パンクラス
「PANCRASE 2008 SHINING TOUR」
2008年4月27日(日)東京・ディファ有明
開場15:00 開始16:00
※ゲート、ネオブラッドトーナメントは15:15より開始
観衆=1,850人(超満員)
▼メインイベント(第8試合) ライトヘビー級戦 5分3R
○KEI山宮(GRABAKA/同級1位)88.1kg
判定 2−0 ※30−29、30−29、30−30
●近藤有己(パンクラスism/暫定ミドル級王者)87.6kg
10年ぶりの対決となったこの一戦。3年前にパンクラスからGRABAKAに移籍した山宮が「名前を挙げてまで戦いたい相手」として、現パンクラスエースの近藤との対戦を表明し、遂に実現した形となった。
1R、近藤を中心に、山宮は一定の距離を保ちながらぐるぐると回る。近藤がジャブを放ちながらプレッシャーをかけていくと、山宮はバックステップで交わす。近藤のワンツーのパンチには、山宮はカウンターでアッパー狙い。足が止まった山宮に、近藤が重い左ローを入れていく。お互いに深負いすることなく、静かな立ち上がりとなった。
2R、山宮は飛びヒザの奇襲攻撃に出る。これを冷静に受け止めた近藤は、ダメージなくミドルで反撃。1Rと変わらず近藤の前進に対し、山宮は回りながらチャンスを伺う。「(昨年12月に戦った)川村(亮)選手とは違う圧力で、恐かった」という山宮はなかなか自分から手が出せない。
近藤はこつこつと左ロー、そして左ハイも見舞うが、山宮は寸前で交わす。バックブローなど徐々にテンポを上げていった山宮は、近藤のローに合わせてストレート。ボディにもパンチを着実に入れていくが、決定的なチャンスは作れない。
3Rになると、山宮の左フックにかぶせるように、近藤も左フック。お互いの距離が縮まるとパンチを激しく交錯させる。山宮はジャブを数発当てるも、見合ってしまう。近藤は上下に散らす蹴り。
近藤の右ミドルが山宮の腹部を捕らえる場面があったが、山宮はすぐに打ち返す。終盤、一気に近藤が前に出てストレートを放つと、山宮のマウスピースが吹き飛ぶ。お互いに前に出て打ち合いを見せるも決定打はなし。
判定決着となり、僅差で勝利した山宮は、「3年間パンクラスを離れましたけど、パンクラスへの気持ちは変わりませんでした。出来れば自分もパンクラスを守る力になりたいです。もし近藤さんが受けてくれるなら、もう一度リングで戦いたい」と近藤との完全決着戦をアピール。
試合後、「打ち合いでは打ち勝っていたと思うし、納得いっていない」と判定に不満の近藤。山宮の再戦アピールを受けて「もう1回やりたい」とコメントした。
▼セミファイナル(第7試合) ライト級戦 5分3R
△大石幸史(パンクラスism/同級5位)
70kg
ドロー 判定 1−0 ※30−29、29−29、30−30
△昇侍(KIBAマーシャルアーツクラブ/同級初代王者)69.3kg
試合直前の最終調整の段階で右足甲の筋を部分断裂し、「ほとんど歩ける状態ではなく、全治1カ月の重傷を負っていた」という昇侍。ドクターストップがかかっていたが、痛み止め注射を打っての強行出場となった。
1R、開始と同時に、昇侍の打撃に付き合うことなく大石がテイクダウンに成功。昇侍を上から押さえつけ、固くポジションをキープする。一瞬の隙をついて昇侍が立ち、ロープ際で差し合いの攻防となる。しかし、大石がすぐにグラウンドに持っていく。下の昇侍は三角絞めを狙いにいくが、逃げられてしまった。
2Rも大石がすぐに組み付きグラウンドの展開に引きずり込む。時折、昇侍がフロントチョークを極める場面も。終始、ガードポジションをとる昇侍に対し、密着する大石が細かいパンチを入れていくのみ。
3R、昇侍は強烈なフックを放っていくが、すぐに寝かされてしまう。このラウンドでも大石が終始上になる攻防が続く。残り一分のところで、下の昇侍はパンチを突き上げ、距離を作るろうとするがタイムアップ。両者ともに決定的なチャンスを生み出せなかったこの一戦は、ドローに終わった。
▼第6試合 ウェルター級暫定キング・オブ・パンクラス決定戦 5分3R
○和田拓也(SKアブソリュート/同級3位)76.9kg
判定 3−0 ※30−27、30−29、30−27
●ジェイソン・パラチオス(アメリカ/Team
Yasuda/同級4位)74.3kg
※和田がウェルター級暫定キング・オブ・パンクラスに輝く
1R、力強いローを放つパラチオスに対し、和田はタックルを決めテイクダウン。パラチオスはすぐに立ち上がろうとするのだが、和田はねちっこく組み付きにいく。和田は投げを狙うも、パラチオスはバランスを保ちテイクダウンさせない。終盤にローを打ち合う両者。
2R、パラチオスが大振りのパンチを打ってくると、和田はあっさりとグラウンドの展開に持ち込む。
上からがっちりと押さえ込みながら和田がパウンドを放ち、パラチオスは鼻血を出す。立ち上がったパラチオスは、お返しとばかりにテイクダウンに成功。しかし、和田は下からアームロックにいくが決めきれない。
3R、パラチオスは距離を取りながらロー。和田もローを返していく。グラウンドにいきたい和田は何度も組み付きテイクダウンするも、パラチオスに立たれてしまう。
パラチオスは倒される前にロープを掴んだことで痛恨の減点1。追い上げを見せるようにパラチオスは打撃で追うも、和田は後ろに下がり深追いせず。そのままフルラウンド終了。判定で勝利した和田が、ウェルター級暫定キング・オブ・パンクラスに輝いた。
▼第5試合 ライト級戦 5分3R
△井上克也(和術慧舟會RJW/同級2位)70.2kg
ドロー 判定 1−0 ※29−29、28−28、30−29
△クラバノフ・ジャマル(SKアブソリュート・ロシア)69.3kg ※初参戦
1月の後楽園大会で北岡悟を下しウェルター級王者に輝くも、ライト級転向により王座を返上した井上が、ウマハノフ、ガジエフに続く“北の脅威”を迎え撃つ。
1R、スピードに溢れ、上下に打ち分けるパンチを繰り出すジャマルの前に、井上はなかなか前に出られない。井上の蹴り足をキャッチしたジャマルは転倒させことに成功させるも深追いせず。このラウンドは、ジャマルのパンチの上手さが光る試合となった。
2Rもなかなか前に出れない井上。回転数が早く、的確なパンチを振るうジャマルに対し、井上はブロックするのに精一杯の様子だ。
ジャマルのフルスイングのフックを食らった井上は後ろに下がる一方。しかし、やっとの思いで組み付いた井上だったが、ジャマルがロープを掴んだことでテイクダウンできず。
3R、 勢いの衰えないジャマルのパンチを食らった井上は鼻血を出す。だが、元王者は意地を見せテイクダウンに成功。上からがっちりとジャマルを押さえ込むと、井上はパウンド連打。
足を伸ばしながら必死に抵抗するジャマル。完全にペースを握る井上がそのままパウンドを落とし続けたところで試合終了。ドローに終わった。
▼第4試合 ミドル級 5分3R
○久松勇二(和術慧舟會TIGER PLACE)83.4kg
TKO 1R4分56秒 ※レフェリーストップ
●マッティ・メケレ(スウェーデン/パンクラス・スウェーデン)83.6kg
1R、打撃で出るメケレに対し、久松もそれに応えるように打撃を繰り出しテイクダウン。こつこつとパウンドを落とした久松だったが、すぐにメケレに立たれてしまう。激しくパンチを交錯させる中、久松は再びテイクダウン。
サッカーボールキックからパウンド連打でメケレが防戦一方になると、レフェリーが試合を止めた。勝った久松は6月1日仙台で開催される大道塾の北斗旗に出撃することをアピールし、リングを後にした。
▼第3試合 フェザー級 5分2R
○滝田J太郎(和術慧舟會東京本部)65.1kg
KO 2R1分16秒 ※ヒザ蹴り
●井上 学(U.W.F.スネークピットジャパン/同級3位)65.7kg
序盤からお互いに譲らない攻防。井上がパンチとキックのコンビネーションを入れながらテイクダウンすると、滝田は下から三角絞めで反撃。
2Rには、打撃戦から井上がタックルへ。必死に耐える滝田は一瞬の隙をついてヒザ蹴り一閃! これをモロに顔面に食らった井上は、後方に倒れ、起き上がれず。
約1年ぶりに参戦し、KO勝利した滝田は勝利の“J”ポーズをしっかりとアピール。
▼第2試合 ミドル級 5分2R
○大堀竜二(TRIAL)83.3kg
一本 2R4分46秒 ※アームロック
●渡辺大介(パンクラスism)83.8kg
パンクラスの門番である渡辺が、今年のパンクラスプロアマキャッチトーナメント100kg未満級で優勝した大堀を迎え撃つ。
1R、右ローを連発させ、主導権を握っていた渡辺。大堀は組み付きにいきテイクダウンを狙い。しかし、渡辺は粘り腰でグラウンドにはいかない。
渡辺は左ハイをクリーンヒット。お返しとばかりに大堀の右ストレートがヒットし、渡辺はダウンするもなぜか見てしまい、追撃しない。
2R、渡辺は距離を取りながら右ローを連発させる。ローカットしない大堀は徐々にダメージを蓄積していき、前かがみ。そして足を引きづるようになった。
タックルにきた大堀の顔面に、渡辺のヒザがグサリ。倒れこむ大堀に対し、渡辺はトドメのパウンド連打! ここでうまくリバースした大堀がアームロックをがっちり決め、逆転勝利を収めた。
▼第1試合 ライト級 5分2R
○高橋 渉(Laughter7)69.7kg
一本 1R4分23秒 ※腕ひしぎ十字固め
●坂口征夫(TEAM坂口道場)69.5kg
打撃で勝負に出る坂口に対し、高橋は組み付きにいく。スタンドの攻防で坂口のヒザ蹴りを食らい、パンチで追い込まれた高橋はうつ伏せの状態に追い込まれる。
そこを見逃さず坂口がパウンド連打で追撃。打たれっぱなしの高橋だったが、坂口の腕をキャッチし腕十字で逆転勝ちした。
▼ネオブラッド・トーナメント第4試合 ライト級準決勝 5分2R
○スティーブ・マグダレノ(TEAM坂口道場)
判定 3−0 ※20−19、19−18、20−19
●パク・イルギュ(Team P.O.M.A/パンクラス コリア)
▼ネオブラッド・トーナメント第3試合 フェザー級準決勝 5分2R
○斉藤裕俊(和術慧舟會GODS)
判定 3−0 ※20−19、20−19、20−19
●清水隼人(アンプラグド国分寺)
▼ネオブラッド・トーナメント第2試合 フェザー級準決勝 5分2R
○田中康友(SKアブソリュート)
一本 2R2分30秒 ※チョークスリーパー
●手塚基伸(総合格闘技コブラ会)
※田中がトーナメント決勝に進出
▼ネオブラッド・トーナメント第1試合 バンタム級準決勝 5分2R
○江泉卓哉(総合格闘技武門會)
TKO 2R4分03秒 ※レフェリーストップ
●佐々木亮太(B-CLUB)
※江泉がトーナメント決勝に進出
▼パンクラスゲート フライ級 5分2R
○清水俊裕(宇留野道場/チームZST)
一本 1R4分32秒 ※腕ひしぎ十字固め
●清水清隆(SKアブソリュート)
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