シュートボクシング協会
「火魂〜Road to S-cup〜其の参」
2008年5月28日(水)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:00
スターティングファイト開始17:20
▼メインイベント(第10試合) 70kg契約 3分3R(無制限延長R)
○緒形健一(シーザー/S-cup2006王者)
判定2−0 ※30−28、30−30、30−29
●“アイアン”オー・ジュソク(韓国/TEAM
BLACK ROSE/前・韓国ボクシング王者)
昨年10月のブライアン・ロアニュー戦以来のリングとなった緒形。ディフェンディングチャンピオンとして出場が内定しているS-cup連覇へ向けて、ここはきっちりと勝っておきたいところだ。対戦相手のジュソクは韓国のボクシング王者で、上半身ががっしりとしたハードパンチャー体型の選手だ。
1R、距離を積めてパンチで前に出るジョソクに対し、緒形は前蹴りでそれを突き放す。ジュソクはパワフルなフックとアッパーで緒形のガードを固めさせて左ミドルを蹴る。しかし緒形は慌てることなく前蹴りとジャブ。そして強烈な右ローを返す。緒形のジャブに右ローを返すジュソク。緒形は距離をとって左ミドルを返す。
ジャブで前に出て右アッパーを突き上げるジュソクに対し、前蹴りとインローを返す緒形。ジュソクはインローとジャブで前に出て左ボディ、そしてワンツー! しかし緒形はしっかりとそれをブロック。そしてすぐに左ミドルを返す。やや手数が少ない緒形だったが、前蹴り、ロー、ミドルで冷静に試合を進めた。
2R、ジャブとインローで様子を伺うジュソク。ワンツーで緒形のガードを上げさせて右ローを蹴る。さらに細かい連打で前に出るが、緒形はそれをブロックして右ストレートを当てる。距離が開けばジャブを突く緒形。ここまでと変わらずパンチとローで前に出ようとするジュソクだが、緒形の左ミドルと前蹴りで距離を詰められない。
逆に自分の距離を保つ緒形は左ハイ、右ストレート。ジュソクのジャブをパーリングして右ローを蹴る。それでも構わず手を出し続けるジュソク。緒形はそれを確実にディフェンスして、前蹴りで突き放す。
さらにジュソクのジャブに緒形がカウンターの左フック! その後も緒形はジュソクのパンチをパーリングして左ミドル、アッパーを空振りさせて右ストレートと、パンチでも徐々にに手数を増やす。
3R、ここでもまずはジャブと前蹴りで距離を測る緒形。ジュソクの飛び込みに合わせて左ミドルを蹴る。そしてジュソクのジャブに緒形が右ストレート! ジュソクのジャブをパーリングして左ミドル、そして左フックから前に出ると、今度は左ボディを突き刺す。
ジャブで前に出ながら左ミドルを蹴る緒形。ジャブ、左フック、右アッパー、右ローと確実に攻撃を当てる。必死にジャブを突いてパンチで前に出るジュソクだが、それはほとんど緒形のブロックの上。緒形は左フックから右ストレート、右ロー、ジュソクをロープに詰めてから右アッパー。残り10秒、緒形は足を止めてジュソクと激しく打ち合った。
ダウンの応酬といった激しい攻防こそなかったものの、緒形がジュソクのパンチをほぼ完封して判定勝利。緒形のテクニシャンぶりが発揮される試合となった。
▼セミファイナル(第9試合) 67kg契約 3分3R(無制限延長R)
○宍戸大樹(シーザー/SB日本ウェルター級王者)
延長1R 判定3−0 ※三者とも10−9
●アントニオ・カルバーリョ(カナダ/修斗世界ライト級3位)
※本戦は30−29、30−30、30−30
前回大会では、右肩の負傷からの復帰戦を見事に飾った宍戸。7・21に山口大雅とのタイトルマッチ、そして9・12ではS-cup出場者決定戦として金井×大野の勝者との対戦も内定しており、今回はS-cupへ向けた長い戦いの前哨戦となった。そのの相手は総合格闘家のカルバーリョ。過去にシュートボクシングでも勝利しているカルバーリョを宍戸はどう攻略するか?
1R、オーソドックスに構える宍戸は左ミドルを蹴りながら、サイドステップで距離を取る。そこから右ローと左ミドルを蹴る宍戸。カルバーリョも左ハイを返す。宍戸はガードを高く上げて左ミドルを二発。カルバーリョは宍戸の左ミドルを受けてインローを返す。
細かくパンチのフェイントを入れて左ミドルとインローを蹴る宍戸。その後も宍戸は徹底的に左ミドルを蹴り続け、カルバーリョの右腕を潰しにかかる。そしてカルバーリョをコーナーに積めた宍戸は左右のミドル! カルバーリョも右ストレートから前に出てワンツーを打つが、宍戸はそれをガードしてやはり左ミドルを返す。
2R、左ハイキックを蹴るカルバーリョ。宍戸は左ミドル、前蹴りで距離を取る。インローを蹴り合う両者。しかし宍戸は左ミドルで前に出ると、カルバーリョをコーナーに詰めてバックキック! カルバーリョは背中を見せた宍戸に組んで後方に投げるが、これはポイントにならず。再開後、宍戸が左ミドル。カルバーリョも左ハイを返す。カルバーリョのパンチをブロックして左ミドルを返す宍戸。カルバーリョもジャブから右ミドルを返す。宍戸は左ミドルで前に出て、カルバーリョをコーナーまで詰めると強烈な左ミドル!
カルバーリョも右ストレートから前に出てヒザ蹴り。宍戸はカルバーリョのパンチをブロックして右ロー。そしてボディへのサイドキックでカルバーリョを突き放すと今度は右ハイキック! 対するカルバーリョも左ミドルを蹴り返し、さらに宍戸の得意技でもあるバックキックを見せる。
カルバーリョをロープに詰めた宍戸は構えをスイッチしてからの左ストレート。カルバーリョもすかさず右ストレートを返す。カルバーリョのガードを警戒してガードを高く上げたまま左ミドル、そして前蹴りを蹴る宍戸。カルバーリョもジャブから前に出ていくが、パンチに勢いがない。逆に宍戸は終盤、自ら前に出てカルバーリョを後退させるとバックキックを出す。
3R、左ミドルでカルバーリョの右腕を潰す宍戸。カルバーリョも左ミドルを蹴り返すが、宍戸の左ミドルの方が当たる数は多い。宍戸はカルバーリョを後退させて、前蹴りとテンカオでボディ狙い。そして左フックからパンチで前に出る宍戸。しかしパンチの攻防となれば持ち味を発揮するカルバーリョ。上手くポジションを変えて宍戸をロープに詰めてパンチで連打をまとめる。
左フックから右ローの宍戸。しかしカルバーリョも左フックを当てる。宍戸が右ローを蹴って、距離を詰めてから右ミドル。カルバーリョはそれをブロックして左右のフックで前に出て強烈な右ストレート。さらに右ハイキックを二発蹴る。宍戸が左ミドルで前に出れば、カルバーリョもそれをブロックしてパンチで前に出て連打。宍戸はボディ、左フックまで返すがカルバーリョは倒れない。終盤、足を止めて打ち合いになると、カルバーリョが手数で押す。
左ミドルを中心に攻めた宍戸とパンチで攻めたカルバーリョ。ジャッジ1名が宍戸にポイントをつけたものの、残り2名はドローとなり試合は延長戦へ。
延長R、左ミドルを連打する宍戸。カルバーリョもそれをブロックして右ミドルを返す。しかし宍戸はじりじりとカルバーリョをロープに詰めるとバックキックを蹴る。ワンツー、右ハイを出すカルバーリョ。宍戸は左ミドル、右ロー、前蹴りでカルバーリョを突き放す。ガードを上げてジャブを突く宍戸。カルバーリョをロープに積めると、ボディへ鋭い前蹴り! さらにそこからテンカオ。カルバーリョの蹴り足をすくって再びテンカオを突き刺す。
これまで何とかパンチを返していたカルバーリョだが、宍戸の徹底したボディ攻めに徐々に手数が減る。そして宍戸が左ミドルを連打すると、カルバーリョの体が折れる! ジャブからの前蹴りでボディを狙う宍戸。
このまま宍戸ペースになるかと思われたが、カルバーリョも右ミドルと右ストレートを返す。左ミドルで距離を積めて連打をまとめる宍戸。ワンツーからバックキック、さらに顔面前蹴りと一気に攻め立てるが、カルバーリョもカモンジェスチャーをしてから、パンチの連打! 最後は宍戸が左ミドルを蹴り続けて、試合終了となった。
カルバーリョの粘りに苦戦した宍戸だったが、総合格闘家攻略には定石のボディ攻めで難敵カルバーリョを下した。
▼第8試合 70kg契約 3分3R(無制限延長R)
○金井健治(ライトニング/SB日本スーパーウェルター級王者)
判定3−0 ※30−28、30−29、30−28
●アンディ・オロゴン(ナイジェリア/チーム・オロゴン)
GROUND
ZEROではアンディ・サワーをあと一歩まで追い詰めたオロゴンが再びシュートボクシングに来襲! 今年2月に日本スーパーウェルター級王者となり、現在連勝中と波に乗る金井はオロゴンの侵攻を食い止められるか?
1R、細かくジャブを突くオロゴン。前に出てくる金井のボディにヒザ蹴りを打つ。ジャブを基点にローを繰り出すオロゴン。なかなか距離を詰められない金井だったが、オロゴンをコーナーに詰めると左フックから右ロー。オロゴンもジャブから左フック、さらに右アッパーを打つが、金井はそこにカウンターの左フックを打つ。
組みの攻防になると投げを狙うオロゴン。前に出てくる金井にオロゴンは左フックを引っ掛けながらサイドステップ。その後もオロゴンは金井の前進に合わせて左フックを合わせる。さらに左ボディから左フック、左ボディから右ストレートを打ち込むオロゴン。しかし攻撃は当たっているものの、金井にダメージはない。逆に終盤、オロゴンをコーナーに詰めた金井がラッシュ! 右ストレートで飛び込んで連打をまとめると、オロゴンの動きが止まる。
2R、左ミドルから前に出る金井。オロゴンは下がりながら左右のミドルを蹴る。1Rに比べると前に出る圧力がないオロゴン。左ミドルで距離を取ろうとするものの、金井の前進を止められない。逆に金井はオロゴンをコーナーに詰めると、右ストレート、左ミドル、左フックと連打。オロゴンが組み付いてくると、フロントチョーク! これは両者がもつれて、ブレイクとなるが、膝をつく形となったオロゴンにはレフェリーから注意が与えられる。
再開後、ジャブとインローで距離を詰めて、金井が右ストレート。オロゴンも右アッパーや左右のフックでパンチを返すが、金井は下がらない。ガードを固めるオロゴンに金井は右ボディストレート! ここから金井はオロゴンのボディに狙い。パンチだけでなくヒザ蹴り、組んでは首投げを狙う。そして終盤、金井の左フック、右ストレート、右アッパーが当たる。
3R、ワンツーで前に出るオロゴンは、距離を潰して左ボディから顔面に左フックを返す。金井はオロゴンを突き放して左ミドル。そしてオロゴンにコーナーを背負わせると左フックから連打。オロゴンも両手のガードを高く上げてこれをディフェンスするが、オロゴンはそこにボディフック! さらに下がるオロゴンに前蹴りを突き刺す。
左フックから右ストレートの金井。オロゴンもジャブを返すが、金井は右ボディストレート、組んでからの投げ、右ストレートで攻め立てる。金井の攻撃に左フックを合わせるオロゴン。しかし金井がパンチで前に出るとすぐにガードを固めて、動きが止まってしまい手数が圧倒的に少ない。逆に金井は左右のフックで前に出て、右のボディストレート! 最後まで金井は手を出し続けた。
判定は2R以降に攻め続けた金井! 外敵オロゴンを退け、S-cup出場に向けて一歩前進した。
▼第7試合 70kg契約 3分3R(無制限延長R)
○マルフィオ・カノレッティ(ブラジル/シッチ・マスター・ロニー/SBブラジルスーパーウェルター級1位)
判定2−0 ※30−29、30−30、30−29
●菊地浩一(寝屋川/SB日本スーパーウェルター級2位)
昨年10月の『GROUND
ZERO TOKYO』(両国国技館)で予定されていたが、カノレッティの来日不可能によってキャンセルされた一戦がようやく実現する。菊地は2月のスーパーウェルター級王座決定戦で金井に敗れ、「負けた直後は引退しようと思った」というどん底からの再スタート。
一方、カノレッティはK-1 WORLD MAXでも活躍する選手だが「SBに骨を埋めるつもり」とブラジルでのSB普及に尽力、4月からは日本に滞在してシーザージムでSBの練習に励んできた。
1R、菊地は左ローキックをインとアウトに打ち分けつつ、左ストレートとアッパーを狙う。カノレッティは右ミドルキックと強い右ストレート。ローの蹴り合いでは菊地が奥足を的確に蹴って効かせ、カノレッティは早くもダメージが見える。
2R、菊地は左ハイキックや左ミドルを振って左ローへと繋げていく。明らかにダメージを負っているのだが、カノレッティは逆に前へ出てきて右のパンチをヒットさせていく。右ミドル、右フックと菊地のローをもらいながらも押していくカノレッティ。菊地が接近戦でアッパーを繰り出すと、テンカオや片手を引っ掛けてのヒザ蹴りも繰り出す。
ロングからの右ストレート、接近するとボディと顔面へフックを強打し、さらにヒザ。ロープ際でのパンチの打ち合いはカノレッティが優勢。菊地はブロックしながらローを蹴り返すが、ヒザ蹴りをもらって体がくの字になる場面が目立つ。ボディが効いているようだ。
3R、菊地がパンチとローで前に出るが、カノレッティもローを蹴り返して菊地のバランスを崩す。さらにロングの右ストレートで入ってボディ攻め、菊地のパンチにはテンカオを合わせる。菊地はパンチで倒しに行くが、カノレッティはヒザと前蹴りを上手く使ってクリーンヒットをなかなか許さない。
終盤にはテンカオの連打で菊地をコーナーへ追い詰めたカノレッティ、さらにミドルキック、前蹴りで菊地を下がらせ、パンチの打ち合いになっても強い右ストレートを放って菊地をロープ際へおいやる。カノレッティのフックとヒザに押された場面が目立った菊地。判定はやはり、カノレッティを支持した。
▼第6試合 56kg契約 3分3R(無制限延長R)
○崎村暁東(グラップリングシュートボクサーズ/日本スーパーバンタム級2位)
判定2−0 ※30−30、30−29、30−29
●井口 摂(TEAM BADASS13/修斗世界バンタム級8位)
4月に初参戦し、えなりのりゆきを破って「ファンタグレープだかファントムだか知らねぇが、チャンピオン出せ!」とファントム進也に挑戦状を叩き付けた総合格闘家の井口。そのマイクアピールに怒り、通路で「俺と闘え!」と絡んだのが今回対戦する崎村である。井口の毒舌マイクに対して、マジ切れした崎村、因縁の対決に火花が散る!
1R、お互いにローキックを飛ばし合い、崎村は右ミドルから組み付いてのヒザを多用。井口はサウスポースタイルで右ボディストレートから左ミドル、ハイキックも繰り出してお互いに蹴り合う。蹴り合いから接近戦になると、お互いに投げを狙っていくが、両者とも失敗。
2R、崎村がローを中心に試合を組み立て、右ミドルと前蹴り、さらに組み付いてのヒザでボディを狙い撃ち。井口は投げを狙うも失敗、ヒザをもらい口を大きく開け始める。しかし、パンチは井口の方がヒットする回数が多い。
3R、両者とも投げを狙っていくが、ことごとく失敗に終わる。井口はその度に、立ち上がる時間が遅くなっていく。同体でもつれて倒れた時に、金的を打ったか? 失速していく井口に対し、崎村はロー、ミドル、そしてヒザ蹴り。しつこくヒザを蹴って井口の体力を削っていき、井口がパンチで打ち合おうとしてしてもヒザで捕まえる。
判定は2−0で崎村が勝利、総合からの侵略者の進撃をストップした。闘い終わった両者は笑顔で握手、ノーサイドに。すると敗れた井口がマイクを握った。
「すいません、崎村選手、ありがとうございました。今まで格闘技をやってきたんですが、最近になってキックボクシングを始めたんですけど、このままだと魔界に入り込みそうなので、それだと僕にも女房・子供がいて困るので引退します。皆さん、短い間でしたがありがとうございました」と、井口は突然の引退宣言。
この引退宣言に、一度はリングを降りた崎村が戻ってきてマイクを握り、「魔界に入っても強かったです」と井口を称えた。
▼第5試合 65kg契約 スターティングクラスルール 2分3R(延長1R)
○本村康博(AACC)
KO 1R1分37秒 ※右ヒザ蹴り
●鈴木博昭(ストライキングジムAles)
▼第4試合 57kg契約 スターティングクラスルール 2分3R(延長1R)
○島田洸也(シーザー力道場)
判定3−0 ※三者とも30−27
●二之宮徳昭(クロスワン湘南)
▼第3試合 55kg契約 スターティングクラスルール 2分3R(延長1R)
○日下部竜也(大石道場)
延長1R 判定3−0 ※三者とも10−9
●伏見和之(シーザー力道場)
▼第2試合 女子52kg契約 スターティングクラスルール 2分3R(延長1R)
○富田美里(シーザー)
判定3−0 ※三者とも30−28
●坂本ひとみ(AACC)
▼第1試合 65kg契約 スターティングクラスルール 2分3R(延長1R)
○野上祐太(風吹)
判定3−0 ※29−28、30−29、30−28
●湯田達巳(シーザー)
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