ニュージャパンキックボクシング連盟/センチャイムエタイジム
「MuayThaiOpen5」
2008年10月5日(日)東京・ディファ有明
開場15:30 開始16:00
▼メインイベント 66.5kg契約 3分5R
○センチャイ・ソー・キングスター(タイ/ルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級王者)
判定3−0 ※49−48、49−47、50−47
●小宮由紀博(フォルティス渋谷/J-NETWORKスーパーライト級1位)
現在ムエタイ界の頂点に君臨するスーパースター、センチャイが4度目の来日を果たした。過去の来日では触れた瞬間に相手を投げ飛ばすというまるで達人のような神技を披露し、ムエタイ芸術を多数披露している。
対するはJ-NETWORKのエースとして、M-1ではクンタップ、J-NETWORKではツグト“忍”アマラを破っている小宮。今回は67kg契約ということで、普段60kg以下で闘っているセンチャイよりも有利。必殺の右ストレートで大番狂わせを起こすことが出来るか?
1R、さっそく仕掛けていくのは小宮。右ローを主軸に左フックから右ストレート、ワンツーと果敢に打って出る。センチャイはなんと踵落としを繰り出し、左ハイキックで脅しつつ前蹴りで距離を取る。小宮をコーナーへ追い詰めると、ジャンピングキックを放つが、勢い余ってロープの外に出てしまった。
センチャイが前蹴りで小宮を吹っ飛ばすシーンはあったものの、1Rは様子見に終始。得意の右ストレートや右ミドル&右ローで攻めて行ったのは小宮の方だった。
しかし、センチャイが試合後に告白したところによれば、この1Rに放った左ハイキックで自分の足を痛めてしまい、思うように動けなかったのだという。そのためか、この試合でセンチャイは精彩を欠いた闘いぶりに終始する。
2R、小宮が右ローと右ミドル、さらにパンチのコンビネーションで攻めれば、センチャイもフェイントを交えながら左ハイキック、前蹴り、右ローキックで押し返す。左ハイキックをフェイントして右足を引っ掛けて小宮をコカそうとするが、これは小宮が耐える。するとすかさず前蹴りで吹っ飛ばす。
小宮はパンチから右ロー、センチャイが左ハイキックを放ち、それに小宮がパンチを返すと、かわして小宮の重心を浮かせて左フックから右のショートフック! これでセンチャイがダウンを奪う! タイミングでのダウンだったので、小宮にダメージはなく、センチャイが詰めてくるとパンチで打ち返す。
3R、小宮が反撃を開始。パンチで突っ込んで行き、連打から右フック、右ストレートをヒットさせる。センチャイは組み付いての投げで小宮をマットに激しく叩きつける。小宮の右ハイキックがヒット! センチャイも右ストレートを返す。ハイキック、前蹴りで距離をとるセンチャイは余裕の踵落としまで繰り出す。
左ハイの多用、組んでのヒザ蹴り、投げと要所要所で上手さを発揮するセンチャイだが、このラウンドは小宮のパンチのヒット数が多く、優勢に立ったと思われた。
4R、小宮がセンチャイの左ハイキックを空振りさせて左フック、右ローをヒットさせる。センチャイは片手を着いてのハイキック(カポエラキック)、小宮にロープに押し付けられると両足で抱き付いての脳天ヒジ落とし。組み付くと小宮を軽々とマットに叩きつけていく。
小宮のフックを近距離でもスウェーでかわし、左ミドルを的確に当てていくセンチャイ。小宮がパンチで入ってくるとスッと懐に入り、投げで転がしていく。
5R、パンチと蹴りのコンビネーションで前へ出て攻める小宮、センチャイは組んでの投げ。前蹴りで突き放し、小宮が蹴ってくると蹴り足を掴んで倒すセンチャイの形相は必死そのもの。決して余裕のある感じではないが、踵落としを放つ。
小宮は右ストレートをヒットさせると、そのまま右ヒジ! 組んできたセンチャイにもう一発右ヒジ! まさかの場面に場内が大きく沸く。それでもセンチャイは冷静に前蹴りで突き放し、左ハイキックを放っていく。攻め込まれた感はあったが、最大3ポイントの差をつけてセンチャイが判定3-0で勝利した。
意外な苦戦を強いられたセンチャイは「今日の出来はあまりよくないね。1Rに自分のハイキックで足を痛めてしまった。今日の出来は60%くらい。2Rはダウンを取ったので確実に勝ったと思ったけど、取られたラウンドはないと思う。疲れはなかったよ」と苦笑いするセンチャイ。
「相手は右のキックが良かったし、いい選手だ。キックとパンチ、両方とも効いたよ」と小宮の強さを認め、「4、5Rはもう勝ったと思ったので無理はしなかった」というのが小宮に攻められた理由らしい。「最初からKOを狙っていったのに、足を痛めたから出来なかった」と残念そうに語った。
今後、センチャイの海外試合は11月30日にオランダ、2月2日にイギリスでの試合が決まっているという。
大健闘も敗れた小宮は「効いたのは全くない。ダウンもフラッシュに近い感じだったので、そこが自分の集中力のなさ。情けない」と悔しがる。センチャイの強さを聞かれると、「感覚的な部分なので表現しづらい。こんなに見切りの上手い選手とやったことがない。絶対に当たるタイミングで、フェイントもスピードも付けて絶対に当たるはずなのに当たらなかった」と答えた。
「どこを狙うかと考えていたんですが、そこを潰すのが上手い。間合いが絶妙でそこに付き合っちゃったのかな。自分が倒れてからも、すぐに俺が効いてないのに気が付いて、ラウンドごとの組み立て方が今までに味わったことのない上手さだった。5Rのヒジは手応えあって嫌がってたのも分かったんですが、そこから逃げるのも上手かった」と、センチャイの“見えない強さ”に舌を巻いていた。
▼セミファイナル ライト級 3分5R
○シラー・トーバンセン(タイ/ワイルドシーサー/元ラジャダムナン&オムノーイ2階級王者)
KO 3R2分51秒 ※右ローキックで3ダウン
●藤牧孝仁(はっまこムエタイ/全日本キックボクシング連盟ライト級3位)
山本佑機と細野岳範に判定勝ち、壮泰とは引き分けている元ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級&オムノーイスタジアム認定フェザー級王者のシラー。対するは全日本キックのランカー藤牧。
1R、シラーがジャブと前蹴りを出しつつ左フックから右ロー。ロープを背負って藤牧を誘い、右ローを浴びせていく。
2R、シラーが左ジャブから右ロー、左ミドルから右ロー、ヒジから右ローと全ての攻撃を右ローへ繋げていく。藤牧は初回に続き、ラウンド終盤に蹴りへパンチを返したくらいで、攻撃が目立たない。右ローを蹴られっ放しという印象を受ける。
3R、ここまでローを蹴られっ放しだった藤牧が、左右フックで勝負に出る。しかし、シラーは左フックから右ロー、ジャブから右ロー、左ミドルから右ローと集中打を浴びせ、ローに藤牧の体が泳ぐ。その右ローでシラーが立て続けに3度のダウンを奪い、KO勝利を収めた。
▼第11試合 54.5kgVS55.5kg契約 3分5R
○デェダムロン(タイ/立川KBA/元ルンピニーーミニフライ級&ライトフライ級王者)
KO 3R0分39秒 ※右フック
●牧 裕三(アクティブJ/J-NETWORKバンタム級王者)
デェダムロンが54.5kg契約、牧が55.5kg契約という変則的な契約体重で行われたハンディキャップマッチ戦。デェダムロンは国崇、レオン・ケイスケに判定勝ち、7月のNJKFでは前田浩喜を2RにTKOで破り、連勝をストップさせた男だ。
1R、デェダムロンが左ミドルと左インロー。牧はその左ミドルに必ずローを返し、ローからパンチへと繋げていく。牧が繰り出したヒジに怒ったデェダムロンは、ボディから顔面へのシャトルフック。終了間際には牧が右ストレートを連発して打ち合う。
2R、牧がパンチで入っていくと、意外にもパンチが何発もデェダムロンを捕らえる。左フックがクリーンヒット。デェダムロンはミドル、ハイキックと高めの蹴りを蹴り続けるが、牧はローからパンチを当てていって優勢に。
しかし3R、牧が右アッパーをヒットさせたのを皮切りに打ち合いに行ったところ、牧の右フックにデェダムロンが右のカウンター! モロに喰った牧は後方へ弾け飛び、デェダムロンのKO勝ちとなった。
▼第10試合 67.5kg契約 3分5R
○K・ウォーワンチャイ(タイ/センチャイムエタイ)
TKO 4R2分43秒 ※ヒジによるカット
●亜紀斗(はまっこムエタイ)
日本で数戦闘っているが、あまり戦績の芳しくないKと現在三連勝中の亜紀斗が対戦。
1R、亜紀斗はジャブで距離をとってローキック&ボディへのパンチ。Kは最初からハイキックを多用し、前蹴りも使うが、ハイしか狙ってないのではないかと思えるくらいハイキックを連発。
2R、亜紀斗がジャブ、そしてロー&ボディ攻め。Kはボディを打ってくるところにハイキック狙い、中盤からは亜紀斗のパンチにヒジも多用する。
3R、亜紀斗がフックをヒットさせるとKはヒジを多用。これで左目尻をカットし、ドクターチェックが入る。Kはハイキック、亜紀斗が飛び込むと同時に右フック! Kが両膝を着いてダウン! Kは逆転を狙ってヒジを連発していく。
4R、ジャブとローで堅実に攻める亜紀斗。しかし、Kは執拗なヒザとヒジ。離れた距離からもヒジを振るっていく。そして右ヒジ一閃! これでカットに成功し、TKOで逆転勝利を収めた。
▼第9試合 フェザー級 3分5R
○パティパンS.小林(タイ/誠至会/元ラジャダムナンスタジアム認定スーパーバンタム級王者、元ルンピニースタジアム認定フェザー級王者)
TKO 3R2分59秒 ※ヒジによるカット
●心・センチャイジム(センチャイムエタイ)
6勝1敗の好成績を持つ心は21歳の新鋭。対するは元ラジャダムナン&ルンピニー王者で、今年6月には国崇を破っているコバヤシ。
1R、前蹴りを多用するコバヤシに心はローからパンチで果敢に突っ込む。2度、崩してコカされるとコバヤシはニヤリ。ラウンド終了間際には蹴り足をとってコカし返す。
2R、コバヤシが右ミドル、心はそれに合わせての軸足蹴りでコカす。両者に消極的ファイトで注意が与えられるほど見合いが多い。コバヤシは組むとヒジを使い、ハイキックを空振りさせての右ヒジ、組んでもう一発。さらに組んでのヒジ連発。
3R、コバヤシは自分から下がって心を誘い込み、心が乗ってこないと右ミドル。心が来ると組んでのヒジ。そして、ロープ際で体を入れ替え、心を押し込んでの右ヒジでカットに成功し、組んでのヒザ蹴り。終了ゴングが鳴ったがドクターチェックとなり、ストップがかかった。
▼第8試合 37kg契約 2分3R
○伊藤澄哉(尚武会)
判定3−0 ※三者とも30−29
●大田原友亮(センチャイムエタイ)
▼第7試合 ヘビー級 3分3R
○敏・センチャイジム(センチャイムエタイ)
判定2−0 ※30−30、30−29、30−28
●山中政信(アイアンアックス)
▼第6試合 63.5kg契約 3分3R
○宮島教晋(誠至会)
判定3−0 ※三者とも30−28
●獅・センチャイジム(センチャイムエタイ)
▼第5試合 バンタム級 3分3R
○増田利之(E.S.G)
判定3−0 ※29−28、30−28、30−27
●鈴木貴善(OGUNI)
▼第4試合 ライト級 3分3R
○宮越慶二郎(拳粋会)
判定3−0 ※30−29、30−29、30−28
●亮・センチャイジム(センチャイムエタイ)
▼第3試合 スーパーフェザー級 3分3R
○鈴木翔也(OGUNI)
KO 3R2分18秒 ※レバーブロー
●柔・センチャイジム(センチャイムエタイ)
▼第2試合 ウェルター級 3分3R
○高橋誠治(町田金子)
判定3−0 ※30−29、30−28、30−27
●千明裕介(上州松井)
▼第1試合 バンタム級 3分3R
○凱・センチャイジム(センチャイムエタイ)
判定3−0 ※30−29、30−29、30−28
●トムヤム・クメ(キング)
|