パンクラス
「PANCRASE 2008 SHINING TOUR」
2008年3月26日(水)東京・後楽園ホール
開場18:00 開始18:30
観衆=1,900人
▼メインイベント(第8試合) フェザー級王座次期挑戦者決定戦 5分3R
○マルロン・サンドロ(ノヴァ・ウニオン/同級4位)65.7kg
KO 2R4分19秒 ※飛びヒザ蹴り
●志田 幹(パンクラスP’sLAB東京/同級2位)65.5kg
両選手入場後、コスチュームに不備があったとのことで志田は控え室へUターン。サンドロは一人リングに取り残された。しばらく待ってから試合開始。
1R、志田のローに左右のフックを返すサンドロ、掴んでのヒザ。サンドロは足払い気味の右ローで志田を転倒させると、顔面への蹴り!
志田は猪木×アリ状態で体勢を立て直す。サンドロは入り込むとサイドポジションを奪い、パンチとボディへのヒザを入れつつポジションを整えていくが、立ち上がって顔面への蹴り。
蹴りとパンチを出して志田を立ち上がらせないサンドロ、再び自分から入っていく。平手でサンドロの耳を叩く志田、これを嫌がったサンドロは立ち上がって猪木×アリ状態で足を蹴る。志田はグラウンドに行くサンドロをハーフでしっかりと固めてゴングを聞いた。
2R、左インローを蹴る志田にサンドロもパンチを返す。志田が潜り込もうとするとサンドロの右アッパーが飛んでくる。そのサンドロの右アッパーがクリーンヒット!
一気にパンチで前に出ると志田が後退。ようやく右ストレートを返したところでタックルをもらってテイクダウンされる。
パスガード狙いから立ち上がって足に蹴りを入れるサンドロ、志田は隙を見て立ち上がる。残り時間は1分、左右のフックで襲い掛かる志田。しかし、その直後にサンドロがパンチから奇襲の飛びヒザ蹴り! これが志田のアゴへモロにヒット!
すかさずショートパンチを連打するサンドロ、志田が崩れ落ちたところでレフェリーが止めるのと同時にセコンドからタオルが舞った。
これにより、前田吉朗の保持する次期フェザー級王座への挑戦者はサンドロに決定。サンドロは「パンクラス、ファンの皆さん、神様、ありがとう。このチャンスをもらって感謝しています。次にベルトを狙うためにまた戻ってきます。いつも先生のアンドレ・ペデネイラス先生にありがとうと言っていますが、今日も言わせてもらいます。ありがとう! 私はまた帰ってきます!」とマイクアピールした。
●サンドロのコメント
「ヒザ蹴りは特に練習していた。それを上手く入れられたのでよかった。パンクラスのベルトを取るために練習しているので、またペデネイラス先生に教わってベルトを巻くために戻ってきます。(チャンピオンの前田吉朗は)とてもいい選手だと思う。KOする技術が高い。そのために一生懸命に練習を積んできたいです」
●志田のコメント
「最初の足払いからの蹴撃に驚きました。一発ローを受けようと思って踏ん張ったんですが、足払いに来た。ああいう蹴りは想像していなかったです。あそこで効いちゃったので体力を回復させないと、と思って。2Rは打ち合いに行ったんですけど、強かった。悔しい。1Rに効かされちゃったのが全てです。それでやられました。
パンチもボコボコもらって、2Rにタックルに行った時も効いちゃって、目が回っていました。パンチが強力でした。力が強い。飛びヒザ蹴りの前に倒されていましたね。その前のパンチのコンビネーションで腰が落ちていました。でも、初めのダメージが全てだった。最後まで回復できませんでした。
次は吉朗がやりますが、負けないと思う。吉朗の鋭い細かいパンチが入ればいける。寝技になっても一気にやられる強さは感じなかったし、僕がやった感じでは吉朗の方が強かったと思う」
▼セミファイナル(第7試合) ミドル級戦 5分3R
○竹内 出(SKアブソリュート/第7代キング・オブ・パンクラシスト)83.8kg
判定 3−0 ※30−28、30−28、30−29
●金原弘光(UKR)83.2kg
1R、「金原コール」を背に受け金原がローキック。竹内はパンチを出して金原がカウンターを取ろうとすると、その上を行くカウンターのタックルでテイクダウン。
金原は上から上体に被さり、竹内が体を起こすのに合わせてアームロックを取りながら立ち上がる。竹内はそのまま持ち上げてテイクダウンするが、金原がすぐに立ち上がってパンチ。
打ち合うと見せかけて竹内は再びタックル、金原のヒザ蹴りがローブローになったとしてブレイクに。金原はロー、ミドルを放つも竹内が全て上手く受け流す。
サウスポーに構えた金原が左ミドル、竹内はなかなか入れない。ヒザ蹴りをもらう覚悟で胴タックルに行ったが、そこで1R終了のゴング。
2R、サウスポーの金原はタックルに入ってくる竹内に右フックを狙う。それを掻い潜って組み付いた竹内、金原は体勢を入れ替えつつヒザ蹴り、竹内は足をクラッチしにいくが金原がアームロックに。
竹内はヒザを入れつつバックを奪いに行き、金原はアームロックのまま立ち上がる。またも竹内がリフトアップしてテイクダウン、金原はパンチを入れながら立ち上がろうとしたが、竹内のタックルでグラウンドに引きずり込まれる。
竹内のパウンド、下から蹴り上げる金原。竹内はパスを仕掛けていくが、金原のガードから逃れることが出来ない。ならばと竹内が鉄槌を入れる。
3R、いきなり竹内が両足タックル、バックへ回ると金原がアームロック。亀になる金原の頭部を竹内がヒザで蹴る。腕を巻き込みながら回転する金原、一瞬上になったが、竹内が足を掬ってリバーサル。抑え込まれまいと立ち上がる金原がアームロック、竹内がやはり足を掬ってテイクダウンする。
金原はオープンガードから腕を取りつつ立ち上がり、竹内が同じように足を掬ったところで金原がロープを掴んでしまいイエローカード(減点1)を掲示されてしまう。インローからパンチで前に出る金原、竹内は両足タックル。ロープにヒジをかけて倒れまいとした金原を竹内がグラウンドへ持ち込む。
竹内がガードの中からパウンドを落とし、ラストにアキレス腱固めを仕掛けたところで試合終了。金原は復帰戦を勝利で飾ることは出来なかった。
●竹内のコメント
「強かったです。何回も投げたのに立たれた。投げれるのに立たれたのは初めてですね。寝技にいけなかった。僕らのポジショニングとは違う闘い方をすることは予想していましたが、あそこまで違うとは。投げて抑え込んでそこから、と考えていたが、亀の状態で腕を取られて。クラッチを外したら持って行かれそうだったので、そこから先が出来なかった」
●金原のコメント
「噛み合わなかったですね。面白い試合をしたかったけど、やっぱり止まっちゃう。試合勘が鈍っているかもしれない。腕が取れそうでそれに拘っちゃった。立って打撃に行くかと迷ったし、いま立ったらスタミナがなくなるかなとかも考えてしまった。相手も動かないので極めにくるなり何かしてくれよって思いました。昔のマット・ヒューズのようなものを感じましたね。
チャンピオンの強さというより、しつこさを感じました。あれじゃあ面白くない。もっと面白い試合をしないと。やってる内に3R終わっちゃったって感じで、体力があるのにもったいない」
▼第6試合 ミドル級戦 5分3R
○ガジエフ・アワウディン(SKアブソリュート・ロシア)83.8kg
KO 1R1分20秒 ※下からのパンチ
●佐藤光留(パンクラスMISSION)83.8kg
1R、パンクラス戦績4戦4勝と無敗を誇るガジエフに、ファーストコンタクトでタックルを仕掛けてテイクダウンした佐藤。サイドへパスしてボディへヒザ蹴り、マウントを奪うと一気にパンチラッシュ!
ところが、ガジエフが下からパンチを突き上げるとその一発で佐藤は失神! ブリッジでリバーサルし、フックを連打するガジエフを慌ててレフェリーがストップした。
▼第5試合 ライト級戦 5分3R
△ハクラン・ディアス(ノヴァ・ウニオン/2005年ペナ級柔術ブラジリアン王者)※初参戦70.2kg
ドロー 判定 1−0 ※30−30、30−29、30−30
△伊藤崇文(パンクラスism/同級4位)70.1kg
伊藤はセコンドにミノワマンを従えて、黒皮のロングコートで気合いの入った入場。対するはノヴァ・ウニオンが送り込んだ刺客、初来日のディアス。
1R、サウスポーの伊藤はジャブを出しつつロー&ミドルキック。ディアスは右ストレートで入り込み、何度目かでテイクダウンに成功する。伊藤は下から足を絡めつつ立ち上がり、ディアスをコーナーへ押し付けてボディへパンチ。ブレイクとなる。
蹴りの伊藤に組み付いていくディアス、伊藤をコーナーへ押し付けるがブレイク。残り時間30秒、フックで来たディアスを伊藤が捕まえてコーナーへ押し込んだところで1R終了。
2R、フックで前に出てきたディアスに伊藤がタックル、ディアスが体を入れ替えてコーナーへ押し付ける。伊藤が尻餅をつくようにしてようやくグラウンドへ移行、ディアスがパンチを放ち、伊藤は足を絡めながら立ち上がって逆にタックル。
ディアスが片足を引っ掛けて体を入れ替えテイクダウン、バックへ回るが伊藤は立ち上がる。伊藤はアームロックを仕掛けつつ上になり、蹴ってくるディアスの足を払ってサイドへパスに成功。
しかし、その直後にディアスが立ち上がってタックル、コーナーへ押し込むとブレイクに。伊藤がパンチからタックル、テイクダウンに行くもディアスがガブってそのままラウンド終了のゴングを聞いた。
3R、伊藤は蹴りから片足タックルでコーナーへ押し込むがテイクダウン出来ずブレイク。伊藤がパンチで前に行くとディアスの右がヒット、伊藤はすぐに片足タックルでテイクダウンしに行くが、やはり倒せない。ディアスの蹴りにタックルを合わせた伊藤だが、サッカーボールキックを喰らう。
すかさず足を取りに行く伊藤のバックを奪うディアス。伊藤は起死回生の膝十字を仕掛けるも、ディアスは上からパンチを落とす! 伊藤が足を離すとバックに付き、伊藤が反転して上に。再び足を取りに行った伊藤にディアスがパンチを落としたところで試合終了。両者決め手なく、ドローとなった。
▼第4試合 ライト級戦 5分3R
○小路伸亮(KRAZY BEE)70.2kg
判定 3−0 ※30−28、30−28、30−28
●アライケンジ(パンクラスism/同級7位)70.1kg
サウスポーのアライは小路がタックルへ来るところにヒザ蹴りや右フックを合わせ、テイクダウンを防ぐことには成功したが、小路のクリンチアッパーに対処できず打たれまくる。
その後のテイクダウンからは立ち上がるも、コーナーに詰まってクリンチアッパーと右フックで一方的に打たれ、1R終了のゴングが鳴るとその場でヒザを着いてしまうほどのダメージ。
2Rもクリンチアッパーと右フックをもらって棒立ちになる場面があり、テイクダウンも奪われる。最後に下からのラバーガードで立ち上がるが、すぐにテイクダウンを奪われるなどアライはいいところがない。
しかし3R、スタミナが切れてきた小路にアライの左ハイキックがヒット! 小路にタックルでテイクダウンされてもブリッジで立ち上がることに成功し、すぐにテイクダウンされても立ち上がる。それでも小路はタックルでアライを倒す。
アライは逆転を狙って飛びヒザ蹴りから打ち合いに行ったが、そこでゴング。時すでに遅し。小路が2ポイントずつ差を付けて3−0の判定勝ちを収めた。
▼第3試合 バンタム級戦 5分2R
○浅野倫久(KRAZY BEE/同級2位)61.1kg
判定 2−0 ※19−19、20−19、20−19
●裕希斗(U-FILE CAMP.com)60.4kg
1R、インローを狙ってくる裕希斗に浅野はタックルでテイクダウン。裕希斗はパウンドを打たれないようにガッチリとホールディングする。
スタンドに戻ると裕希斗が圧力をかけて右の蹴りを出していくが、すぐに浅野にリフトアップされてのテイクダウンを許す。浅野はマウントからバックマウントを奪い、その後も2回のテイクダウンに成功。
2R、浅野は早々に片足タックルでテイクダウンを奪い、裕希斗の三角絞めを外して左のビッグパンチを叩き込む。さらに片足タックル、胴タックルでテイクダウンし、裕希斗の三角絞めは極めさせず2−0で判定勝ち。
▼第2試合 ミドル級戦 5分2R
△鳥生将大(パンクラスism)83.6kg
ドロー 判定 0−0 ※20−20、19−19、20−20
△佐藤豪則(Laughter7)81.3kg
両者がリングインしたところで佐藤の左足に巻いていたサポーターに不備があることが確認され(ルールで認められないニーブレスを着用していた)、一旦控え室へ戻ってテーピングを施すことに。そのため、「両選手のメンタル面を考えて」第4試合後の休憩明けに試合が行われることとなった。
第4試合後の休憩明け、再びコールを受けてそれぞれのテーマ曲で入場した二人。文字通りの仕切り直しでようやく試合が始まった。
サウスポー同士の両者、島生がフェイントを入れて右ハイキックを放ち、タックルで組み付く。両足を掬ってテイクダウンするとガッチリ抑え込み、佐藤は残り30秒のところで下からの腕十字を仕掛けたが、島生は耐える。
2Rも島生がタックルでテイクダウン、佐藤はやはり下からフロントチョークや腕十字を狙ったがブレイク。島生のタックルを佐藤がアームロックで切り返すも、回転して島生が上に。マウント、バックマウントを奪ったところで試合終了。両者ともに目立った攻めはなく、判定はドローに。
▼第1試合 ウェルター級戦 5分R
○岩見谷智義(高田道場)76.1kg
判定 3−0 ※20−19、20−18、20−19
●本田朝樹(パンクラスP’sLAB横浜)76.8kg
|