ニュージャパンキックボクシング連盟
「START OF NEW LEGEND〜新伝説の始まり〜」
2008年3月8日(土)東京・後楽園ホール
開場16:45 開始17:00
▼メインイベント 交流戦 55kg契約
○前田浩喜(インスパイヤード・モーション/NJKFバンタム級王者)
KO 4R1分40秒 ※左ストレート
●牧 裕三(アクティブJ/J-NETWORKバンタム級王者)
11勝(6KO)1敗という好成績でバンタム級王座に上り詰めた前田。今回はJ-NETWORK同級チャンピオンの牧を迎え撃った。
1R、牧は右ローキック中心、前田はジャブで圧力をかけながら左ロー、左ミドル、左ハイキックと左の蹴りを打ち分ける。右ローを狙い続ける牧だが、前田の圧力に下がってしまい、モロに左ミドルを受ける場面が多い。
2Rも左の蹴りを打ち分ける前田、さらに細かい連打から右のボディストレートを狙い撃ち。そこから左ローへと繋げていく。牧もパンチ、ヒジを繰り出すが、前田の手数とスピードが上回る。どうしても下がってしまう牧。
3R、前田の左ローと右ボディストレートが次々とヒットし、牧もローとヒジで応戦するが、圧力に押されたためかややスタミナ切れのように見える。中盤から牧は組みを多用するが、前田はこれに付き合わず抱きついてのブレイク待ち。
4R、組んでのヒザ蹴りに活路を求めた牧だったが、前田の左ローに痛めつけられ、ローとパンチでロープ際に追い込まれる。ローブを背負った牧がパンチで反撃すると、前田の左パンチがヒット! 牧がダウン。前田は一気にパンチで畳み掛け、最後は左ストレートを打ち込んでKO勝ち。KOの多かった大会のメインイベントを、やはりKOで締め括った。
これで前田はMA日本キックに続いてJ-NETWORKの同級チャンピオンも撃破。
「あとは全日本キックですかね」と全日本キックの同級チャンピオン藤原あらしとの対戦を希望したが、「自分が闘ったらどうなるのか、自分自身が興味ある。でも、今のままではどうなるか分からないので、もっと自分を高めないとダメ。まだ経験が浅いし、いろんなタイプの選手と闘いたいですね」と、完璧に勝つ自信がついてからチャレンジしたいと語った。
▼ダブルセミファイナル2 フェザー級王者決定トーナメント準決勝
○国崇(拳之会/元バンタム級王者)
KO 5R2分29秒 ※右ストレート
●大川直人(大和/フェザー級2位)
※国崇が7・27決勝戦へ進出。
久保優太がスーパーフェザー級転向のため返上したフェザー級王座を、4人の選手がトーナメントで争う。もう一方のブロックは1月27日にすでに行われており、前チャンピオンの岩井伸洋が決勝進出を決めている。今回行われる1回戦は、3年前に岩井と同王座決定戦を争った大川と、前バンタム級チャンピオンの国崇との闘いとなった。
1R、序盤から速いローとジャブの応酬、大川は国崇のジャブに必ずジャブを合わせ、国崇のアゴが上がる場面も。さらにセコンドの指示通り右クロスもヒットさせ、逆に国崇も右クロスをヒットさせるなどスリリングな攻防が続く。
2R、初回はジャブばかりだった国崇が右ローも蹴り始めるが、大川のパンチのコンビネーションが優る場面も。自分の展開を作れない国崇は左ハイキックを出してヒジ、前半は大川の鋭いジャブのカウンターとパンチのコンビネーションが光っていたが、後半は国崇に流れが変わり始めた。
3R、ジャブの突き合いはパワーで大川が優るが、パンチの打ち合いでは国崇が徐々に本領発揮。ジャブに右クロスを合わせられるも、パンチからヒジ、そして右ローに繋げて確実に足にダメージを与えていく。パンチ、ロー、パンチ、ローと攻める国崇。右ローが効いたと思ったその瞬間、国崇は右ロー連打から奇襲ともいえる得意技の飛びヒザ蹴り! この急速な技の変化がバッチリと決まり、大川がダウン!
4R、ようやく自分のリズムと間合いをつかみ始めたか、国崇が攻勢に転じる。ロー、ハイキック、前蹴り、パンチ、ヒザ、飛びヒザと攻撃を散らしまくり、大川を翻弄。大川もパンチで打ち合うのだが、多彩な国崇の攻めについていけてない。攻撃を振り分けて、それらが見事に一本の線のようなコンビネーションとなっている国崇。鮮やかなテクニシャンぶりを発揮する。
5R、両者は壮絶な打撃戦を敢行! 出会い頭に左テンカオを国崇のボディにグサリと突き刺した大川は、レバーブローとボディブローで国崇のボディを狙い撃ち。これに国崇が下がる! ボディをかばいつつ、大川がレバーを打ってくるところに左フックを打ち下ろす国崇。
絶体絶命のピンチかと思われたその時、国崇がバックブローで大逆転のダウンを奪う! 大川が立ち上がると国崇は再び飛びヒザ蹴り、パンチでラッシュをかけると大川もパンチで反撃、大熱戦となる! 場内は大歓声に包まれ、興奮の坩堝と化す。
激しい打撃戦の中、国崇が右ストレートをヒットさせ、倒れ際に左ハイキック! 大川は力尽きたように膝に両手をつき、マットに手を着いた。国崇の鮮やか過ぎる勝利! 攻撃を上中下に散らし、多彩な技を繰り出すテクニシャンぶりを大いに発揮し、国崇が二階級制覇へ一歩踏み出した。
▼ダブルセミファイナル1
○健太(E.S.G/ウェルター級1位)
KO 4R2分9秒 ※左フック
●K・ウォーワンチャイ(タイ/センチャイムエタイ)
5月11日(日)後楽園ホールで古川とのウェルター級王座決定戦が決まった健太が登場。ホスト風のダンサーたちと一緒にダンスを披露するという、凝った入場で今回も観客を楽しませる。
対戦相手には当初、日本人キラーのテワリットノーイが決定していたが、直前の怪我でK・ウォーワンチャイに変更となった。
先日のK-1トライアウトでは見事に合格を果たした健太が、ムエタイ相手にどんな試合を見せるか。
1R、Kが健太の右ストレートに合わせての左ハイキック! 一瞬ヒヤッとさせる。
Kはその後もローキックとハイキックをスピーディーに繰り出し、容易な相手ではないことを感じさせる。さらには1R早々からヒジを繰り出す。健太は様子見で軽くパンチを出し、ガードの上から叩くなどしていたが、Kのヒジにはヒジで応戦。
2R、Kは隙あらばハイキックを放ってくるため健太は気が抜けない。
それでも得意の右ストレートを主体にパンチ&ローで攻め、左レバー&右ボディストレートとボディ狙い。上にパンチを集めてガードさせ、ボディを貫くと巧みにパンチを打ち分ける。蹴りの多いKだが、健太と正面からパンチを打ち合う強気な場面も。
3R、Kはジャブを多用して距離をとり、健太がパンチで仕掛けるとすぐにハイキックを連打。思い切ったヒジも振ってくる。一発狙い系のタイ人のようだ。健太は圧力をかけつつボディからフック、ミドルキックを放ち、パンチで突っ込んでの見せ場を作る。
4R、健太の右のパンチが当たり始め、接近するとヒジ。右ストレート、アッパー、フックとかなりアグレッシブに攻める。Kはスタミナに不安があるのか、ヒジを連発すると健太もヒジの打ち合いに応じる。
そして、健太はアッパー、ジャブをちょんちょんと当ててKの左フックを誘うと、狙い済ました左フック一閃!
このカウンターの一発で、Kは一瞬間を置いて吹っ飛ぶように倒れた。ガッツポーズの健太、Kは上体を起こしたが起き上がることは出来ず、健太が豪快なKO勝利を収めた。
▼第7試合 ウェルター級王者決定トーナメント準決勝 3分5R
○古川照明(インスパイヤード・モーション/ウェルター級2位)
KO 1R1分12秒 ※右ストレート
●KEN(OGUNI/ウェルター級4位)
※古川が5・11決勝戦へ進出。
笛吹丈太郎が返上したウェルター級王座は、この古川とKENの勝者が5月11日(日)後楽園ホールで1位の健太と争う変則トーナメントで新王者が決定される。
6勝(5KO)3敗と高いKO勝利率を誇る古川は、勝っても負けてもKOのハードコアファイター。対するKENは2年以上も勝ち星に恵まれず連敗中、戦績も7勝(3KO)10敗1分と黒星が先行している。試合はこの勢いの差がモロに出る結果となった。
1R、右ローを蹴ってくるKENに対して古川もローの蹴り合いをするが、明らかに圧力で優っているのは古川の方。古川は前蹴りで距離をとると一気にパンチで攻め込み、KENをコーナーに追い詰める。そして、KENがコーナーを脱出しようとした離れ際、古川の右ストレートが炸裂! この一発でKENはうつ伏せに倒れ、古川のKO勝ちとなった。敗れたKENは担架で運ばれるほどのダメージを追った。
次回は同じくパンチを得意とし、ハードコアファイトが売り物の健太との王座決定戦。これは壮絶な試合になりそうだ。
▼第6試合 ライト級王者決定トーナメント準決勝 3分5R
○砂田将祈(誠至会/ライト級1位)
判定2−0 ※49−49、49−48、49−48
●一輝(OGUNI/ライト級3位)
※砂田が7・27決勝戦へ進出。
1995年1月デビューのベテラン砂田は、かつてMA日本キックとJ-NETWORKのベルトも巻いたことがある。今回のライト級トーナメントで三本目のベルトを狙う。一方の一輝は2005年4月デビューで、大和VS中山同様、ベテランVS新鋭の闘いとなった。
1R、一輝は右ローを中心に試合を組み立て、砂田も相打ち狙いの右ロー。砂田は一輝のローに左フックを合わせようと何度も狙うが、テンポが遅れている。
2Rになると両者共に左フック狙い、交互にフックを空振りしていく。一輝は右ローを混ぜながら左フック、砂田は左フック一辺倒。一輝が右ハイキックからの左フックを決めると、砂田はしつこく組んでのヒザ。
3R、一輝は右ローを出しつつ左ジャブで飛び込んで、打ち合いになると左フック。砂田も右ローの蹴り合い、左フックで応酬し、組んでのヒザ蹴りに持ち込む。
4R、砂田が急にテンポアップ、ここまでスタミナを温存していたのか攻めの姿勢に転じる。フックからロー、ローからフック、パンチを引っ掛けてのヒザ蹴り。一輝は組まれるのを嫌がって突き放すが、そのため体力の消耗が激しいように見える。砂田がパンチの手数で上回った。
5R、ここまであまり見所のない試合だったが、最終回は両者ともノーガードでの殴り合いを展開。砂田が4Rの勢いそのままに、左右のフックから右ロー。
37歳の砂田の方がスタミナで上回り、右ローを効かせる。一輝もフックを打ち返していくが、アグレッシブに打ち合いを仕掛けていった砂田が僅差で判定勝利をもぎとった。
これにより、7月27日(日)後楽園ホールで行われるライト級王座決定トーナメント決勝戦は、大和VS砂田のまたもや新鋭VSベテランの組み合わせで決定。桜井洋平の後を継ぐのはどっちだ!?
▼第5試合 ライト級王者決定トーナメント準決勝 3分5R
○大和哲也(大和/ライト級2位)
TKO 4R1分16秒 ※レフェリーストップ
●中山宏美(OGUNI/ライト級3位)
※大和が7・27決勝戦へ進出。
不動の王者・桜井洋平が返上したことにより、今大会から4人でスタートしたライト級王座決定トーナメント。その第一試合で尾張のホープ大和と、名門OGUNI−GYMの中山が対戦する。
中山は2000年3月デビューで、2005年7月デビューの大和より5年早くキャリアをスタートさせているが、戦績では大和が11戦8勝(6KO)3敗、中山が10戦5勝(4KO)5敗と逆転現象が起こっている。どちらもKO勝利率は高い。
1R、左右のローを放つ大和に対し、中山はパンチ主体。大和が軽快に蹴りを放っていったが、右フックを空振りしたところに左フックをカウンターでもらい早くもダウン! 左ミドルで距離をとろうとする大和に、中山は左右のフックでどんどん前に出る。パンチをもらう場面が多かった大和だが、ダウン後も落ち着いた動きを見せた。
2R、中山は待ちの姿勢で大和がパンチを出してくるところにパンチを合わせる。大和は右ローを蹴りつつパンチのコンビネーションを繰り出すが、中山がフックを合わせてくるので何度かヒヤッとする場面も。しかし、パンチ主体で前足重心の中山に大和の右ローが決まりだし、効果を現し始めると大和のレバーブローや右ストレートも当たりだす。
3R、大和はローとパンチを組み合わせてのコンビネーション、中山がパンチで来るとハイキックで牽制し、テンカオを合わせる。中山はヒジも狙ってくるが、大和は組んでロープへ押し付けての左ヒジで逆にカットすることに成功。両者とも組んでのヒジの打ち合い。大和は左ミドル、右ローとパンチのコンビネーション、アッパーも放つなど上手さを見せ付ける。
4R、大和が中山のローに右フックを合わせてグラつかせる! 一気に畳み込む大和はパンチとヒジのラッシュ! 中山もフックで打ち合っていくが、回転力と打ち分けに優る大和が上回り、飛びヒザ蹴りも炸裂させる! チャンスと見た大和は真正面から打ち合い、左ヒジを連打したところで、中山が3Rに切られた左目尻から大流血。レフェリーが見て試合をストップした。
▼第4試合 バンタム級 3分5R
○TSUYOSHI(健心塾/バンタム級4位)
KO 3R1分22秒 ※左ローで3ノックダウン
●美保裕介(PIT/バンタム級3位)
▼第3試合 ウェルター級 3分3R
△宣虎(E.S.G.)
ドロー 判定0−1 ※30−29、29−29、29−29
△加藤大輔(OGUNI)
▼第2試合 バンタム級 3分3R
○幸二郎(OGUNI)
TKO 2R2分14秒
●佐手康人(PIT)
▼第1試合 フェザー級 3分3R
○天守閣おさむ(G-1)
KO 1R1分59秒
●洋センチャイジム(センチャイムエタイ)
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