全日本キックボクシング連盟
ALL JAPAN KICKBOXING 2008
「小林聡プロデュース 野良犬電撃作戦」
2008年6月22日(日)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始18:00
※オープニングファイト開始17:15
観衆=1,780人(超満員)
▼メインイベント(第8試合) NAOKICK試練の七番勝負・第四戦 日本VSタイ 59kg契約 3分5R
○カノンスック・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックス/M-1フェザー級王者)59.5Kg
KO 4R2分31秒
●石川直生(青春塾/全日本スーパーフェザー級王者)59.0Kg
東(石川)と西(ウィラサクレック)に別れた大応援団から、両選手に大きな声援が飛ぶ。場内の盛り上がりは最高潮だ。
1R、サウスポーのカノンスックに、石川は右ローと前蹴り。カノンスックの左ハイキックに石川も左ミドルを返す。カノンスックの前足(右足)を狙って前蹴りと右インローを放つ石川。
カノンスックが入ってくるとテンカオから組んでのヒザだ。カノンスックは左ミドルを受け止めて顔面へのヒザ。石川が入ろうとすると、左フック、左ハイキックで迎え撃つカノンスック。
石川も顔面前蹴り、カノンスックのフックにテンカオを合わせて、組んでのヒザ蹴り。カノンスックがワンツーから左ローを叩き込んだところで1Rが終了。
2R、石川の左ミドルにカノンスックが左ロー、一気にパンチで打ち合いに持っていくカノンスックだが、石川もパンチを返して組み付いてのヒザ。カノンスックの右フックにテンカオを合わせる石川へ、カノンスックは左ロー。
ジャブで距離を取り、カノンスックが入ってくるとテンカオ。しかし、カノンスックも左フックをヒットさせ、右アッパー。組むと石川がロープに押し付けたカノンスックへ右ヒジ! これでカノンスックをカット!
ドクターチェックが入り、試合再開。カノンスックは前へ出て行くが、石川の前蹴りに吹っ飛ばされる。パンチと前蹴りで前へ出る石川、テンカオ、顔面前蹴り、さらに右ヒジ! 苦しいカノンスックは石川を倒してヒザを落とす。
パンチで突っ込んでいくカノンスックだが、石川に捕まって連打は出せない。石川の前蹴りが次々と叩き込まれ、カノンスックが仰け反る。左右フックに石川は吹っ飛ぶが、石川は回り込んでヒジ、さらに顔面前蹴り!
3R、石川の顔面前蹴りが立て続けにヒット! 大きく仰け反るカノンスック。それでも前へ前へとローとフックで出る。フックでの打ち合いの中、石川の右ヒジが決まりカノンスックがダウン!
カノンスックの左ローにヒジを返し、組み付いてヒザ蹴りを連打する石川! 苦し紛れに投げ倒すカノンスック。石川は右ハイキック、組み付くとヒザ蹴り。カノンスックは大流血だ。パンチで前に出るカノンスックへ石川がヒジ! さらに組み付いてヒザ蹴りだ。
右ローから前へ出てパンチを狙うカノンスック、左ヒジを見舞い、組んできた石川を投げ捨てる。
顔面前蹴りでカノンスックを突き放す石川だが、左ストレート、左ヒジ、右アッパーを立て続けにもらう石川! 回転エルボーを繰り出すが、カノンスックの左ミドルに転倒する石川はかなりガス欠気味。
4R、カノンスックの左ローと石川の右ミドル。前へ出るのはカノンスックだ。カノンスックが左ハイから右フック、石川は飛びヒザ蹴りと顔面前蹴りを繰り出すが、転倒させられる。
石川のテンカオに右フックを合わせ、組んできた石川を転倒させるカノンスック。さらに左ロー、右フックから左ストレート。石川はテンカオから組み付く。
前蹴り、テンカオで応戦するも組むと投げ捨てられてしまう石川。実はこの時、石川は後頭部をマットに強く打ち、意識朦朧となっていたという。
カノンスックの左ミドルで石川がコーナーへ吹っ飛ぶ! そしてダウン! 石川はうずくまったまま10カウントを聞いた。大激闘の末の大逆転勝利に、興奮して一気にリングへなだれ込むウィラサクレック軍! 石川はリング上で大の字となった。
▼セミファイナル(第7試合) 日本VSタイ フェザー級 3分5R
○ワンロップ・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックス/M-1バンタム級王者)57.0Kg
KO 2R2分14秒
●山本真弘(藤原/全日本フェザー級王者)57.1Kg
西側に陣取った“赤い軍団”(お揃いの赤いTシャツに身を包んだウィラサクレックジムの応援団)からワンロップコールが沸き起こる。試合に先立ち、ワンロップはワイクーを踊り、山本は踊らずに無視。
1R、コーナーを飛び出していきなりインローを蹴る山本、ワンロップは左ローで山本を転倒させる。左フックを打ちに行くワンロップに山本もパンチを返し、ワンロップの右ハイキックで山本が転倒。
ジャブでリズムを作る山本、ワンロップもジャブを出し、左フックから右ハイキック。右のジャブから右ヒジを連携させるワンロップ、山本はジャブで入って右ロー。
山本の左右のフックをブロックし、右ハイを繰り出すワンロップ。右ハイキックに左フックを返す山本! このパンチが快音を発し、場内が沸く。ジャブとローの応酬で1Rは終了。
2R、ジャブを出しながら右へ回っていく山本、追ってくるワンロップに山本の右ロングフックがヒット! ワンロップは捕まえるとヒザ、そのまま押し倒して山本のリズムを断ち切る。
ワンロップの左ヒジに山本が左フックを返し、場内がドッと沸いたが、ワンロップは山本の打ち終わり際に左ハイキック! 山本が前のめりにダウン!
立ち上がって試合再開すると同時に、今度は顔面前蹴りで2度目のダウンを追加! パンチ、ミドルで一気に攻めるワンロップ、山本がカウンターで左フックをヒットさせるが、ワンロップがロープ際に追い詰めていって右ヒザ蹴りからの左ヒジ!
頭部にもらった山本は力なく崩れ落ち、3ノックダウンでKO負けを喫した。
▼第6試合 日本vsタイ 70kg契約 3分5R
○サムゴー・ギャットモンテープ(タイ/元ムエタイ三冠王者)69.3Kg
判定 2−1 ※50−49、50−49、48−49
●山本優弥(青春塾/全日本ウェルター級王者)
69.9Kg
リングに登場すると、鋭い目つきでサムゴーを睨みつける山本。場内にはサムゴー応援団から熱い声援が飛ぶ。
1R、山本が軽くジャブを突き出し、ローキック。サムゴーが重い左ミドルを放つと場内がドッと沸く。ロープ際に身を置き、左ミドルで迎え撃つサムゴー。山本は右ローを返して右のボディストレート、サムゴーの左ミドルに山本はニヤリとする。
サムゴーはジャブを出しながら近寄ってくる山本に左ヒジ、さらに左ハイキックを二発。山本はジャブ、前蹴り、コーナーを背負わせると右のボディストレート。サムゴーは左ミドルを返していき、山本は腕でガッチリとブロック。
2R、ロープを背負うサムゴーに前蹴り、右ローを放つ山本。サムゴーがフックで前に出てくると山本も打ち合い、バックブローを繰り出す。サムゴーが山本のハイキックをスウェーでかわして左ロー。
山本の右ローに左ミドルを合わせるサムゴー、蹴る位置は高めで山本の腕を蹴る。山本が左フックから右フック、サムゴーは左ヒジ! 前へ出てさらにもう一発! これで山本がカット!
ドクターチェック後、山本は笑顔で手を挙げて“大丈夫”とアピール。サムゴーの左ミドルがドスッドスッと鈍い音をたてて三発叩き込まれる。場内は大きなどよめき。ヒジで前に出てくるサムゴーに山本もヒジで打ち合い、至近距離でヒジの打ち合いとなる。
3R、ジャブを出しながら右ロー、パンチで入っていく山本にサムゴーもローを返す。そして左ミドルで山本を吹っ飛ばす! ロープを背負わせる山本がパンチを出そうとすると、サムゴーは左ヒジ。二発目の左ヒジで山本の顔に鮮血が流れ落ちる。
山本の右ローにサムゴーが左ミドルを返し、山本はすかさず連打。サムゴーの左ミドルに右ローを合わせてバランスを崩し、右のボディストレート、コーナーへ詰めて連打と右ロー。山本の右わき腹は赤紫色に変色した。
4R、サムゴーのハイキックに右ローを合わせてバランスを崩す山本、そこから連打を加えて行き、コーナーへ詰める。ジャブと軽いローでリズムを刻む山本、右ローから左フック、サムゴーは組み付く。サムゴーの強烈な左ミドル、山本は軸足を刈って、パンチ連打へ繋げていく。
笑顔を浮かべながらサムゴーにロープを背負わせる山本、しかしパンチは空を切る。ジャンプしての二段蹴りを繰り出したり、連打する山本に場内は沸くが、サムゴーはほとんどグローブで受けている。
5R、左右の細かいローを放つ山本に、左ミドルの強烈な一発を返すサムゴー。山本の右ハイキックが顔をかすめると、サムゴーは左ミドルを連打。左ミドルに右ローを合わせて、レバーを叩く山本だが、サムゴーに組み付かれる。ガムシャラにヒザ蹴りを出す山本。
右のボディストレートから連打したい山本だが、サムゴーに組み付かれてしまう。かなりの疲れが見えるサムゴー。
左ヒジを出すと山本も右ヒジ、サムゴーは左ミドルを一発当てては組み付く。山本はなかなかサムゴーを捕らえきれず、最終ラウンドのゴングを聞いた。
判定は2−1のスプリットでサムゴー! 山本はガックリ。サムゴーはかつての宿敵、現マネージャー的役割の小林聡GMと並んで記念撮影に収まった。
▼第5試合 76kg契約 3分5R
○中村高明(藤原/全日本ミドル級王者)75.7Kg
TKO 1R0分50秒
●須藤信充(TEAM SUDO/元日本三階級王者)75.5Kg
1R、中村は勢いよくコーナーを飛び出して、まだ自軍コーナーにいた須藤へ飛びヒザ蹴り。回り込んで行き、左フックの大砲を狙う須藤だが、中村のヒザ蹴りとジャブに後退。コーナーへ追い込んだところで中村がヒザ蹴り、そして右ヒジ!
須藤はダウンを喫し、さらに左目上をバッサリとカットして流血。ドクターチェックとなり、そのままストップとなった。
古巣・全日本キックに逆殴り込みをかけた須藤を一蹴した中村は、「もっと強い相手とやらせて下さい。そういうことですね」と、さらなる強敵との対決を臨んだ。
▼第4試合 55kg契約 サドンデスマッチ 3分3R
○寺戸伸近(青春塾/全日本バンタム級1位)54.9Kg
延長判定 3−0 ※三者とも10−9
●那須儀治(WSK/興気塾/全日本バンタム級6位)54.1Kg
※延長の4Rで偶発的なバッティングにより寺戸が試合続行不可能に。4R1分22秒の時点までの採点となった。
不動のバンタム級1位・寺戸に挑むのは、2004年の全日本新空手K-2GP軽量級優勝の那須。滝谷、卜部など新空手勢の活躍が目覚しい昨今、番狂わせを起こすことが出来るか?
1R、パンチのコンビネーションから右ローへ確実に繋げていく寺戸。那須は回り込んでいくがコーナーを背負わされる場面が多い。パンチにパンチで打ち合って踏み込んだところで、寺戸の右ローをもらう。左ミドル、前蹴りも使う寺戸が圧力の強さとパンチの回転力を見せ付ける。
2R、寺戸のリズムがやや崩れる。寺戸の入ってくるいいタイミングで那須のフックとアッパーが入り、那須のパンチが当たり始めた。
3R、那須がパンチの回転を上げて行って、寺戸が入ってくるところへ左フックから右アッパー、右フックへ繋ぐ。那須のパンチをダッキングでかわした寺戸に、那須の左ハイキックがヒット! 那須は勢いに乗ってパンチの連打、寺戸も前へ出てパンチを打ち込んでいく。那須は残り53秒のところで右まぶたをカット(バッティングの可能性)し、流血。寺戸はヒジで追い討ちをかけるが、判定は30−29(寺戸)、29−29、29−29でドロー。
延長戦になると寺戸がパンチから飛びヒザ蹴り。しかし、寺戸の左ミドルに那須が頭から入ってしまったため、バッティングとなって寺戸が口から流血。那須にイエローカードが提示されるが、寺戸にドクターチェックでストップがかかり、偶発性のバッティングでの試合続行不可能により、ここまでの採点で決着がつけられることに。
判定は三者とも10−9で寺戸の勝利。流れが傾いていただけに、那須は惜しいことをした。
▼第3試合 第18代全日本ライト級王座決定トーナメント 準決勝 サドンデスマッチ 3分3R
○海戸 淳(S.V.G./同級2位)61.4kg→61.1Kg
判定 3−0 ※29−27、30−27、29−27
●藤牧孝仁(はまっこムエタイ/同級3位)61.1Kg
※海戸が決勝戦へ進出。
増田博正が返上して空位となった全日本ライト級王座を争うトーナメント。海戸は2006年12月から2007年12月までブランクがあるものの、2006年10月から四連勝中。藤牧も二連勝を収めており、好調同士の一戦となった。両者は2006年12月に対戦しており、その時は海戸が判定で勝利している。
1R、右へ回り込みながらのローキック、ワンツーから左の蹴りに繋げる海戸。藤牧は右ローを出すも手数が足りない。海戸のワンツー、キックが目立つ。藤牧がパンチで前へ出てくるところにバックキックのカウンターもヒットさせる。
2R、両者共にスピードアップし、藤牧はパンチで行く。海戸は突進する藤牧からサイドへ逃げて、藤牧の振り向きざまに右ストレート! 先制のダウンを奪う。立ち上がった藤牧は苦し紛れに首投げを見舞ってしまうが、その直後、海戸の回転エルボーをもらって再びダウン!
3R、藤牧は「来いやっ!」とどんどん前へ出て行き、パンチで逆転を狙って猛ラッシュ。「来い、来い」とカモンゼスチャーを混ぜながら乱打戦に持ち込もうとする藤牧に、海戸は組み付きを多用。乱打戦にペースを乱さず、ダウンのポイントを守って判定勝利、9・19後楽園の決勝戦へ駒を進めた。
▼第2試合 全日本スーパーフェザー級ランキング戦 サドンデスマッチ
○大高一郎(ストラッグル/同級3位)58.6Kg
判定 2−0 ※30−30、30−29、30−28
●ソルデティグレ・ヨースケ(U.W.F.スネークピットジャパン)58.9Kg
今年3月、90年代の名キックボクサーである鈴木秀明会長率いるSTRUGGLEジムに入団した大高。心機一転、今回の試合に臨む。対するは早くも今年4戦目となるヨースケ。前回のK-1ルールでの試合で6戦目にして初黒星を喫したが、その闘いぶりはファンを魅了した。
1R、プロボクシング出身でパンチ主体のファイターであるヨースケが、意外にもヒジで入っていく。その後も左の縦ヒジを連発して入っていき、パンチへ繋げる。これには大高もヒジを返し、突き放してフック。ヨースケはヒジで入って右アッパー、大高をロープへ詰めていく。
2R開始のゴングと同時に、相手コーナーへ突っ込んで行ったヨースケだが、足を滑らして転倒。立ち上がると回転エルボー、右ローから右ストレートのコンビネーションを見せる。しかし、大高はフックを打ち返してヒザをボディへグサリ。ヨースケが入ってくるところにパンチを狙い撃ちし、距離が出来るとハイキックを放っていく。
3R、ヨースケが突っ込んで行ってヒジのラッシュ! 縦ヒジで大高の眉間辺りのカットに成功する。ところが、大高のヒザをボディにもらって失速、大高はヨースケを突き放してフックからハイキック、またパンチの連打と手数で攻め、前に出るが手数の少ないヨースケを上回った。
判定は2−0で大高が勝ち名乗り。大高は男泣きし、鈴木会長に涙を拭われて一緒に記念撮影に収まった。
▼第1試合 フェザー級 3分3R
△永野裕典(和術慧舟會DURO)57.1Kg
判定 1−0 ※30−30、30−30、30−29
△九島 亮(AJ)57.0Kg
▼オープニングファイト第3試合 フェザー級 3分3R
○森井洋介(藤原)57.1Kg
判定 3−0 ※三者とも26−25
●大前力也(WSK/KSS健生館)56.3Kg
▼オープニングファイト第2試合 フェザー級 3分3R
○上杉隼士(超越塾)57.0Kg
判定 3−0 ※29−26、29−26、28−26
●尾田兼次(S.V.G.)56.8Kg
▼オープニングファイト第1試合 68kg契約 3分3R
○布施一行(DRAGON GYM)67.7Kg
KO 1R1分28秒
●佐藤大輔(バトラーツ)65.7Kg
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