KGS
「R.I.S.E.46 〜THE KING OF GLADIATORs’08〜」
2008年5月11日(日)東京・ディファ有明
開場15:00 本戦開始16:00
RISING STAGE開始15:10
▼メインイベント(第8試合) 70kg CHAMPION MATCH 3分3R延長1R
○龍二(リアルディール/R.I.S.E.
DEAD OR ALIVE TOURNAMENT’07王者)
延長 判定3-0 ※三者とも10-9
●廣野 祐(NPOJEFA/J-NETWORK
スーパーウェルター級王者)
※本戦は29-29、29-30、29-29。龍二が7・4王者決定戦に進出
昨年にR.I.S.E.最大のイベントDoAトーナメントを制し、今年2月にはK-1
WORLD MAX日本代表決定トーナメントにも出場した龍二。“キング・オブ・R.I.S.E.”であることを証明するために、今度は階級別初代タイトルのベルトを狙う。対する廣野はJ-NETWORKのチャンピオン。
当初、出場が決定していた喜入衆が怪我で欠場となったため、約10日前という急なオファーでの出場となった廣野。「チャンスは突然転がってくるもの」と番狂わせを狙う。一方の龍二も、背が高くサウスポーという喜入と全く違うタイプの廣野に変わって戸惑いを覚えたが、「相手は誰でもいい。2回勝ってベルトを手に入れるだけ」と動じない。
1R、龍二は「MAXの時は怪我をしていて出せなかった」という右ローキックをパンチから繋いでいく。廣野は左ミドルで距離を作りながらパンチのコンビネーションで攻めていくが、早くも右ローに苦しめられる。
2Rになると廣野が作戦変更、パンチから入ってすぐに組み付き、得意の首相撲からヒザだ。ボディが弱いと言われている龍二の腹にヒザを突き刺していく。龍二はこれに対してショートパンチで応戦しようとするが、ヒザ蹴りを受けて手数が減ってしまう。
3R、廣野は徹底した首相撲からのヒザ蹴り、龍二は組み付かれる直前のショートパンチ。両者とも頭を付けるような距離でアッパーやフックのショートパンチを打ち合う。しかし、掴むと廣野がヒザ蹴りを連打、龍二はパンチで突き放そうとするが、ヒザをもらってアームブロックで凌いでしまう。それでも離れると右ローを効かせて食い下がる。
本戦が終了し、判定。龍二は「焦りはありました。負けたと思って、終わったなと思いましたね」と負けを覚悟したが、ジャッジ1名が廣野を支持しただけでドロー。廣野の首ヒザの攻勢をとるか、龍二のローキックのダメージをとるか微妙な所だったが、延長戦に決着は持ち越される。
龍二の顔つきがガラリと変わり、パンチからのローキックで一気に押していく。序盤は首ヒザで応戦していた廣野だが、ショートの打ち合いでパンチをもらう場面が多くなり、さらに龍二の右ローキックで体が大きく傾く! それでも廣野は必死の形相でパンチでの逆転を狙い、右ローの痛みに耐えながら攻撃していった。龍二はローキックの連打で勝負を賭ける!
廣野の必死の反撃と龍二の攻めの姿勢がぶつかり合い、大熱戦は終了。両者に惜しみない拍手が送られ、判定は3-0で龍二! 廣野は判定の結果を聞いている間もレフェリーの肩を借りないと立っていられないほどで、リングを降りる時も自力では降りれないほどのダメージを負っていた。それでも最後まで立ち続け、反撃していった姿は場内の感動を誘った。
●龍二のコメント
「しょうもない試合だったです。勝ったのに悔しい。首相撲はほとんどやってなかったのでバテました。もっと首相撲の練習します。次は日菜太選手が相手なんでまたKOで勝ちたい。今回はしょうもない勝ち方でしたけど、7月はエースらしく勝ちたいですね。みんなにR.I.S.E.は龍二がエースだって認めてもらえるような勝ち方がしたい。
ヒザ蹴りは痛くはなかったんですけど、首相撲にやられました。パンチを打とうと思ったら組まれたので、リズムに乗れなかった。リズムって大事なんだって改めて感じましたね。最後は蹴りで行くしかないと思ってローを蹴っていきました。スネに何回か感触ありましたね。痛いやろって思ったんですけど、相手は顔に出さなかったですね。次は何が何でも勝ってベルトを巻きます」
▼セミファイナル(第7試合) 70kg CHAMPION MATCH 3分3R延長1R
○日菜太(湘南格闘クラブ/R.I.S.E.
DEAD OR ALIVE TOURNAMENT’07第3位)
判定3-0 ※30-28、30-27、30-28
●白須康仁(花澤/WMAF世界スーパーウェルター級王者)
※日菜太が7・4王者決定戦に進出
R.I.S.E.が誇る21歳のホープ日菜太が、K-1
WORLD MAXで活躍するほか他団体のチャンピオンや日本人キラーのムエタイ戦士を倒すなど、国内トップレベルの実力を証明している白須に挑む。
1R、先手を取ったのは日菜太だ。前に出ようとする白須に得意の左ミドルをぶっ放し、白須はアームブロックするも体ごと持っていかれる。白須がローを蹴ると日菜太もローを蹴り返し、白須がフックを放ってくると日菜太は右フックを合わせようとする。
サウスポーの日菜太に対し、右に左にとスイッチしてパンチを狙う白須。時折放つ奥足へのローキックが強烈だ。それでも日菜太は前に出ようとする白須へ左ミドルを腕や腹へ巧みにヒットさせ、自分の距離を保ち続ける。白須はなかなか自分の距離に入れない様子。
2R、ローの蹴り合いになる以外は、日菜太がミドル&ローキックを使って自分の間合いをキープ。白須が思い切ってパンチで入ってこようとすると、サウスポー特有の被せるような右フック、またはテンカオを合わせる。徐々に圧力を高めていく白須は右ボディストレートを狙い、クリーンヒットして日菜太が下がるとフックで一気にラッシュ!
右フックを合わせようとするが白須の圧力に押され、フックで追い回される日菜太。左ミドルを空振りさせた白須がフックで倒しに掛かったその時、回転した日菜太が起死回生のバックブロー! カウンターで貰った白須がダウン! まさかの展開に場内が大きく沸く。
立ち上がった白須は左右のフック、右ボディストレートで倒しに行くが、コーナーに追い詰めても日菜太は巧みなボディワークで体勢を入れ替える。さらに左ミドルを白須が前に出てくる所に合わせる。
3R、あとがない白須はパンチで倒しに行くが、日菜太は左ミドルを合わせて間合いを保ち、白須が強引に入ってくると組み付いて逃れる。それでも白須が入ってくるとまたもバックブローでグラつかせる! 白須はこの一発で目尻をカットして流血。最後は日菜太が左ミドルの連打! 試合終了のゴングが鳴ると、日菜太はリングにうずくまり、続いて両拳を握って歓喜の声を挙げながらリング上を走り回った。
判定は3-0で日菜太! 大番狂わせに場内が沸く。日菜太はマイクを持ち、「ありがとうございました! 白須選手、凄く強かったです。今日は母の日です。いつも親不孝しているので、お母さんありがとう! ボク、世界のチャンピオンになりたいのでまた応援して下さい!」と21歳らしく初々しいアピールをした。
●日菜太のコメント
「初めて親孝行できました。勝った時はリングの上で寝ちゃいたいくらい嬉しかったですね。龍二選手にKO負けして悔しくて練習してきたので、それがやっと実った。決勝戦はやってやります。絶対負けないです。今日は会長に気持ちが強い方が勝つと言われたので、強い気持ちで臨めました。2月が夢の第一歩、今日は三歩くらい進めたかな(笑)。上は高いので、一歩一歩登っていきたい。
バックブローは狙っていたというより、ミドルを空振りした時に繋ぎにやると入るんです。ローは根性で耐えました(笑)。でも、痛くなかったですね。僕のローの方が痛かったんじゃないですか。3日経ったらまた練習します。初代チャンピオン、狙っちゃいます」
▼第6試合 ヘビー級 CHAMPION MATCH 3分3R延長1R
○ファビアーノ・サイクロン(TARGET/前J-NETWORKヘビー級王者)
判定3-0 ※30-28、29-27、30-28
●森口 竜(池袋BLUE DOG/第13回全日本新空手道選手権大会重量級優勝)
※ファビアーノが7・4王者決定戦に進出
1ヵ月前にJ-NETWORKヘビー級王座を奪われ、無冠となったファビアーノ。伊藤隆代表からきつ〜いお灸をすえられ、心機一転、ホームリングであるR.I.S.E.の初代ヘビー級王座を狙う。対戦相手の森口は盟友・百瀬竜徳を下してこのチャンピオン決定戦シリーズに進出しているだけに、より一層気合いが入るところだろう。
1R、ローキックと前蹴りを使いながらオーバーハンドの右フックを狙っていくファビアーノ。森口もローキックとジャブ、時折バックキックを放つ。ファビアーノのフックが森口を捉える場面もあったが、両者とも様子見に終わった。
2R、ジャブを多用する森口はファビアーノのガードを割って拳を突き刺す。フックが大振りになりがちなファビアーノに右ストレートもヒットさせていく。ストレート系のパンチがファビアーノの前進を止め、やや焦っている感のあるファビアーノ。
3R、森口のジャブ、右ストレートがヒット。ローキック、前蹴りからオーバーハンドのフックを繰り出すファビアーノだが、なかなか有効打を生み出すことが出来ない。攻めあぐねるファビアーノに森口のワンツーが鮮やかにヒット! しかし、いつものファビアーノならここで下がって体勢を立て直すところだが、逆に前へ出て行く!
劣勢から一気にパンチで畳み掛けるファビアーノ、下がる森口に右フックを叩きつける! これで森口がダウン! 攻めの姿勢が逆転を生んだ。残り時間もファビアーノはパンチで攻め続け、森口も倒し返そうとパンチで打ち合い、大熱戦の内に試合終了。判定3-0でファビアーノが勝利を収めた。
▼第5試合 ヘビー級 CHAMPION MATCH 3分3R延長1R
○マグナム酒井(士魂村上塾/R.I.S.E.
MIGHTY EIGHTY TOURNAMENT’06王者)
判定2-0 ※30-29、30-30、29-28
●地主正孝(正道会館/第8回ウェイト制オープントーナメント全日本空手道選手権大会軽重量級優勝)
※マグナムが7・4王者決定戦に進出
約1年ぶりの復帰戦で三度ヘビー級に挑戦するマグナム。対戦相手の地主とは一昨年に開催されたR.I.S.E.の80Kg級トーナメント『MIGHTY
EIGHTY』の決勝戦で対戦し、僅差の判定勝ちを収めている。
士道館と正道会館、空手の流派対抗戦という側面もあるこの再戦、勝って初代ヘビー級王座のベルトに手をかけるのはどっちだ!?
1R、両者ともじっくり構えてパンチ&ローキック。マグナムは左レバーから左フックのダブルを繰り出すが、地主はマグナムの得意技である左フックを警戒してガッチリとガード。パンチを打ち返していく。
2R、空手家らしい上段後ろ廻し蹴りの応酬を繰り広げ、ローとパンチで打ち合う両者。左フック一発狙いのマグナムに対し、地主はパンチのコンビネーションからローキックに繋げ、確実に手数で上回っていく。
圧力もかけていきパンチの回転で地主がやや優勢。マグナムはバッティングとローブローでイエローカードを提示される。
3R、マグナムはいきなり組んでのヒザ蹴りを多様。離れてレバーを叩き、そのレバーをフェイントとして右のパンチ。地主もレバーブローを出そうとするが、そこへマグナムの左フック。そして組み付いてのヒザ蹴り。このボディ攻めが功を奏したか、地主は失速。動きが鈍くなり、マグナムの攻めが目立つ。
判定は2-0でマグナムの勝利となったが、勝ったマグナムも敗れた地主も納得のいかない表情。決着戦はまたしても接戦となってしまった。
▼第4試合 60kg CHAMPION MATCH 3分3R延長1R
○“狂拳”竹内裕二(菅原道場/MA日本キックボクシング連盟スーパーフェザー級王者)
KO 2R2分25秒 ※右ストレート
●末広智明(大道塾 吉祥寺支部/R.I.S.E.
FLASH to CRUSH TOURNAMENT’07準優勝)
※竹内が7・4王者決定戦に進出
R.I.S.E.首脳陣から高い評価を受けてR.I.S.E.初参戦となった竹内。今年に入ってから6戦6勝5KOと絶好調で、そのKO勝ちの中には新日本キックボクシング協会のリングに乗り込んでいって、元バンタム級チャンピオンの蘇我英樹を破った一戦も含まれている。
対する末広は昨年の大道塾・空道体力別軽量級のチャンピオンであり、長きに渡ってR.I.S.E.軽量級のエースと謳われてきた男である。ニックネームは“剛拳”。“狂拳”の竹内とのハードパンチャー対決はいかに?
1R、パンチからローキックのコンビネーションで攻める末広は首相撲で竹内を転がしまくる。スピードが乗っていて、攻撃も的確。一方、竹内は手数こそ少ないものの末広の攻撃を避けつつパンチを入れたり、カウンターを合わそうとしたりとイメージと違うテクニシャンぶりを発揮。それでも、末広がコンビネーションで試合を有利に進める。
2R、スピードのあるコンビネーションで攻める末広が右フックで打ちに行った瞬間、ついに竹内の“狂拳”が爆発! 右フックからの左フックで末広がヒザを着く! これはスリップ扱いとなったが、その直後に再び左フック! 末広がダウン! 壮絶なパンチに場内は一気にヒートアップする。
立ち上がった末広だが足元がおぼつかず、ダメージは明らか。逆転を狙って右フックを振り回すが、パンチのダメージのため大振りとなり、空を切る。末広がしっかりと構えなおした瞬間、今度は竹内のノーモーションからの右ストレートがヒット! 崩れ落ちる末広! “狂拳”が衝撃のR.I.S.E.デビューを果たした。
「きょーけんでーす」とマイクを持った竹内は「みんな、覚えてくれたかな? 早く終わっちゃったから、決勝戦やっちゃう? 裕樹くん、やっちゃう?」と前の試合で秒殺KO勝利を飾った裕樹を呼び出す。「裕樹くん、決勝戦やっちゃう?」と何度か呼びかけたが、裕樹が出てこないのを見ると「やめた。次やろう」と笑いを誘い、「6月15日にMA(日本キックボクシング連盟)の試合もあるんで、俺からチケット買ってね」と次回の試合をアピールした。
試合後、伊藤隆R.I.S.E.代表は「60Kgの二人がMVP。決勝戦は私も今からドキドキしています。どんな試合になるのか、勝敗は全く予想がつきません。竹内選手のパンチもヤバイんですが、裕樹選手のローキックもあんなに効くのかと思いましたから」と、竹内と裕樹に賛辞を送った。
▼第3試合 60kg CHAMPION MATCH 3分3R延長1R
○裕樹(リアルディール/R.I.S.E.
DEAD OR ALIVE TOURNAMENT’04 準優勝)
KO 1R1分42秒 ※右ローキック
●ファイヤー原田(ファイヤー高田馬場/J-NETWORKライト級3位)
※裕樹が7・4王者決定戦に進出
これまで65Kg前後の体重ながら70Kg級で闘ってきた裕樹が、本来のベストウェイトに近い60Kg級に参戦。70Kg級で猛威を振るった恐るべき破壊力のローキックが、60Kg級でも同じように通用するのか。加えて、原田はローキックで倒れたことは一度もないという。
自信満々の裕樹は、いつものように下から睨みつけるように原田を挑発。原田は視線を合わせない。コーナーで原田が恒例のファイティングポーズをとると、裕樹は薄笑いを浮かべながら腕をグルグルと回してそれに応える。
1R、突っ込んでいく原田は上にパンチをまとめてボディを叩く。裕樹は原田の突進をいなすように回り込みながらのローキック。下がりながらの右ローキックに、原田の膝がガクンと落ちる。それを見逃さなかった裕樹は一気にローキック、右ローを蹴ってすぐに左ロー! 原田が早くもダウン!
笑顔で拳を振り上げる裕樹は、原田が立ち上がると今度は左ローから右ロー! もんどり打って倒れる原田。1R僅か1分42秒、裕樹がさらに切れ味を増したローキックで鮮やかにKO勝利を飾った。
ハイテンションの裕樹はマイクを持つと「いきなりマイクで申し訳ない。60Kg、必ず勝つ」と宣言し、お世話になっている夫婦が出産を間近に控えているということで「安産祈願でした」と観客を笑わせる。最後には「おかん、いつもありがどね!」と母の日にちなんで母にメッセージを送った。
▼第2試合 ワンマッチ -61kg契約 3分3R(延長1R)
○板橋 寛(スクランブル渋谷)
判定3-0 ※30-29、30-29、30-28
●秋山 優(クロスポイント古河)
▼第1試合 ワンマッチ -54kg契約 3分3R(延長1R)
○島田 泰(真樹ジムオキナワ)
判定3-0 ※30-29、29-28、30-29
●タイガー石井(クロスポイント・ムサシノクニ)
▼RISING STAGE第2試合 -60kg契約 3分3R
○石井新一(TARGET)
判定3-0 ※30-28、28-28、29-28
●大滝裕太(GRABAKAジム)
▼RISING STAGE第1試合 KAMINARIMON特別試合
谷中田トキオ(TARGET)
ノーコンテスト 1R ※谷中田のローブローで小笠原が試合続行不可能
小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)
写真(C)KGS/撮影:山本千代
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