↑各階級の優勝者（左から）三沢、加藤、森田、宮崎、中務、森

KGS
「Zinen-Cup 2008〜KAMINARIMON全日本大会・ワンマッチ大会」
2008年10月26日（日）東京・大森ゴールドジムサウス東京ANNEX
開始10：30

　ストライキングスポーツ（打撃格闘技）プロへの登竜門であるアマチュア大会『KAMINARIMON』が初の全日本大会を開催。6月15日の北海道地区予選を皮切りに、7月27日の関東地区予選、8月10日の関西地区予選と九州地区予選が行われ、それぞれの大会の上位入賞者が“日本一”を競い合った。

　R.I.S.E.とKAMINARIMONの闘い方が浸透している関東に比べ、地方の選手は勝ち方のスタイルを把握しているとは言いがたく、待ちのスタイルやクリンチ（首相撲に固めようとして時間がかかってのブレイクも含む）で試合が膠着する場面が多く見られた。

　しかし、山口元気KAMINARIMON責任者が「関東の独占はない」と予言したとおり、関西地区代表の森翔之（M-BLOWキックボクシング）と中務幸信（山口道場）が、それぞれ−55kg級と−60kg級で優勝。関東の独占は許さなかった。

　特に中務は山口責任者が「大会MVPを選ぶとしたら彼」と言うほどの活躍ぶり。「独特のパンチを使うのでR.I.S.E.向きだと思う。3分1Rという短い時間の中で“攻撃を効かせる”というこの競技で大切なことが出来ていました。右ストレート、アッパーを当てて勝ち上がりましたね。今後を非常に楽しみにしています」（山口）

　各階級の優勝者は来年3月から開幕するR.I.S.E.の新人王トーナメント『ライジング・ルーキーズ・カップ』の出場権利を獲得。今後のプロでの活躍が期待される。

RESULT

▼−55kg級
優　勝　森翔之（M-BLOWキックボクシング/関西代表）
準優勝　松崎公則（STRUGGLE/関東代表）

▼−60kg級
優　勝　中務幸信（山口道場/関西代表）
準優勝　渡辺康司（TARGET/関東代表）

▼−65kg級
優　勝　宮崎徳也（クロスポイント吉祥寺/関東代表）
準優勝　藍田貴義（ブレイブ大門/関東代表）

▼−70kg級
優　勝　森田崇文（レーング東中野/関東代表）
準優勝　今村卓也（クロスポイント吉祥寺/関東代表）

▼−75kg級
優　勝　加藤智亮（バンゲリングベイ/関東代表）
準優勝　内山裕助（バンゲリングベイ/関東代表）

▼重量級
優　勝　三沢晃治（クロスポイント吉祥寺/関東代表）
準優勝　小林裕馬（バンゲリングベイ/関東代表）

▼重量級決勝戦
○三沢晃治（クロスポイント吉祥寺/関東代表）
KO　3分0秒
●小林裕馬（バンゲリングベイ/関東代表）

　重量級は各地区でエントリーがなかったため、関東地区予選の決勝戦で闘った二人がワンマッチで全日本王座を争った。

　お互いに重量級ならではの重いパンチで攻め合い、試合終了間際に三沢がパンチの連打でKOに仕留めた。

▼−75kg級決勝戦
○加藤智亮（バンゲリングベイ/関東代表）
判定2−1
●内山裕助（バンゲリングベイ/関東代表）

　バンゲリングベイ同門対決となった決勝戦、加藤のセコンドには寒川直喜、内山のセコンドには新田明臣が着く。

　パンチを顔面、ボディと打ち分け、バックキックや踵落としなど派手な蹴り技を駆使した加藤が、判定2−1のスプリットデシジョンで勝利を収めた。「どっちもプロとして出してもいいくらいよかった」（山口）

▼−55kg級決勝戦
○森　翔之（M-BLOWキックボクシング/関西代表）
判定2−1
●松崎公則（STRUGGLE/関東代表）

　パンチから組んでのヒザと流れる攻撃を繰り出し、勢いで押し込んだ森が判定勝ち。松崎もミドルキックやワンツーで応戦したが、前に出る勢いに押された。

▼−60kg級決勝戦
○中務幸信（山口道場/関西代表）
KO　1分14秒
●渡辺康司（TARGET/関東代表）

　最も熱い試合だったのがこの−60kg級。激しい打ち合いからスタートし、左フックでダウンを奪った中務がさらに連打で渡辺をロープに釘付け。メッタ打ちにした所でレフェリーが試合をストップした。

▼−65kg級決勝戦
○宮崎徳也（クロスポイント吉祥寺/関東代表）
判定3−0
●藍田貴義（ブレイブ大門/関東代表）

　藍田が足払いで2度鮮やかに宮崎を転倒させたが、宮崎は前蹴りを多用して終盤には右ストレートをクリーンヒット。微妙な判定だったが、右ストレートの印象が大きかったか、宮崎が勝利した。しかし、クロスポイント吉祥寺の代表でもある山口責任者は「こんなので勝っちゃダメ！」と、宮崎にダメ出し。

▼−70kg級決勝戦
○森田崇文（レーング東中野/関東代表）
判定3−0
●今村卓也（クロスポイント吉祥寺/関東代表）

　両者ともにアグレッシブに打ち合う接戦となり、押して押し戻しての展開が続いたが、終盤に左のパンチを効果的に当てた森田が制した。