| ▲決勝の北浦徳之戦はアキレス腱固めで一本勝ち |
3月23日(日)東京・町田市立総合体育館サブアリーナにて、日本コンバットレスリング協会主催『第14回全日本コンバットレスリング選手権大会』が行われた。
今大会の80kg級にはパンクラスismの北岡悟が出場、全試合一本勝ちで優勝を果たすと共に、最優秀選手賞(MVP)・最多一本勝ち賞・最短一本勝ち賞の三冠に輝いている。 「一本勝ちの感覚を思い出すため。刀は肉、生身の体を切らないと錆びついてしまうじゃないですか」と、木曜日に行われた『Giアマチュアグラップリングオープントーナメント』に引き続き、今大会に参戦した北岡。Giでは2試合連続一本勝ちでメジオ級(-78.9kg)を制覇したが、この日も北岡の関節技は冴え渡った。 | ▲準決勝では井上雄策にヒールホールドを極める |
北岡は1回戦のチョン・ソンフン(韓国)戦、開始早々に片足タックルでテイクダウンを奪うと、パスガード→フロントチョークという得意パターンで一本勝ち。
続く2回戦ではフロントチョークを警戒する奈良谷洋一朗(ロデオスタイル)を攻めあぐねたものの、ヒールホールドで切って落とす。 さらに「倒してからもすぐに極めにいかないといけないと思った」という2回戦の反省点を活かし、準決勝の井上雄策(日本ウェルネススポーツ専門学校)戦では片足タックルからの引き込み→ヒールホールドで秒殺。
決勝では足関節を警戒する北浦徳之(和術慧舟會兵庫支部)を一発では極めきれなかったものの、最後はやはり下からのアキレス腱固めでタップを奪った。 この結果により北岡は80kg級をオール一本勝ちで優勝。最優秀選手賞(MVP)・最多一本勝ち賞・最短一本勝ち賞を総なめにし、木口宣昭・木口道場会長から「本当に凄い。私が圧倒されるくらい極めてやろうという気迫が伝わってきた」と絶賛されるなど、まさに北岡DAYと言ってもいい活躍を見せた。 | ▲2回戦は奈良谷洋一朗からヒールホールドでタップを奪う |
大会後「Giと今日の大会は2つ合わせて一つの試合だと考えてやりました」と語った北岡。
「一本勝ちの感覚を取り戻せたか?」という質問に対しては「実戦最高(笑)!やっぱり一本で勝つとうれしいですね。タップを取れるとテンションが上がります」と笑顔で話し、サブミッションの手応えを感じてたようだ。 また「やっぱり一本を取りに行くのが強さの根源だと思うんですよ。それでプレッシャーをかけることが大事。1月の井上戦では判定勝ちを理想としてしまったんで、それがマイナスに働いていた。 | ▲初戦は得意のフロントチョークで秒殺 |
一本を取る原点を忘れていた。それが敗因だったと思うし、この2大会で6つの一本を取って、大事なものを思い出した」と北岡。
これからは「鬼のような姿で一本を取りに行く。悪魔みたいなイメージで取りに行きます」とグラップラーとしての信念を熱く語った。 北岡の次戦は5・18戦極有明コロシアム大会。この大会で北岡は70kgでの試合を予定しており、これから約10kgの減量が必要となる。 「とりあえずちょっとだけ好きなものを食べて、それから本格的に体重を落とします。
(10kg近い減量でも)自分は上手くやれる自信があるんですよね。(減量しても)70kg後半に戻して試合が出来ると思う。そこは大丈夫です」(北岡) また戦極ライト級のエースである五味隆典(久我山ラスカル)が今大会を観戦していたが、北岡は「僕が五味選手の名前を出すのは失礼。
五味選手はキング・オブ・キングスで、僕はパンクラスという山の頂上にも立てなかった選手。今は段階を踏んでいるところですから」と意識はしていなかったようだ。 そして「戦極での試合がメジャーデビューというかリスタートになると思います。カッコよく言うと今まではプロローグ(笑)。これからが始まりだと思います」と北岡。新たな気持ちで戦極のリングに立ちたいと意気込みを語った。 日本コンバットレスリング協会 「第14回全日本コンバットレスリング選手権大会」 2008年3月23日(日)東京・町田市立総合体育館サブアリーナ 開場10:00 試合開始10:30 <60kg級試合結果> ▼決勝 ○秋本じん(秋本道場J-JCT) 一本 2R ※チョークスリーパー ●辻田大祐(秋本道場J-JCT) ▼準決勝 ○秋本じん(秋本道場J-JCT) 一本 ※チョークスリーパー ●石川能之(木口道場川崎支部) ▼準決勝 ○辻田大祐(秋本道場J-JCT) ポイント4−2 ●細川直人(和術慧舟會東京本部) <66kg級試合結果> ▼決勝 ○沼尻 健(木口道場MMA教室) ポイント4−0 ●村上貴将(宇商高レスリング部) ▼準決勝 ○沼尻 健(木口道場MMA教室) 一本 ※フロントチョーク ●狩野亮太(フリー) ▼準決勝 ○村上貴将(宇商高レスリング部) 不戦勝 ●飯沼勝也(NEO-STYLE) <73kg級試合結果> ▼決勝 ○高橋良治(日大櫻丘高校柔道部) 延長2−0 本戦2−2 ●富山浩宇(P’sLAB東京) ▼準決勝 ○高橋良治(日大櫻丘高校柔道部) 延長1−0 本戦1−1 ●平石寿樹(秋本道場J-JCT) ▼準決勝 ○富山浩宇(P’sLAB東京) 一本 ※腕ひしぎ十字固め ●西岡耕治(久我山ラスカルジム) <80kg級試合結果> ▼決勝 ○北岡悟(パンクラスism) 一本 ※アキレス腱固め ●北浦徳之(和術慧舟會兵庫支部) ▼準決勝 ○北岡悟(パンクラスism) 一本 ※ヒールホールド ●井上雄策(日本ウェルネススポーツ専門学校) ▼準決勝 ○北浦徳之(和術慧舟會兵庫支部) 延長2−0 本戦2−2 ●青山友和(T-Pleasure) <+80kg級 試合結果> ○下中隆広(国士大レスリング部) ポイント10−0 ●野尻洋平(ロデオスタイル) ○野尻洋平(ロデオスタイル) 一本 ※アームロック ●関口 勉(千里クラブ) ○下中隆広(国士大レスリング部) 一本 ※腕ひしぎ十字固め ●関口 勉(千里クラブ) ※3人参加の総当り戦。2勝を挙げた下中が優勝。
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