新日本キックボクシング協会
「MAGNUM 17」
2008年7月13日(日)東京・後楽園ホール
開場16:45 開始17:00
▼第13試合 メインイベント 日本ウェルター級タイトルマッチ 3分5R
○荻野兼嗣(ビクトリー/挑戦者・同級3位)
判定2−0 ※50−49、49−49、50−49
●正木和也(藤本/ウェルター級王者)
※荻野が新王座に就く、正木は3度目の防衛に失敗。
正木にとって3度目の防衛戦。過去2度の防衛戦はいずれもパンチによる1RでのKO勝ちと、タイトルマッチでは無類の強さを発揮している。挑戦者の荻野はMA日本キックボクシング連盟時代に同級のベルトを巻き、新日本では2005年9月に王座決定戦を行うも、その時は敗れて二冠王の夢を断たれている。同じ1999年にデビューした二人が、王座を争う。
1R、ローキックの蹴り合いから正木がサウスポーの荻野のローに右ストレートを合わせていく。正木はコンビネーションパンチで荻野をロープ際へ詰めて行き、左ボディブロー。正木がパンチで追っていく場面が目立つ。
2R、前に詰めていく正木は荻野のローに合わせて右のパンチ、右フックから左ボディへと繋げていく。荻野は下がりつつもヒジを狙い、正木が入ってくるところへ左ミドル。正木がコーナーへ詰めての連打を度々ヒットさせる。
3R、正木は荻野のローに左フックを合わせ、自分からは右ストレートからのロー、ローから右ストレートと上下に振る攻撃。荻野は下がりながらロー、ミドルを当てていくが、蹴りにパンチを合わせられるのを警戒してか、あまり手を出さない。
4R、正木が右ストレートから左ボディ、そして右ミドルをズバッと決める。上中下に攻撃を振り分けるコンビネーションが冴え、左フックから右ストレート、そして左ボディと攻める。荻野もこのラウンドは勝負を賭け、ヒジと左ミドルを返す。
5R、荻野がしつこいほどの首ヒザで優勢に。組んではヒザ蹴りを連打し、正木も最初は蹴り返していたが、荻野のヒザ蹴り連打に捕まる。試合終了のゴングが鳴ると、正木はロープにもたれかかってグッタリ。荻野は腕立て伏せのパフォーマンスで、余力があることをアピールした。
そして、判定は2−0で荻野! 3年かけて巡ってきたチャンスを逃さず、タイトル奪取に成功した。しかし、判定に納得がいかない藤本ジム陣営から抗議が出て、荻野自身も「1〜2Rはとられたかと思ったし、セコンドも2ポイント取られていると言っていたので…」というほどの接戦だった。
荻野は「向こうはタイトルマッチだと盛り上がってパンチで勝負に行くチャンピオンなので、パンチの打ち合いを誘ってくるのが今までの防衛戦。だから1〜3Rはどっこいでいいから、4と5で勝負をかける作戦でした」と作戦を明かす。
「自分から下がっていたのでパンチはよく見えていたし、2R後半に正木選手の息が切れていて、ミドルキックとか腹を嫌がっているのが分かった。首相撲の展開になったら自分のヒザが強く当たって、向こうは足を上げていただけでしたね」と勝因を語った。
▼第12試合 メインイベント 日・韓国際戦59kg契約 3分3R ※ヒジなし
○菊地剛介(伊原道場/日本フェザー級王者)
判定3−0 ※30−27、30−26、30−26
●金良植(韓国/韓国格闘技連盟ジュニアフェザー級王者)
フェザー級の絶対王者として君臨する菊地が、韓国格闘技連盟ジュニアフェザー級チャンピオンの肩書きを持つ金と対戦。金は176cmと身長で6cm菊地を上回り(菊地は170cm)、戦績は12勝4敗1分。
1R、菊地は相手のローキックに合わせて右ロー、すぐに返しの左ローと右と左のローをセットで繰り出し早くも効かせる。金はダメージをごまかすためにニッコリと笑う。その後も菊地は左右のローを放ちながら、ローをハイキックに変えてこれも左右で繰り出していく。
2R、菊地の右ローからの左ローが何度も決まるが、決め技となる左ハイキックが上手くヒットしない。右フックからの左ロー、金の動きが止まると左ローの連打など、金を圧倒して棒立ち状態にする。残り10秒のところで、菊地の右ローからの左ローで金はついにダウン。
しかし3R、このままだと負けることを悟った金がパンチで逆襲を狙う。ローの相打ち、さらにフック。菊地もフックで迎え撃ち、ローキックに繋げる。
金が接近してボディへのラッシュを仕掛けたが、菊地のヒザがローブローになってしまい試合は一時中断。その後も金は菊地のローブローをアピールする。
金は何とか倒そうとパンチでラッシュをかけ、組み付いてのヒザ蹴り。菊地は首相撲に捕らえてヒザ蹴り、離れてローキックで圧倒するもタフな金を倒すことは出来ず、投げも見舞って判定勝ちを収めた。
▼第11試合 セミファイナル ミドル級 3分3R
○後藤龍治(伊原道場/IMF スーパーウェルター級王者)
TKO 2R1分51秒 ※ヒジによるカットでドクターストップ
●宮本武蔵(治政館/日本ミドル級4位)
前回4月の『TITANS』では須藤信充を1RでKO、改めてその実力を知らしめた後藤が、武田幸三の後輩・宮本を迎え撃つ。
1R、いつものように圧力をかけてコーナーへ詰めに行く後藤に対し、宮本は右ローからのパンチ四連打。単発で終わらず、必ず四連打して後藤の圧力に対抗する。何度かその動きを見たところで、後藤はパンチに対して右ローを蹴り、右の飛びヒザ蹴りも繰り出す。宮本の右ローには右ヒジ! この一発で宮本の左頬が赤く腫れ上がる。
宮本は四連打のリズムで打ち合いを挑んでいくが、後藤はパンチを返すも打ち合いには応じず、ローやハイキックを合わせていく。
2Rになると後藤は右ロー、右テンカオ、右飛びヒザ蹴りと右からの攻撃を多用、宮本のパンチに合わせていく。宮本がフックで来ても首を抱えるようにしてヒザを合わせ、狙いすました右ヒジ! これで腫れ上がっていた宮本の左頬が破裂し、流血。ドクターチェックでストップがかかった。
快勝した後藤はマイクを持つと、「僕の試合で熱くなれましたかね? 新日本キックで試合をやるようになって3年が経ちました。せっかく僕が新日本キックに上がったので、ぜひ闘っていただきたい選手がいるんですけど」と、マイクアピール。
「K-1、K-1って言ってないで、武田さん! 同じ時代にベルトを巻いた者同士、闘ってみたいんですけど? いい返事、待ってます!」と、突如、武田幸三へ挑戦状を叩きつけたのだ。魔裟斗やアンディ・サワーと闘い、小比類巻貴之とは引き分けたこともある後藤が、武田に牙を剥いた。実現すれば日本人大物同士のビッグカードとなる。
▼第10試合 ウェルター級 3分3R
△石原裕基(伊原道場/ウェルター級8位)
ドロー 判定0−0 ※三者とも30−30
△藤田ゼン(横須賀太賀/同級9位)
▼第9試合 ウェルター級 3分3R
○土屋修平(伊原道場/ウェルター級6位)
KO 2R0分27秒 ※右フックからの連打
●林 元樹(藤本)
▼第8試合 ミドル級 3分3R
○喜多村誠(伊原道場/同級5位)
TKO 1R2分28秒 ※ヒジによるカットでドクターストップ
●青木克眞(トーエル/ミドル級1位)
▼第7試合 ライト級 3分3R
○平野一誠(トーエル/ライト級3位)
判定3−0 ※30−27、29−28、28−27
●松村清次(伊原稲城)
▼第6試合 ライト級 3分2R
△勝次(藤本)
ドロー 判定1−0 ※20−19、20−20、19−19
△竹若佑輝(八景)
▼第5試合 ウェルター級 3分2R
○本田聖典(山田)
判定2−1 ※20−19、19−20、20−19
●須本高欣(藤本)
▼第4試合 ライト級 3分2R
○直闘(治政館)
判定3−0 ※三者とも20−19
●川辺秀行(伊原道場)
▼第3試合 バンタム級 3分2R
△江幡 睦(伊原土浦)
ドロー 判定1−0
△古岡大八(藤本)
▼第2試合 バンタム級 3分2R
○江幡 塁(伊原土浦)
判定3−0
●飯塚頌悟(八景)
▼第1試合 ウェルター級 3分2R
○篠原永姿朗(トーエル)
判定3−0
●大場JUN(西八王子大塚)
|