全日本キックボクシング連盟
ALL JAPAN KICKBOXING 2008
「Reverse×Rebirth」
2008年7月26日(土)東京・後楽園ホール
開場17:00 本戦開始18:00
オープニングファイト開始17:10
観衆=1,400人(主催者発表)
▼第8試合 スーパー・ウェルター級タイトルマッチ前哨戦 70kg契約 3分5R
○山内裕太郎(AJ/全日本スーパーウェルター級王者)
判定2−0 ※47−46、47−47、47−46
●サムゴー・ギャットモンテープ(タイ/元ムエタイ三冠王)
昨年の全日本キック中量級最強決定トーナメント1回戦で対戦することが決まっていた両者。しかし、サムゴーの負傷により試合は直前で流れ、怒った山内は「2度とやることはないと思うし、オファーが来てもやりたくない」とサムゴーに絶縁状を叩きつけていた。
それでも「選手として来たオファーは断れない」と今回の挑戦を受けた山内。サムゴーは全盛期を過ぎたとはいえ、日本で三連勝中。前回6月の試合では全日本ウェルター級チャンピオンの山本優弥を判定に降している。
望月を挑戦者に迎えての全日本スーパーウェルター級王座の防衛戦が9月19日(金)東京・後楽園ホールで決定している山内だが、サムゴーはその前哨戦としては厳しい相手だ。因縁の一戦、いよいよゴング。
1R、山内がいきなりパンチで襲い掛かり、ボディへ繋げるパンチのコンビネーション。サムゴーの左ロー一発で場内はどよめくが、山内はロープ際へ追い込んでボディへ繋ぐコンビネーション。山内は一気に距離を詰めるとパンチからヒジ、サムゴーもヒジを返す。
組みながら至近距離でヒジの打ち合い。山内が離れ際にレバーブロー、左右ボディの連打。サムゴーはヒジ。サムゴーにロープを背負わせての山内の左ボディが快音を発して決まる。山内は片足を挙げながら飛び掛るように接近し、執拗なボディ攻めを何度も見せる。
再び組んでのヒジ合戦、初回終了のゴングが鳴ると、サムゴーは口を大きく開けて息をする。
2R、片足を上げて飛び込んでいく山内は一気に距離を詰め、ボディから顔面へとパンチを繋いでいく。そして組んでのヒジ合戦を展開するが、ここでサムゴーの左ヒジがヒットし、山内がダウン! サムゴーは左ミドルからヒジで前へ出る。組み合ってのヒジ合戦、サムゴーのヒジに山内は左目上をカット。山内はパンチ連打で逆襲し、アッパーとボディを叩く。
山内にドクターチェック。するとサムゴーも左側頭部をカットしているのが見つかり、両者ドクターチェックに。再開後、山内はパンチで突っ込んでいき、サムゴーは左ミドルとヒジ。組み合った状態でヒジ合戦。ボディから顔面へパンチを繋げていく山内に、サムゴーは左ミドル。そしてまたも組んでのヒジ合戦。
約15秒間の睨み合いが続き、このラウンド終了。サムゴーは左のスネからの流血が見られ、インターバル中にドクターチェックを受ける。
3R、山内がワンツーからアッパー、そして飛びヒザ蹴り。サムゴーも左ミドルとローで応戦。スタミナが苦しいサムゴーは組んでくるとヒザ、山内もヒザを返す。
連打からボディに繋げる山内、サムゴーも左ミドル。山内を足払いで転がす。パンチで追う山内にサムゴーが左ミドル、組んでのサムゴーのヒジに今度は山内が眉間から流血、ドクターチェックとなる。山内は2ヵ所を切られる苦しい展開。
両者いきなり組んでのヒジ、ヒザ。すると山内が3ヵ所目となる左目上をカットされて顔面は血まみれに。ドクターチェック後、息を吹き返したサムゴーが左ミドル。両者のコーナーへドクターが行き、サムゴーは左スネ、山内は顔3ヵ所をチェックされる。
4R、一気に間合いを詰めてパンチを打っていく山内、サムゴーも左フック。両者の血がリングサイドに飛び散る! 山内が左ボディを三度もヒットさせる。それでもサムゴーは左ミドルで応戦。両者が組み合って山内はヒジを繰り出す。サムゴーのヒジをかわして山内がレバー、右ボディストレートから詰めるがサムゴーが組み付き、クリンチに口頭注意が与えられた。
山内がパンチでロープ際に追い詰めて行くと、クリンチしてしまうサムゴー。ついにイエローカードが掲示される。一気にパンチで攻めていく山内、ワンツーがヒット、サムゴーも左ミドル。レバーブローを繰り出していく山内だが、サムゴーも左ミドルを返すタフネスファイト。
両者への大声援の中、最終ラウンドのゴングが鳴らされた。山内が飛びヒザもこれは不発。近寄ってくる山内にサムゴーが左ミドル、左ハイキック。サムゴーが前に出ると今度は山内がパンチで迎え撃つ。山内の右ボディストレート、距離を詰めてパンチを打ち込んでいく。
しかし、サムゴーに組まれてしまい連打が続かない。前へ出る山内が、ロープを背にするサムゴーへパンチ、逃げるサムゴーを追っていく山内。組んで凌ぐサムゴー。
するとここで、不用意に下がったサムゴーへ山内が走り込んでの飛びヒザ蹴り! この起死回生の一撃にサムゴーがダウン!
残り数秒での逆転劇に場内は騒然となる!(山内は前に出る時、必ずと言っていいほど片足を上げながら入り、パンチに繋げていったため、サムゴーは山内がパンチで来ると思ったのだろう)。一気に襲い掛かる山内だったが、残り時間はほんの僅かだった。
両者とも流血し、血を飛び散らせながらのタフファイト。最初から最後まで倒しに行った山内の攻めの姿勢と、いくらボディを打たれても心折れることなく必死に反撃していったサムゴーのプライドがぶつかり合った名勝負だった。
山内の判定勝利が告げられると、小林聡GMは山内の手を挙げて勝利を称える。「ありがとうございました。1月に負けちゃってから半年ぶりで緊張したんですけど、ギリギリ勝ててよかったです」と、山内はマイクで応援してくれたファンにお礼を言った。
なお試合後、全日本キックの宮田充興行部長は、タイトルマッチを行う山内と望月の両者がカットされたことを考慮して「残り2カ月しかないので(傷の治りと調整が)厳しいかも。10月に延期する方向に調整します」と発表した。
●山内のコメント
「ほっとしました。恥ずかしながら嬉しくて涙が出てきた。次はタイトルマッチなので気を引き締めて行きたい。(サムゴーとの対戦を受けたのは)僕は一選手だし、トーナメントで優勝すると言って負けているし、ドタキャンされた時は何でって気持ちがあったけど2度目はないと思ったので恨みを晴らしてやろうと思いました。
サムゴー対策は前回の時からずっとやってました。自分の中では完璧くらいやったけど、さすがサムゴーはその上を来るな、と。いい勉強になりました。(左ミドルは)気をつけていたんですが、サムゴーは左サイドしか動きがないと思って練習してきたので、まさか(カットされた)右ヒジをやられるとは思っていませんでした。
(ダウンは)気持ちが前に出ると顔も前に出る悪い癖が出てしまいました。緊張はムチャクチャしてました。でも、応援してくれるみんなが勝ち名乗りを受けた時に祝福してくれるので、それを味わうともっともっとキックをやりたいと思いました。
(飛びヒザは)この野郎〜と思って行きました。ヒザを出して惜しいと思っていたので、最後はいろんなものを捨てて飛びましたね。ダウン取られたし、ヒジでも切られたので行くしかなかった。行かなきゃダメだと思いました。
(次回のタイトル戦は)自分はタイトルを取るのは早かったけどその後キツイ思いをしたので、なるべく渡したくないですね。望月選手とはよく似ていると言われるので、いい試合をして最後に勝つのは自分にしたい」
▼第7試合 スーパー・ウェルター級タイトルマッチ前哨戦 70kg契約 3分5R
○望月竜介(UWFスネークピットジャパン/同級1位)
KO 5R2分38秒 ※3ノックダウン
●貴之ウィラサクレック(WSRフェアテックス/全日本ミドル級3位)
山内裕太郎の保持する全日本スーパーウェルター級タイトルへの挑戦が9月19日(金)東京・後楽園ホールで決定している望月、その前哨戦として迎えた相手は6・8M-1で我龍真吾をヒジで1RTKOに降した貴之だ。
二連続大物食いを目論む貴之に対し、望月は4月の試合をヒジでカットされてのTKO負けで落としている。望月の師匠・大江慎コーチは「貴之は望月にとって危険な匂いのする相手」と警戒の色を強めており、一筋縄ではいかなそうだ。
1R、サウスポーの貴之に対し、左へ大きく回り込んででいく望月。すると貴之は右へ動いて望月を正面にもっていき、左ハイキック、さっそくヒジも使っていく。望月の右ローに左ヒジ、そしてアッパーを突き上げる貴之。
望月が蹴ると貴之はパンチを連打してくる。望月が前に出てくると左の縦ヒジ、離れると左ミドル。前に出てくる望月に下がりながらも左奥足をローで狙い撃ちする貴之。望月はどんどん前へ出て行くが、貴之をなかなか捕まえることが出来ない。
2R、望月の左奥足を狙い撃ちする貴之、望月が前に出てくると左の縦ヒジ、アッパーもヒットさせる。そのアッパーを空振りさせて右ストレートを入れる望月、右インローを蹴りながら前へ出る望月に、貴之の動きが止まり始める。圧力を掛けて右インローを蹴る望月、そして右のボディストレート。圧力を掛けられ続けた貴之は、前半の勢いを失った。
3R、右インローを蹴り続ける望月、コーナーへ詰められると貴之が連打で急に前へ出る。貴之の右ハイキック! そして左の縦ヒジ。左ミドルを蹴られながらも、望月は圧力を掛けて前に出て、インロー、右フック。望月が右ローを連打すると、貴之が左ストレート。望月のローが効いているが、貴之のパンチも衰えない。望月が左のヒジ、そして右アッパー。
流れが望月に傾きかけたが、貴之の右ヒジで望月の髪の生え際から血が流れ落ちる! ドクターチェック後、やはりインローを出して前に出る望月だが、貴之も負けじとパンチを打ちに行く。望月が組んでのヒザ蹴りを連打してゴング。
4R、望月が右フックから右インロー。貴之は前に出てくる望月に左ミドル、ワンツー、ヒジ。望月は組んでのヒザ。さらに右ローから右アッパー、左フック。貴之は左ヒジを振るってくる。望月の右ローに思い切り表情を歪めてしまう貴之。そこで望月が右ローでラッシュ! 下がる貴之だが、ヒジのカウンターを狙う。顔を歪める貴之とは対照的に、望月は笑みを浮かべながら前へ出て、右インローの狙い撃ち!
5R、貴之が左ミドルの連打、望月は右インロー、隙あらば貴之がヒジを飛ばす。望月の右ストレート三連打、組んでのヒザ蹴り。貴之は左ミドルと左ストレート。
右インローの痛みに耐えるようにガードを固めて動きを止め、パンチをもらってしまう貴之だが、一呼吸置いてパンチで逆襲。それでも望月がインローで前に出て、ボディを叩くと貴之の動きが止まる!
そして、望月の右インローで一拍おいてスローモーションのように貴之がダウン! 望月は右アッパー、右インロー。望月が圧力を掛けると、踏ん張る痛みに耐え切れず貴之が2度目のダウン。最後はパンチから望月が左ローを蹴ってついに貴之が崩れ落ち、望月が苦しみながらもKOでタイトル挑戦前哨戦を勝利を飾った。
●望月のコメント
「とにかく勝ってホッとしてます。本当はもっときれいに前哨戦だったので勝ちたかったんですが、貴之選手は強かった。僕の攻撃も上手く出来ず5Rまで行ってしまいましたが、作戦通りに闘って勝つことだけを考えてやって、結果に繋がってよかったです。
(カットされたのは)また切れちゃいました。僕は百発百中くらいにヒジをもらうと切れちゃう。ストップだけは勘弁してくれと思いました。血が止まってくれてよかったです。
(山内の試合は)リングサイドで見てました。本気のサムゴーだったので、気持ちが前面に出ていい試合でしたね。山内選手が僕と違うところは全日本キックを全日本キックを背負って闘っているんだな、というのを感じました。さすがチャンピオン。あのチャンピオンを乗り越えるには頑張らないといけない。山内選手に勝てるなら、その試合で終わってもいい。全てを捨てて挑みたい。
今日、負けたら本当にタイトルマッチは辞退するつもりでした。まだ一戦生き残れたな、と。山内選手とはプライベートでも仲がいいくらい、話す仲なので敵意はないですが、全力でお互いやってどっちが勝つか負けるかハッキリ決めたい。必ず僕が勝ちます」
▼第6試合 ライト級王座決定トーナメント・Bブロック代表決定戦 サドンデスマッチ 3分3R
○遠藤智史(AJ/同級4位)
判定3−0 ※三者とも30−29
●白濱卓哉(建武館/2004年・全日本新空手軽量級王者)
※遠藤が決勝戦進出、10・17後楽園で海戸淳と王座決定戦。
第1試合で本命・前田尚紀を破る番狂わせを起こした白濱と、16戦のキャリアを持つ遠藤がワンデートーナメントの決勝戦を争う。
1R、遠藤は前蹴り、ヒザで入っていく。白濱はロー、左フック。左右のローで白濱の前足を狙っていく遠藤、白濱も右ローを返して行き右のボディストレート。遠藤が左ミドルを連打すれば、白濱も左右フックを返す。白濱がフックで入ってくるところに遠藤がテンカオを合わせる。
2R、左ミドルを蹴ってローに繋げていく遠藤、前蹴りで白濱を突き放し、白濱がフックで入ってくると組みヒザ。白濱のパンチはしっかりブロック、左右のローを蹴る。
白濱が入ってくると打ち合わずに組んでヒザ、さらにジャブから組んでのヒザ。遠藤は左ミドル、ローと蹴りの距離で闘い、白濱が入ってくると組みヒザ。自分から行く時はパンチを見せてテンカオ。白濱もフックを打ち返すが、ブロックされる。
3R、遠藤のローからのジャブに白濱が仰け反る! 離れて左ミドル、組んでヒザ。白濱は豪腕を振り回すが、ブロックされて捕まれる。白濱がバックブロー、アッパーに左右フック。が、クリーンヒットは奪えない。遠藤のテンカオに白濱の動きが止まり、さらに組みヒザの連打! 下がる白濱をヒジ、ミドルで追っていく遠藤!
場内からは「やっぱり花火大会(この日は隅田川花火大会の日)よりも格闘技だな!」との声が挙がり、遠藤のセコンドのヌンサヤームも思わず「いい試合ネ!」と叫ぶ。判定は三者とも30-29で遠藤。
10月17日・後楽園ホールで行われるライト級王座決定戦(対戦相手はAブロックを勝ち上がった海戸淳)へ駒を進めた。
▼第5試合 ミドル級ランキング戦 3分5R
○江口真吾(AJ/同級1位)
TKO 4R終了時 ※ドクターストップ
●白虎(WK/チーム・C3BLAIZ/全日本スーパーウェルター級2位/元NKBウェルター級王者)
1R、じりじりと距離を詰めて右ローを蹴る江口。白虎も右ローを返して行くが、江口のローがよく当たる。白虎の左フックを空振りさせて、右ロー、左ミドルを蹴る江口。白虎のセコンドからは「ローをカットしろ!」と指示が出るが、江口の右ローがもろに白虎の左足にヒットする。
そして右ローから組み付いた江口は首相撲の展開になるとヒザ蹴りを入れながら、白虎を豪快にマットに叩きつける。その後も江口は白虎のパンチをブロックし、右ローを返すという展開が続いた。
2R、江口はすぐに白虎に組み付いて首相撲に持ち込む。そしてがっちりと白虎の頭をロックすると、強烈なヒザ蹴りとヒジ打ちを連打! 江口の右ヒジで白虎の頭がザックリと切れ、ドクターチェックが入る。
かなり傷が深く、このまま江口のTKO勝利かと思われたが、試合は続行。すると再開直後、白虎の右ストレートがヒット! この一発で白虎が江口からダウンを奪う! これでポイントでリードしたのは白虎。江口は完全に狙いを首相撲に定め、白虎に組み付くと白虎の顔を突き放してヒザ蹴りとヒジ打ち。これで白虎に2度のドクターチェックが入るが、試合は続行となる。
3R、江口はひたすら白虎に組み付いてヒザ蹴り。白虎のバランスを崩して、何度もマットに転がす。白虎も左フックや右ストレートを打つが、すぐに江口の首相撲に捕まってしまう。江口は首相撲だけでなく、組む前には右ローも蹴り、白虎にダメージを蓄積させる。
しかし白虎も江口の組み際を狙って立てヒジ! これで江口の顔面も切れ、両者にドクターチェックが入る。終盤、白虎の右フックが当たるものの、江口の首相撲からは逃げられない。
4R、このラウンドも江口の徹底した首相撲は続く。白虎の頭を両手でがっちりとクラッチして、頭を下げさせるようにしてヒザ蹴りとヒジ打ちの雨あられ。白虎の体をロープに押し込んでは、そこに鋭角的にヒザ蹴りを突き刺す。何とかブレイクを待つ白虎だったが、顔は鮮血で真っ赤に染まる。そしてこのラウンド終了後、遂にドクターが試合をストップ。江口が大流血戦を制した。
▼第4試合 バンタム級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R
○瀧谷渉太(WSK/桜塾/同級4位)
判定 3−0 ※29−27、29−28、29−27
●水原浩章(光)
昨年のプロデビュー以来、無敗の快進撃を続け、4月にはK-1のリングにも上がった瀧谷が全日本キックに凱旋! この日は真っ赤なラメのド派手なキックパンツで登場した瀧谷。これまでどこか幼いイメージのあった瀧谷だが、リングに上がると気合の入った表情で水原をにらみつける。
1R、サウスポーの瀧谷に対し右ミドルを蹴る水原。距離が詰まるとすぐにヒジを狙う。瀧谷は目線で細かくフェイントを入れながら、インローと左ミドル。水原の右ミドルに右フックのカウンターを合わせ、一気にパンチをまとめる。
攻勢に出る瀧谷だったが、水原の右のパンチがカウンターでヒット! さらにパンチで飛び込んだところにヒジ打ちを合わせられ、瀧谷の右目が腫れあがる。ここから試合のペースは水原へ。水原が下がりながらインロー、左フック、そしてヒジ打ちを的確に当てて行く。
2R、右ミドルとインローを蹴る水原。瀧谷は下がって距離を取ろうとする水原を追い掛け回し、右フックで飛び込む。さらに前蹴りから左ミドルを蹴って前に出る瀧谷。水原に右フックのカウンターで左ヒジを狙われるものの、瀧谷はお構いなしに前に出続ける。
左ストレートを立て続けに繰り出す瀧谷に、水原は下がって距離を取るばかり。ヒジや右ストレートを打つ水原だったが、瀧谷の前進は止まらない。
そして終了間際、水原がロープを背負ったところで瀧谷が飛びヒザ蹴りから左ストレート! これが鮮やかに水原の顔面を打ち抜き、瀧谷がダウンを奪う。
3R、完全に息を吹き返した瀧谷は、これまで以上に圧力をかけて前に出ていく。水原は下がりながら組みヒジ&ヒザ蹴りを狙い、右ミドルを蹴る。そこに右の前蹴りから飛び込み、左ストレートを放つ瀧谷。首相撲の展開になっても、水原の体をしっかりクラッチしてブレイクを待つ。
その後も前に出続ける瀧谷。場面場面では水原の右ストレートや左右のヒジが当たっているのだが、瀧谷は何事もなかったのように前に出続ける。
そして瀧谷は水原のインローに左ストレート、顔面前蹴り、左ミドル、左ストレートと怒涛の攻撃! 最後も水原の右ヒジをもらいながらも、瀧谷は左ストレートを返していった。
判定は29−27、29−28、29−28で瀧谷。KO勝利こそ逃したものの、1Rにポイントを取られながらも猛追を見せ、ヒジ打ちに全く臆さない気持ちの強さを見せ付けた勝利だった。
▼第3試合 フェザー級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R
○岩切博史(月心会/同級6位)
判定 3−0 ※30−28、30−29、30−29
●堀口貴博(WSRフェアテックス)
1R、ローを蹴りながら距離を詰める堀口。右ストレート、左フックを当てる。前蹴りのフェイントから前に出る堀口に対し、岩切はパンチの連打をまとめる。
左手を伸ばす堀口のタイ式ガードの隙間を狙って右アッパーを突き上げる岩切。堀口はそこに左のヒジを狙う。右ストレートで堀口を下がらせて、岩切はそこからアッパーを突き上げる。堀口はここでも左ヒジのカウンター狙い。
2R、左のテンカオで飛び込む堀口だったが、そこに岩切の左フックがヒット。さらに岩切は堀口のボディに前蹴りを突き刺す。
堀口はテンカオから前に出て、組み付くと岩切の顔面にヒジ打ち。堀口は首相撲狙いで距離を詰めていく。
そこに右アッパー、左フックを打ち込む岩切。堀口はそれをブロックしてヒジ打ちを振り回す。ボディへのヒザ蹴りで前に出る堀口。しかし岩切のパンチで堀口の首がはね上がる。パンチで攻勢に出る岩切は左アッパー、右ストレート! 堀口は何とかラウンド終了のゴングを聞く。
3R、岩切のパンチに組み付こうとする堀口。岩切も右ストレートを当てるものの、堀口は倒れない。
前蹴りで距離をとる岩切。堀口も何とか組み付くものの、ヒザ蹴りを打たずに休む場面が目立つ。
何とか堀口を倒そうとパンチで前に出る岩切だが、堀口のクリンチを崩せない。逆転のヒジ打ちを振り回す堀口だが、クリーンヒットはない。パンチを的確に当てた岩切が判定をものにした。
▼第2試合 ライト級王座決定トーナメント Bブロック準決勝 サドンデスマッチ 3分3R
○遠藤智史(AJ/同級4位)
判定3−0 ※三者とも30−26
●寺崎直樹(青春塾/同級6位)
※遠藤がBブロック決勝戦に進出。
Bブロックのもう1試合は“もう一人のナオキック”こと寺崎とAJジムの遠藤。ランキングでは遠藤が4位、寺崎が6位となっているが、結果は果たして…
1R、サウスポーの遠藤は左ミドル、右の前蹴り。寺崎はその前蹴りをキャッチして前に出ると右のヒジを振る。遠藤の右前蹴り、左ミドルをキャッチする寺崎。じりじりと前に出て、右ストレートを当てる。さらに遠藤にロープを背負わせてボディを攻める寺崎。
ここから一気にラッシュをかけようとするのだが、ここで遠藤の左ストレートがクリーンヒット! やや劣勢だった遠藤が先制のダウンを奪う。再開後、一気にパンチで前に出る遠藤。寺崎もそれをブロックして右のパンチを打ち返す。遠藤は寺崎を突き放して左ミドル。寺崎は右ローを蹴り返す。終盤、寺崎は右の縦ヒジで飛び込む。
2R、ジャブとローを出す寺崎はローのフェイントから顔面前蹴り。遠藤は左ミドルを蹴りながら、右フックを返す。インローで攻める寺崎。遠藤がバランスを崩す。セコンドの指示を聞いて前に出て行く遠藤。寺崎のインローでバランスを崩す遠藤だったが、そこに左ストレートで飛び込み、さらにテンカオを蹴る。遠藤のガードの間を狙って右アッパーを打つ寺崎。遠藤はじりじりと圧力をかけて、左ストレートで前に出て行く。
3R、遠藤は左インローと奥足ロー。寺崎はそれをすくって遠藤のバランスを崩す。ガードが高い遠藤に寺崎はボディストレート。しかし遠藤は下がらない。遠藤は圧力をかけて前に出ると、左ストレートとインロー。寺崎はずるずる下がりながら、ロープを背負う場面が目立つ。右ボディストレートから前に出て行く寺崎。
遠藤の左ミドルをキャッチして、ローを蹴り返す。しかし寺崎がパンチで前がかりになったところで、遠藤のインローがヒット! これで寺崎がダウン! 遠藤がこの試合、2度目のダウンを奪う。再開後、寺崎の右ストレートが当たる場面もあったが、遠藤はそれ以上の追撃を許さず、寺崎を退けた。
▼第1試合 ライト級王座決定トーナメント Bブロック準決勝 サドンデスマッチ 3分3R
○白濱卓哉(建武館/2004年・全日本新空手軽量級王者)
判定3−0 ※三者とも30−28
●前田尚紀(藤原/全日本フェザー級1位)
※白濱がBブロック決勝戦に進出。
伝統の全日本ライト級のベルトをかけて行われる戦い。すでにAブロックを勝ち抜いた海戸淳の対戦相手を決めるワンデイトーナメントが開催された。第1試合にはいきなりフェザー級1位の前田が登場! 対戦相手はキン肉マンのコスプレで入場したハードパンチャーの白濱である。
1R、いきなり右ローを蹴る前田。白濱はそこに鋭いジャブを突き刺す。細かいパンチのフェイントから右ローをバシバシと蹴る前田は、左ボディから顔面への右ストレート。これで白濱を下がらせる。インローを蹴って距離を測る白濱。
前田は白濱のパンチを丁寧にブロック、バックステップで距離を外すと鋭いローを蹴る。前田に比べ、やや手数が少ない白濱だが、こつこつと左右のローを当てる。左右のストレートで前に出る前田。白濱は前田の右ローを受けると、すぐに右ローを蹴り返す。
2R、ここも前田が右ロー。白濱がそこに左フックを合わせる。しかし前田も白濱の左フックに右ストレート! 徐々に試合が激しさを増していく。右ローと左ミドルで前に出る前田。白濱は左のインローを蹴る。
プレッシャーをかけて前に出る前田だが、そこに白濱のミドル、前蹴りがヒット。白濱のローで前田の体が流れる。それでも表情一つ変えずに前に出て右ロー、左ミドルを蹴る前田。白濱の大振りのパンチにコンパクトにまっすぐパンチをまとめる。
3R、ジャブで距離を測る白濱。左のインローを蹴ると、前田がバランスを崩す! 白濱をコーナーに詰めて左右の連打をまとめる前田。それをブロックしてインローを蹴る白濱。前田は白濱を下がらせて右フックを強振! さらに右のローを蹴り続ける。
白濱は距離を取りながらインロー。そこに右ストレートを合わせる前田。残り1分、組み合った状態で白濱がヒザ蹴りとヒジ打ちを繰り出すと、前田がダウン! 前田にとっては痛恨のダウンとなる。
再開後、一気に前で出て行く前田。白濱は下がりながら左フック、左ヒジ。前田は左右のミドルで前に出て、怒涛の連打! しかし白濱はそれを必死に凌ぎ、試合は判定へ。ダウンのポイントが勝敗を分ける結果となり、白濱が次の試合に駒を進めた。
▼オープニングファイト4 ライト級 3分3R
○渡部太基(藤原)
判定3−0 ※30−28、30−27、30−27
●丹藤義則(AJ)
▼オープニングファイト3 ライト級 3分3R
△倉持 巌(超越塾)
ドロー 判定0−0 ※30−30、30−30、29−29
△相馬一仁(DTS)
▼オープニングファイト2 バンタム級 3分3R
○伊藤将彦(ストラッグル)
判定3−0 ※30−28、30−27、29−27
●松倉良典(J-NETWORK/烈拳会)
▼オープニングファイト1 68kg契約 3分3R
○清水 武(藤原)
判定3−0 ※30−28、30−27、30−27
●小笠原克樹(青春塾)
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