全日本キックボクシング連盟
ALL JAPAN KICKBOXING 2008
「ALL or NOTHING」
2008年10月17日(金)東京・後楽園ホール
開場17:00 本戦開始18:30
観衆=1,380人
▼メインイベント(第7試合) 全日本スーパー・ウェルター級タイトルマッチ 3分5R
○山内裕太郎(AJ/王者)
KO 3R1分55秒
●望月竜介(U.W.F.スネークピットジャパン/挑戦者・同級1位)
※山内が2度目の防衛に成功
「スカイ・ハイ」の曲が流れ、ミル・マスカラスなどの覆面を被ったマスクマン軍団が登場。しかし、すぐに通常の望月の入場テーマ曲となり、姿を現した望月はマスクマン軍団と円陣を組んで気合いを入れる。
1R、コーチの大江慎から「勝っても負けても3R以内に決着をつけろ!」と発破をかけられていた望月が、右ストレートと左ローで前に出る。山内はワンツーで押し返し、左ロー。
右ストレートを叩きつけて、左右ローに繋げる望月。決め技である右ストレートを放ち、ローで仕留める作戦のようだ。山内は右アッパーから左フック、望月が前に来るとヒザ。望月の右フックで山内が尻餅をつく。
前に出てくる望月に山内が鋭い右アッパー、望月も右ストレートを返して左ロー。ショートのジャブ、アッパー、ストレートを放つ山内。度々、山内のアッパーが望月のアゴを跳ね上げる。後半は山内がショートのパンチを連打して前に出る!
2R、やはり前に出るのは望月、左インローを連打し、右ストレート。山内のローに右を合わせて吹っ飛ばす。インローをもらいながらも前に出てショートのパンチを的確に入れて来る山内に、望月の右フックがヒット。
山内は距離を詰めるが望月がヒジ、ヒザ、右ロー。左インロー&右ローの望月に、前へ出てショートのパンチを叩きつける山内。レバーブローがヒット、望月のインローと山内のボディ打ちが激しく交錯する。
3R、ローで迫る望月に山内は飛びヒザ蹴り二連発から組み付く。コーナーへ押し込んで左フック、ヒジ。前に出ようとした望月のアゴを、意表を突く蹴り上げるような右の横前蹴りが跳ね上げた! 望月が膝をつき、ダウン!
望月が立ち上がると両者足を止めてパンチを打ち合い、望月がローキックの連打。山内もパンチを返す。望月の右がヒットするが、再び山内の横前蹴りが至近距離からヒット! アゴを打ち抜かれてバッタリと倒れる望月。
試合後、望月はこの2度の横前蹴りが「何をもらったのか分からなかった。想定外でした」と、見えていなかったと打ち明けている。
もう後がない望月に山内が飛びヒザからパンチのラッシュ。そして望月のサイドにつき、ショートの距離から飛びヒザ蹴り! ダウン! その瞬間、山内のKO勝利が決まった。ガッツポーズの山内、信じられないという表情で起き上がる望月。
山内が鮮やかな“技師”ぶりを発揮し、最強のチャレンジャーを退けた。チャンピオンベルトは再び山内の腰に巻かれた。
「今日は望月選手という男の中の男と、男の勝負をしたくてリングに上がりました。お互いに気持ちを出していい試合が出来たと思います。
しかし、全日本キック中量級のエースは山内裕太郎です。チャンピオンは山内裕太郎です。これからも全日本キックが最強であることを証明するために頑張っていきます」と、高らかに宣言した。
インタビュースペースでは、山内が見せた横前蹴りに関する質問が集中した。
「いろんなパターンで練習していたので、たまたま思い出してかっちり入った。技はいろいろあるんですけど、熱くなると忘れちゃう。今日は思い出して出来ました。練習の方がテクニシャンなんです。あの技は踵でアゴを蹴り上げる横前蹴りですね。トレーナーにこういう技もあるよと教えられました。スパーの段階で当たったら倒れるイメージはありました」
テクニシャンということで、いくつくらいの技を持っているのかと聞くと山内は「山のように……そんなにはないです(笑)」と笑った。また、「全日本キックで最強を証明できたと思うので、他団体や外国の強い選手と闘って自分がどの位置にいるのかを知りたい。K-1? いいですね。いろんな人が集まる場所はそこになるのかなって思う。自分は負けた立場なので出たいとは言いにくいですが、日本人だけのトーナメントとかで自分の力を試したいというのはある」と、かつてドラゴにKO負けを喫したK-1への再出撃を希望した。
▼セミファイナル(第6試合) 73kg契約 3分5R
○中村高明(藤原ジム/全日本ミドル級王者)
KO 2R2分43秒 ※ヒザ蹴り
●白虎(WK/チームC3BLAIZ/全日本ミドル級2位)
現在7連勝中と絶好調の中村、対する白虎は3連敗しかも三連続KO・TKO負けを喫している。時の勢いは中村にあるが、プルボーをマットに沈めた白虎の強打も侮れない。
1R、ゴングと同時に飛びヒザ蹴りを繰り出す中村。パンチを飛ばしてくる白虎に長いジャブ、前蹴り、そして組んでのヒザ蹴り連打とヒジ。
白虎は左へ回りながら左右のロー、すぐに距離を詰める中村はヒジとヒザの波状攻撃! しかし、この一発がローブローに。再開後、デトロイトスタイルから長いジャブを放つ中村に、白虎は左フックから連打。
一瞬、怯んだ中村だが、再び組むとヒジ&ヒザ。組まれてしまうと白虎は何も出来ない。前に出る中村を迎え撃つように左右のフックを放つ白虎、中村は細かくパンチを出しながら組み付き、ヒジ&ヒザだ。
2R、左へ回りながら左フック、続いて右フックを繰り出す白虎だが、やはり捕まってヒザ蹴りをもらう。中村はしっかりロックしてヒザ、ヒジ。しかし、またもヒザ蹴りがローブローになってしまい一時中断。左右に動きながらパンチを出す白虎、右フックで中村がグラッと来るが、組まれてしまう。
中村は組んでヒジとヒザの乱れ打ち、白虎は左右に動きながら距離をとろうとし、中村が入ってくるところにパンチを合わせる。
右クロスを放った白虎だが、そのまま中村に組まれる。組んだままロープ際に押し込んだ中村は、白虎の頭を下げさせて右のヒザ蹴りを頭部に突き上げた! モロに喰った白虎はバッタリと倒れる。立ち上がった白虎だが、レフェリーが見てKOを宣言。白虎はロープにもたれかかった。中村が得意技を活かし、見事なKO勝ちを飾った。
▼第5試合 全日本ウェルター級挑戦者決定戦 3分5R延長1R
○クリストフ・プルボー(スクランブル渋谷/同級2位)
KO 5R2分43秒
●湟川満正(AJ/同級1位)
※プルボーが12・5後楽園大会で山本優弥の保持する王座に挑戦
4人トーナメントで行われた全日本ウェルター級王座挑戦者決定戦は、この湟川VSプルボーでファイナル。勝者は12月5日(金)東京・後楽園ホールで開催される『藤原祭り』にてチャンピオンの山本優弥に挑戦する。
両者は今年3月20日にも対戦しており、この時は湟川が判定勝ち。7ヵ月ぶりの再戦を制して、挑戦権を得るのは湟川か、プルボーか!?
1R、プルボーのワンツーが出会い頭にヒット、前に出てワンツーから左ロー、得意のヒジを繰り出す。圧力を掛けて湟川をロープ際へ追い詰め、湟川が右ヒジを空振りしたところに右ヒジ!
湟川が早くもダウン! ヒザ蹴りで仕留めにかかるプルボー、右ストレートからヒザ、湟川もアッパーで応戦する。
下がりながらも右ローを蹴る湟川、プルボーは横・縦とヒジ、前蹴りでロープを背負わせてさらにヒジ。ダメージから持ち直した湟川はラスト10秒、ワンツーからローのコンビネーションを繰り返す。
2R、湟川のワンツーに右ヒジを合わせるプルボー、湟川は前蹴りを顔面・ボディへと連発。プルボーは右に左にと構えをチェンジし、右のパンチを何度もヒットさせる。下がる湟川はヒジ、テンカオ。
追い詰めるプルボーはボディストレート、右ロー、接近すると次々と凶器のヒジを振るう。右ヒジで2度目のダウンを奪うと、湟川をロープへ追い込んでいってヒジとヒザの乱れ打ち!
3R、湟川が回ろうとすると、プルボーは先に進行方向へ動いてロープ際から逃げさせない。湟川のローをかわして右ロー、湟川は前蹴りとジャブでプルボーを近づけさせまいとするが、プルボーはパンチで入ってヒジ、右アッパーから右フック、パンチの連打からヒジ、ヒザ、コーナーへ追い込んでの連打でこの試合3度目のダウンを奪う。
左ジャブから左ボディ、ローからバックブロー、飛びヒザで飛び込んでヒジと縦横無尽に動くプルボー。圧倒的に攻められている湟川だが、諦めた表情はなくローを蹴っていく。
4R、プルボーの右フックでグラッとくる湟川だが、右ローを蹴り返す。プルボーは右ヒジから入って左ヒジ、ハイキック、左ジャブから左ボディと打ち分ける。
以前と比べてパンチの技術が向上しており、パンチとヒジのコンビネーションが手強い。ローをフェイントとしてのジャンピングパンチから、近付いてヒジを見舞うプルボー。下がらされっぱなしの湟川は苦しい展開。ここまで全ラウンドでダウンを奪ってきたプルボーだが、このラウンドでは奪えなかった。
5R、パンチで勝負に出る湟川に、ハイキックからのパンチ、湟川が入ってくるところにヒジを合わせ、下がると縦ヒジで飛び込んでいくプルボー。ヒザ蹴りの応酬があり、湟川はヒジで逆転を狙う。
しかし、そこへ逆にプルボーのヒジ! 「フーッ!」と笑顔で声を挙げて、湟川を指差すプルボー。湟川は髪の生え際から激しい出血! それでも突っかかろうとした湟川だったが、ドクターチェックが入る。ドクターチェック後、ハイキックの応酬から湟川が一気に前へ出る。
プルボーもハイキック、湟川はローから右アッパー。湟川の出血がさらに激しくなり、再びドクターチェックに。再開後、逆転を狙ってまた出血が酷くなる前にパンチで打ち合いに行く湟川だったが、ジャブで傷口を狙って突き放すプルボーの右フックでまたもダウン! 立ち上がった湟川だが、おびただしい血が流れレフェリーが試合をストップした。
得意のヒジに加えてパンチの技術も身に付けたプルボーが、山本優弥への挑戦権を得た。
▼第4試合 全日本ライト級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R延長1R
○鈴木真治(藤原ジム/同級6位)
判定2−0 ※30−29、30−29、30−30
●島野智広(建武館/同級4位)
▼第3試合 全日本ウェルター級ランキング戦 サドンデスマッチ 3分3R延長1R
○板倉直人(スクランブル渋谷)
KO 1R2分57秒
●三上洋一郎(S.V.G./同級8位)
▼第2試合 スーパー・ウェルター級 3分3R
○清水 武(藤原ジム)
判定3−0 ※30−29、30−28、30−29
●ハイン・ディオ(チャモアペット)
▼第1試合 ライト級 3分3R
△宮田隼児(AJジム)
判定1−0 ※30−30、30−29、29−29
△相馬一仁(DTS GYM)
▼オープニングファイト第2試合 ウェルター級 3分3R
○布施一行(DRAGON GYM)
判定3−0 ※30−28、30−28、29−29
●牧平圭太(AJジム)
▼オープニングファイト第1試合 ウェルター級 3分3R
○小山佑介(STRUGGLE)
KO 1R1分38秒
●田中克宗(NSG)
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