全日本キックボクシング連盟
ALL JAPAN KICKBOXING 2008
「CUB☆KIX 〜全日本キックVSチームドラゴン・全面対抗戦〜」
2008年5月31日(土)東京・新宿FACE
開場17:00 本戦開始18:00
※オープニングファイト開始17:20
K-1で活躍する澤屋敷純一、前田慶次郎、尾崎圭司らを擁する“常勝軍団”チームドラゴンを、キックボクシングの老舗団体・全日本キックボクシング連盟が10VS10全面対抗戦という形で迎え撃った今大会は、チームドラゴンが7勝3敗の圧勝で勝利した。チームドラゴンはJ-NETWORKとも2度にわたって対抗戦で勝利しており、これで無敗の3勝目を挙げたことになる。
オープニングファイトから飛ばしたのはチームドラゴン勢。今回がデビュー戦の匠と今年5月3日に行われた2008年新空手全日本選手権軽中量級準優勝の島村晃司がそれぞれKO勝利を収めて弾みをつけ、第1試合では2008年新空手全日本選手権中量級優勝の実績を引っさげて、同じくデビュー戦を迎えた小室武稔が1Rにダウンを奪っての判定勝ち。
続いて尾崎圭司の後輩でテコンドー出身の坂本洸己がダウンの応酬を制して判定勝ち。35歳ギニア出身のチャーリー・ホーストとここまで5戦無敗だった岡田憲幸は敗れたが、吉川英明が後藤友宏をKOしてチームドラゴンは勢いを取り戻す。
8戦無敗の堤大輔は全日本ウェルター級3位の金統光に判定勝ちしてランキング入りを確実なものとし、チームドラゴンの対抗戦勝ち越しを決めた。TSUYOSHIは全日本フェザー級3位の水落洋祐を僅か45秒でKO! 圧倒的な強さを見せ付ける。
しかし、大将戦のメインイベントではWFCA世界ライト級チャンピオンの梶原龍児をIKMF東洋同級チャンピオンの吉本光志が判定2−0で降し、全日本キックが一矢報いた形となった。
チームドラゴンを率いる前田憲作代表は、「いい試合が多かった。やっぱりK-1ルールはいいですね。ウチはK-1ルールを中心に練習しているので、特に得意なんです。勝敗は予想通り」と語り、「デビュー戦の子たちもいい選手だったでしょう。ウチには毎年3〜5人いいのが入ってくるから期待しています」と勝利に大満足。
「ウチは敵が多いですからね。みんなウチを狙っているから敵は全日本キックだけじゃない。対抗戦はどことでもやります。どんなルールでもOK」と、今後もどこの団体からの挑戦も受けると胸を張る。
さらに、「みんないい試合をしているのでMVPは選べない。キックボクサーはあの行く姿勢を見習わないと、お客さんに支持されないですよ。格闘技を守りたかったら、アレを見習わないといけない」と自分が現役時代に活躍した団体へ警鐘を鳴らした。
▼メインイベント(第8試合) K-1ルール 64Kg契約 3分3R延長1R
○吉本光志(AJ/IKMF東洋ライト級王者)
判定2−0 ※29−29、30−29、30−29
●梶原龍児(チームドラゴン/WFCA世界ライト級王者)
対抗戦はチームドラゴンが7勝(4KO)2敗ですでに勝ち越しを決めている状況での大将戦。全日本キックの吉本が梶原に一矢報いることが出来るか?
梶原は言わずと知れた名勝負製造機。プロボクシングでOPBF東洋太平洋スーパーバンタム級7位になった他、アマチュアボクシングで国体に出場などの経歴を持っているボクサータイプ。また、シンガーとしてもライブを行い、CDもリリースしている。
対する吉本はパンクラスで総合格闘技に挑戦し、2007年ネオブラッドトーナメント・フェザー級優勝の実績を引っ提げてキックにカムバック。復帰戦となった3月の試合ではKO勝ちを収めている。
1R、吉本は左右ローキックと左ミドル、梶原は下がりながら見てパンチの四連打を返していく。蹴りの吉本VSパンチの梶原になると見られていたが、吉本は意外にもパンチでも勝負を賭けていく。
単発にならず連打で前へ出る梶原は、吉本が下がるとボディを叩き、吉本の蹴りに合わせてストレート。吉本も梶原のパンチに合わせてテンカオ、ボディへのストレートも放つ。左ミドルで梶原の出鼻を挫こうとする吉本は、パンチに対するガードも堅い。
2R、左ミドル&左ローから左ハイキックも狙っていく吉本。梶原はよく蹴りを見てブロック、蹴りにパンチを合わせようとするが、吉本の左ミドルをエサにした右クロスをもらい、ガクッと腰を落としてしまう。一気にパンチで畳み掛けていく吉本は、梶原をコーナーへ詰めて左ミドル、テンカオ。
梶原はジャブで距離をとって体勢を立て直し、フックの連打で追い上げていくも左ミドル、テンカオをもらう。吉本は頭を低く下げて梶原のパンチを受け、左ハイキック。梶原のボディブローにはテンカオを返し、左ミドル。パンチでの追い上げをはかった梶原だったが、このラウンドは吉本が支配した。
3R、吉本が左右のローキック、梶原は連打を繰り出していくが、吉本も左ハイキック&左ミドルを放っていく。さらにパンチに合わせてのテンカオをグサリ。これに対して梶原はパンチを出しながら前へ出て行き、ボディを叩いてヒザ蹴りに繋ぐ。
ややパンチの手数で上回ったかのような梶原だが、吉本もテンカオや左ハイキックを返し、さらにパンチでも前に出る。梶原のボディが効いているようだったが、吉本は下がることなく梶原のパンチに合わせて左ロー、テンカオ。最後まで前へ出続けた。
判定はジャッジ1名がドローをつけたが、2−0で吉本が勝利! 勝った吉本は「よく聞かれることがあります。自分は格闘技を辞めたあとどうするんだって。でも俺は格闘技を辞めた後の人生なんて決めてません! リングで死ねれば本望です!」と絶叫。この試合に賭けていた想いをマイクにぶつけた。
▼セミファイナル(第7試合) K-1ルール スーパーフェザー級 3分3R延長1R
○TSUYOSHI(チームドラゴン/J-NETWORKフェザー級3位)
KO 1R0分45秒 ※左ボディブロー
●水落洋祐(はまっこムエタイ/全日本フェザー級3位)
1R、右ローの蹴り合いから両者共にフックを繰り出していく。パンチと蹴りがそれぞれ単発になっている水落に対して、TSUYOSHIは右ローからパンチに繋げる。水落がTSUYOSHIの右ローをスネでブロックしてバランスを崩し、TSUYOSHIが右フックから左ボディフック一閃! この一発が強烈に決まり、水落はそのままうずくまるようにダウン! TSUYOSHIが豪快な秒殺KO勝ちを収めた。
「TSUYOSHIです。次の試合も必ずKO目指して頑張ります」と、控えめなマイクアピールで締めくくった。
▼第6試合 K-1ルール ウェルター級 3分3R延長1R
○堤 大輔(チームドラゴン)
判定3−0 ※三者とも30−29
●金 統光(藤原/全日本ウェルター級3位)
1R、金は独特のステップから回り込んでのローキック、堤は左インロー中心の攻めからパンチを狙う。離れた距離からの蹴りを放つ金になかなか近寄れなかった堤だが、ラウンド終了間際に左ストレートをヒットさせてパンチをまとめる。
2R、圧力をかけて前へ出る堤に、ロープを背負いながらロー&ミドルキックを放つ金。パンチでも打ち合いに行く金だが、堤はうまくかわして逆にパンチを入れる。圧力のかけ方が上手い堤は、コーナーへ詰まってしまった金へ左ミドルキック! これが見事にクリーンヒットし、金の体が折れ曲がる!
一気に攻める堤はボディブローとテンカオを狙い撃ち、金がテンカオで腰を折る。気持ちの強さなら負けない金が得意の乱打戦へ持ち込もうとするが、堤は無理して打ち合いをせずパンチをブロックしながらテンカオ、金はボディにもらう度に背中を丸めてしまう。
3R、金はパンチとローで前へ出て乱打戦へ持ち込もうとし、右ミドルもヒットさせるが、堤の左ミドルと左テンカオでコーナーへ詰められてしまう。それでもパンチで倒そうと前へ出る金に、堤が左テンカオと左ミドルを当てて効果をアピールし、文句なしの判定勝ちを収めた。これにより、チームドラゴンが6勝目を挙げて勝ち越しを決定付けた。
▼第5試合 K-1ルール 68kg契約 3分3R延長1R
○吉川英明(チームドラゴン/全日本ウェルター級5位)
KO 3R2分15秒 ※右ローキック
●後藤友宏(青春塾/全日本ウェルター級8位)
1R、後藤は左ミドル、左ハイキックを振っておいて左フックから右ローを狙い撃ち。左の蹴りでパンチを防ぎ、右ローでダメージを与えていく作戦のようだ。右ローが強烈に何度も決まり、押され気味だった吉川だが、後半はパンチで前へ出て右ストレートをヒットさせ、ボディブローとヒザ蹴り。
2R、いきなりアグレッシブに攻めだしたのは吉川。右ローを蹴ってパンチをコンビネーションで出し、接近戦ではパンチとボディへのヒザ。
中に入って左右のフックを放つと、後藤は嫌がって離れようとする。そこへ右ロー。顔面、ボディを攻めて右ローを蹴る吉川に後藤は右ローを効かされてしまい、ローと前蹴りで応戦するが右ローで2度のダウンを喫する。
3R、ボディをヒザと前蹴りで攻め、接近戦では左右のフックを叩きつけて右ローへ繋いでいく吉川。後藤もパンチと右ローで応戦したが、右ローのダメージが大きく立て続けに3度のダウンを奪われ、吉川がKO勝ちを飾った。
▼第4試合 K-1ルール スーパーウェルター級 3分3R延長1R
○ハイン・ディオ(チャモアペット・ムエタイアカデミー)
KO 2R1分53秒 ※右ローキックで3ノックダウン
●岡田憲幸(チームドラゴン)
▼第3試合 K-1ルール ウェルター級 3分3R延長1R
○亜紀斗(はまっこムエタイ)
判定3−0 ※三者とも30−28
●チャーリー・ホースト(チームドラゴン)
※ホーストが計量オーバーのため亜紀斗8オンス、ホースト10オンスのグローブハンデ。
ホーストは1点減点で1Rは10−9から試合開始。
▼第2試合 K-1ルール ウェルター級 3分3R延長1R
○坂本洸己(チームドラゴン)
判定3−0 ※三者とも30−29
●ウー・エリック(藤原)
※2Rにウーが右ストレートでダウンを奪い、坂本が左フックでダウン奪い返す。
▼第1試合 K-1ルール スーパーウェルター級 3分3R延長1R
○小室武稔(チームドラゴン)
判定3−0 ※三者とも30−26
●三澤勲大(韓道場)
※1Rに小室が左ストレートでダウン奪う。
▼オープニングファイト第2試合 K-1ルール 60Kg契約 3分3R
○島村晃司(チームドラゴン)
KO 1R1分17秒
●園山翔一(WSK/白仙会)
▼オープニングファイト第1試合 K-1ルール 60Kg契約 3分3R
○匠(チームドラゴン)
KO 3R1分23秒
●KATSUKI(鷹虎)
|