▲メインイベントで勝利した“生きるムエタイ伝説”アラビア長谷川(左)を祝福する子供たち
9月21日(日)東京・新宿FACEにて、出場選手を40歳以上とするキックボクシング興行、ナイスミドル!実行委員会主催『ANTI-AGEING
FIGHT NICE MIDDLE!<アンチエイジングファイト ナイスミドル!>』が旗揚げされた。
同大会は40歳以上のキックボクシングイベント。大会名のナイスミドルの由来は、「かっこよさと思慮深さを兼ね備えた中年男性」(大辞泉)という本来の意味や、キックや空手などの打撃系格闘技の試合でミドルキックがうまく決まったときに、セコンドが使う「ナイスミドル(キック!)」という言葉から取ったもの。
→最短決着となった第2試合。タイムは23秒!
大会の最大の特徴は、2008年4月より40歳以上のメタボ検診が義務付けられ、いまや40〜74歳の男性の2人に1人が該当すると言われているメタボリックシンドロームに対抗するため「体重ではなくウエスト」を合言葉に、階級を従来のウエイト制ではなく“ウエストサイズ”によって分けたこと。
※ウエストサイズ95cm以上は「スーパーメタボ級」、85cm〜95cm未満を「メタボ級」、75〜85cm未満を「ヘルシー級」、75cm未満を「スリム級」の4階級に区分。
→「今日は“勝利”という荷物を家に持ち帰る!」とコメントした運送屋の不動心(右)
応募者の中からトライアウトが行われ、そこで出場選手が選考。バス運転士や歯科医師、不動産屋などあらゆる業種の選手が集まり、全15カードが組まれた。
家族や会社の同僚といった応援団が声援を送る中、試合はスタート。ノーガードで打ち合うといった試合展開が多く見られ、前半戦はKOが続出。
後半戦では、格闘技のキャリアのある選手同士がぶつかったために判定決着が続く。そんな中、最も会場を沸かせたのが第10試合の片山小源太(内装業/チームグローブ)VS本多信一(一級建築士/ウィラサクレックジム池袋)の“54歳VS59歳対決”。
→日本大学キックボクシング部監督を務める當摩(左)は1Rにダウンを取るも、2Rにヒザ蹴りでKO負け
今大会最高齢の本多は「家族の反対を押し切ってきました」と並々ならぬ意気込み。元全日本キックバンタム級4位で試合が34年ぶりという片山に対し、真っ向からパンチを打ちに行き、ダウン寸前に追い込む猛攻を見せた。
激戦の末に判定で敗れた本多だったが、会場からこの日一番の拍手が送られている。
→最高齢59歳で出場の本多(右)はパンチで反撃も判定負け
第13試合の河野啓司(電機メーカー/ブリザードジム)VS菅野一教((有)福永電業店長/PHOENIX
ファンキーガッツメン)、そして第14試合のMACADAMIA
TOCCHI(加圧トレーニングインストラクター/ストライプル)VS知童健次郎(電設資材商社/光ジム)の2試合では、一進一退の攻防が繰り広げられ、判定では決着つかず。ウエスト数値の低い方が勝者となる、“大会らしさ”溢れるルールでMACADAMIA
TOCCHIと河野が勝ち名乗りを受けた。
「なぜ、あなたがこのリングに……」というアナウンスのもと、メインイベントに登場したのは、元ラジャダムナン4位の“生きるムエタイ伝説”アラビア長谷川(ムエタイジム会長/アラビアジム)。
→元ラジャ4位のアラビア長谷川(右)は前蹴りなどの蹴り技で圧倒
「格闘技の芸術ムエタイの真髄を見せる」という意気込みどおり、対戦相手のモンスター“THE LASER”SAKURA(レーザーメーカー/チームSAKURA)を前蹴り、ミドルで寄せ付けず、フルマークの判定勝利を収めている。
大会終了後、大森敏範・大会実行委員長は「序盤、担架で運ばれるようなKOがあったりしてヒヤヒヤしました。今は大きなケガがなく終わったことでホッとしています。好試合が続いて、全ての試合が良かった。内容も申し分なかったですね」と総括コメント。
なお、次回興行は11月23日(日)同所で開催を予定している。
ナイスミドル!実行委員会
「ANTI-AGEING FIGHT NICE MIDDLE!
<アンチエイジングファイト ナイスミドル!>」
2008年9月21日(日)東京・新宿FACE
開場16:30 開始17:00
<全試合結果>
▼メインイベント(第15試合) ヘルシー級 ムエタイマッチ
○アラビア長谷川(41歳/ムエタイジム会長/アラビアジム)
判定3−0 ※三者とも20−18
●モンスター“THE LASER”SAKURA(=桜沢明優/48歳/レーザーメーカー/チームSAKURA)
▼セミファイナル(第14試合) ヘルシー級
○MACADAMIA TOCCHI(=石原利生/44歳/加圧トレーニングインストラクター/ストライプル)
ウエスト数値 71−73
●知童健次郎(44歳/電設資材商社/光ジム)
※判定は20−19、20−20、20−20の1−0でドロー
▼第13試合 スリム級
○河野啓司(41歳/電機メーカー/ブリザードジム)
ウエスト数値 71.5−73
●菅野一教(42歳/(有)福永電業店長/PHOENIX
ファンキーガッツメン)
※判定は20−19、19−19、19−20の1−1でドロー
▼第12試合 メタボ級
○小川貴弘(44歳/システムエンジニア/超越塾)
KO 2R1分25秒 ※左フック
●柴田純一(40歳/商社マン/Ranger品川)
▼第11試合 メタボ級
○大谷 智(43歳/空手指導員/超越塾)
判定3−0 ※三者とも20−18
●松本浩一(48歳/運送業/西山道場)
▼第10試合 ヘルシー級
○片山小源太(56歳/内装業/チームグローブ)
判定2−1 ※20−19、19−20、20−19
●本多信一(59歳/一級建築士/ウィラサクレックジム池袋)
▼第9試合 スリム級 ムエタイマッチ
○タナカレック・アラビアジム(=田中圭/41歳/アルバイト/アラビアジム)
KO 2R1分41秒 ※ヒザ蹴り
●當摩和雄(41歳/プレス工/チームTAEMA)
▼第8試合 ヘルシー級
○室伏浩平(48歳/胡蝶蘭の生産・販売/アクシス横浜)
判定3−0 ※20−19、20−18、20−19
●チュンメン(=新井正享/47歳/産業廃棄物処理/藤ジム)
▼第7試合 メタボ級
○丸山祐之(43歳/自営業/鍛錬会)
KO 1R0分24秒
●中山健生(43歳/医療機関/グレイシーバッハ東京)
▼第6試合 ヘルシー級
○芳樹(=藤原芳樹/42歳/不動産会社社長/KFGジム)
判定3−0 ※20−18、19−18、20−18
●畑太(43歳/学生服メーカー/チームHUTOSHI)
▼第5試合 ヘルシー級
○しんのすけ(=高津祐一/48歳/IT関連会社会長/藤本ジム)
KO 1R1分58秒
●笹嶋アキト(=笹島昭人/42歳/トンネル工事現場監督/TEAMアキト)
▼第4試合 スリム級
○不動 心(=小室富雄/41歳/セールスドライバー/VERTEX)
判定3−0 ※20−19、19−18、19−18
●金綱秀忠(46歳/製本業/建武館)
▼第3試合 メタボ級
○諸澤和人(41歳/バス運転士/拳蹴塾)
KO 1R0分59秒
●山下博信(43歳/運送業/TEAM BADASS
13)
▼第2試合 U−40 メタボ級
○薄葉貴司(35歳/中央卸売市場/コアジム)
KO 1R0分23秒
●山崎明(37歳/歯科医師/ストライプル)
▼第1試合 U-40 ヘルシー級
○光山敏行(36歳/運転手/TEAM☆SPIRITS)
KO 2R1分16秒
●芹澤徹郎(39歳/介護施設代表/チーム息切れ)
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