↑各階級の優勝者(左)から前原映子、平安孝行、田中俊輔、アレクセイ・コノネンコ、佐々木嗣治、キーナン・マイク
全日本空道連盟 大道塾
「2008秋期北斗旗全日本空道体力別選手権大会」
2008年11月9日(日)東京・国立代々木競技場第二体育館
本来ならば無差別で行なわれる秋の北斗旗。だが、来年11月の世界大会(2009年11月15日、国立代々木競技場第二体育館)の選考を兼ねているため変則的ではあるが、春に引き続き秋の北斗旗も体力別で行なわれた。来年春の北斗旗(5月、仙台)までの3大会が選考試合となり、成績の良かった2大会の合計ポイントで代表権を獲得するという方式。優勝=4点、準優勝=3点、3位=2点、4位=1点のポイントが入る。2大会優勝すれば8点で、代表は確実。各階級の日本代表は4名になりそう。このほかにも、何人か推薦選手が選ばれる予定。
<軽量級>
パンクラスにも参戦している平安孝行(左)が打撃、寝技ともに安定感をみせ、順当に決勝まで駒を進めた。決勝でも宮地孟に対し、本戦からきれいなフックを何度もヒットさせ優勢に試合を進めるもポイントにはならず、自動延長に。延長でも流れは変わらず、判定5−0で優勝した。
来年の世界大会に向けて、選考試合に優勝した平安は4点を獲得。春の4位(1点)とあわせて現在5ポイント。春に優勝した高橋腕は今大会に出場しなかったため、4ポイントのまま。春準優勝、秋4位の太田秀俊も合計4ポイントとなった。来年春の最終戦好試合に向けて代表権争いは、よりし烈になっていきそうだ。「高橋腕は連続出場が続いていたので、今回は休みたいと言っていた。来年春の大会で上位に入る自信があるんだろうね。3つ全部に出なくてもいいから、そういうこともできる」(東塾長)
<中量級>
春準優勝の田中俊輔(右)が青木政樹に何度もクリーンヒットを入れるも、ぎりぎりポイントにならない。本戦の判定でも副審3人が白の田中に旗を上げるが、主審が引き分けを宣告するほどの接戦となった。延長でも田中が打撃で優勢に試合を進め、判定4−1で優勝を決めた。田中は準決勝で春の大会の決勝で負けた堀越亮祐にリベンジを果たしての優勝となった。これで田中は7ポイント。堀越が6ポイント。青木、我妻猛が3ポイントとなった。
<軽重量級>
パワーで圧倒するアレクセイ・コノネンコ(左)に対し、勝はタックルでテイクダウンすると、マウントからの打撃でポイントを狙う。しかし、コノネンコは下から両手を構えてディフェンスし、ポイントにはさせない。これが唯一のチャンスとなった勝にとっては勝敗の分かれ目となった。自動延長となったあとは、コノネンコの突きで2つの有効をとられ、判定負け。コノネンコは春と合わせて連覇を達成し、8ポイントを獲得。代表権を確実のもとした。
東孝塾長によれば、コノネンコは日本代表として世界大会に出場したいという意思があり、競技の結果、これが認められたとのこと。8年以上、日本に住み、今後も日本に住み続けるコノネンコにとっては朗報だろう。「あくまで国籍が基本だけど、日本に住んでるコノネンコにロシアの選考大会に出ろとも言えないからね」(東塾長)
<重量級>
決勝戦は、佐々木嗣治(右)と木村猛の対戦。本戦はどちらも決め手にかける展開となったが、延長になると一転し、佐々木がニーインザベリーの体勢から打撃でポイントを狙う。これは防がれたが、すぐさま腕十字を狙いに行くや、あっという間に一本勝ちを決めてみた。重量級は春優勝の平塚洋二郎が大会2週間前に練習中に両目にばい菌が入り目が開かない状態のため欠場。代表権争いは佐々木が7ポイントで優位に立った。平塚が4ポイント、木村が3ポイント、前田洋介、和術慧舟會の久松勇二が2ポイントで続いている。
<超重量級>
超重量級は吉澤雅宏が決勝戦を棄権したため、キーナン・マイクが優勝。代表権争いは、吉澤が3ポイントを獲得。春優勝の稲田卓也が4ポイント。
<女子の部>
女子の部は前原映子(右)がリーグ戦で3連勝したため、そのまま優勝となり、決勝戦は行なわれなかった。
2009年11月15日に東京で開催が決定した『北斗旗第三回世界空道選手権大会』。その日本代表を選抜する大会のひとつとして、例年は無差別級で行われる秋の全日本大会が今大会は体力別で実施された。
軽量級はパンクラスでプロの総合格闘家としても活躍する平安孝行(全中国)が、2006年の全日本体力別以来の優勝を果たした。中量級は春の体力別で準優勝だった田中俊輔(吉祥寺)が初制覇。春の体力別決勝で負けた堀越亮祐(総本部)と予選で負けた青木政樹(浦和)にリベンジしての優勝だ。大道塾四天王と言われた一人、飯村健一が指導する吉祥寺支部から重量級の志田淳、軽量級の末廣智明に続いて3人目の王者が誕生した。
軽重量級はアレクセイ・コノネンコ(東北)が春の体力別に続いての連覇を達成。コノネンコは2004年と1996〜1998年にも同階級で優勝、1998年には秋の無差別でも優勝しており、通算8度目の北斗旗制覇を成し遂げたことになる。しかも、春に続いて最優秀勝利者賞(MVP)を受賞するという快挙を達成した。
重量級はレスリングで国体出場経験を持つ佐々木嗣治(帯広)が、2006年の春の体力別以来の優勝。超重量級はサンボの経験もあるキーナン・マイク(成田)が初制覇している。
なお、世界大会日本代表は国内最終選考試合となる2009年5月、仙台にて開催の2009全日本体力別大会の結果で決定される。
<入賞者>
▼軽量級
優勝/平安孝行(中四国) 準優勝/宮地孟(八王子) 3位/川上大樹(中部) 4位/
太田秀俊(仙台北)
▼中量級
優勝/田中俊輔(吉祥寺) 準優勝/青木政樹(浦和) 3位/堀越亮祐(総本部) 4
位/我妻猛(角田)
軽重量
優勝/アレクセイ・コノネンコ(東北) 準優勝/勝直光(関西) 3位/北田大輔
(成田) 4位/ジェイソン・アンゴーフ(吉祥寺)
▼重量級
優勝/佐々木嗣治(帯広) 準優勝/木村猛(仙台北) 3位/前田陽介(渋谷) 4位
/清水和磨(総本部)
▼超重量級
優勝/キーナン・マイク(成田) 準優勝/吉澤雅宏(八王子) 3位/伊藤征章(渋
谷) 4位/前田聡(大宮)
▼女子部
優勝/前原映子(北本) 準優勝/神山歩未(日進)
▼最優秀勝利者賞
アレクセイ・コノネンコ
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