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【全日本キック】日VSタイ戦は1勝1敗1分、山本真弘が無念のTKO敗

2008/03/20


全日本キックボクシング連盟
ALL JAPAN KICKBOXING 2008
「Kick On!」

2008年3月20日(木・祝)東京・後楽園ホール
開場17:00 本戦開始18:00
※本戦開始前にオープニングファイト

▼メインイベント 日本VSタイ 大将戦 58kg契約 3分5R
○F16・PKPラチャノン(タイ/ルンピニースタジアム・バンタム級5位)
TKO 4R0分19秒 ※ヒジによるカット
●山本真弘(藤原/全日本フェザー級王者、Kick Return60Kgトーナメント王者)

 昨年Kick Return60Kgトーナメントを制し、全日本キック最強を証明した山本。

 しかし、VSムエタイに関しては5月にKO勝ちを収めたものの、強豪と呼ばれるムエタイ相手には勝ち星を収めてられていない。

 6月のタイ遠征では首相撲に対応できず、試合途中でストップがかけられる屈辱も味わった。

 今回迎え撃つのは、ムエタイの二大殿堂ルンピニースタジアム認定バンタム級5位の現役ランカーF16。フェザー級の山本からすれば二階級下の相手だが、ムエタイでフライ級やバンタム級などの軽量級は“神の階級”であり、階級のハンディは試合に影響しないと考えていいだろう。

 1R、サウスポーの山本にオーソドックスのF16。山本はステップを使って右へ回り込みながら右フック、左ロ−。左のストレートを伸ばし、ローに繋げる。

 F16はパンチを狙ってくるが、山本は当てさせない。山本の右ロー、タイがローを蹴ってくると必ずローを蹴り返す。

 左ミドルにはワンツー、右ロー。完全に待ちの姿勢を保つF16に、山本のパンチが空を切る場面が目立つ。

 2R、山本がいきなり左右フックの連打からロー、F16がローを蹴り返してくると左フックを合わせる。ローにはローを返し、矢のようなワンツー。

 サウスポーに切り替えたF16にローで圧力をかけていく山本。細かくフェイントを入れつつ山本が左のパンチを当てていき、ミドルをカットしてローを蹴り返す。

 F16がパンチで来るとパンチで応じ、蹴りには返しのロー。F16は飛びヒザを放ったが、山本は落ちついて右フックからロー。

 3R、山本はF16のミドルに合わせた軸足蹴りで鮮やかに転倒させる。前に出てくるF16に山本が左右のフック、相手のハイキックは空振りさせる。

 掴もうと前に出てくるF16に左右フックを当て、ステップで距離をとる山本。ジャブからローをヒットさせ、前に出てくるところに左フックを直撃! ミドルにはロー、左フックを合わせる。あくまでもミドルを蹴ってくるF16に、山本はパンチで応戦。

 4R、左の前蹴り、左ミドルを出して前に出てくるF16に山本はパンチで前に出る。

 が、F16はミドルキックからパンチに合わせての左ヒジ! これでカットに成功!

 山本の左まぶたの上から鮮血が流れ落ちる。“しまった”という表情の山本をドクターがチェックしたが、出血が酷くその場でストップが告げられた。

 山本が優勢に闘っていたように見え、惜しい敗戦かと思われたが…

 F16は「惑わせるために左右に構えを変えました。相手はパンチとローが凄く上手でしたね。ヒジは相手のガードが下がってきたから入れられると思いました。

 ミドルキックと前蹴りで、ヒジを入れる状態を作りました」と、4R序盤の左前蹴り&左ミドルがその布石であり、ヒジを狙っていたことを明かした。


▼セミファイナル 日本VSタイ 中堅戦 58kg契約 3分5R
△ルンラウィー・サシプラパージム(タイ/2006年度・タイBBTVスタジアム「エキサイトファイト・オブ・ザ・イヤー」受賞)
ドロー 判定1−0 ※50−47、49−49、49−49
△前田尚紀(藤原/全日本フェザー級1位)

 昨年の最高試合賞を受賞した前田と、BBTVスタジアムで「エキサイトファイト・オブ・ジ・イヤー」を受賞しているルンラウィー。

 激闘系の二人が、どんな白熱した試合を見せてくれるか?

 1R、サウスポーのルンラウィー、まずはローとミドルの蹴り合い。前田は冷静に前蹴りを使って距離を保ち、ジャブからパンチのコンビネーションを放っていく。

 ルンラウィーは左ミドル、前田のパンチは僅かな動きでかわす。ルンラウィーは的確に同じ箇所を左ローで狙い撃ち。前田がパンチで来ると前蹴り、ミドルにはパンチを合わせる。

 ジャブと左ローを出しながら回り込む前田、しかしパンチはかわされる。ルンラウィーの左ミドル二連発に前田は下がらされる。

 2R、前田は左に回りつつジャブと左ロー。ワンツーはブロックされる。ルンラウィーの左インロー、いつになく慎重な前田にルンラウィーは圧力をかけつつローキック。

 しかし、下がっていた前田の右ハイキックがヒット! いきなり打ち合いに転じる。ルンラウィーもこれに応じて試合は一気にエキサイト。前田の左右フック、ルンラウィーの左ミドル&右ヒジ。

 大きく回りこむ前田をパンチで迫っていくルンラウィー、ボディから顔面へ、前田の下がり際にハイキックからボディ。

 ここからルンラウィーがロー、ハイキック、ボディ、フックと上下へ攻撃を散らしながらラッシュ。特にボディブローのめり込み方が凄い。

 3R、前田は右ミドルから右ストレート、アグレッシブに動き出す。ルンラウィーのローにパンチを合わせ、ルンラウィーは左ミドルから掴んでのヒザ。

 パンチ、ヒジ、ハイキックと2R終盤と同様に攻撃を散らしていく。前田のローにパンチを合わせ、左ミドルで前へ出る。

 下がる前田はフックを放っていくが、ロープ際に追い詰められる場面が多い。そこへルンラウィーのテンカオ連打、前蹴り、左ミドル、テンカオとどんどん前へ出て前田のボディを攻める。

 左ボディ、左テンカオ。前田が左右のフックで前に出ると、すぐにパンチで打ち合ってロー、ヒジ、前蹴り、左フック、左ロー。あの前田が下がり続ける! 

 それでもパンチを出して反撃する前田に、容赦なくルンラウィーの左ミドル、左ローがヒットする。前田の攻撃もヒットするが、前に出ているルンラウィーの勢いと手数が目立つ。

 4R、前田が左フックから右ローでタイのバランスを崩すが、ルンラウィーは左ロー、左ミドル、前蹴り。前田のローには左フック。至近距離では左ミドル、ボディブロー、左ミドルを入れる。前田もボディへパンチを放ち、ボディの叩き合い。ようやくルンラウィーの動きが止まってきた。

 前田の左フックが当たり出し、ローからフックのコンビネーション。ルンラウィーも左ミドルで応戦。前田の右ローから右フック、ルンラウィーはひたすら左ミドルを連打していく。

 打ち合いに行く前田だが、ルンラウィーは誘いに乗らず左ミドルを連打。前田がパンチで来ると巧みに組み付いてのヒザ、「オーイ!」と声を挙げつつ左ミドルを出しながら前に出る。

 ルンラウィーのミドルは単発だが、一発一発が重く、前田を前に出させない、攻撃の手を出させないのには充分な威力。

 5R、フックを出して倒しに行く前田にルンラウィーはやはり左ミドル、前田が連打で前に出ると組んでのヒザで止める。

 前田の左フックがヒットするが、すぐに左ミドルで相殺されて組んでのヒザをもらう。そこからルンラウィーは左ヒジ! 前田をコーナーへ押し付けてヒザからヒジの波状攻撃!

 離れると左ミドルから組んでくるルンラウィー、再び前田をコーナーへ詰めてヒジ&ヒザを連打。ルンラウィーの左ミドルで前田の体がくの字に曲がる。

 前田がフックで前に出るが、すぐに下がってしまいルンラウィーの左ミドルをもらって掴まれてのヒザ。前田のワンツー、ルンラウィーはこれに合わせて組んでヒザ。前田の左フック四連打、ルンラウィーはやはり組んでのヒザだ。前田の連打がルンラウィーの頭を後方へ大きく吹っ飛ばしたところで終了のゴング!

 勝ち誇るルンラウィーに対し、前田は両手でロープを掴んで肩で大きく息を吸う。対照的な二人だったが、ジャッジ1名がルンラウィーに2ポイントをつけただけで、ドローに終わった。

 試合後、前田は「あれは自分の負けだと思っています。理想の闘いをしようと思ったんですが、全く通用しませんでした。

 ミドルキックに合わせて技を出す練習をしてきたんですが、反応が遅い。全く歯が立たなかった…」と反省しきりだった。


▼第6試合 日本VSタイ 先鋒戦 73kg契約 3分5R
○中村高明(藤原/全日本ミドル級王者)
TKO 3R0分25秒 ※ヒジによるカット
●ランボー・C.M.A.(タイ/チャモアペット・ムエタイ・アカデミー)

 現在5連勝中の中村だが、VSムエタイに関しては過去2回ともヒジで切られてのTKO負けを喫している。

 一皮剥けるためにはムエタイから何が何でも1勝を奪いたい。

 対するランボーはタイでワンデートーナメントを3度制した実績を持ち、日本を主戦場にしているタイ人で、今回より“ムエタイ9冠王”チャモアペットのジムに移籍しての試合。

 1R、中村はいきなり飛び掛ってパンチを連打、サウスポーのランボーは左のヒジ。さらに距離を詰めてパンチを連打していく中村はヒザを入れるが、ランボーはパンチで反撃するとヒザ&ヒジ。この左ヒジで中村がカットされる! 怯まず連打とヒザで攻める中村だが、ドクターチェックが入る。

 中村の蹴りをかわして左ローを入れるランボー、中村は連打からヒザ。ジャブを出すとランボーは左ミドル、冷静に中村の攻撃をかわしていくが、右ヒジをもらってニヤリと不敵に笑う。

 中村がローからワンツー、ランボーはヒザ。中村はローから矢のような左を突き刺し、長い距離からストレートを当てて行く。前半の距離を詰めての連打とはうって変わり、後半は長いリーチを活かす長距離砲で勝負。

 2R、中村はジャブを使って離れた距離からのテンカオ、ランボーがローを蹴ってくるとロングの左ジャブから連打、さらにヒザを突き刺す。ジャブからロープに追い詰めて左ヒジ! ランボーは片手を着いてのカポエラキックで場内を沸かせる。

 中村がジャブで距離をとりつつワンツー、連打で距離を詰めてのヒザ。さらに組み付いて得意のサバ折りだ。

 ランボーは中村が入ってくるところに左のロングフックを繰り出すが、中村はヒザから右の縦ヒジ! これでランボーの左目上をカットし返す。

 ドクターチェック後、試合再開。飛びヒザ蹴りで襲い掛かった中村は一気に連打、ランボーの出血が酷くなり、中村は右ヒジの連打で追い討ちをかける。

 3R、中村がジャブから連打、ランボーがパンチで来るとヒザ。さらに左ジャブを突き刺しながらどんどん前に出て行くと、ランボーの血が飛び散り、レフェリーがストップをかけた。

“長身を利した闘い方”という藤原会長が与えた課題をクリアして、中村がムエタイから初の勝利を奪った。


▼第5試合 全日本ウェルター級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R
○湟川満正(AJ/同級1位)
延長 判定2−1 ※10−9、9−10、10−9
●クリストフ・プルボー(スクランブル渋谷/同級2位)

▼第4試合 全日本ウェルター級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R
○吉本光志(AJ/IKMF東洋ライト級王者、元全日本ライト級1位)
KO 3R1分11秒
●三上洋一郎(SVG/同級7位)

▼第3試合 全日本ライト級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R
○藤牧孝仁(はまっこムエタイ/全日本ライト級3位)
判定3−0 ※30−27、30−28、29−27
●翔 太(S.V.G./全日本ライト級9位)

▼第2試合 スーパーフェザー級 3分3R
○ソルデティグレ・ヨースケ(U.W.F.スネークピットジャパン)
KO 2R0分37秒
●藤井基文(月心会)

▼第1試合 ライト級 3分3R
○白濱卓哉(建武館)
KO 3R2分50秒
●那須儀治(WSK/興気塾)

▼オープニングファイト第3試合 フェザー級 3分3R
○金谷隆洋(AJ)
ドロー 判定0−0 ※30−30、29−29、30−30
●尾田兼次(S.V.G.)

▼オープニングファイト第2試合 ウェルター級 3分3R
○ウー・エリック(藤原)
判定2−0 ※30−29、30−29、30−30
●宮本隆憲(パンクラス チーム玉海力)

▼オープニングファイト第1試合 ライト級 3分3R
○武彦(月心会)
判定3−0 ※三者とも30−27
●園山翔一(WSK/白仙会)

 

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