アクセルプロモーション
「格闘武道会ACCEL vol.10〜日本VSタイ国親善対抗試合」
2008年9月15日(月・祝)兵庫県民会館
開場15:30 開始16:00
9月15日(月・祝)兵庫県民会館にて、アクセルプロモーション『格闘武道会ACCEL vol.10〜日本VSタイ国親善対抗試合』が開催された。
注目は神戸の地で初めてとなるムエタイVS日本人空手家の4対4マッチであったが、下馬評通りムエタイチームは強く、残念ながら日本人空手家チームは全敗という結果となった。
交流戦第1試合、森光祐介(誠流塾/グローブ空手軽量級王者)とタイの若手リッティディエの対戦は、ウェイト68kgから55kgまで13kgも落とした森光が、減量苦に負けずいつも通りの玉砕戦法で突っ込むもののパワー不足は明らか。
ヒジは全部防いだものの、リッティディエの回りながらのローを再三浴びて判定3-0での敗戦。
続く第2試合、高橋直弘(勇誠会/格闘空手王者)とラジャの元ランカーであるK・ウォーワンチャイの対決は、リーチにかなりの差がある対戦。
ヒジを警戒してディフェンスを固める高橋だが、2R、ついにKのヒジを浴びて額をカット。
だが、これで闘志に火がついた高橋は、得意の内股蹴りでKの前足を腫れ上がらせる猛反撃に出るが、負傷が響いて判定2-0で一歩及ばず。
第3試合、元BBTV王者で120戦91勝をマークし、タイではブアカーオにも勝利したベテランのソンクラーを迎え撃ったのは、村井の欠場により3日前に急遽出場が決まった茅谷智彦(フリー)。この試合は通常のボクシンググローブではなく、オープンフィンガーグローブが採用された。
勇気あるピンチヒッター茅谷は臆さず前に出るが、やはりテクニシャンのソンクラーに2R、左ヒジを浴びせられてダウン。すぐさま立ち上がり気合いを入れた茅谷だが、勢いに拍車のかかったソンクラーのヒジ連打に捕まり防戦一方に。
ここでレフリーストップ。結果的には完敗だったが、過酷な条件で試合に臨んだ茅谷は称賛に価する。空手家としての誇りを見た試合であった。
そしてラストマッチは今までアクセルを沸かせてきた人気者・植山NINJA三千直と、タイから到着したばかりの元タイ国フェザー級王者サッミーラ
センチャイジムとの一戦となった。
ラウェイ戦が得意でこの試合に賭けていた植山は、1Rから果敢に攻めてサッミーラを防戦一方にさせる見せ場を作り会場を沸かせた。
そして2Rにはさらにトリッキーな攻撃で、せめてもの空手家1勝を期待する観客に「行けるぞ」と期待させる活きの良さを見せたが、試合巧者サッミーラはパンチから強烈なローを返す。植山は再三バランスを崩し、若干印象が悪い。
3Rに入り、このまま攻めて終わりたい植山に元ムエタイ王者も黙っておらず、さらに強烈なローを叩き込む。植山の体が曲がる程のダメージだったが、お互い最後まで打ち合う
本戦の判定はドローで今回初の延長戦に突入するが、序盤から放っていたサッミーラのローが徐々に植山の動きを鈍らせ、判定3−0でサッミーラが勝利を収めた。善戦虚しく敗れた植山だが、場内からは惜しみない拍手が送られた。
その他、オープニングファイトにはキャリア半年で全日本選手権優勝2回を始め、トーナメントで計5回のファイナリストに輝いた光ハリケーンが鮮烈デビュー! ロイヤルキングスの新鋭YUTAKAと地元神戸新人No.1の座を賭けて予想通りの熱いバトルを展開! パンチテクニックに長けるYUTAKAだったが光のパンチは予想以上に重く、得意のヒザへのコンビネーションを出せないYUTAKAは持ち味が出ず判定3-0で敗れた。
アクセル本戦ではGルールで昨年のグランプリ決勝王者・屋比久に敗れ2位の田島靖弘(ロイヤルキングス)と、同3位の谷口聡(理心塾)が好勝負を展開するも、手数の出ない谷口に終盤ラッシュをかけた田島が勝利し、地元応援団を喜ばせた。
Gルール(オープンフィンガーグローブ)では拳法のベテラン黒田昌裕(黒田道場)VS元極真の巨漢・玉川博美(フリー)が対戦。序盤様子を見る黒田に玉川が得意のローキックで仕掛ける。数発受けた黒田は回避のため距離をとり、パンチのカウンターを取りに行く展開。業を煮やした玉川が打って出ると激しい打ち合いが始まり、ここでパンチ技術に勝る黒田の右ショートストレートがまともに入り、玉川は眉間を割りダウン。ドクターチェック後、再開するとまた玉川は打ち合いに行き、同じ展開で再びパンチを浴びて2ノックダウンで黒田のTKO勝ちとなった。短いながら見応えのある試合だった。
武道会ルールでは、片山進也(水戸道場)が不運にも3日前に出場が決まった勇誠会の井上真から、パウンドからのチョークという典型的スタイルを決め1Rで快勝した。
大会の総評をアクセルプロモーション酒谷敏生代表は、「神戸の地で異種格闘技の融合を追い続けるアクセルですが、遂に立ち技最強のムエタイとの対戦を実現させることができました。元王者、ランカーを相手に予想通り全敗となりましたが、あくまでもこれは通過点。空手家たちの次への可能性も見えたと思います。アクセルを立ち上げて5年になりますが、まだまだ大勢の方々に認知されているとは言えません。今後も本物のファイターたちを集め格闘技界を盛り上げていきたいと思います」と語った。
次戦こそ、日本人の活躍に期待したい。
<全試合結果>
▼第11試合 Gルール+ヒジ2分3R
○サッミーラ・センチャイジム(タイ/元タイ国フェザー級王者)
判定R延長3-0
●植山Ninja三千直(日本/2007年格闘空手全日本ライト級王者)
▼第10試合 Gルール+ヒジ2分3R
○ソンクラー・センチャイジム(タイ/元BBTVフェザー級&元WPKF同級チャンピオン)
TKO 3R1分19秒 ※ヒジ打ち連打
●茅谷智彦(フリー)
▼第9試合 Gルール+ヒジ2分3R
○K・ウォーワンチャイ(タイ/元ラジャダムナンスタジアム認定10位)
判定2−0
●高橋直弘(日本/2008年格闘空手選手権王者)
▼第8試合 Gルール+ヒジ2分3R
○リッティディエ・センチャイジム(タイ)
判定3−0
●森光祐介(誠流塾/グローブ空手選手権連覇)
▼第7試合 Gルール2分3R
○田島靖広(ロイヤルキングス)
判定 延長2−1
●谷口聡(理心塾)
▼第6試合 Gルール2分3R
○黒田昌裕(黒田道場)
KO 1R1分30秒 パンチ連打
●玉川博実(フリー・元極真)
▼第5試合 武道会ルール3分3R
○片山進也(水戸道場)
KO 1R48秒 スリーパーホールド
●井上真(勇誠会)
▼第4試合 ボクシングエキシビジョン3分2R
山中司(ガチンコファイトクラブ)
勝敗無し
極東力(我流)
▼第3試合 Gルール2分3R
○光ハリケーン(勇誠会)
判定 2−0
●YUTAKA(ロイヤルキングス)
▼第2試合 武道会ルール3分3R
○岡村浩明(水戸道場)
KO 1R1分27秒 マウントパンチ
●嶋宮隆造(勇健塾)
▼第1試合 Gルール2分3R
○池野榮治(池野道場)
延長判定 3−0
●高地敦士(フォーオールボクシングコミュニティー)
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