全日本キックボクシング連盟
ALL JAPAN KICKBOXING 2008
「Spring Storm」
2008年4月26日(土)東京・後楽園ホール
開場17:00 本戦開始18:00
※本戦開始前にオープニングファイト予定
▼第8試合 スーパーファイト 59kg契約 3分5R
○石川直生(青春塾/全日本スーパー・フェザー級王者)
TKO 3R2分37秒 ※ヒジによるカット
●山本元気(DTS/同級1位)
注目の日本人対決! 先に入場したのは約1年ぶりの日本復帰戦となった元気。大きな声援に迎えられながら、いつものように上半身裸のトランクス姿でリングに上がる。
対する石川は真っ赤なガウンでリングに上がると、こちらもいつもと同じハイキック&水吹きのパフォーマンス。しかし元気は石川に一切、視線を移さない。そして大歓声の中、試合開始のゴング! 元気と石川はグローブを合わせないまま、試合が始まった。
1R、石川はいきなり前蹴り。元気も右ローを蹴るが、石川は前蹴りで距離を取る。じりじりと前に出て右ローを蹴る元気。石川の前蹴りをすくうと、右フックを打っていく。石川は下がりながら前蹴り、そして距離が詰まると組んでからのヒザ蹴り。
ジャブと前蹴りで徹底的に元気と距離を取る。元気も石川のサイドに回りながらジャブを打つが、石川の前蹴りで突き放されてしまう。逆に石川は前蹴りだけでなく、左のミドルも使って、元気の前進を止める。
しかし石川の組み際に元気の右アッパーと左フックがヒット! 石川はそのまま組み付いてヒザ蹴りを入れる。ブレイク後、石川は右ローと左ミドル。元気も石川をロープまで詰めると、出てくるところに右ストレートを狙う。さらに石川が距離をつぶして首相撲の攻防に持ち込むと、二人は離れ際に右ヒジを強振! スリリングな攻防に場内が一気に沸きあがる。
距離が開くと、再び前蹴りを中心に右ローと左ミドルを蹴る石川。元気も左ミドルから踏み込んで右ストレートを打っていく。元気は石川の前蹴りをもらうものの、前に出て右ローとジャブ。石川は元気の足にも前蹴りを放ち、コーナーに詰まりながらも上手くそこから脱出し、左ミドルを蹴る。
左フックから右ストレートで飛び込む元気。石川は組み付いてヒザ蹴り、ブレイクになると前蹴りで元気を突き放す。終盤、石川は元気のジャブをかわして左ミドルを蹴る。
2R、1Rと同じように徹底して前蹴りと左ミドルで距離を取る戦法を続ける石川。さらに元気が入ってくるところを狙って右のテンカオと右ストレート、さらに顔面への前蹴りも見せる。ジャブを細かく突きながら元気が右ストレート! これが顔をかすめると石川は一気に距離をつぶして組み付く。
それを突き放した元気は右ロー、そしてボディへの右ストレート! 石川も下がりながら前蹴りや左ミドルを出すが、元気も左ミドルを蹴り返して右ストレートを打つ。
そして石川が右ストレートを出したところで、カウンターの右! この一発で石川がバランスを崩す! 一気に前に出て行く元気! ここは石川も落ち着いて元気に組み付いて、追撃を許さない。
ブレイク後、石川は冷静さを取り戻し、左ミドルと前蹴り。元気も左ミドルを返すが、距離をコントロールするのは石川だ。石川が元気のパンチに合わせてバックヒジも見せる。元気はガードの固い石川に対して右ボディストレート! 石川は距離が詰まると、すぐに組み付いて中間距離をつぶす。そして距離が開くと石川が左ミドルと右のテンカオ。ジャブから右ストレートで前に出る元気。石川は右のテンカオ、そして顔面への前蹴りを見せる。
3R、左足を上げながら前に出る石川。元気も右のパンチを返すが、石川が左ミドルと足への前蹴りで距離を取る。しかしここで石川のテンカオに元気が右のスイングフック! これが石川の顔面を捉えるが、石川はすぐに元気に組み付いてボディにヒザ蹴り。元気はそれをもらいながらも、強引に石川をマットに押し倒す。
ブレイクによる再開後、前蹴りとインローを蹴る石川。元気は右ストレートから左フック、さらにジャブと前蹴りで距離を測る。石川は前蹴りで元気を突き放して左ミドル、元気のパンチを空振りさせるとすぐに組み付く。左手を伸ばして元気のパンチをブロックする石川に対し、元気の右ストレートがヒット! しかし石川は慌てることなく左ミドルで距離を取る。
足を上げてフェイントを入れながら、石川が右ヒジと右のテンカオ。組み付いてヒザ蹴りを入れる。元気も首相撲になると石川を振り回して、それをディフェンスする。右のローを蹴る元気。しかし空振りする場面が目立ち、逆に石川の左ミドルが当たる。右ストレートと左フックで前に出る元気。石川はしっかりとブロックし、パンチを当てさせない。
そして石川がコーナーに詰まり、元気がパンチで飛び込んだところに、石川が右ヒジを一閃! これが元気の額の左側を捉え、そこから出血! 石川が自分のヒジを指してカットをアピールすると、元気にドクターチェックが入る。するとここでドクターが試合をストップ! 石川が得意のヒジ打ちで元気からTKO勝利を収めた。
リング上から応援団に向かってガッツポーズを作る石川。頭にタオルを巻いてすぐにリングを降りる元気に声をかけると、小林聡GMと2ショットで写真に収まり「チャンピオンになってから2年4ヶ月。やっと自分がチャンピオンだって胸を張れる最高の夜です!」と喜びを熱く語った。
▼第7試合 日本VSタイ スーパーバンタム級 3分5R
○藤原あらし(S.V.G./全日本バンタム級王者)
KO 2R0分42秒 ※左ローキック
●ロームラン・オー.ベンジャマー(タイ/元ルンピニーフライ級7位・元オームノーイフライ級4位)
今大会からムエタイ路線を本格的にスタートさせるあらし。対戦相手は29歳とムエタイ戦士にしては高齢ながら、元ルンピニーのランカーでもあるロームランだ。ワイクーを踊るあらしは小さく「勝つ」とつぶやく。
1R、互いにサウスポーの両者。ロームランはいきなり前蹴りを蹴るが、これはモーションが大きくあらしにすかされる。ジャブを突いて左ストレートを打つあらし。じりじりと前に出てロームランをロープに詰めると強烈な左ロー! この一発でロームランは足が止まる。そこに左ローと左ミドルを蹴るあらし。
ロープ伝いに逃げるロームランにあらしは左ミドルと左ストレート。ロームランも左ローを返すが、勢いがない。逆にあらしはロームランを後退させてインロー、そして左ロー! ラウンド終了間際になるとあらしが右フック、そして前蹴りのフェイントから左ロー! ロームランをガードごと吹っ飛ばさんばかりの左ハイキックを蹴る。
2Rが始まるとあらしはすぐに左ローを蹴る。そしてロームランの蹴り足をすくって左ロー。明らかにローが効いた素振りを見せるロームランにあらしは左ローを連打。そしてロームランがロープに詰まったところであらしが強烈な右ボディ! そしてそこからの左ロー! これでマットに崩れ落ちるロームラン。苦悶の表情を浮かべるロームランはそのまま立ち上がることが出来ず、あらしが余裕のKO勝利を収めた。
試合後、あらしは「こんにちは! 今日は手短にいきます。周りはK-1、K-1と騒いでますけど、ムエタイも面白いでしょ? キックボクシングが最高ですよ!」とキックファンを熱くさせるようなマイクアピールで締めくくった。
▼第6試合 70kg契約 3分5R
○江口真吾(AJ/全日本ミドル級1位)
TKO 4R0分16秒 ※ヒジによるカット
●望月竜介(U.W.F.スネークピットジャパン/全日本スーパー・ウェルター級1位)
1R、リーチで勝る江口がローと左ミドルで望月を近づかせない。望月は江口のローを受けるとすぐに右のロー。ジャブで江口を下がらせてインローを蹴る。対する江口もパンチで下がらせて左ミドルを蹴る。江口のパンチをパーリングして左ミドルを蹴る望月。そしてジャブから踏み込むと右ストレートを打つ。
左フックから右ローを蹴る江口。望月も同じように左フックから右ロー。そして飛び込んでのワンツー! 望月は江口のパンチに対してしっかり手を伸ばしてブロックする。江口は左ジャブを伸ばしてから右のヒジ。望月は右ストレートのフェイントで前に出てジャブを入れる。
2R、望月が左フックから右ストレート。江口は右ミドルを返す。望月は江口の右ローに左フック。江口は左ジャブで距離を取り右ローを蹴る。左フックから右ストレートで前に出る望月。左手を伸ばしてブロックする望月に江口が右ストレート。さらに立てヒジで前に出る江口。望月を後退させて右ローを蹴る。ガードを高く上げて左ローを蹴る望月。左フックから右ストレート、そして右ローを蹴る。
望月は左フックから左ボディを返す。江口はワンツーで望月のガードを固めさせてアッパー。右ローを蹴る望月は右ボディストレート。江口の右ローをカットしてすぐに右ローを返す。さらに望月は江口のミドルをスウェーして、一気に踏み込んで左ボディ。前蹴りと右ローを蹴る江口。望月はそのローに右アッパー! すぐに右ハイを蹴り返す江口だが、それでも望月が前に出る。そして望月が左ボディを打つ。
3R、望月のジャブをブロックして江口が右ローを返す。望月は右ストレートで前に出る。江口のジャブに左フック、左ボディから右ストレートを返す望月。江口もパンチから右ミドルを蹴る。ワンツーで前に出る望月に江口がテンカオ。組みの攻防になると望月が江口をマットに転がす。
江口のジャブに右アッパーを突き上げる望月。江口は立てヒジで前に出る。そして右ロー。望月は右ローを受けて左フック。右ボディを返す。するとこの左フックが江口にヒット! 江口は望月を首相撲に捉えてヒザ蹴り。望月は江口を浴びせ倒す。再開後、左ボディで前に出る望月。江口が前に出てくると、そこに左フックを合わせる。
4R、左フックと右ストレートで前に出る望月。江口はヒザ蹴りを出して組みつく。右ローから飛びヒザ蹴りで前に出る江口。組みの攻防になると、望月をマットに倒す。望月は江口の前蹴りをすかしながら右ストレート。江口は足を上げながら前に出て、望月に組みつく。そして距離が開いたところで、江口が右ヒジ!
これで望月がダウン! 何とかカウント内に立ち上がった望月だったが、ダメージがあるのか、距離を取ってリングの中を回る。そしてダメージが回復してきたところで前に出る望月。江口のジャブに右ストレート、左フック。そして望月の右が当たると、江口の左目付近の出血がひどくなり、ドクターチェックが入る。
再開後、望月が右ストレートから左フック。江口は首相撲を多用して、望月にパンチを打たせない。しかし終了間際に望月の左ボディがヒット! バランスを崩した江口を見てダウンをアピールする望月だったが、レフェリーからダウンの宣告はない。
5R、ローとミドルを蹴る江口に対し、望月は右ストレートで前に出る。するとここで江口が狙い済ました縦ヒジ! これで望月が左目上をカットし、ドクターチェックの末に試合がストップ! 「見たか!オラ!」と四方に勝利をアピールする江口! 戦前の予想を覆す見事なTKO勝利で、喜びを爆発させた。
▼第5試合 K-1ルール 60Kg契約 サドンデスマッチ3分3R
○上松大輔(チームドラゴン/全日本フェザー級2位)
判定3-0 ※三者とも30-25
●ソルデティグレ・ヨースケ(U.W.F.スネークピットジャパン)
1R、インローからパンチで前に出るヨースケ。上松は距離を取りながら左ミドルを蹴っていく。そしてヨースケの右アッパーを空振りさせると、すぐに右ストレート。距離を詰めてパンチを繰り出すヨースケに対して、上松はしっかりとガードを固めて左フック、右ストレート。さらに左ミドル、テンカオとバランスよく攻撃を繰り出す。そしてヨースケの右アッパーに上松が鮮やかにカウンターの右! これで上松が最初のダウンを奪う。
2R、パンチで突っ込むヨースケに上松は左ミドル。それでも構わず前に出るヨースケは左右のフックと右アッパー。しかし上松のブロックは固い。するとヨースケのパンチをブロックした上松が左フック! さらに右ストレート、テンカオを当てるとミドル気味の左ハイキックで2度目のダウンを奪う。
再開後、左フックから前に出るヨースケ。その後も左右のフックやアッパーで前に出て行くが、上松は的確にブロックからの返しで右ストレートや左フックを当てる。さらに右のテンカオ、ハイキックと蹴りも繰り出す上松。ラウンド後半、一気に上松が攻勢に出るが、ヨースケも上松のテンカオに右フックを合わせる。
3R、上松はヨースケのボディに左ミドルを蹴り込む。それでもヨースケは表情一つ変えずに右フックと右アッパーで前に出続ける。上松はヨースケの右フックをブロック、打ち返しの左フックを何発も当てるが、ヨースケは下がらない。顔面で倒れないならばと、上松はヨースケのボディにヒザ蹴り。さらに左ミドルと右ハイキックを蹴る。
それでも驚異的なタフさを見せるヨースケは、声を出して気合を入れると、上松のテンカオに右のロングフック! さらにパンチを振り回して、前に出て行くが上松は距離をとって左ミドルとローを蹴る。好戦的なファイトで会場を大いに盛り上げたヨースケだったが、試合は攻撃の的確さとダウンの数で上回った上松の完勝という結果に終わった。
▼第4試合 全日本ライト級ランキング戦 サドンデスマッチ3分3R
○海戸 淳(SVG/同級2位)
KO 1R2分56秒 ※3ノックダウン
●寺崎直樹(青春塾/同級6位)
1R、ジャブと前蹴りで前に出る寺崎。海戸はそこに左ミドルを蹴る。ローとミドルを上手く蹴り分ける海戸。寺崎がパンチで前に出てくれば、それをダッキングして組み付く。徐々に攻撃の手数を増やしていく海戸が寺崎のボディにバックキック! これが寺崎のボディにグサリと突き刺さり、海戸が追撃のヒザ蹴りを入れると、寺崎はタックルのように組み付いてしまう。
明らかにダメージが見える寺崎に海戸はヒザ蹴りを連打! すると寺崎がその場に崩れ落ち、ダウンが宣告される。再開後、海戸は寺崎をコーナーに詰めてパンチの連打。これで寺崎が2度目のダウン! 残り時間が10秒を切り、必死にガードを固める寺崎に対し、一気にパンチで襲い掛かる海戸! 最後はショートの連打とヒザ蹴りで寺崎をマットに沈めた。
▼第3試合 K-1ルール ヘビー級 サドンデスマッチ3分3R
○ベルナール・アッカ(コートジボアール)
判定2-0 ※30-28、29-29、30-29
●西脇恵一(チームドラゴン)
お笑いコンビ「塩コショー」の解散を3月15日に発表し、芸能活動を休止してキックボクシングのデビュー戦に臨んだベルナール・アッカ(コートジボアール)が、見事、初白星を手にした。
アッカの戦績はK-1で武蔵に負けて1敗、総合格闘技では2勝2敗。お笑いの道を断念してまで臨んだ一戦、何としてでも勝利が欲しいところだ。対するは澤屋敷純一、前田慶次郎らを擁する“常勝軍団”チームドラゴンの西脇恵一。
1R開始早々、アッカは右ストレートをビッグヒットさせて観客を沸かす。さらにハイキック、バックキック、バックブローと大技を連発。西脇はローキック、ミドルキックを出しながら得意の右フックをブン回していくが、ステップを使って回り込むアッカを捕らえることが出来ない。
2R、丸太のように太い腕からストレートのようなジャブを繰り出すアッカ。これがアッパー気味に決まり、何度も西脇のアゴを跳ね上げる。前に出ようとする西脇をジャブで迎え撃ち、西脇は鼻血を吹き出す。しかし、アッカも右ローで動きが止まり、終盤には西脇の右フックをもらってグラつく場面も。
3R、ステップを使ってリング上を大きく回り込むアッカ。右フックを決めようと近寄ってくる西脇にジャブを突き刺し、西脇は鼻血が酷くなりドクターチェックを受けるほど。その後もアッカは大きく回り込んで打ち合いを避け、大振りの右フックを連発する西脇をジャブで突き放して最終ラウンドのゴングを聞いた。
勝利を確信したアッカは「ヨッシャ!」とガッツポーズ。ジャッジ1名がドローに付けたが、判定2-0でキックボクシングデビュー戦を勝利で飾った。
▼第2試合 フェザー級 3分3R
○九島 亮(AJ)
判定3-0 ※30-28、30-28、30-27
●遠藤智久(スクランブル渋谷)
▼第1試合 バンタム級 3分3R
○原岡武志(STRUGGLE)
判定3-0 ※三者とも29-26
●ハリィ永田(はまっこムエタイ)
▼オープニングファイト第3試合 バンタム級 3分3R
○水原浩章(光)
判定2-0 ※29-28、29-28、28-28
●小野寺紘也(ドラゴン)
▼オープニングファイト第2試合 58Kg契約 3分3R
○小川雅也(チームドラゴン)
判定3-0 ※30-28、29-28、29-28
●石井振一朗(チャモアペット)
▼オープニングファイト第1試合 ウェルター級 3分3R
○布施一行(ドラゴン)
判定3-0 ※30-25、30-25、30-24
●押田信之(はまっこムエタイ)
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