シュートボクシング協会
「SHOOT BOXINGヤングシーザー杯2008」
2008年6月28日(土)東京・新宿FACE
開場17:00 開始17:30
▼メインイベント(第11試合) エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R 60kg契約
○クレイジー・ヒル(バンゲリングベイ)
判定2-0 ※29-28、28-28、29-28
●歌川暁文(UWFスネークピットジャパン/SB日本スーパーフェザー級2位)
新鋭たちの祭典「ヤングシーザー杯」のメインを飾るのは、日本スーパーフェザー級2位の歌川。SBの“絶対王者”として君臨する同級チャンピオン及川知浩への次期挑戦者として最右翼に位置する男だ。歌川自身も「7月も9月も勝って年内にタイトルマッチ」と宣言しており、今回のイベントのスペシャルマッチ的な位置づけとなるこの試合で、弾みをつけたいところ。
しかし、クレイジーヒルは5勝4敗と歌川の23勝7敗1分という戦績には遠く及ばないが、キックボクサーでありながら柔道三段の腕前を持っている。投げありのシュートボクシングで、その実力を発揮するか?
1R、得意の左ミドルキックを連発し、さらに左ロー、右フックと積極的に攻めていく歌川。ヒルのローキックにはパンチを合わせ、パンチには蹴りを合わせていく。打ち合っては不利と見たか、ヒルは組むとすぐに投げを繰り出し、歌川を度々マットに転がす。
そして首投げの体勢になったヒルは歌川を背中に乗せるようにし、豪快に歌川を空中で一回転させた。シュート! 歌川の体は鮮やかな弧を描き、マットに叩きつけられる。ヒルがシュートポイント1を獲得。
2R、蹴りではなくパンチで行く歌川が、左ストレートと右フックを何度もヒットさせてヒルを追いかける。ヒルがパンチを打ってくると左ミドルを合わせ、打撃で優勢に。だが、ヒルはすぐに組み付いて投げを放ち、足を掛けたりするなどして歌川を何度もマットに転がしていく。
離れて闘いたい歌川だが、パンチを出すとすぐにヒルが組み付いて投げてしまうため、連打が出せない。投げを防ぐことが出来ずコカされまくる歌川は、さらに首投げでシュートポイントを奪われた。
3R、パンチで前に出る歌川の右フックがヒット! 一気にパンチの連打でヒルをロープ際やコーナーへ追い詰めていく。歌川の右フックで2度も膝が折れたヒルだが、それでも倒れず組み付いて投げを狙う。足を掛けられてマットに倒れる歌川。完全に打撃VS投げの図式となり、シュートボクシングらしい攻防が展開される。
逆転を狙った飛びヒザ蹴り、ハイキック、そしてパンチの連打と猛追した歌川だったが、二つのシュートポイント差を挽回することが出来ず、判定2-0で敗れた。これによりタイトル戦線から大きく後退したことになるだろう。
番狂わせの勝利を収めたヒルは「デビュー2戦目でシュートボクシングに出た時、シーザーさんから“お前、もっとやらないとぶっ飛ばすぞ”と言われ、シーザーさんに“いい試合だった”と言われる試合をしないといけないと思っていました」という裏話を明かす。
「今日は若手と歌川選手の興行だったと思うけど、自分は自分と歌川選手のタイマンだと思いました。キックボクシングではなく、格闘家としてどっちが強いか、自分が持ってる技術を全部出してやったつもりです。投げは練習もしていなかったので、無意識に出たものです。キックボクシングとしては歌川選手の方が50ランクぐらい上だったと思う」とヒル。今後は「ちょっとずつ上を狙っていきたい」とし、オファーがあれば及川にも挑戦したいと語った。
▼セミファイナル(第10試合) エキスパートクラス特別ルール 3分3R無制限延長R 72kg契約
○梅野孝明(シーザー)
延長1R 判定2-0 ※10-10、10-9、10-9
●石島大悟(ライコンドー)
梅野は去年のヤングシーザー杯を獲得、今春から上京してシーザージム所属となっての第一戦。現在3戦3勝でその勝利の中にはSB日本ライトヘビー級2位・伊賀弘治にデビュー僅か2戦目で勝った白星も含まれている。今回「初めて減量」してミドル級に階級を落とし、将来的には70kgでS-cup出場を目指すという。
対するはライコンドー所属の石島。これまでZST、パンクラス、MARS、DEEPなど総合格闘技に参戦してきた選手だ。
1R、梅野が首投げでシュートポイントを奪う。石島は右フックを大きく振り、右ローキック。ライコンドーの待ちでカウンター狙いではなく、自分から攻めて行く。梅野はローキック、長いジャブを放って組む。後半には梅野のフックがヒット。
2R、石島が左フックで攻めていくが、梅野は左ミドルと投げ狙いで組む。梅野が石島をコーナーへ詰めて右アッパー、右フックの一発狙い。石島もパンチを打ち返してヒザ蹴りに行くが、梅野の一発に押される。両者かなりバテバテの様子。
3R、石島はバテながらも左フックの一発KOを狙うが、梅野が右ミドルを何度も当ててパンチでコーナーへ詰めていく。ヒザ蹴りでも圧倒。十中八九、梅野が勝利を手にしていたが、なんと残り数秒で石島の左フックがヒット! アゴへのヒザ蹴りをフォローしてダウンを奪う。
石島が五分に戻すことに成功し、本戦は28−28、29−28(石島)、28−28でドローに。勝負は延長戦にもつれ込んだ。
両者ともスタミナ切れのため、一発狙いの相打ちが何度も見られる。序盤は梅野が右ミドルで前へ出て、終盤に梅野が右フックをヒット。判定2−0で梅野が辛勝、無敗記録を「4」に伸ばした。
エキスパートクラスの前にスターティングクラスルールの中から、MVPである「ヤングシーザー杯」の表彰式が行われた。今回、ヤングシーザー杯を手にしたのは第5試合に出場した伏見和之(シーザー力道場)。1991年3月18日、東京都出身の17歳。身長158cm、体重55kg。戦績は1勝1敗。現役の高校生だ。
「野球をやってましたがSBに目覚めて、これに人生を賭けると一生懸命に頑張っています。デビュー戦は負けて今回が2戦目で、SBを背負っていける若者じゃないかと私だけではなくスタッフと話し合って決めました」と、伏見を選考した理由を語るシーザー武志会長。
受賞した伏見は「変な試合をしちゃったのに、素晴らしいモノをいただけて嬉しいです。結果は勝ちましたけど、自分の負けだと思っています。次は誰が見ても勝ってる試合をしてキッチリ勝って、また素晴らしい賞をもらいたいと思います」と、爽やかに挨拶した。
▼第9試合 スターティングクラスルール 2分3R延長1R 60kg級契約
○藤原敬典(秋本道場Revo龍tion/チームZST)
判定3-0 ※30-29、30-28、30-29
●大桑宏彰(シーザー)
ZSTで行われたSB-Xマッチで2連勝を飾った藤原が、いよいよ本丸に乗り込んできた。迎え撃つは大桑。SBの牙城を守ることが出来るか?
1R、どっしりと構える藤原はジャブを突き、右のパンチを繰り出すとそのまま掴んでのヒザ蹴りを多用する。サウスポーの大桑は目立った攻撃がない。藤原が前蹴り、大桑の頭を引き下げてのヒザで優位に。
2R、藤原は前蹴りでボディを狙い、ジャブからボディストレート。大桑は投げを狙って再三組み付くも失敗に終わる。
よく動く藤原が構えをスイッチしながらジャブと前蹴りで上手く距離をとって闘い、ボディ攻めを展開。
3R、藤原は大桑が前へ出てくるとテンカオを合わせ、ジャブと前蹴り、そしてボディ攻め。大桑はパンチとローで前へ出て行くが、その度に打たれて逃げられてしまう。判定3−0で藤原が本家SBのリングでも勝利を収めた。
▼第8試合 スターティングクラスルール 2分3R延長1R 55kg級契約
○中森保貴(シーザー)
判定3-0 ※29-25、29-23、29-23
●尹戸雅教(立志会館)
※中森はこの試合が引退試合。
シーザージムの隣でDORASというバーを営みつつ、31歳でプロデビューして選手としても活躍してきた34歳・中森が7戦目にして引退試合に臨む。引退試合は後楽園ホールでどうかというシーザー会長の言葉に、中森は「自分はそんな器ではない」とあえて今日の大会を引退試合の場に選んだという。
1R、バックを奪った中森がいきなり豪快なバックドロップを決める! シュートポイントを獲得すると共に、尹戸へダメージを与えた。さらに、尹戸が立ち上がってすぐに飛びヒザ蹴りを決めて今度はダウンを奪う! その後もパンチとヒザ蹴りで圧倒する。
2R、今度は尹戸が首投げでシュートポイントを奪い返し、スタンディング・スリーパーでキャッチ寸前にまで中森を追い込む。ところが、中森はスリーパーを返すと右のパンチを当て、続くコーナー際での右フックでダウンを追加! 会場は大盛り上がり。
3R、大声援に包まれる中、中森はバックブローからジャーマン、パンチでも押しまくる。片手を引っ掛けてのヒザ蹴りも効かせて、大奮闘の内にラストゴングを聞き、大差の判定で勝利した。お互いにSBの立ち技「打・投・極」を駆使する、まさにSBという試合を中森は最後にやってのけた。
中森は「こんな大舞台を与えてくれてありがとうございました。SB始めてSBから学んだことは計り知れません。僕の財産です。ロングスパッツの後ろに入れていますが、僕はシーザージムの隣でDORASというバーを営んでいく中で、シーザー魂を胸に頑張って行きます」と挨拶。
シーザー会長は「今まででラストが一番いい試合だったんじゃないか」と笑い、「中森も頑張ってくれたが、相手の選手がいたからこそこれだけの試合が出来たことを忘れずに。これだけの人が応援してくれたことに感謝して欲しい。シーザージムの隣の靴屋に中森がいまして、そこで会ったことがコイツの運命でした。今までSBをやって、支えてくれてありがとう。SBで学んだことを世の中の人に貢献して欲しい」と、中森にメッセージを送った。
▼第7試合 スターティングクラスルール 2分3R延長1R 55kg契約
○畠山悟史(シーザー)
判定3-0 ※30-29、30-29、30-28
●鈴木友則(湘南)
▼第6試合 スターティングクラスルール 2分3R延長1R 75kg契約
○松本光史(大村道場)
判定3-0 ※30-26、30-25、30-25
●王 瑞龍(龍生塾)
▼第5試合 スターティングクラスルール 2分3R延長1R 55kg契約
○伏見和之(シーザー力道場)
判定2-0 ※29-28、30-30、30-29
●藤本昌大(龍生塾)
※伏見がヤングシーザー杯を獲得。
▼第4試合 スターティングクラスルール 2分3R延長1R 60kg級契約
○島田洸也(シーザー力道場)
判定2-0 ※29-29、30-29、30-29
●池上孝二(及川道場)
▼第3試合 スターティングクラスルール 2分3R延長1R 60kg級契約
○黒木慎一郎(ストライキングジムAres)
TKO 2R1分34秒 ※レフェリーストップ
●橋本義明(ライコンドー)
▼第2試合 スターティングクラスルール 2分3R延長1R 56kg契約
○山村教文(グラップリングシュートボクサーズ)
判定3-0 ※三者とも29-26
●新井義文(シーザー)
▼第1試合 スターティングクラスルール 2分3R延長1R 65Kg契約
○湯田達巳(シーザー)
判定2-1 ※30-29、29-30、30-29
●崎村匡如(グラップリングシュートボクサーズ)
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