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【全日本キック】七番勝負に暗雲!?石川が格下の赤羽に辛勝、K-1ユース入り期待の卜部は初黒星

2008/02/09


全日本キックボクシング連盟
「CUB☆KICK’S−9」
2008年2月9日(土)東京・新宿FACE
開場17:00 本戦開始18:00
※本戦開始前にオープニングファイト数試合



▼メインイベント(第8試合) NAOKICK試練の七番勝負・第二戦 59kg契約 3分5R
石川直生(青春塾/全日本スーパー・フェザー級王者)
判定 3−0 ※50−46、50−46、50−46
赤羽秀一(WSRフェアテックスジム/全日本フェザー級7位)

 リングインした赤羽は自分の名を呼ぶ声に「お〜っ!」と応え、観客の笑いを誘う。途端に場内から「赤羽!」の声が沸き起こる。石川は我関せずと、黙々とシャドーボクシング。リングサイドには、この「NAOKICK試練の七番勝負」を提案した小林聡GMが目を光らせている。石川はパンフレットのインタビューに「しょっぱい試合をしたら、無視してくれていいです」とGMにメッセージを送っていた。

 1R、石川はジャブから右ロー、左ミドル。赤羽が左ローとパンチで出てくると右ストレートを伸ばす。石川の左ミドル、左ロー、もう一度左ミドル。一歩踏み込んでテンカオ、レバーブロー、前蹴りとボディ攻め。

 赤羽は相打ち狙いのローの蹴り合い、しかし、石川のスピードの方が速く、左ミドル、ボディストレート、前蹴りと矢継ぎ早に攻め立てる。赤羽が前に出てくるとヒジ打ちが空を切る。

 石川は赤羽のパンチをガードしつつ、前蹴りからヒザ。ロー、前蹴り、赤羽のローには右ストレート、レバーブローから右ボディストレートへと攻撃を流れるように加えていく。

 2R、ヒザへの前蹴りで距離をとりながら、左ミドル連打から左ハイキック! しかし、石川が組み付くと赤羽が逆に押し倒す。石川が左ミドル、前蹴り、赤羽がパンチで前に出てくるとテンカオ゙。それでも前に出てくる赤羽、ローを蹴りつつ首相撲になると、なんと石川の首を引き寄せてバランスを崩す首相撲の強さを見せる。

 石川はローから右ストレート、赤羽がフックに来ると右ヒジ。石川がヒザにいこうと組み付くと首相撲でねじ伏せる強さを見せる赤羽。打たれてもどんどん前へ出て来る赤羽に、石川は手を焼く。

 3R、右ローで前に出る赤羽、石川は左ミドル。接近すると細かくパンチを連打する赤羽、右ローから連打、石川も左ミドルを返して組み付くが、やはり首相撲で主導権を握るのは赤羽だ。またも石川をねじ伏せて倒す! すでに赤羽の額には大きなたんこぶ、右頬も大きく腫れている。それを見てとった石川は右ストレートを叩きつけ、ヒザ蹴り。すると石川のたんこぶが破裂、鮮血が流れ落ちる。

 ドクターチェックがあって再開後、石川は飛びヒザ蹴り、左ミドルの連打からテンカオ! しかし、組むと赤羽が有利。赤羽の右ロー、パンチに右ストレートを合わせる石川。マットに赤羽の血が飛び散る。

 4R、石川のミドルにパンチ、ローを合わせていく赤羽。とにかく両手を前に出し続け、接近戦を挑む。石川はしきりに右へヘッドスリップしながらの右ストレートを狙うが、赤羽の動きを止めることが出来ない。両手を交互に出し、ローで前に出る赤羽! 石川の右ストレートにも怯まず前へ出てローキック! 石川はハイキックを狙うが、赤羽の突進に後退を余儀なくされる。思わぬ苦戦に石川の表情が変わる。

 5R、場内には判官びいきの赤羽への声援が沸き起こる。顔面が完全に変形した赤羽は前へ出てローキック、左右のパンチ。石川は右ヒジを振るい、左アッパーと右ストレートで赤羽の頭を大きく揺らす! 休まず両手を交互に前へ出して、ローも出していく赤羽。石川はそれをステップでかわしつつ右ストレート、前蹴りで突き放す。

 あまりのしつこさについ組んでしまう石川に注意が与えられる。赤羽は首投げ、立ち上がると石川がアッパーからストレート、赤羽のパンチを下がりながらかわし、レバーブロー、そして右ハイキック! それを首筋にもらっても下がらず前に出る赤羽!

 大奮闘で場内を大いに沸かせた赤羽は、声援に応えて「みんな、楽しんだ?」とメッセージを送り、余力があると言わんばかりに腕立て伏せのパフォーマンス。判定は大差で石川の勝ちとなったが、石川の表情は冴えず、小林聡GMはさっさと席を立って姿を消した。

 試合後、宮田充・興行本部長は「赤羽はピラニア軍団の川谷拓三のイメージで、カッコいい石川と殴られてなんぼの試合をするのが面白いと思ったんですが…逆に4、5Rで彼の持ち味が出てしまいましたね」と試合を振り返り、「GMはすぐに帰ってしまいました。なのでNAOKICK試練の七番勝負の三番目を3月にやるかどうかは、週末に話し合って決めます。連休明けには結論が出せると思います」と、石川が希望していた3ヵ月連続の試合出場は検討すると話した。





▼セミファイナル(第7試合) 全日本ライト級ランキング戦 サドンデスマッチ3分3R延長1R
鈴木真治(藤原/同級8位)
延長判定 3−0 ※10−9、10−9、10−9
卜部弘嵩(西山道場/ISUMI GYM/2007年全日本新空手K-2軽中量級王者)

 2007年全日本新空手K-2GP軽中量級王者の肩書きを引っさげ、去年の7月にデビューした18歳の現役高校生ファイターの卜部。同日にデビューした同じく新空手系量級王者の瀧谷渉太は1月大会ですでにランキング入りを果たしており、自分も後に続きたいところだ。ここまでデビューから三連勝、しかし、対する鈴木は名門・藤原ジム所属のしぶとさがウリの選手。

 1R、体を小刻みに動かしてローで前に出る鈴木、卜部は右ミドルで迎え撃つが、鈴木は組み付くと首相撲で思い切り投げつける。サウスポーに構えた卜部は強い左ミドル、鈴木は左ハイで脅かして右ロー、卜部がパンチで突進するも鈴木はバックステップでかわしていく。

 卜部の強烈な左ミドル! 鈴木は右ローを返して卜部のパンチをしっかり両腕ブロック、すぐに右ストレート。鈴木がやや翻弄した形となった。

 2R、卜部がオーソドックスからローを出すと、鈴木が左右のフックを返す。卜部の左ミドルにもワンツー、卜部は飛びヒザを繰り出すも不発。ローをもらう卜部は左ミドルから飛びヒザ蹴り、鈴木がパンチで来るとそれを迎え撃とうとするが、首相撲に捕まってしまう。

 卜部が右フックから左ミドルのコンビネーションを二連発、圧力を掛けて鈴木を下がらせ、ガードの上からパンチを叩きつけていく。鈴木の左ロー、卜部の左ミドル。鈴木の右ローで足を流れさせられながら、逆に左ローを蹴り返して鈴木を下がらせる卜部。

 3R、卜部の左ローからのパンチ、鈴木が打ち返してくると左フックから右ロー、さらに飛びヒザ蹴り。サバ折りでは転がされたが、立ち上がると左ミドル、右フックを引っ掛けてハイキック。鈴木も左ローを蹴るが、下がっているため印象が悪い。それでも確実にダメージは与えている。

 卜部の右ストレートがヒットすると、すぐに三発パンチを返していく鈴木。卜部は鈴木をコーナーに詰めてパンチを放っていき、鈴木は左ローで迎え撃つ。卜部の右に鈴木の顔が跳ね上がったが、鈴木もすぐに左ローを蹴り返して試合終了。

 判定は30−30、30−29で鈴木、29−29でドローとなり、マストシステムの延長戦へ突入する。

 延長戦、左ローから左ミドルに繋げる卜部、しかし、パンチで行くと鈴木も左ローを蹴り返す。卜部の左ミドルがクリーンヒットすると、鈴木は左ローを蹴り返して卜部の足を上げさせる。接近戦でヒジを繰り出す鈴木、卜部はパンチで突進、左ミドルを入れるが鈴木も左ローを必ず蹴り返す。卜部のパンチと鈴木の左ローが激しく交錯、卜部は飛びヒザ蹴り、パンチで前に出たがそこへ鈴木のカウンターのワンツーがヒット! 

 最後は両者リング中央で足を止め、卜部はパンチ、鈴木は蹴りとヒザを出し続けた。

 難しい判定となったが、ローのダメージを感じさせたのとパンチをまともにもらう場面がより多かった卜部が、K-1 WORLD YOUTH入りを目前にして判定3−0でプロ初敗北を喫した。







▼第6試合 全日本ライト級ランキング戦 サドンデスマッチ3分3R延長1R
翔太(SVG/同級10位)
TKO 1R2分21秒
畑尾龍宏(REX JAPAN/同級9位)

 70年代に人気を博した「全米プロ空手軍団WKAとムエタイの闘い」をイメージしてマッチメイクされたという一戦。

 畑尾はバックブローやバックスピンキックを得意とする変則ファイターで、そのイメージはまさに全米プロ空手。対する翔太は正統派の和製ムエタイ戦士だ。


 1R、両足のスタンスを大きく広げて低く構える畑尾、翔太はもちろんムエタイスタイル。翔太は組み付くと体を浴びせて、畑尾を強くマットに叩きつける。

 離れて右ロー、畑尾がパンチで来ると掴んでのヒザ蹴り。畑尾にロープを背負わせて接近すると左の縦ヒジを突き刺し、畑尾がこれにフックで打ち合ってくると右のヒジ! これで畑尾の左目尻がバックリと裂け、ドクターチェックで即座にストップとなった。



▼第5試合 フェザー級 3分3R
九島 亮(AJジム)
KO 1R2分13秒
梅原ユウジ(REX JAPAN)

▼第4試合 ウェルター級 3分3R
板倉直人(スクランブル渋谷)
判定 3−0 ※30−28、30−28、30−28
清水 武(藤原)



▼第3試合 フェザー級 3分3R
遠藤智久(スクランブル渋谷)
判定 3−0 ※28−27、28−27、28−27
永野裕典(和術慧舟會DUROジム)



▼第2試合 スーパー・ウェルター級 3分3R
星野大介(津田沼道場)
判定 3−0 ※30−26、30−26、30−26
中園貴宏(S.V.G.)

▼第1試合 ライト級 3分3R
ソルデティグレ・ヨースケ(UWFスネークピットジャパン)
ドロー 判定 1−0 ※30−28、30−30、30−30
ユウキ(AJ)

▼オープニングファイト第3試合 ウェルター級 3分3R
磯部信行(和術慧舟會DUROジム)
ドロー 判定 0−0 ※30−30、29−29、29−29
倉持 厳(超越塾)


▼オープニングファイト第2試合 バンタム級 3分3R
原岡武志(STRUGGLE)
判定 2−0 ※29−29、29−28、30−29
塚原 健(青春塾)

▼オープニングファイト第1試合 フェザー級 3分3R
大西晃樹(ソーチタラダ渋谷)※デビュー戦
判定 1−0 ※28−28、29−28、28−28
森井洋介(藤原ジム)※デビュー戦


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