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【新日本キック】石井宏樹、悲願のラジャ王座獲りならず!シンマニーに判定負け

2008/03/09


新日本キックボクシング協会
「MAGNUM16」

2008年3月9日(日)東京・後楽園ホール
開場16:45 開始17:00

▼メインイベント(第14試合) ラジャダムナンスタジアム&WMCスーパーライト級タイトルマッチ 3分5R
○シンマニー・ソー・シーソムポン(タイ/王者)
判定3−0 ※50−47、50−47、50−46
●石井宏樹(藤本/ラジャダムナン5位・日本ライト級王者)
※シンマニーが両タイトルの初防衛に成功。

 ラジャダムナンスタジアムとWMCスーパーバイザーのスウォン氏から、ダブルタイトルマッチの認定書が読み上げられ、ムードが高まる。レフェリーとジャッジ2名もタイの公式ジャッジだ。

 1R、サウスポーのシンマニーは右フックから左ロー。石井は右ミドル、右ローと連打していく。シンマニーはロープを背負い、石井のフックを前蹴りで止める。石井のレバーブローからの右ロー、シンマニーは左ローで石井を転がす。

 石井の右インロー、シンマニーがローを蹴り返すと石井は右ストレートをカウンターで狙ったが、これは不発。前蹴りで離しつつ、左ミドルを入れるシンマニー。様子見の1Rが終わると、両選手共に両手を高く上げた。

 2R、石井が右ミドル、右ロー、右ハイキック。ステップを刻みながらシンマニーにロープを背負わせ、左ミドルに右ローを蹴り返す。シンマニーの左ミドルと石井の右ミドルの蹴り合い、石井は右ハイを蹴りつつ、パンチの機会を伺う。

 シンマニーの左ミドルにすぐ右ミドルを返す石井。タイ式の採点で負けないように、決してミドルを蹴られたまま終わらない。しかし、シンマニーが石井の上腕をちゃんと蹴ってるのに対し、石井の蹴りはシンマニーの前腕を揃えたブロックで止められている。

 前蹴りを出そうと前足を上げたシンマニーに右ストレートがヒット! ドッと沸く館内。左ミドルと右ミドルの蹴り合い、石井も喰らい付いていく!

 3R、石井はいきなり右ハイ、シンマニーの左ミドルには右ストレートを合わせようとし、右ミドルも返す。組み付くシンマニー! ヒザ蹴りを入れる。石井が左ミドルに右ローを返せば、シンマニーは左ミドルを二発ヒットさせる。そして組み付いてのヒザ!

 シンマニーは左ミドルを当て、蹴り返してくる石井の右はスネでカットする。左ミドルを上手く当てて行くシンマニー、石井が近寄ってくると前蹴り。パンチには左ミドルのカウンター! 石井の右ミドルがことごとくカットされる! このラウンドは完全にシンマニーが支配した。

 4R、ワンツーで入った石井を左ミドルで迎え撃ったシンマニーに左フックがヒット! しかし、シンマニーはすぐ組む。石井は左ミドルに右ローの返し、左のアッパー。石井が右ローから右ストレートで倒しに行くが、シンマニーは楽々と組みつく。シンマニーの左ミドルに石井が右フック!

 あっという間に組んでくるシンマニー、石井はヒジを狙うがヒザを蹴られる。シンマニーが左ミドルから前蹴り、組んでヒザ。前に出る石井だが、パンチは空を切るばかり。

 シンマニーは左ミドル、石井はローを蹴り返す。このラウンドもシンマニーのものだ。ムエタイの判定で最も重要視される3、4Rを奪われたことになる。

 5R、もはや倒すしかない石井は右ローの連打、シンマニーは左ミドル。組み付くシンマニーに石井が左右のフック、だがすぐに組まれる。シンマニーが左ミドルから右フック、そして組み付く。石井が向かっていくとすぐに組み付かれる。

 すでにポイントでリードしていると思った時のムエタイの常套手段、逃げの体勢だ。こうなるとなかなかムエタイを追い詰めることは出来ない。石井の勝負を賭けた右ストレートはことごとく空振り、シンマニーは前蹴りで突き放してはすぐに組む。完全に逃げ切りの体勢だ。石井の右アッパー、ローは不発。コーナーへ詰めてのパンチも空を切る。そして組まれる。

 ゴングが鳴ると、負けを悟った石井はコーナーに手をやり、ガックリと肩を落とした。

 試合後、控え室でのインタビューで石井は1月のチャイディー・カー戦直前に右ヒジを痛めていたことを告白。コーチの鴇氏によれば、上腕の筋肉がつってしまいヒジの靭帯が引っ張られる状態になり、右腕の筋肉が収縮してしまっていたという。

 腕を曲げたり伸ばしたりすることさえままならず、ミット打ちの際に軽くヒジを蹴られただけでも激痛が走る状態であった。そのため、右のパンチは練習では一発も打ってなかったという。

 原因不明の怪我で、3月までには治るだろうと踏んでいたが一向によくならず、病院だけでなくハリなども受け万全を尽くしたが、ついによくはならなかった。

 鴇コーチは「右が打てなかった。いつもなら右のパンチを使ってペースを掴むけど、それが出来なかったからペースに乗れなかった」と語る。

 石井は「完全に蹴りがヒジを狙っていた。全部、同じ所に当てられました。1、2Rは自分では動けていると思いました。3Rから来るのは分っていたんですが、ただ分っているだけでは勝てない。

 向こうの距離でやられてしまいましたね。自分でも右を出そうと思っていたんですが、向こうが距離をとるのが上手くて出させてくれませんでした。想像以上に強かった。特に組んだ時の強さを感じました」とコメント。

「終わった瞬間に完敗だと思いました。改めてムエタイの壁の厚さを感じましたね。今は何とも言えない。終わったばかりだから…」石井はガックリと肩を落としていたが、鴇コーチは「想像以上に差は離れていなかった。

 ヒジが大丈夫ならいい線いってたと思う。何回かやれば倒せるんじゃないかって感じましたね」と言い、藤本会長は「もう1回挑戦しよう。今回のようならやれるよ」と石井の背中に声をかけた。


▼セミファイナル(第13試合) フェザー級 3分3R
○菊地剛介(伊原/同級王者)
判定3−0 ※30−28、30−29、30−29
●風神和昌(野本塾/4位)

 1R、菊地はローを出しつつ、前に出てくる風神を押し戻す。右ロー、距離が出来ると蹴りこみの深い得意の左ローキック。菊地は縦ヒジ、飛び込みヒジも繰り出していく。

 風神はパンチで前に出ようとするが、ローキックで止められる。菊地の左ローに右アッパーを合わせる風神。菊地が右ストレートから左ロー。

 2R、菊地が前に出てきたところで風神がインロー、スリップして倒れた菊地は苦笑い。ここでバッティングがあり、菊地は右目尻から流血してしまう。

 再開後、菊地が右ロー、左ロー、左右フックからヒジ。風神が前に出てくると左ローだ。右ローと左ローを使い分け、前に出てくるところに右ローを合わせ、手で押さえ付けながら強烈な左ロー。風神のパンチに右ロー、すぐに左ロー。菊地のローが面白いように当たっていく。

 3R、菊地はワンツーから左ロー。パンチを多用する菊地だが、同じくパンチを狙う風神と距離が合わず何度もクリンチとなる。

 風神が前に出てくると左ミドル、テンカオ。風神の左右フックがヒットするが、菊地もすぐにワンツーを打ち返す。パンチの打ち合い、菊地はヒジ。風神の左右フックが打ち合いに応じた菊地にヒットしたところで試合終了。菊地が判定で勝利。


▼セミファイナル(第12試合) ヘビー級 3分3R
○ルスラン・カラエフ(ロシア)
KO 3R2分6秒 ※3ノックダウン
●天田ヒロミ(日本)
※スウィーン・カーオの欠場により天田が代打出場

 当初対戦が決定していたスウィーン・カーオが欠場、代わって天田ヒロミがカラエフと対戦することが休憩時間中に発表された。

 音響の故障があったのか、なぜかカラエフはテーマ曲なしでリングイン。カラエフが入場すると、その大きさと後楽園ホールでカラエフの試合が見られるというどよめきと大歓声が沸き起こる。

 1R、カラエフが左インローから右ロー、飛び込み様の左フックから右ハイキック。天田もフックで応戦すると、カラエフは前蹴りで突き放す。

 カラエフはバックキックから左ミドル、ボディを痛がる素振りを見せた天田にカラエフが突っ込むと、そこへ天田が右フック! 転がるように前へ倒れるカラエフ。ダウンをとられてもおかしくないタイミングだったが、レフェリーの裁定はスリップだ。

 カラエフがパンチを出すと、天田もフックを返し、天田の右フックがヒットする度にカラエフの動きが止まる!

 意外にもフックの打ち合いでは天田が優った。天田はフックの相打ちからアッパー、カラエフがグラつく! カラエフは掴んでのヒザ蹴りで難を逃れる。

 2R、カラエフがジャブから右ミドル、右の相打ちから天田の左フックをもらってしまう。すかさず掴んでのヒザに出るカラエフ。パンチの相打ちになる度に、天田の右フックがヒット! パンチで大苦戦のカラエフは掴んでのヒザ、ローキック。右ハイキックには天田が左フックを返す。

 まさかの大ピンチ、そして大番狂わせの予感に場内は沸きに沸く。しかし、カラエフがセコンドの指示通りに右ローキックを蹴り込むと、一発で天田の動きが止まり、体が傾く。カラエフはそこへ右のストレートを打ち抜いた! 天田ダウン!

 カラエフの右ローキック、コーナーへ詰めてパンチの連打、天田も打ち返すとカラエフはヒザ。しかし、ワンツーを叩き込まれると天田がもんどり打って2度目のダウン。カラエフのバックキックがヒットしたところで、天田はゴングに救われた。

 3R、ジャブと前蹴りで圧力をかけていくカラエフ、天田もフックで打ち合う。しかし、天田のダメージは明らかでカラエフの圧力に押されていく。天田がロープを背にしたところへ、カラエフが勢いよく左を突き刺して天田はこの試合3度目のダウン! 天田の出血が酷くなったためドクターチェック。

 ヒザの打ち合いとフック合戦、真正面から打ち合う天田。カラエフのバックキックからの左ミドルで天田は2度目のダウン。それでも立ち上がる天田の不屈のガッツに場内は大歓声に包まれる。

 だが、カラエフが左ミドルから右ハイキック、パンチの打ち合いの接近戦で右ヒザを突き刺すと、天田はついに力尽きてダウン。カラエフのKO勝ちとなった。

「みなさん、ありがとうございます。応援本当にありがとう。日本語ちょっと難しいから今度も試合頑張ります」と、流暢な日本語でマイクアピール。拍手喝采を受けた。


▼第11試合 日・タイ際戦 3分3R
○後藤龍治(伊原/IMFスーパーウェルター級王者)
KO 1R1分59秒 ※左ロー
●アピチャート・コンヤン(タイ)※テワリット・ソーキティチャイから改名

 1R、ローの蹴り合い、ジャブの刺し合いから、圧力をかけていった後藤がロープに詰めての連打。アピチャートはロープを背負って左ミドル、右ハイキック。

 後藤はローからパンチの連打、左右フックから右ローを蹴るとアピチャートは情けなくダウン。さらに後藤が左ローを入れると、アピチャートは倒れ込み、後藤のKO勝ちとなった。


▼第10試合 バンタム級 3分3R
○池田茂由(伊原/フライ級2位)
判定3−0 ※28−27、28−26、28−27
●ベニーユキヒデ(ホワイトタイガー/バンタム級5位)

▼第9試合 ライト級 3分3R
○石井達也(藤本/同級3位)
KO 2R1分41秒 ※右フック
●中尾 満(伊原/同級5位)

▼第8試合 バンタム級 3分3R
○田中義人(伊原道場)
判定2−0 ※29−29、30−29、30−29
●王子(横須賀/同級3位)

▼第7試合 ミドル級 3分3R
○榊 克幸(トーエル/同級3位)
判定3−0 ※30−27、30−27、30−27
●喜多村誠(伊原/同級5位)

▼第6試合 ウェルター級 3分3R
○佐々木泰士(トーエル/同級10位)
判定3−0 ※30−28、30−28、30−28
●滝田淳一(伊原土浦/同級8位)

▼第5試合 ウェルター級 3分3R
○佑斗(治政館/同級6位)
KO 1R0分43秒 
●土屋修平(伊原)

▼第4試合 ウェルター級 3分3R
△藤田ゼン(横須賀太賀/同級7位)
判定1-1 ※30−29、30−30、29−30
△渡辺健司(伊原稲城)

▼第3試合 ライト級 3分2R
○松本芳道(八景)
判定3−0 ※20−18、20−19、20−19
●直矢(治政館)

▼第2試合 ウェルター級 3分2R
△小川大介(トーエル)
判定1−0 ※19−19、20−19、20−20
△林 元樹(藤本)

▼第1試合 フェザー級 3分2R
○江幡 睦(伊原土浦)
判定3−0 ※20−18、20−19、20−18
●上羽優希(トーエル)

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