NKB/日本キックボクシング連盟
「2008闘争シリーズ」
2008年10月12日(日)東京・後楽園ホール
開場17:00 開始17:30
写真&テキスト=鈴木雄一郎'
▼メインイベント(第12試合) NKBバンタム級タイトルマッチ 3分5R
○宮崎康晶(MTOONG.S/挑戦者・同級1位)
TKO 3R0分40秒 ※3ノックダウン
●野口康裕(大阪真門京都/王者)
※宮崎が第5代王座に就く。
1R、右フックやストレートといった、パンチ主体の野口に対し、ミドルを中心としたムエタイスタイルの宮崎。先に仕掛けたのは野口だった。
野口は宮崎のガード越しでも、それをこじ開けるかのように左右フックを繰り出していく。ここから次第に打ち合いの展開となるが、野口が右フックでダウンを奪う。
明らかに効いている宮崎に、更なる猛追をかける野口。たたみ掛けるかのようなラッシュを仕掛け、またもや右フックで2度目のダウンを奪う。
野口の猛攻に必死に耐える宮崎は、起死回生のヒジ打ち! これで野口が目尻をカットする。更に宮崎の左ハイが野口の顎をかすめ、逆転劇かと思われたが、ここでラウンド終了のゴングが鳴る。
2R、ここまで2度のダウンを喫しながらも、前へ出る宮崎。このラウンドは宮崎から攻撃を仕掛け、首相撲からのヒザ蹴りで野口を追い詰める。
しかし、野口は上手くここから脱出。その後、野崎は得意の右ストレートで宮崎に応戦、宮崎をガードごとはじく威力に、会場は騒然となった。野口の目尻の出血が進む中、宮崎のカウンターの右フックが野口をとらえ、宮崎がダウンを奪い返す! ここから宮崎が猛攻!
首相撲からのヒザ蹴りを連発し、このラウンド2度目のダウンを奪う。宮崎のヒザ蹴りを被弾した野口は出血が更にひどくなり、血しぶき舞う試合展開へと変わっていった。
3R、ゴングが鳴った直後に、野口にドクターチェックがかかる。やはり出血がひどく、血が止まらない様子だ。
そんな緊張感が走る中で、試合は続行となった。先手を打ったのは宮崎だ。野口のパンチをかいくぐり、首相撲からのヒザ蹴りで野口に全く何もさせず、ダウンを奪う。
その後も宮崎は首相撲からのヒザ蹴りで野口を攻め立て、2度のダウンを奪い、ついに野口が力尽きた。この瞬間、宮崎が新王者に輝いた。群雄割拠するバンタム級戦線の世代交代を、宮崎が成し遂げた。
▼セミファイナル(第11試合) NKBフェザー級王座決定戦 3分5R
○富原 誠(神武館/同級1位)
判定2−0 ※50−48、49−49、49−48
●ヤスユキ(SKBG/同級2位)
※富原が第7代王座に就く。
1R、ハードパンチャーとして知られている富原は、得意のパンチで試合を組み立てていく。対するヤスユキはムエタイ仕込みのミドルを主体として試合を組み立てる。
富原がワンツー、フックからローをつなげれば、ヤスユキはミドルやハイで応戦。両者共にやや落ち着いた展開だが、手数では富原がやや上回るか。このラウンドはお互い様子見といった展開となった。
2R、左ミドルから前蹴り、ハイの蹴りのコンビネーションを組み合わるヤスユキ。これを富原は上手くガードをし、回り込んでからのローを放つ。その後もローから右ストレートや左フックなどコンビネーションを仕掛けていく富原。しかしヤスユキの鋭いヒザ蹴りが、富原をとらえ、富原の動きが止まる。
3R、先に仕掛けたのは富原。パンチのラッシュを仕掛けて、ヤスユキをロープに詰めると、更に富原はラッシュを強める。
防戦一方になるヤスユキだったが、ロープ際から脱出し、距離をとると首相撲からヒザ蹴り、テンカオを使い分ける。それには富原もヒザ蹴りで応戦する。
4R、ヤスユキの左ヒジで、富原が目の下をカット。ここからヤスユキはヒジ打ちを多用、更に首相撲で富原を崩しにかかる富原は渾身の右フックで、ヤスユキのガードをこじ開け、そこから右ストレート! これがヤスユキの顔面をとらえるが、当たりが浅かったのか、ヤスユキに効いている様子はない。
5R開始早々、今度は富原のヒジがヤスユキの額をカット! これでヤスユキはドクターチェックを受ける。試合再開後、富原の右ストレートがヤスユキの顎をとらえ、ヤスユキの顔を跳ね上げる! その後、このラウンドは互いに打ち合う場面が多く、ラスト10秒になると、互いに足を止めてパンチで打ち合い、会場を盛り上げた。判定は乱打戦を制した富原。富原が二度目の王座返り咲きを果たした。
▼第10試合 ウェルター級 3分5R
△高橋賢哉(渡辺/同級3位)
ドロー 判定0−1 ※48−49、49−49、48−48
△岡田清治(大塚/同級4位)
1R、開始早々、前へ出る岡田。しかし、高橋は首相撲で岡田の首をロックし、岡田に攻めさせず。それでも前に出る岡田は得意のパンチで高橋に圧力をかけていく。高橋は、これに屈することなくパンチで応戦。
2R、ワンツーを主体としたパンチで、先手をとる岡田。高橋の攻撃をかいくぐり、高橋の懐に入ると、岡田が右フックで高橋からダウンを奪う。
そのまま仕留めにかかりたい岡田は、その後も手を休めずに高橋に圧力をかけながら攻め立てていく。しかしラウンド終了直前に、高橋の右ストレートが岡田をとらえ、岡田の足が止まる! グラつく岡田だったが、ここはゴングに救われた。
3R、ジャブと前蹴りで距離を測る高橋。それでも岡田は愚直なまでに前に出る。接近戦になると、高橋は岡田の首をとらえ、首相撲を多用し、岡田の動きを封じにかかる。
その後も高橋の首相撲地獄は止まらず、首相撲からのヒザ蹴りで岡田を仕留めようとする。ここから何とか脱出した岡田は、手を休めることなく、右ストレートを中心に高橋に応戦する。
4R、3Rまで果敢に前に出ていた岡田だったが、ここのラウンドから失速。高橋の前蹴りやテンカオを岡田は被弾してしまう。このラウンドは高橋のヒザ蹴りが止まらず、岡田に何もさせない。
5R、さらに高橋のヒザ蹴りが岡田をとらえる。それでも岡田は右ストレートや左フックなど、パンチ主体の攻撃を出し続けるが、岡田は高橋のヒザ蹴りに捕まる場面が多く見受けられ、動きを封じられてしまう。しかしお互いに決定打は欠いているものの、最後まで手を出し続ける姿に会場内が沸いた。
判定の結果はドロー。特に何度攻撃を受けても倒れない岡田の姿に、会場内からは溢れんばかりの岡田コールが。「これぞ5回戦」という内容の試合を見せてくれたと言えるだろう。
▼第7試合 フライ級 3分5R
△信末小僧(仲FG/同級3位)
ドロー 判定1−0 ※50−49、49−49、49−49
△鈴木和樹(大阪真門/同級4位)
1R、両者が見合う状態や首相撲の状態が続く。ラウンド中盤、信末の右ヒジが鈴木の目尻を切り裂くものの、両者手数が少なく、スローペースな立ち上がりとなった。
しかし2Rは1Rと打って変わって、パンチの打ち合いになる。その中で信末の左ハイが、鈴木の頭をかすめるが、その後は信松が鈴木のパンチのコンビネーションに苦しめられる。
圧力をかけながら攻め立てる鈴木に、信末は後退してしまう。互いの打ち合うシーンが多く、1Rにヒジで切られた鈴木の目尻の出血が更にひどくなる。
3R、前に出ながらストレートやフックを仕掛ける鈴木に、後退してしまう信末。何とか突破口を見出したい信末は距離をとって左ミドル。するとこれが鈴木を的確にとらえ、鈍い音が会場内に響き渡り、場内は騒然となる。ここから信末が鈴木にロープに詰めて一気に攻め込むが、鈴木はこれをうまく回避。逆に鈴木がすかさずパンチのラッシュを仕掛け、信末の動きを封じる。
4R、ここに来て出血が目立つ鈴木。信末はヒジ打ちを多用し、鈴木をさらにカットしようと試みるも、鈴木の圧力に度々後退してしまい、攻め切れない。
このラウンドは互いにパンチ主体のスタイルに切り替えたのか、蹴りがあまり見られなくなる。
5R、真っ向から打ち合う展開となり、試合は鈴木の出血が更にひどくなる流血戦へ。打ち合いの中で、信末がコーナーに追い込まれ、鈴木の猛攻を受ける。
信末はこれを何とか回避、ヒジを多用したコンビネーションを活かして反撃する。終盤は互いに手を止めずに激しく打ち合い、試合終了のゴングが鳴った。
判定はドロー。好勝負を繰り広げたと見た観客から惜しみない拍手が送られる。両者は共に初の5回戦、しかし初めての5回戦とは思えないほどの高レベルの試合を展開していた。
▼第9試合 ライト級 3分5R
○岩田 洋(八王子FSG/同級5位)
判定3−0 ※50−48、50−47、50−47
●谷村 央(勇和会/同級4位)
▼第8試合 ライト級 3分5R
○ラック・ラタナデック(タイ/MTOONG.S)
TKO 2R1分37秒 ※3ノックダウン
●NOBU(大塚/同級7位)
▼第6試合 66.68kg契約 3分3R
○土屋翔平(渡辺)
TKO 2R1分48秒 ※3ノックダウン
●栄基(MTOONG)
▼第5試合 フェザー級 3分3R
△佐藤祐平(TEAM.KOK)
ドロー 0−0 ※三者とも30−30
△KAZUYA(JK国際)
▼第4試合 ライト級 3分3R
○松本喜富(姉崎)
KO 2R1分21秒 ※右ヒザ蹴り
●大作(SQUARE-UP道場)
▼第3試合 フェザー級 3分3R
○川崎博喜(SKBG)
判定3−0 ※三者とも30−29
●夜魔神(SQUARE-UP道場)
▼第2試合 ライト級 3分3R
○川原進策(HEAT)
判定2−0 ※30−30、30−29、30−29
●森山和哉(MTOONG.S)
▼第1試合 69kg契約 3分3R
○室伏 剛(HEAT)
KO 2R0分54秒 ※右ストレート
●柏 雅夫(平戸)
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