パンクラス
「PANCRASE 2008 SHINING TOUR
第14回ネオブラッド・トーナメント 決勝戦」
2008年8月27日(水)東京・後楽園ホール
開場18:00 開始18:30
▼メインイベント(第9試合) ミドル級戦 5分2R
○近藤有己(パンクラスism/暫定ミドル級王者)
KO 2R2分41秒 ※サッカーボールキックからのパウンド
●大堀竜二(TRIAL)
パンクラスでの後楽園大会は約4年ぶりとなる近藤。戦極の國保尊弘広報が「次の試合をクリアすれば近藤選手にミドル級GPに出てもらいたい」と発言、近藤自身も前日計量で「戦極の方には出る気満々です」と話しており、次なるステップに向けて落とせない一戦となった。
1R、サウスポーの近藤に対して、右フックから組み付こうとする大堀。近藤はそれを突き放してローを飛ばす。距離を測りながら強烈なインローを蹴る近藤。
これで大堀の左足が大きく流れる。しかし意を決したように飛び込む大堀が近藤の首をキャッチ、何とかテイクダウンしようと試みるが近藤はそれを突き放す。
じりじりとプレッシャーをかけて大堀をコーナーに詰める近藤。大堀がタックルを仕掛けたところに、近藤が左のヒザ蹴り! しかし大堀はそのまま近藤に組み付いて、サバ折りでテイクダウンを奪う。
上体を起こす大堀に対し、クローズガードで粘る近藤。残り1分でブレイクとなる。再開後、近藤は左のインロー。
大堀が左フックからタックルに入るが、近藤はそれを切る。大堀は四つ組みで近藤をコーナーまで押し込む。
2R、インローを蹴りながら前に出る近藤。大堀はタックルから組み付くが、コーナーに押し込むのは近藤。大堀の体を突き放して距離を取る。ここで一度はタックルを切られる大堀だったが、二度目のタックルで組み付くと、豪快な投げで近藤をテイクダウン! しかし近藤はタックルのような形で立ち上がり、大堀の体を突き放す。
すぐにタックルに入る大堀。しかし近藤はそのタックルを切ると、すぐにサッカーボールキック! これで大堀がガードになったところで一気にパウンドの連打。大堀の動きが止まり、レフェリーが試合を止めた。
試合後、マイクを握った近藤は「今日はたくさん集まっていただきありがとうございます。パンクラスじゃまだまだ頑張っていきますんで、よろしくお願いします。そして戦極のトーナメントに出ようと思います。今からしっかりと準備して、今度こそいい内容、結果を残したいと思います。よろしくお願いします!」とマイクアピール。“不動心”近藤にしては珍しく感情の入った口調で、戦極出陣を宣言した。
▼セミファイナル(第8試合) フェザー級戦 5分3R
○アライケンジ(パンクラスism)
判定3−0 ※30−29、30−28、30−28
●井上 学(UWFスネークピットジャパン/4位)
1R、互いにサウスポーの両者。アライはジャブを突いて前に出る。井上はそこにインロー。アライは細かく体を振ってワンツー、さらにローも蹴っていく。
井上はガードを高く上げて、下がりながらミドルや前蹴り。井上がパンチから片足タックル、そこから両足タックルに切り替え、アライの体を持ち上げるようにテイクダウンする。アライは背中を見せて立ち上がり、アームロック。アライはコーナー際で体を反転させて正対する。
井上は再び両足タックル、片足タックルでアライの体を引っこ抜こうとするが、アライは倒れない。アライがギロチンチョークを仕掛けたところで、自ら引き込む井上。ここから井上はハーフガードからアライの股の間を潜るようにしてスイープを狙うが、アライもそれを潰してパンチを落とす。
2R、ジャブ、左ストレート、左ローを蹴るアライ。井上の蹴りを空振りさせると、井上がバランスを崩したところに間髪入れずにサッカーボールキックを蹴る。ガードに引き込む井上。ここでも潜りスイープを仕掛けようとするが、アライもすぐに反応して、それを許さない。
ハーフガードの状態から起き上がりタックルを狙う井上だが、アライは倒れない。グラウンドで上のポジションをキープするアライ。しかし井上がアライの体を上手く回転させて、グラウンドでポジションを入れ替えると、ここから肩固めを狙う。
アライはこれをにディフェンスし、ガードポジションでブレイクを待つ。ブレイク後、じりじりとプレッシャーをかけて前に出るアライ。井上がタックルでアライをロープまで押し込んだところで、ラウンド終了となった。
3R、インローを蹴りあう両者。ジャブで前に出るアライに対し、井上はガードを上げて足を使いながらインローを返す。そしてアライの蹴り足をキャッチして井上が片足タックル。アライはこれを切るが、井上は引き込んで寝技での仕掛けを狙う。ここはブレイクとなり、スタンドで試合が再開。
再開後、左のローを蹴る井上だったが、そこにアライが右ハイキック! これが井上の顔面をかすめる。片足タックルから組み付く井上。四つ組みの状態でヒザ蹴りを入れるアライ。井上がやや引き込むような形でグラウンドとなる。
立ち上がり、イノキ・アリ状態からローを蹴るアライ。そして高く飛び上がってボディへのフットスタンプ!
この攻撃に場内は沸きあがるが、井上は落ちついて片足タックル、テイクダウンを奪うことに成功する。残り30秒、アライがネルソンのような形で井上の体を引っくり返す。ここで試合終了。判定は3−0でアライとなった。
▼第7試合 バンタム級 5分2R
○川原誠也(パンクラスP'sLAB横浜/バンタム級4位)
TKO 1R2分9秒 ※
●今泉堅太郎(SKアブソリュート)
1R、サウスポーの今泉に対し、軽くジャブを突きながら前に出る川原。今泉のジャブをかわすと一気にパンチで距離を詰める。今泉は回って距離を取りながら左ミドル。
川原は今泉の右ジャブをかわして、すぐに右フックを返す。今泉をコーナーに詰めた川原は左ボディから顔面への右フック! ここから一気に距離を詰めてパンチをまとめると、左のヒザ蹴り!この一発で今泉が後方に吹っ飛ぶ。ここから川原はパウンドの連打!
しかし今泉も必死にガードポジションからスイープ! お互いのポジションが入れ替わりそうな、微妙なポジションとなるが、川原の打撃で今泉は頭部をカットしており、ここでドクターが傷口をチェック。今泉の傷は深く、ドクターからはストップが宣告された。
これでパンクラスではデビュー以来、無傷の3連勝となった川原は「勝ったら言おうと思ったんですけど、次は大阪の藤原さんとタイトルマッチやらせてください。あの人だったら、寝技に逃げないで殴り合いが出来るんで、よろしくお願いします」と藤原大地とのタイトルマッチを宣言! “パンクラスの新星”の今後に期待だ。
▼第6試合 ライト級戦 5分2R
○五十里祐一(パンクラスP’sLAB東京)
TKO 2R4分9秒 ※レフェリーストップ
●エリヤ(TEAM坂口道場)※松田恵理也から改名
1R、体を振りながら前に出て行く五十里。エリヤの左ミドルをキャッチしてロープまで押し込む。そこから四つ組みでテイクダウンを狙う五十里だが、エリヤは倒れない。逆に首相撲からエリヤがヒザ蹴りを入れていく。五十里はヒザ蹴りをもらいながらも、タックルでテイクダウン。
立ち上がろうとするエリヤをしつこく抑え込み、コツコツとパンチを落としながら足をまたいでハーフガードへ。上体をがっちり押さえ込んでパスガードすると、肩固めとアームロックを狙う。ここからブリッジで立ち上がろうとするエリヤだったが、五十里はすぐにタックル。
するとこの流れでエリヤがロープの間から場外に落下するというアクシデント。幸いエリヤに負傷はなく、試合は続行される。スタンドでの再開後、飛びヒザ蹴りを見せるエリヤ。五十里はそれをタックルにとらえ、テイクダウンを奪う。
2R、距離を取りながらローを蹴っていくエリヤ。組み付こうとする五十里を首相撲に捕らえるとヒザ蹴り、そして離れ際のハイキック!
五十里はこれを受けながらも、しつこくタックルを繰り返してテイクダウン。ここでも肩固めとアームロックを狙いつつ、エリヤの顔面にパンチを落とす。するとこれでエリヤが頭部をカット、ドクターチェックが入る。
再開後、ガードポジションから立ち上がろうとするエリヤだったが、五十里はそれを許さない。そして五十里がインサイドガードからコツコツとパウンド。するとこれでエリヤが再び流血し、2度目のドクターチェックが入る。長いチェックの後、試合再開となるが、すぐにエリヤの顔は血で真っ赤になり、レフェリーが試合続行不可能と判断し、試合を止めた。
▼第5試合 ウェルター級戦 5分2R
○鳥生将大(パンクラスism)
判定2−0 ※20−20、20−19、20−19
●岩見谷智義(高田道場)
昨年5月に一度対戦している両者。この時は岩見谷が判定勝ちしている。
リベンジを固く誓う鳥生が1R序盤から左ミドルを連打で当てていく。テイクダウンして上になる場面があったものの、鳥生は攻めあぐねてしまった。
2Rにはお互いに見合う展開が続く。鳥生はスタミナ切れか肩で大きく息をするようになり、自分から仕掛けられない。
セコンドについた川村が大声を張り上げて鳥生に攻めるようにうながすものの、目立った攻撃は見せられず。岩見谷がパンチで攻めるも決定打はない。僅差の判定で鳥生が勝利した。
▼第4試合 ライト級戦 5分2R
―八島勇気(パンクラスP’sLAB東京)
ノーコンテスト 1R0分56秒 ※偶然のバッティングによるカット
―マキシモ・ブランコ (戦極育成選手)
田代勝久トレーナー、吉田道場の井上俊介をセコンドにつけた戦極育成選手のブランコ。試合が始まるとサウスポーの八島のローにパンチを合わせていく。八島はブランコの右ストレートにタックルを合わせるが、ブランコはそれを切る。
ここで八島が飛びつき三角絞め! かなり綺麗な形で入ったが、ブランコはその状態のまま八島を持ち上げて豪快なバスター! これで八島の足のクラッチが外れ、ブランコが一気にパウンド!
ここでレフェリーが二人の間に割って入り、バック宙で喜びを爆発させるブランコだったが、レフェリーはバスターの時点でバッティングにより八島にカットがあったと判断。八島の負傷箇所にドクターチェックが入る。
その後、審判団による協議が行われ、廣戸レフェリーから「偶然のバッティングで八島選手にカットがありました。傷口が骨膜にまで達しており、八島選手が試合続行不可能です。そのため試合はノーコンテストです」と発表された。
▼第3試合 ネオブラッド・トーナメント ライト級決勝戦 5分2R
○スティーブ・マグダレノ(TEAM坂口道場)
TKO 1R4分47秒 ※レフェリーストップ
●AB(和術慧舟會駿河道場)
1R、ガードを上げて左右のローを蹴るマグダレノ。ABはそこにワンツー、マグダレノの首をキャッチしてヒザ蹴りを突き上げる。互いにローと右のパンチを繰り出す両者。
ここでABが飛びヒザ蹴りからグラウンドに引き込むが、マグダレノは上体を起こして強烈なパウンド! これでABの動きが止まり、レフェリーが試合をストップ。マグダレノが決勝戦で唯一のTKO勝利を収めると共にMVPの座を獲得した。
▼第2試合 ネオブラッド・トーナメント フェザー級決勝戦 5分2R
○齊藤裕俊(和術慧舟會GODS)
判定3−0 ※マスト判定
●田中康友(SKアブソリュート)
※ポイントは20−20、20−19、20−20
1R、リーチ差を生かして離れた間合いからローを蹴る田中。斎藤はそこに右フックからパンチで飛び込んでいく。田中も片足タックルでテイクダウン、スタンドでバックを奪う場面があったものの、有効な攻撃はない。
2Rになると斎藤がテイクダウンからパウンド。致命打こそ与えられなかった斎藤だが、2Rで有利に試合を進め、マスト判定をものにした。
▼第1試合 ネオブラッド・トーナメント バンタム決勝戦 5分2R
○廣瀬 勲(ストライプル)
判定3−0 ※20−19、20−19、20−18
●江泉卓哉(総合格闘技道場 武門會)
1R、サウスポーの廣瀬に対し、右ストレートで飛び込む江泉。廣瀬は江泉の前蹴りをキャッチしてテイクダウンを奪うと、イノキ・アリ状態からゴツゴツとパンチを落とし続ける。
しかし2Rに入ると、江泉がパンチと首相撲からのヒザ蹴りから反撃。廣瀬にテイクダウンを許すものの、スタンドではあわやの場面も作る。判定は廣瀬の勝利となったが、全力を尽くして戦った両者に大きな拍手が送られた。
▼パンクラスゲート第4試合 ミドル級戦 5分2R
○鈴木槙吾(ALLIANCE)
一本 2R3分56秒 ※腕ひしぎ十字固め
●成田健二(和術慧舟會東京本部)
▼パンクラスゲート第3試合 ライト級戦 5分2R
○高橋重智(GRABAKAジム)
一本 1R4分33秒 ※腕ひしぎ十字固め
●稲福優一(和術慧舟會トイカツ道場)
▼パンクラスゲート第2試合 フェザー級戦 5分2R
○清水俊一(宇留野道場/チームZST)
一本 1R2分37秒 ※三角絞め
●久保田潤郎(GOKITA GYM)
▼パンクラスゲート第1試合 バンタム級戦 5分2R
○石井拓麻(ALLIANCE)
一本 2R2分37秒 ※チョークスリーパー
●安谷屋智弘(闘心)
|