TITANS事務局/新日本キックボクシング協会
「TITANS NEOS V」
2008年4月20日(日)東京・後楽園ホール
開場16:45 開始17:00
▼メインイベント(第12試合) ヘビー級 3分3R
○ノブ・ハヤシ(ドージョー・チャクリキ・ジャパン/K-1
JAPAN GP2004準優勝)
判定3-0 ※三者とも29-28
●ベン・エドワーズ(オーストラリア)
当初メインイベントではノブVSルスラン・カラエフがマッチメイクされていたが、何と試合直前でカラエフの母親が病に倒れてしまい、カラエフが緊急帰国するという事態に。カラエフは今大会を欠場し、代替選手としてオセアニアで活躍するキックボクサーで“白熊”の異名を持つベン・エドワーズが出場することとなった。
1R、いきなり左ハイを飛ばすエドワーズ。さらにそこから右フックで前に出て返しの左フック。一気にノブをロープに詰めて強烈なローを蹴る。さらにエドワーズは左フックから左右の連打、右ストレートと左フックをノブの顔面に叩き込む。必死にガードを固めるノブだったが、エドワーズは右フックを効かせると、さらに左フック! エドワーズがノブを一気に攻め立てるという予想外の展開が続く。
何とかエドワーズの猛攻を凌いだノブは丁寧にジャブから右ロー。そしてエドワーズのパンチをブロックして右ローを返す。右アッパー、左フック、ストレートを打っていくエドワーズ。しかし序盤のラッシュでスタミナが切れたのか、口をあけて呼吸をするようになり、ノブがこつこつと右ローを蹴っていく。終盤、ノブはエドワーズに組み付いてヒザ蹴りを入れる。
2R、いきなり右ミドルと右ハイを蹴るエドワーズ。さらに右フックで飛び込んでいく。ノブはそれをブロックして、ジャブから右ロー。徐々に圧力をかけて前に出て、ガードを固めるエドワーズに右アッパーと左フックを入れる。さらにノブは棒立ちになるエドワーズに右ロー! 蹴りだけでなく左右のフックを効かせて、組んでからはヒザ蹴りを突き刺す。
しかし何度もロープまでエドワーズを詰めるものの、自ら下がってしますノブ。逆にエドワーズが前に出て右ストレートを当てる場面も出てくる。残り1分、徹底してジャブ&右ローで攻めるノブ。
するとこのローを受けて、エドワーズが明らかに痛そうな素振りを見せる。ここぞとばかりにノブが前に出てローを蹴り続けるが、すぐに自分から下がってしまうため、ダウンを奪うまでには至らない。
3R、ローとミドルを蹴るエドワーズだが、ノブのジャブ&右ローを受けると、体が「く」の字に折れ曲がる。ローのダメージは誰が見ても明らかだ。ノブはジャブから右フック、ヘロヘロのエドワーズに右ローと右フックを叩き込む。
しかし倒れないエドワーズ! 逆に右フックとヒザ蹴りでノブを下がらせる。ローで倒れないと見るや、頭を下げるエドワーズにノブがヒザ蹴り、さらに右ロー。ノブがエドワーズをダウン寸前まで追い込むものの、エドワーズが何とか耐え凌ぎ、試合終了のゴング。ノブがカラエフの代役エドワーズの頑張りに苦戦しながらも、何とか判定勝利をもぎとった。
▼セミファイナル(第11試合) 3分3R
△菊地剛介(伊原/日本フェザー級王者)
ドロー 判定0-1 ※29-30、30-30、30-30
△デンダナイ・PKステレオ(タイ/ラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級2位&元同級級王者)
TITANSには全大会出場している菊地の対戦相手は、ラジャダムナンスタジアムの元王者で現在もランキングに名を連ねているデンダナイ。パンフレットによれば今年に入りタイトルマッチを含む3試合を戦っており、現役のトップ選手だと言える。
1R、右ローを連打する菊地。デンダナイはその蹴り足をキャッチするといきなりバックヒジ! 右前蹴りで距離を取ろうとする菊地に対して、じりじりと前に出るデンダナイ。菊地は右ローと前蹴り、そして得意の奥足へのローを蹴る。
菊地の右ミドルを受けると、ニヤリと笑って左ミドルを蹴るデンダナイ。菊地の右ミドルをカットしながら左ミドルを蹴り、組みの攻防になるとくるりと体を翻して、菊地をマットに転がす。
ワンツースリーから奥足へのローを蹴る菊池。デンダナイはジャンプキックなど、トリッキーな技で余裕を見せる。菊地のローをカットしながら前に出るデンダナイ。菊地をコーナーにつめると前蹴りのフェイントからパンチをまとめる。
2R、菊地の蹴り足をとってミドルとローを蹴るデンダナイ。前蹴りで菊地と距離を取り、菊地が組んできたら足をかけてこかす。デンダナイは菊地を右ロー、左前蹴りで突き飛ばし、組むと絶妙のタイミングで菊地をマットに転がす。さらにデンダナイはマットに手をついてのハイキック。
菊地の蹴り足をとって右ストレートを打つデンダナイ。菊地が組むと簡単にそれを崩す。デンダナイが左ハイ。やや守勢に回る時間のあった菊地だが強烈な右ロー! 奥足へのローを蹴るとデンダナイががバランスを崩す! さらに菊地が右ローを蹴ると一気に場内が沸く。
3R、菊地が前蹴りとミドル。デンダナイがそれをすくって右フック、どんどん前に出て菊地を下がらせる。下がりながらも奥足ローを蹴る菊地。デンダナイはこのローはカットしながら前に出て左ミドル、さらに組みの攻防になると右ヒジを振り回す。
ひたすら前に出るデンダナイは右ロー。菊地も奥足ローを返すが、単発のためダメージを与えるまでには至らない。逆にデンダナイは菊地の奥足ローにヒジを合わせていく。菊地はデンダナイが飛び込んでくるところに右ヒジ。デンダナイは菊地に組み付くと、すぐにマットに転がす。
必死に奥足ローを狙う菊地。しかし手数が少ない。逆にデンダナイは右ボディから前に出てロー。最後はデンダナイが菊地のローをカットして、前蹴りで突き放すという展開で試合終了となった。試合はジャッジ1名がデンダナイを支持したものの、残り2名はドロー。ルールでは3R制だったが、5Rで見てみたい試合だった。
▼第10試合 75Kg契約 ヒジなし 3分5R
○後藤龍治(伊原/IMFスーパーウェルター級王者)
KO 1R2分55秒 ※パンチの連打
●須藤信充(TEAM SUDO/元三階級制覇四冠王)
“天才”須藤がTITANSに初参戦! 須藤は高橋ナオトをセコンドにつけ、GENIUS(天才)とプリントされたキックパンツでリングイン。両選手の名前がコールされると、両応援団から紙テープが投げ込まれた。
1R、いきなり後藤のインローに須藤が左フック! さらに大降りの左アッパーを突き上げると、場内からはどよめきが起こる。後藤のインローがローブローになり、試合が一時中断となると、再開後も須藤がパワフルなパンチを連打!
須藤が右のロングフックから返しの左フック。後藤は細かいパンチの連打から右ローにつなげるが、須藤はそこに右のロングフック! さらに左フック、左アッパーを振り回す。しかし後藤はそれをしっかりとブロックして、右ストレートを当てるとそこからラッシュ! 須藤をロープに釘付けにすると飛びヒザ蹴りを繰り出す。
このまま一気に後藤ペースになるかと思いきや、須藤が大砲のような右フック! ダウンにこそならなかったものの、後藤がバランスを崩す。ジャブを突いてミドルを蹴る後藤。さらにそこからヒザ蹴り。須藤は後藤のローに右フック。後藤はじりじりと前に出て右ロー。須藤の右フックを空振りさせて右ストレートを当てる。大振りのパンチを振り回す須藤に対して、後藤は内側から細かく連打!
そして後藤が須藤をコーナーにつめると、ガードの間から右アッパー! これで須藤がしりもちをつき、ダウンが宣告される。再開後、左フックで飛び込む須藤だったが、後藤はそこにカウンターの左ハイ。ふらつく須藤に一気にパンチを集めると須藤が二度目のダウン! 須藤がカウント内に立ち上がれず、後藤が須藤からKO勝利を収めた。
須藤から見事に1RKO勝利を奪った後藤は「アホと天才は紙一重! 今年の中量級は俺がかき回します!」と飛躍を誓った。
▼第9試合 70Kg契約 ヒジなし 3分5R
○タカオサミツ(伊原/日本ウェルター級1位)
判定3-0 ※50-47、50-47、50-45
●我龍真吾(ファイティングマスター/M-1ミドル級王者)
かつて“鷹山真吾”の名前で日本ライト級王者にまで上り詰めた我龍。TITANS参戦という形にはなったものの、新日本キックボクシング協会が認定する大会に凱旋することになった。対戦相手は現ウェルター級1位のタカ。タカが現在進行形の新日本キックの強さを見せることになるか?
我龍は自分の名前がコールされると、両手を大きく広げてアピール。本部席にいる伊原代表に一礼する。しかしリング中央でタカと相対すると、いつもガン飛ばしでタカを睨みつけた。
1R、我龍とはグローブを合わせないタカ。我龍はいきなり右アッパーから飛び込んで左フック、右ローを蹴る。タカはパンチをブロックして右ロー、さらに我龍の奥足もローで狙う。ここで組みの攻防になると、我龍がエキサイト! ブレイク際に「ふざけんじゃねえぞ!」とタカを怒鳴りつける。
再開後、我龍は右フックから左ボディ。さらに左を振ってから右ボディとタカのボディに攻撃に照準を絞る。しかしタカは距離を取ってジャブ&右ミドル、さらにパンチをブロックしてからの右ローという攻撃に徹底する。ガードが高いタカに対してボディを何度も叩く我龍だが、タカは動じない。逆にタカがこつこつとローを当て、さらには右ミドルやハイキックを飛ばす。
2R、前蹴りでタカを突き放そうとする我龍。タカはそれをキャッチして右ミドルを蹴る。1R同様に左右のボディフックを多用する我龍だが、タカも徹底して右ローキック。タカはローだけでなくミドル、ハイと右の蹴りを散らしていく。
我龍も右フックから左ボディ、さらにそこから右ロー。ワンツーとパンチで前に出て行く。突進してくる我龍を突き放して右ミドルを蹴るタカ。さらに我龍の頭が下がったところにヒザ蹴りを突き上げる。タカがテンカオから右ロー。我龍も右ストレートから左ボディ、さらに右ストレートから右アッパーを打っていく。
3R、右ミドルで我龍を近づかせないタカ。我龍の前蹴りを捌いて右ミドル、そしてパンチをブロックして右ローを返す。ここまでのラウンドに比べてやや手数が減る我龍。逆にタカは左インローから左ミドル、右ロー&右ミドルと蹴りでペースを掴んでいく。
タカの蹴りをブロックしながら、右で飛び込む左ボディを打つ我龍。何発もタカのボディにパンチを打ち込むが、タカの動きは止まらない。前蹴り、ミドルで自分の距離を保つタカ。ここまでやや劣勢だった我龍だが、終盤、右フックから左アッパー、そして右フック。右ストレート、左フックとパンチで一気に前に出る。
4R、タカは我龍を左の前蹴りで突き放して右ロー。右ミドルで我龍に距離を詰めさせない。右ボディや右アッパーで前に出る我龍だが、タカはそれをしっかりとディフェンスして距離を取ると、右ミドルと右ローを蹴る。タカの蹴りをもらいながらもパンチで前に出る我龍だが、大振りのためクリーンヒットはない。
逆にタカは我龍に組み付いてヒザ蹴り。右ローを中心とした攻撃でペースを崩さない。そして我龍がパンチで前に出てきたところに狙い済ました右ストレート! これでタカが我龍から先制のダウンを奪う。再開後、すぐに我龍に襲い掛かるタカ! 顔面前蹴りを突き刺すと、右ハイキック! さらにそこから右ストレートを打っていくが、我龍は倒れない。
5R、ポイントでは後がなくなった我龍は右フックから左ボディ。さらにガードを固めるタカに左右のアッパーを突き上げる。タカは距離と詰めてくる我龍にヒザ蹴りを入れると、右ハイキック! これをもらった我龍だがそのまま蹴り足をキャッチしてタカをマットに倒す。
右ミドルと右ローで確実にダメージを与えるタカ。それでも我龍は前に出てタカをロープにつめると右ストレートから左ボディ。さらにバックブローまで駆使して手を出し続ける。そして残り試合時間が1分を切ったところで、我龍がガードを下げてタカに我龍タイムを要求!
しかしタカはそれを無視! 我龍に右ローを蹴り、さらに右ストレートを打ち込む。我龍タイムを完全に無視するタカに対して、我龍は左右のストレートで突進!
さらに距離を詰めてヒザ蹴りを打っていくが、タカは落ち着いてそれに対処。右ハイキックを飛ばし、組んでは我龍のヒザ蹴りを防御する。結局、そのまま試合は終了。4Rにダウンを奪ったタカが我龍を下して、新日本の牙城を守った。
▼エキシビジョンマッチ 女子 52kg契約
陣内まどか(トーエル)
※エキジビションのため勝敗なし
MAYU(新格闘術拳聖会)
▼第8試合 68Kg契約 3分3R
△正木和也(藤本/日本ウェルター級王者)
ドロー 判定0-0 ※三者とも30-30
△クリストファー・メルテンス(フランス)
一昨年のTITANSのリングで対戦している両者、この時はドローに終わっており、今回が決着戦となる。
1R、サウスポーのメルテンスに対して右ストレートから飛び込む正木。メルテンスは左ミドルで正木が前に出てくるのを阻止する。その後も左の蹴りで下がりながら距離をとるメルテンス。正木は細かくインローやジャブを突くが、それ以上の手数は出ない。このラウンドは互いに間合いを測るという展開が続く。
2R、正木の前進に合わせて、前足払いを多用するメルテンス。これで何度も正木がバランスを崩す。メルテンスはこのラウンドも距離を取って左ミドルを蹴る。正木は右ストレートから左フック! これがメルテンスの顔面を捉えるが、メルテンスは組み付いて追撃を許さない。左ミドルで距離を取り、正木が距離を詰めてきたらヒジと首相撲を使う正木。終了間際。再び正木の右ストレート→左フックが当たる。
3R、ここでもメルテンスは左ミドルで距離を取り、距離が詰まるとヒジ&首相撲。正木も前に出続けて、パンチを狙うのだが、メルテンスの動きを崩すことが出来ない。試合はどちらにもポイントが入らない形で、またしてもドローに終わった。
▼第7試合 ヘビー級 ヒジなし 3分3R
○野地竜太(TEAM GARO/極真第7回全世界空手道選手権7位)
KO 2R3分4秒 ※パンチの連打
●嚴士鎔(伊原/日本同級3位)
▼第6試合 ミドル級 72.5kg契約 肘なし 3分3R
○ファフリジオ・ベルガミーニ(イタリア/1995-1998イタリア王者)
KO 3R2分50秒 ※左フック
●阿久澤英一(山田/元NKB同級王者)
▼第5試合 ヘビー級 3分3R
○コウイチ・ペタス(THE SPIRIT
GYM AE/J-NETWORK同級1位)
判定3-0 ※30-28、30-27、29-28
●國吉(治政館/日本同級1位)
▼第4試合 ウェルター級 3分3R
○イソラサック・シッセックサン(タイ/元ルンピニースタジアム認定フェザー級王者)
判定3-0 ※30-29、30-29、30-28
●緑川 創(藤本/日本同級4位)
▼第3試合 ライト級 3分2R
○松本芳道(八景)
KO 1R2分45秒 ※3ノックダウン
●垣原卓也(伊原土浦)
▼第2試合 ウェルター級 3分2R
○隼侍(伊原稲城)
判定2-0 ※20-19、20-19、19-19
●安藤 崇(トーエル)
▼第1試合 ライト級 3分2R
○湯澤尚矢(伊原)
KO 2R2分6秒 ※3ノックダウン
●花堂久左衛門(亀の子道場)
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