日本ブラジリアン柔術連盟
「第9回全日本ブラジリアン柔術選手権」
2008年4月26日(土)東京・練馬区立光が丘体育館
年に一度、日本のブラジリアン柔術の頂点を決める大会=日本ブラジリアン柔術連盟主催の全日本ブラジリアン柔術選手権の初日が行われた。
6月の第一週に米国LAでムンヂアル=世界選手権大会が行われ、その日程的な問題からか黒帯の参加が例年と比較しても少なかった今年の全日本大会。5月5日に全日本ブラジリアン柔術連盟が浜松でヒクソン・グレイシーらを招きトーナメントを開くことも影響しているかもしれない。
そんななか、2階級のみ行われた黒帯では、プルーマ級では石川祐樹(トライフォース麹町)、レーヴィ級は半谷泰祐(パラエストラ東京)が制した。
昨年2月に自らのアカデミーを開き、実戦から遠ざかっていたマチョ・ドラこと石川。3月にノーギの大会にカムバックを飾ったが、今大会では実質は1階級下の澤田真琴(パラエストラ川越)を相手に2連勝で、全日本を制した。
→黒帯ペナ級は澤田を相手に二連勝した石川が制した
参加人数が3名、初戦で澤田と対戦した石川は、パスガードを3回、マウントを1度奪い13−0で快勝。
敗れた澤田が別枠の一回戦出場となる早川正城(名古屋ブラジリアン柔術クラブ)を、澤田スペシャルともいうべき三角絞めで破り、決勝でも再び両者が対峙することとなった。ハーフガードから石川のバランスを崩すべく、じっくりと攻める澤田に対して、石川は落ち着いて、パスガードを窺う。そして、チャンスとみるや一気に足を引き抜きパスに成功。その後もパス、マウント奪取とポイントを重ね、10−0で勝利し、全日本王者に。
石川といえば、剛のイメージが強いが、ブランクからの復帰後は、メリハリをつけた試合展開で以前よりも安定度が増したように感じる。
ともに日本から世界を目指す杉江大輔(アライブ)が出場しなかったため、半谷×杉江という注目の対決が実現しなかったレーヴィ級。参加選手は半谷と、柿澤剛之(ピュアブレッド大宮)の二人、初戦が決勝という全日本となった。
→レーヴィー級優勝は半谷。世界選手権への期待度が上がる勝利
試合開始早々に低い姿勢から、滑り込むようにスパイダーガードの態勢を取った半谷。そのまま潜り、スイープに成功。その後はトップからパスガードを狙うが、柿澤は道衣と踵をがっちりとホールドしたディフェンスを崩すことができない。
しかし、守備一辺倒の柿澤は消極的注意でマイナス・アドバンテージとなっても、半谷の圧力にディフェンスを繰り返し、ついに二度目の注意。半谷が2Pを追加した。
→茶帯メジオ級は中澤大輔がエレクトリックチェアーからリバーサルを決め快勝
試合終了間際に柿澤が足関節を見せるが、ここも冷静にアキレス腱固めを切り返した半谷が、そのまま4−0で勝利を収めた。
自らの試合展開に満足できない半谷だったが、10分という試合時間の間、常に攻め続けてなお、切れることがなかったスタミナを見る限り、ムンヂアルへの期待度が上がる全日本制覇となった。
粒揃い、誰が優勝してもおかしくなかった混戦の茶帯ぺナ級で、決勝に駒を進めてきたのは中村大輔(GRABAKA柔術クラブ)と嶌埼公次(クラブ・バーバリアン)。
→混戦の茶帯ペナ級を制したのは中村大輔
JFT、そしてパラエストラ昼柔術と出げいこを重ね、紫帯時代からそのポテンシャルが認められていた中村。しかし、茶帯に昇格してからは、この嶌埼に敗れるなど、フィジカルと柔道的な動きで勝てた紫帯時代との違いを身をもって学んだ。
この日も嶌埼の背中を伸ばして、半身になったガードワークに苦戦を強いられたが、まずはパスでアドバンテージを奪うと、そのまま腕十字へ。ここを嶌埼に逃げられたが、飛びつき三角の試みを遮断すると、パスガードに成功する。
→ペナ級に次ぐ激戦区となった茶帯プルーマ級は松本義彦が優勝
これらの攻防のなかで、脇腹を負傷した嶌埼の動きがガクンと落ちると、片足をとってテイクダウン。2Pを追加し、5−0で勝利を収めた。
このほかの茶帯は、ガロ級で小林史明(アライブ)が、鈴木重徳(ピュアブレッド・アリーナ)から締めでタップを奪い優勝。
→小林史明が茶帯ガロ級で優勝を飾った
ぺナ級に次ぐ、激戦区となったプルーマ級では水洗裕一郎(エクストリーム柔術)を破った松本義彦(パラエストラ東京)が制し、2名の参加だったメジオ級では、これもパラエストラ東京の中澤大輔が、アレッサンドロ・シライシ(ファイトスピリット柔術)に対し、エレクトリックチェアーからリバーサルを決め快勝し、表彰台の頂点に立っている。
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