ALIVE
「プロフェッショナル修斗公式戦SHOOTO GIG CENTRAL Vol.16」
2008年10月26日(日)、愛知・東海テレビ・テレピアホール
開場13:00、開始13:30
▼メインイベント(第7試合) 環太平洋ミドル級王座決定戦 5分3R
○ザビアー・ルーカス(南アフリカ/マッハ1/環太平洋3位)
判定2-0 ※29-29、29-27、29-27
●新美吉太郎(ALIVE/環太平洋1位)
※3R、グラウンド状態にある新美の頭部にヒザ蹴りを見舞ったルーカスに減点1。ルーカスが第2代王者となる。
空位となっていた修斗環太平洋ミドル級の王座決定戦が、愛知・東海テレビ・テレピアホールで行われた。同王座を争ったのは同級1位の新美吉太郎と、奥野泰舗とドローに持ち込み一気に3位に浮上したザビアー・ルーカス。どちらが勝っても初戴冠の一戦は、スリリングな打撃戦へと発展した。
1R、シャープな打撃で前に出るルーカスに対し、新美は要所でパンチを返しながらタックルを狙う。だが、ルーカスの反応は早く、タックルを切っては離れ際にフックを強打。このうちの一発が顔面を捕らえ、右目上をカットした新美に早くもドクターチェックが入る。その後も左ミドルなどで距離を測りタックルを狙い続ける新美だが、ルーカスの距離感と反応の良さは変わらず、テイクダウンを奪うことができない。「ダメージはなかった」とのことだが、ドクターチェックなどで、やや悪印象を残したところで1Rが終了。
2Rに入っても新美は上下に打撃をチラシ、タックルを狙い続けていく。が、そのたびに切ったルーカスは、逆に得意のパンチで応戦。大振りのフックで新美のバランスを崩す場面も見られ、触れ込み通りの打撃の強さを見せつけていく。
3R、タックルを狙う新美に対し、ルーカスはうまくがぶるも直後に頭部へのヒザ蹴りを放ってしまい減点1。新美のダメージが心配されたが、再開後にすぐに距離を詰め、この試合初めてのテイクダウンに成功する。上体を固め腰を切りつつサイドに移行した新美は、そこからルーカスのボディにヒザ蹴りを連打。ルーカスの立ち際にフロント・スリーパーを合わせるなど、ベルト奪取への執念を見せていく。だが首を抜いたルーカスは、すかさずパウンドで反撃。新美も下から腕を手繰り寄せていくが、ここで無情にも試合終了のゴングが打ち鳴らされる。
3Rに反則の減点1があるため、やや微妙と思われた判定だが、一つのドローを挟んで二者がルーカスを支持。南アフリカ出身のルーカスが見事、第2代環太平洋ミドル級王者に輝いた。
腰に黄金のベルトを巻いたルーカスは、リングに突っ伏すなど体全体で喜びを表現。「何度もいいパンチが入ったのに倒れなかった。素晴らしいファイターだ」と新美の健闘を称えながら、「今後も日本でたくさん試合がしたい」と世界王座取り、そして修斗への継続参戦をアピールした。
一方で惜しくも戴冠を逃した新美の、試合後のコメントは以下の通り。完敗を認めながら、また上を目指していくことを約束した。
「完敗ですね。ということは打撃がまったくダメだったということです。ルーカスは距離感が良く、タックルを切るのがうまかった。1Rにテイクダウンを取れないとキツイと思ってたので、そういう意味では総合格闘技としてダメでした。今の総合で強い人は、確実にテイクダウンを取れると思います。そういう意味で、テイクダウンを取れなかったのが全ての敗因ですね」
▼セミファイナル(第6試合) ウェルター級 5分2R
○服部謙一(NEX-SPORTS)
判定2-0 ※20-19、19-19、20-19
●藤原正人(パラエストラ東京)
1R、差し合いから互いにヒザ蹴りを打ち合うも、展開がなくブレイク。その後、服部がテイクダウンを奪うが、ここでもお互いがパウンドを打ち合い大きな差が見られないまま1Rが終了。2Rは逆に藤原がテイクダウンを奪取し、ハーフに移行。しかし、服部がスイープで上を取り返しパウンドを見舞っていく。結果、上からコツコツとパウンドを積み重ねた服部が、僅差ながら勝利をものにした。これで服部は3連勝。
▼第5試合 バンタム級 5分2R
○松藤裕晴(和術慧舟會RJW)
判定3-0 ※20-18、20-18、20-18
●坂元寛史(NASER DO SOL)
パンチで前に出る坂元に対し、松藤はカウンター狙い。坂元が返しのパンチを掻い潜り、まずはタックルでテイクダウンを奪取する。肩固めの要領で上体を固めつつパスを狙う坂元だが、ここで松藤が得意のアームロックで迎撃。キャッチこそ入らなかったが、いい形で1Rを終える。2R、ミドルキックでバランスを崩す坂元。すかさす松藤がバックを奪い、スリーパーを狙っていく。極めさせなかった坂元だが、印象としては、やはりマイナス。アームロックとポジション取りでポイントを奪った松藤が、連勝を3に伸ばした。
▼第4試合 フライ級 5分2R
△澤田健壱(パラエストラ東京)
判定0-0 ドロー ※19-19、19-19、19-19
△増田“BULL”徹平(総合格闘技道場コブラ会)
開始早々、パンチのラッシュで飛び込んだ澤田だが、増田は得意のタックルでテイクダウンに成功。下からラバーで固められるも、そのまま持ち上げ急角度のバスターを見舞っていく。下から腕十字を狙う澤田に対し、増田もパウンドで迎撃。大きな差がないまま後半戦に突入する。2Rに腰投げでサイドを奪った澤田だが、そこから展開を作れず。結果、三者ともに19-19をスコアし、痛み分けのドローとなった。
▼第3試合 ライト級 2008年度新人王決定トーナメント準決勝 5分2R
○直撃我聞(PUREBRED大宮)
判定3-0 ※20-17、20-17、20-16
●小林ミツル(パラエストラ札幌)
あくまでテイクダウンを狙う小林に対し、直撃は投げられても必ず上を取るなど優位に試合を進めていく。スタンドではシャープな打撃、寝てもパウンドと、小林にとっては厳しい展開に。2Rも同じような展開が続き、ついには右フックで直撃がダウンを奪う。KOこそ逃したものの、その後も直撃がパウンドで追撃。文句なしの内容で、直撃が決勝戦に駒を進めた。
▼第2試合 ライトヘビー級 2008年度新人王決定トーナメント準決勝 5分2R
○チョモランマ1/2(総斗會三村道場)
TKO 2R3分39秒 ※右フック、レフェリーストップ
●御子柴直司(極真会館)
極真空手をベースに持つ者同士の一戦は、重量級らしいド迫力の一戦となった。開始直後から強烈なフックでラッシュをかけたチョモランマは、強引にペースを掴むことに成功。チョモランマの圧力の前に、御子柴はなかなか得意の打撃を見せることができない。しかし後半に入ると御子柴の打撃も当たり始め、右フックと左ハイキックを連続でヒット。一進一退の状況のなか1Rが終了する。
2R、前蹴りで距離を取るなど、落ち着きを取り戻した御子柴。だが、直後の打ち合いでチョモランマの左フックを浴びダウンを喫してしまう。すぐに立った御子柴だが、チョモランマは一気に畳みかけ左フックで再度ダウンを奪取。
この三度目のダウンが実質、決定打となり、直後の左フックで御子柴がダウンしたところでレフェリーが試合をストップした。
▼第1試合 クラスC+公式戦 58kg契約 5分2R
○葛西むつ美(パラエストラ東京)
一本 2R3分53秒 ※腕ひしぎ十字固め
●佐々木絹加(ALIVE)
左右フックとテンカオで、まずは葛西がペースを握る。しかし強引な腰投げがアダとなり、佐々木にバックを許してしまう。後半は佐々木の打撃も当たり始め、次第に甲乙つけがたい内容に。ポイントが微妙なまま1Rが終了する。
2R、今度は差し合いから粘ってテイクダウンを奪った佐々木がサイドを奪取。すぐにガードに戻されるも、優位に試合を進めていく。だが、下から腕を取った葛西が、一気に腕ひしぎ十字固めに移行すると、これがズバリとはまり佐々木がタップ。葛西が修斗デビュー戦を、見事な一本勝ちで飾ってみせた。
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