JMC
「RIDE ON TIME」
2008年7月6日(日)東京・ディファ有明
開場15:00 開始16:00
▼メインイベント 国際戦67kg契約 WBCムエタイルール 3分5R
○デンタイ・シンマナサック(タイ/WBCムエタイ世界スーパーライト級王者/ラジャダムナンスタジアム認定ウェルター級4位)
判定3−0 ※三者とも49−48
●大輝(日本/JMC横浜/元WBCムエタイ世界ウェルター級3位・ラジャダムナンスタジアム認定ウェルター級9位)
デビュー以来破竹の12連勝、ラジャダムナンスタジアム&プロムエタイ協会ウェルター級1位ゲーンカート・チューワッタナを破り、ムエタイ王座も目前と思われていた大輝だが、望月竜介に敗れて以来壁にぶち当たり、現在四連敗中。実に1年8ヵ月も勝ち星から遠ざかっている。
そんな大輝に今回用意された対戦相手は、WBCムエタイ世界スーパーライト級王者でラジャダムナンスタジアム認定ウェルター級4位のデンタイ。勝利することが出来れば全てを取り戻すことが出来るが、リスクの大きい相手だ。デンタイはかつて辰吉丈一郎と世界タイトルマッチを闘い、現在はK-1に参戦しているシリモンコンをセコンドに従えて入場。
1R、大輝は回り込みながらの右ローキック、デンタイは前蹴りとミドルキック。途中、デンタイが左右のフックでラッシュをかけて大輝をコーナーへ詰める場面もあったが、大輝は落ち着いて下がりながら回り込んでローキック。
2R、大輝の右ローが早くも効き始めたが、デンタイはヒジでラッシュをかける。縦ヒジで入ってボディを打ち、左右フック、そしてまたヒジ。大輝もローとヒジを返すが、下がる場面が多い。
3R、右ハイキックをヒットさせる大輝。その後は下がりながらも右ロー、デンタイは左右のフックを振り回して前に出る。大輝はさらに右ローキックで追い討ちをかけ、このラウンドは大輝有利の展開。
4Rになるとデンタイはいきなり組み付いてくる。大輝に攻撃する暇を与えず、ブレイクされては組みを繰り返す。ヒザ蹴りは背中や足などでクリーンヒットは奪えないが、大輝はヘッドロックでブレイク待ちするだけなので印象が悪い。「アイッ!」と声を出してヒザ蹴りを入れるデンタイ。大輝がヒザ蹴りを返そうとすると、ヒザでブロックする。
5R、大輝に右ローを蹴られるとやはり組みに来るデンタイ。「アイッ!」と声を出してヒザ蹴りを入れ、大輝はヘッドロック。途中、デンタイのミドルキックに大輝がハイキックを返す場面はあったものの、ラウンドのほとんどを首相撲に捕まったまま過ごした。
判定はジャッジ三者とも49−48でデンタイの勝利。デンタイは「ちょっと興奮した。日本で初めての試合なので緊張したし、相手もとても頑丈で我慢強い選手だと思った。ローキックが強かったです」と試合の感想を述べ、「5Rは絶対に取ったと思った。ポイントを失ったのは3Rにローキックを受けた時じゃないかな」と試合を分析する。
デンタイは「ヒザを中心に攻撃するタイプ」といわゆる“ムエカオ”の選手であると語り、WBCムエタイ世界王座は2006年9月にロンドンで獲得、現在まで防衛戦は行ったことがないという。そのためWBCムエタイルールは今回が2度目。「タイのルールとそんなに変わりはないが、インターバルが1分は初めてなので凄く疲れました(タイは2分)」と、中盤からスタミナ切れを起こした理由を明かした。
「もちろんKOしたかったですね」と言い、4Rから得意のヒザに切り替えたのは「相手がヒザが弱いと思ったからです」と説明したデンタイは、「(大輝は)首相撲の能力が足りないと思う。それはヨーロッパの選手も同じですけどね」と笑った。
一方、大輝は呆然とした様子で言葉少なくコメント。「組んでくるのは分かっていたけど、組まれて何も出来なかったってことです。1〜2Rで相手のテンションが上がる前にどれくらいダメージを負わせられるかが対策だったんですが…何%も実行できませんでした。相手のパンチは1Rはそうでもなかったけど、2〜3Rの辺りではグラグラしてしまいました。首相撲は力強かったです。上手さより、先に組んだ方がいいポジションを取れるので、そこで自分が取り返せなったというだけ。攻めないことには勝てないし、攻められるようにならないと…」。大輝が壁を越えるのには、まだ時間がかかりそうだ。
なお、次回のJMC興行は9月15日を予定している。
▼セミファイナル 54kg契約 WBCムエタイルール 3分5R
○炎出丸(日本/クロスポイント・ムサシノク二)
TKO 5R2分38秒 ※ヒジによるカットでドクターストップ
●チェ・ジンスン(韓国/韓国キック四冠王)
韓国四冠王のチェは、日本で魂叶獅に連勝、藤原あらしやTOMONORIとも闘っているお馴染みの韓国軽量級最強と呼ばれる男。対するは前回のJMC興行で平本悠とドローに終わった炎出丸だ。
1R、炎出丸はジャブから右ロー、右ローからジャブと上下へ攻撃を繋げていく。チェは強い右ローを蹴るも単発で、炎出丸の攻撃が目立つ。
2R、チェは押しての強い右ロー、やはり強い右ストレートをボディと顔面に放つが、これも単発だ。炎出丸に右ローを蹴られると縦ヒジで突っ込み組んでのヒジ合戦。炎出丸はジャブ&右ローのペースを崩さず、チェの右ローには右ストレートを合わせて行く。炎出丸の右ローが早くも聞き始め、チェは膝を折る場面も。
3R、炎出丸がジャブ、右ロー、左ミドル、右ストレートで快調に攻める。右ローにバランスを崩して足を上げるチェ。そこで炎出丸が右ヒジ! カットに成功する。ドクターチェック後、止められるのを恐れたかチェは逆転を狙ってラッシュをかける。ガムシャラに攻撃を仕掛け、炎出丸は変わらぬペースで攻めてヒジも狙う。
4R、チェが右ローを思い切って蹴り、ハイキックや右ストレートも繰り出す。炎出丸はジャブ、左ミドル、右ローを上手く組み合わせてそれぞれを当てて行くが、後半はチェが右ローと右ストレートで攻め、さらにヒジ。
5R、逆転を狙うチェが一気にラッシュを仕掛ける! 右ローからパンチとヒジで猛ラッシュ、炎出丸はこのラッシュに何度も仰け反る。パンチとローでガンガン前へ出て行くチェに押され気味の炎出丸だったが、ローに合わせての右ストレートで逆襲、チェはそれでも前へ出てパンチとヒジを繰り出す。
そこへ今度は炎出丸の左縦ヒジがヒット! チェは再び流血し、ドクターチェックの末、ストップがかかった。
▼第5試合 スーパーライト級 3分5R WBCムエタイルール
○菅原勇介(TARGET)
TKO 2R2分45秒 ※ヒザ蹴りでレフェリーストップ
●キム・ヒョンスク(韓国/ティファムエタイ/世界MK連盟ライト級チャンピオン)
減量苦からスーパーライト級に階級を上げての第一戦となる菅原。対戦相手はパワーファイターだというキム。
1R開始早々、菅原のヒザ蹴りがローブローになってしまい一時中断。再開後、両者共に首相撲からのヒザ蹴りの攻防となり、キムはヒジも狙う。パンチ、キックで前へ出て組み付くキム。しかし、首相撲でコントロールして倒すのは菅原の方だ。
2R、首相撲で崩してマットに叩き付け、上を奪う菅原。得意の右ストレートも2度ヒットさせ、組んでのヒザ蹴りだ。ここでまたもヒザ蹴りがローブローとなってしまったが、再開後には左ローから左ハイキック。攻撃を散らしていく。
飛び込むようにボディブローを抉りこませる菅原は、右ローでバランスを崩して逃げるキムに右ストレートを決めてダウンを奪う。さらにミドルキック、ボディストレートで腹を狙い打ち、ロープへ詰めてボディの連打! 菅原はボディにヒザ蹴りをグサリと突き刺し、前のめりになったキムの顔面へヒザを直撃! キムは吹っ飛ぶようにして倒れ、菅原が鮮やかなKO勝ちを収めた。
▼第4試合 ミドル級 3分3R(ヒジなし)
○武田一也(JMC横浜)
判定3−0 ※三者とも30−28
●克(TARGET)
▼第3試合 ライト級 3分3R(ヒジなし)
○TOMOHIKO(RANGER品川)
TKO 2R1分17秒 ※レフェリーストップ
●秋山 優(クロスポイント古河)
▼第2試合 59kg契約 3分3R
○佐藤 琉(JMC横浜)
KO 1R0分30秒 ※左フック
●榎本 貴(RANGER品川)
▼第1試合 ライト級 3分3R(ヒジなし)
○石井新一(TARGET)
ドロー 判定1−0 ※30−28、29−29、29−29
●ハチマキ(PHOENIX)
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