒザを突き上げる。尾崎がジャブから左インロー、ジャブを突きまくる。尾崎の左インローに体が泳ぐ城戸、追い討ちのヒザは空振りに終わる。城戸もパンチを伸ばしていくが、正確性は尾崎の方が上。
しかし、接近する尾崎に城戸の左ハイキックがヒット! 追撃のヒザも。すぐにバックブローを繰り出す尾崎だが、そこへまたも城戸のヒザが飛ぶ! 連打で城戸を下がらせていく尾崎、左フックをヒットさせるが城戸もヒザで反撃。最後、尾崎がパンチの連打をまとめに行ったところで城戸の右ハイキックがまともにヒット、グラついた尾崎がスタンディングダウンを奪われる! 試合再開後、すぐにゴング。城戸が判定3-0で尾崎を破る番狂わせとなった。
▼第2試合 日本代表決定トーナメント 1回戦 K-1ルール 3分3R延長1R
○アンディ・オロゴン(ナイジェリア/チームオロゴン)
判定3−0 ※29−28、29−28、29−28
●山本優弥(日本/全日本キックボクシング連盟/青春塾)
今大会の優勝候補に挙げられているオロゴン。記者会見では「アンディが優勝することないジェリア」などダジャレで盛り上げた山本だが、その言葉は現実のものとなるか?
先に入場する山本は全日本キックと同じ尾崎豊の「Birth」で登場。オロゴンは非常にリラックスした表情で花道を歩き、リングへと向かった。オロゴンのセコンドには兄ボビーの姿も見える。
1R、オロゴンは前傾姿勢でパンチを重視した構え。山本はそこに左ミドル、右ローを蹴る。そのローに右ストレートを合わせるオロゴンだが、山本はコツコツとローを蹴り続け、オロゴンの右ストレートには潜り込むようにして左ボディを打ち込む。プレッシャーをかけて前に出てオロゴンをロープに詰める山本。ボディと顔面に細かくパンチを連打する。オロゴンは山本の手数にてこずり、クリンチで動きを止めるだけで、なかなかペースを掴めない。
ここから一気にパンチの打ち合いに持ち込む山本だったが、オロゴンの左フックがヒット! この一発で山本がバランスを崩す。クリンチでブレイクを待つ山本。ブレイク後、オロゴンはすかさず右ストレートで前に出て行く。序盤は山本、オロゴンが後半に盛り返すという展開の1Rとなった。
2R、ここでも山本が左ミドル。オロゴンは組み付いてヒザ蹴りを打つ。前に出てパンチで打ち合うオロゴン。ここで山本の左フックにオロゴンが真っ直ぐに右ストレート! これが山本の顔面にヒットし、スリップ気味ながらも山本がダウンを喫する。このまま一気に試合を決めようと、右ストレートを連打して前に出るオロゴン。しかし山本はそれを突き放して左ミドルを蹴る。さらに山本は1Rと同じように距離を詰めて右ローと左ボディを中心とした攻め。オロゴンをコーナーに詰めてボディと顔面に細かい左右の連打を叩き込む。
オロゴンはそれをブロックしながら右ストレート。それでも構わず前に出る山本。再びオロゴンをコーナーまで詰めて左ボディから左フック。その後も山本は左右のフック、アッパーとノンストップラッシュでオロゴンを攻め込んだ。
3R、前に出てくる山本を前蹴りで突き放すオロゴン。しかし山本は左右のミドルとローで前に出て行く。オロゴンは左フックから右ヒザ蹴りにつなげる。さらに山本のパンチに右ストレートを合わせるオロゴン。しかし当たりは浅い。山本はオロゴンにパンチを出させてそこに右ロー!
パンチからの右ローでとにかく手数を出し続けて、オロゴンを後退させる。山本の手数と圧力で何度もコーナーに詰まるオロゴン。時折、首相撲からのヒザ蹴りを出すが、攻撃らしい攻撃はほとんどない。
逆に山本はコーナーを背にしたオロゴンに左ミドルと右ローを連打。残り10秒を切ると、山本がさらに手数を増やし右ローを蹴り、終了直前にはバックキックも見せた。ダウンを奪ったのはオロゴンだが、攻め手が多かったのは山本。微妙な判定となったがジャッジ3者とも29−28でオロゴンが辛くも勝利を手にした。
▼第1試合 スーパーファイト K-1ルール 3分3R延長1R
○アルトゥール・キシェンコ(ウクライナ/キャプテン
オデッサ)
KO 1R3分00秒 ※3ノックダウン
●我龍真吾(日本/ファイティングマスター)
1R、左フックに右フックを返されてグラつく我龍。いきなりのピンチを迎えたが、前蹴りとローで距離をとる。キシェンコは強烈なレバーブロー二発! これで我龍のガードが下がる。
回転の速いパンチで先手先手をとるキシェンコは、圧力を掛けながら左フックと左右のボディー。我龍が前へ出てくるとレバーへのヒザ、さらに顔面への左ヒザを狙っていく。
キシェンコの放った右ストレートに我龍がレバーを合わせようとしたところへ、キシェンコが返しのカウンターの左フック! 我龍が壮絶にダウンを喫する。
キシェンコは打ち合いに来た我龍から左ショートフックで二度目のダウンを追加すると、最後は1R終了のゴングとほぼ同時の左フックでKOに仕留めた。
▼K-1 WORLD YOUTH
2008 日本VSオランダ 大将戦 K-1ルール 3分3R
○HIROYA(日本/フリー)
KO 2R2分7秒 ※左フック
●ロビー・ハヘマン(オランダ/チーム・グンヤー)
1R、まずは互いにミドルとローを蹴り合う両者。HIROYAはインローからミドルに蹴りをつなげる。身長とリーチ差で勝るハヘマンは離れた間合いから左右のミドル。HIROYAが距離を詰めてくるとクリンチで逃げる。HIROYAは細かくステップを踏みながら右ロー。ハヘマンはこれをほとんどカットしない。
HIROYAがハヘマンのミドルをスウェーでかわし、すぐに右ローを蹴るという展開が続く。徐々にプレッシャーをかけて前に出るHIROYA。右ストレートから左フックを返す。残り10秒、左右のストレートで前に出るハヘマンだったが、HIROYAはそれをブロックして強烈な前蹴りを突き刺した。
2R、細かくインローを蹴るHIROYA。そこからワンツースリーとパンチにつなげる。そしてハヘマンが前に出てきたところにHIROYAは左フック。距離が離れるとすぐに右ローを蹴る。さらにパンチの距離になるとボディへの右ストレート!
ローをカットしないハヘマンに強烈な右ローを蹴る。そしてHIROYAはハヘマンの左フックに内側からカウンターの右フック! さらにそこから返しの左フックをハヘマンの顔面に叩き込み、豪快なKO勝利を収めた。
▼K-1 WORLD YOUTH
2008 日本VSオランダ 中堅戦 K-1ルール 3分3R
○才賀紀左衛門(日本/大誠塾)
判定3-0 ※30−29、30−29、30−28
●ロイ・タン(オランダ/メジロジム)
1R、右へ回りながらローを出す才賀、タンもローを返していくが、重さは才賀の方がある。才賀のハイキックをかわしてタンがパンチの連打、才賀はすかさず組みついて押し倒すが、口頭注意を受ける。1R終了間際、才賀はバックキックを二連発!
2R、才賀はハイキックからバックキック、そして左インロー。タンは右フックを引っ掛けての左ヒザ蹴りを決める。才賀が組み付いてきてもヒザ蹴り。才賀は前蹴り、ミドルキックなどの蹴り技で離していくが、タンは下がらずにパンチで前へ出て行く。ラウンド終了間際には才賀が胴廻し回転蹴りを発射!
3R、タンは組んでのヒザ蹴り、両者組んだまま激しくもつれて倒れる。離れると才賀が胴廻し回転蹴り! バックキックにはタンが左右のフックを合わせたが、すぐにローを蹴り返す才賀。さらにハイキックをフェイントしての左ミドルが鋭く何発も決まる。サウスポースタイルから繰り出される左ミドル、ハイキック、そして胴廻し回転蹴り!
才賀は温存していたスタミナを一気に使うように、前蹴りからもう一発、胴廻し回転蹴り! 飛びヒザ蹴り、飛び廻し蹴りと派手な蹴りを連発する。当たってはいないものの、最後はほぼ一方的に攻めた形となり、才賀が判定勝ちで日本チームの勝ち越しを決めた。
▼K-1 WORLD YOUTH
2008 日本VSオランダ 先鋒戦 K-1ルール 3分3R
○嶋田翔太(日本/島田塾)
KO 2R0分32秒 ※バックブロー
●バピー“ベビーフェイス”テテロー(オランダ/ボクシング82)
出場した新空手交流大会で全て優勝を収めているという嶋田。今年5月には新空手全日本大会で王座を狙うホープだ。一方のバピーはオランダのアマチュアボクシング王者の肩書きを持つが、前日計量で2.4Kgオーバーという失態を演じている。
1R、嶋田は前蹴りとジャブ、バピーがパンチを打ってくるとカウンターの左フックを狙う。嶋田のローにはフックを連打してくるバピー、嶋田はそのパンチをかわしながらジャブを当てて行く。嶋田は相手のパンチをよく見ながらボクサー殺しの右ロー。バピーのハイキックをスウェーでかわし、ローキックから組んでのヒザ蹴り!
左右のフックで突進するバピーだが、嶋田の右ローキックをまともにもらい続けたため、後半はダメージを感じさせる足どり。
2R、嶋田は回り込みながらのローからハイ、ローを蹴られまいとバピーが左フックで飛び込もうとしたところへ、嶋田の右バックブローが炸裂! バピーは大の字になってダウン! 嶋田が鮮やかなKOでK-1の初陣、そして対抗戦の先鋒戦を勝利で飾った。
試合後、谷川貞治K-1イベントプロデューサーは「全試合を通じて良かったのは嶋田選手と前田選手。この二人が今日のMVPです」と、前田宏行と共に嶋田の名前を挙げた。
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