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【シュートボクシング】“遅れてきたルーキー”金井健治が新王者に!バンタム級新王者はファントム

2008/02/03


シュートボクシング協会
「火魂〜其の壱〜」

2008年2月3日(日)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始17:30
スターティングファイト開始17:15

▼メインイベント(第11試合) SB日本スーパーウェルター級王座決定戦 70kg契約 エキスパートクラスルール 3分5R(無制限延長R)
○金井健治(ライトニング/SBウェルター級3位)
延長判定3−0 ※10−9、10−9、10−9
●菊地浩一(寝屋川/SB日本ウェルター級1位)
※金井が第2代王座に就く。

 緒形健一が返上したベルトを争うのは、デビューから“時期エース”の呼び声が高かった菊地と、32歳にして10勝4敗、前回の後楽園大会ではヤング・シーザー杯を獲得した“遅れてきた大器”金井。両者は2005年11月25日に初対戦し、その時は菊地がヒジにより1R2分3秒でTKO勝ちしている。

 1R、サウスポーの菊地に対し、金井は左へ回り込みながらのジャブ。菊地は左ミドル二連発、金井もすぐにミドルを返す。菊地得意の左ローには必ずパンチを合わせる金井、それならばと菊地はヒジを繰り出す。左ミドルに右ストレートを合わされて後退する菊地!

 菊地がワンツーと左ローで前に出ると金井はフックとハイキックで押し戻す。金井のワンツー連打をブロックして動きが止まる菊地。有利と見られていた菊地がやや押される展開からのスタートとなった。

 2R、左ローと左ミドルで圧力をかける菊地だが、金井は回りこんでジャブからストレート。菊地はパンチで前に出るが、金井のパンチをブロックする際に動きが止まり、右ミドルをもらう。右フック、左ストレートで前に出た菊地に、金井は潜り込んでバックに回ってのバックドロップでシュート!

 ポイントを奪われた菊地はヒジ、左右のフックを放って前に出るが、空振りが多く、今度はフロントスープレックスで投げられそうになる。パンチで倒しに行く菊地、金井も打ち返して前蹴りで突き放す。

 3R、右のジャブから打ち合いを挑んでいく菊地に、金井も必死の形相で打ち返す。菊地の左ロー、左フック、そして左ローに金井がバランスを崩す。左ローが効いている! 菊地は右フックから左ローを連打、さらに右のジャブを出して左右のフックから左ローに繋げる。

 片足を上げる金井へジャブで圧力を掛けて左右のフック、そして左ロー。金井も右ハイキックから投げを見舞うが失敗。金井がパンチで前に出て左ハイキックがヒット! 菊地はすぐにパンチを出して左ロー。

 4R開始早々、金井の左フックに菊地が吹っ飛ぶ! 右ストレート、左右のフックで菊地を追い詰める金井。左ミドル、パンチの連打にたまらず組み付く菊地。ここで金井が右目尻から流血したためドクターチェック。

 金井の重い右ミドル、菊地が左ロー。菊地は左右のフックと左ローで倒しに行くが、金井も打ち返す。ラスト1分、金井が右ストレートで前に出る。さらに右ハイキック。菊地は右のジャブと左フック、左ヒジ。足を止めて打ち合うが、その間に金井の右ハイキック!

 金井優勢のまま迎えた最終5R、菊地はジャブを出しながら左ロー、金井も右ストレートと右ミドル。菊地は金井のパンチをもらいながら左右のフック、そして左ロー。

 金井の右ミドルをもらって動きが止まる菊地! ラスト30秒、菊地は左ローを放っていくが、金井の手も止まらない。ジャブからパンチを放っていく菊地。

 金井優勢に思えたが、判定は48-46(金井)、47-47、48-48でドロー。延長戦へと突入する。インターバル中、解説席にいたコーチの吉鷹弘が、たまらず菊地にアドバイスを与えに行く場面も。

 延長戦、金井は右ストレートで前に出る、菊地もワンツー、左ストレート、左ヒジ。菊地の左ロー、金井の右ミドル。菊地が右ストレートを繰り出しながら前に出て、再び右ストレートをヒットさせる。菊地の左ストレートから右アッパー。

 ラスト1分、菊地が再びパンチで押したかに見えたが、金井も右ストレートを中心に打ち返す! 場内は金井コールと金井への声援一色、両者パンチを繰り出してゴング! 判定は…三者とも10-9で金井! 

 まさかの番狂わせで金井が新チャンピオンに! 先輩・緒形健一が返上したベルトを、遅れてきた後輩・金井がシーザージムに取り戻した。


▼セミファイナル(第10試合) 70kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
○大野 崇(Unite-K/ISKA世界ミドル級王者)
一本 3R1分4秒 ※フロントスリーパー
●アルトゥール・ヤシュクル(リトアニアBUSHIDO)

 1R、サウスポーの大野に対して左へ回り込んでいくヤシュクル。大野のローにはフックを繰り出していく。ブンブンとフックを飛ばしてくるヤシュクルに大野はヒザ蹴り、バックキックも繰り出していく。

 組み付いて首投げを狙ったがこれは失敗。思い切ってフックを振り回すヤシュクル、大野はよく見てかわして右のパンチを入れる。

 2R、ステップを使って出入りしながら左ローを蹴る大野、ヤシュクルのフックをかわしてヒザ蹴りを突き刺していく。

 ヤシュクルが左フックを引っ掛けてくるとそのまま相手の腕をロックしてのヒザ蹴り。接近すると飛びヒザ蹴りもボディへ。大野の左ハイキックがヒット! 大野はヤシュクルのパンチに左ミドルも合わせていく。

 3R、パンチを振るって前に出るヤシュクル、大野は組み付くと豪快なバックドロップ! これがシュートに。右ストレートを伸ばして前へ出るヤシュクルにはヒザ蹴り、そのまま組み付いて相手の両腕をガッチリとロックし、コーナー際に追い詰めるとスタンディングのフロントチョーク!

 これにヤシュクルがタップ! なんと大野がスタンディングサブミッションで勝利! 大野の見事な“シュートボクサー”っぷりだった。

 その大野は試合後、リング上で「一言だけ言わせてもらいます。今日は打撃の方では負けてたんですけど、シュートボクシングらしい勝ち方が出来たので、今日この後で行われるタイトルマッチの勝者に挑戦させていただきます」と、メインイベントの王座決定戦でチャンピオンになる男へ挑戦状を叩き付けた!


▼第9試合 SB日本スーパーバンタム級王座決定戦 55kg契約 エキスパートクラスルール 3分5R(無制限延長R)
○ファントム進也(龍生塾/同級1位)
判定2−0 ※48−48、49−48、50−49
●崎村暁東(グラップリングシュートボクサーズ/同級2位)
※ファントムが第7代王座に就く。

 崎村はなぜかB'zの曲『LOVE PHANTOM(ラヴ・ファントム)』で入場、ファントムの花道には教え子である子供たちがズラリと並んでの応援、コール時には鮮やかな色の紙テープを投げ入れる。

 1R、崎山がワンツー、ファントムは左へ回り込みつつの左フック。ファントムは首投げを見舞おうとしたが、崎村に後方へ倒されてしまう。

 崎村が入ってくるところに右フックを合わせるファントム、飛び込んで放った右フックはかわされ、バックに回られて危うく投げられそうになる。

 2R、フックから組み付いての首投げを見舞おうとしたファントム、崎村はそのバックを奪っての投げを狙うという投げの攻防が何度も見られる。

 ヒザ蹴りを入れながら組みついて投げにいこうとしたファントムだが、やはり崎村がバックを奪って逆に投げ狙い。崎村も首投げをうつがこれは失敗。

 左右のフックを大振りしながら接近するファントムは、崎村の右フックに右フックをクロスする。崎村の左ハイキックがヒット!

 すかさず組み付いてのバックドロップを狙う崎村。離れるとファントムは左右のフックと前蹴り。場内には教え子たちの「進也先生、がんばれ〜!」という声援が大きくこだまする。

 3R、ファントムの左ミドルに右ストレートを合わせる崎村。ファントムは投げを狙って組み付くが、足払いでコカされる。ジャブを出しながら右ストレートを狙うファントムに、ハイキックを繰り出す崎村。そして打撃で押し気味の崎村が組み付いてのヒザ、ファントムもヒザで応戦し、ここで首投げ! 鮮やかに崎村の体が一回転し、シュート! 崎村は失ったポイントを挽回しようとハイキックを放ちながら前へ出て、投げ返そうとしたが不発。

 4R、下がりながらロー、左右のフックを見舞うファントム。そのフックからアッパーがヒットし、一気にパンチで前に出る。連打でコーナーに追い詰められた崎村は、タックルで逃げる上手さを見せる。

 ファントムがパンチからフロントチョークを仕掛けるもブレイク。崎村のジャブに右を合わせようとするファントム、崎村がフックで出てきたところに逆にフックをヒットさせる。同時に組み付き、崎村が投げを見舞ったが失敗。

 5R、パンチで前に出る崎村に打ち合いで応じるファントム。ファントムの左フック、崎村の左ハイキック。ファントムは左フックを放って組み付いての投げ狙い、崎村は防御と投げの攻防。崎村がヒザからヒジの連打!

 ファントムは投げに行く。崎村の左ミドル、ヒザ蹴りに下がるファントムだが、両腕ブロックから縦ヒジを繰り出す。パンチの度に頭を下げるファントムに崎村はヒザを突き上げ、ファントムは左フックから左の縦ヒジ、最後に崎村が首投げに行こうとし、ファントムがバックドロップ気味に返したところで熱戦は終了した。

 判定は2-0でファントム! 子供たちの声援を受け、ファントムが新チャンピオンとしてベルトを巻いた。


▼第8試合 60kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
○石川剛司(シーザー/SB日本スーパーフェザー級1位)
判定3−0 ※30−28、29−28、30−28
●ジュン・ビュング(韓国/韓国ムエタイ協会フェザー級王者)

 1R開始早々、石川のローの蹴り足を掬って転倒させるジュン。立ち上がった石川はいきなり打ち合いを挑み、右フックをクリーンヒットさせる。ジュンは左右のフックとローで前に出るが、すぐに石川がパンチで前に出て右ストレートをヒットさせ、首投げでシュート!

 石川の右フック、左フックが連続してジュンを捉え、もう一度首投げに行くがこれは失敗。ジュンは右目尻から流血しながらもパンチとミドルで前に出る。足を止めて右ストレートで打ち合う石川。やや前半飛ばした分の疲れが見える。1R終了のゴングが鳴ると、石川はジュンを激しく睨みつけた。

 2R、パンチで前に出る石川は強引に組み付いて行き、再び組み付いての投げでシュート! ジュンが立ち上がると左右のフックで打ち合いを挑む石川。しかし、ジュンも左右のフックとミドルキックで押し戻す。石川のローにパンチを返すジュンは勢いがある。逆に石川のパンチには勢いがなくなり、ジュンのパンチに下がる場面が目立つ。

 石川は左右のフックからヒザ蹴り、組み付いてスタンディングの肩固めを仕掛けるも、同体で倒れてしまい極まらず。

 3R、ジュンがフックで前に出る! 下がりながらフックで応戦する石川だが、明らかにスピードと的確性に欠ける。右ストレートをヒットされても、怯まずパンチで前に出てジャンプしてミドルを蹴るジュン。

 石川は組み付いて投げを再三狙うが、ジュンはヒザ蹴りで防御。ジュンのパンチが続けざまにヒットし、下がる石川! それでもパンチを打ち返し、投げに持っていこうとする。

 最後は力を振り絞って右ストレートを繰り出したところで試合終了となった。2度のシュートポイントを奪った石川が勝利している。


▼第7試合 ヘビー級契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R 
○アレックス・ロバーツ(空柔拳会館/KING OF G-BAZOOKA TOURNAMENT06王者)
KO 1R2分5秒 ※左ロー
●西脇恵一(チームドラゴン)

 SB入団後、初めての試合となったロバーツが圧倒的な強さを見せ付けた。試合が始まると、長身とリーチを生かして西脇の奥足を狙った左ローを蹴っていくロバーツ。するとこの左ロー数発で西脇は早くもバランスを崩す。ロバーツはしっかりローを効かせておいてから右ストレート、ヒザ蹴り、右ハイキックとラッシュ。

 西脇が顔面のガードを上げたところで再び奥足へローキックを蹴り、西脇を戦闘不能にした。試合後、ロバーツは流暢な日本語で「またSのリングで試合をやりたい。これからもよろしく! 応援、ありがとう!」とマイクアピール。


▼第6試合 60kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
○歌川暁文(U.W.Fスネークピットジャパン/SB日本スーパーフェザー級3位)
KO 2R2分4秒 ※左ハイキック
●ACT裕輔(龍生塾)

 現在、4連勝中と波に乗っている歌川は、サウスポースタイルから繰り出す左ミドルでACTを完全にコントロール。

 1Rこそ歌川の左ミドルをブロックしてパンチやローを返していったACTだったが、2Rに入ると歌川の左ミドルで完全に右腕を潰されてしまう。歌川は左ミドルで確実にACTの動きを止めて、パンチのラッシュ! ACTがバランスを崩したところにヒザ蹴りを入れてダウンを奪う。

 再開後、首相撲からのヒザ蹴りで攻める歌川は、これを嫌って距離を取ろうとしたACTの顔面に左ハイキック! 左ミドルで相手の腕を潰してから最後はハイキックで倒す、「左ミドルはこうやって使うんだよ」というお手本のような戦い方で、歌川が30戦目となる節目の試合を勝利で飾った。


▼第5試合 95kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R
○岩下雅大(龍生塾/SB日本ヘビー級5位)
判定3−0 ※30−28、30−27、30−28
●Mr.神風(神風塾)

 パワフルな左右のフックと右ミドルで攻めるMr.神風だったが、大振りのためになかなか当たらない。逆に岩下はジャブと右ローで攻めを組み立て、右のボディストレートを効かせると、首相撲からのヒザ蹴りで攻め立てる。

 さらに岩下はフロントチョークで神風の首を絞めながら、頭を抜こうとした神風をプッシュして右ストレートを当てるなど、シュートボクシングならではのテクニックも見せて、大差の判定勝利。


▼第4試合 57kg契約 フレッシュマンクラスルール 3分3R延長2R
○川上大樹(グラップリングシュートボクサーズ)
判定3−0 ※30−29、30−29、30−28
●山本秀峰(マッハ道場)

 序盤から激しく打ち合う両者。山本が右ストレートを当てれば、川上も左のローやパンチを返すという展開が続く。ほぼ互角の内容で試合が進む中、3Rに山本の右がヒット!

 山本がこのまま勢いに乗るかに思われたが、逆に川上が距離を詰めてくる山本のボディに強烈なヒザ蹴り。これで山本は手数が減り、川上が最終ラウンドで試合をものにした。


▼第3試合 85kg契約 フレッシュマンクラスルール 3分3R延長2R
○梅野孝明(寝屋川)
判定3−0
●長堂嘉夢(CMA戦)

 梅野はガードを下げた独特の構えから右ローと右ミドル。総合格闘家の長堂から首投げでシュートポイントを奪う。2Rに入ると右ハイキック、右ストレート、左フックで梅野が長堂をぐらつかせる。3Rに長堂の反撃にあった梅野だったが、何とかそれを振り切った。


▼第2試合 51kg契約 スターティングクラスルール 2分3延長1R
○レーナ(及川道場)
TKO 2R1分49秒 ※レフェリーストップ
●関友紀子(フリー)

▼第1試合 55kg契約 スターティングクラスルール 2分3延長1R
○尹戸雅教(立志会館)
延長判定2−1 ※10−9、9−10、10−9
●鈴木友則(湘南)

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