M-1MC
M-1 FAIRTEX SINGHA BEER ムエタイチャレンジ
「Legend of elbows2008〜JAO SUU〜」
2008年11月9日(日)東京・ディファ有明
開場15:30 開始16:30
▼メインイベント(第13試合) M-1スーパーウェルター級タイトルマッチ M-1ムエタイルール
○クンタップ・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックス/王者)
KO 4R1分3秒 ※右ストレート
●阿佐美義文(治政館/元日本ミドル級1位/挑戦者)
2008年のM-1最後の試合となったのはクンタップが保持するM-1スーパーウェルター級のタイトル戦。王者クンタップに挑戦するのは何と新日本キック・治政館ジムの阿佐美。これまで団体交流を避けてきた新日本の選手が他団体のベルトに挑戦するという注目の一戦となった。
1R、挑戦者らしく左フックから前に出て行く阿佐美。クンタップは下がりながら右ローを返していく。その蹴り足を掴んで阿佐美が右ストレートを放つ。
クンタップは様子見といった感じで左右のミドルで距離を取る。試合が進むとクンタップはそのミドルをフェイントして右ストレート!
組み付く阿佐美には右アッパーを突き上げ、左の縦ヒジを繰り出す。対する阿佐美も首相撲の離れ際に右フック! さらにサウスポーの構えをスイッチし左ミドルを蹴るクンタップに、右ストレートで飛び込んで打ち下ろすような右フックを見せる。
2R、何度も構えをスイッチしてミドルキックで距離を取るクンタップ。阿佐美がミドルを警戒してブロックを上げればすぐにローキックと、上下に蹴りを散らす。そしてクンタップが右ミドルから右ストレート! この右ミドル→右ストレートが何度も阿佐美の顔面をとらえる。さらにクンタップは阿佐美が顔面のガードを固めると、その隙間を縫うように左アッパーを突き上げる。クンタップの攻撃に押される阿佐美だが右ローを蹴りながら、右ストレート。ロープを背負ったクンタップが右ミドルを蹴ろうとすると、そこに左フックで飛び込んでいく。
3R、クンタップは右ミドルと軸足払いで何度も阿佐美をマットに転がす。そして2Rと同じように右ミドルから右ストレート、さらにこのラウンドは構えをスイッチして左ミドルから左ストレートを繰り出す。
完全に蹴り技で阿佐美を翻弄するクンタップ。阿佐美はクンタップに左右のミドルを蹴られると、どうしてもガードを固めてしまい、反撃に転じることができない。終盤、阿佐美がミドルをブロックし、右フックをクンタップの顔面に叩き込むが当たりは浅い。
4R開始直後、クンタップの強烈な右ミドルが阿佐美のボディに突き刺さる。ここからクンタップは左右のミドルを連打! 下がる阿佐美の顔面に左ハイキックを蹴り、そこから左ストレート! 阿佐美はコーナーに詰まり、クンタップのミドル、パンチを浴びてしまう。必死にコーナーから足を使って脱出する阿佐美だが、それをすぐに追いかけるクンタップ。
そして阿佐美がコーナーを背負ったところで強烈な右ストレート! これが阿佐美の顔面をとらえると、阿佐美は大きくバランスを崩す。その阿佐美のボディにクンタップが強烈な左ヒザ蹴り!
これがグサリと突き刺さり、阿佐美はダウン! 何とか立ち上がろうとする阿佐美だが、そのままカウントが進み、試合終了。公式記録では右ストレートと発表されたが、クンタップのヒザ蹴りが試合を決めた。
チャンピオンでありながらここ2戦は白須康仁、小宮由紀博に連敗していたクンタップ。約1年ぶりの勝利&KO劇で「ミナサン、ホントウニ、アリガトウゴザイマシタ!」と日本語でファンに喜びの声を伝えた。
▼セミファイナル(第12試合) 日・タイ国際戦 ライト級 M-1ムエタイルール
○トゥワントーン・ソー・ブンパンムアン(タイ/ルンピニースタジアムライト級1位・ラジャダムナンスタジアムライト級2位・プロムエタイ協会ライト級1位)
判定3−0 ※49−48、49−48、49−48
●増田博正(スクランブル渋谷/元全日本ライト級王者)
今年5月に現役のラジャダムナンスタジアム王者だったグーピー・ウォー.スティーラー(当時)から金星を挙げた増田。今大会ではWBCムエタイランキング戦として、ルンピニーとラジャの両スタジアムでランキングされているトゥワントーンに挑んだ。長身でスラッとした体型のトゥワントーン。増田との身長差はかなり大きい。
1R、サウスポーの増田は左インロー。右のパンチを使って、トゥワントーンの左に回りに込んで、トゥワントーンの奥足(右)を狙ってローを蹴る。トゥワントーンは右ミドルを蹴るが、増田はそれをブロックして左ロー。
増田は首相撲の展開になってもトゥワントーンの首を持って、マットに転がされても自分が上になる。左の前蹴りで距離を取ろうとするトゥワントーン。増田はトゥワントーンの奥足に狙いを定めて、的確にローを蹴っていく。
2R、ここも右フックから左ローのコンビネーションで攻める増田。トゥワントーンは右ストレートと右のヒザ蹴りで前に出て距離を潰す。増田はトゥワントーンが前に出てくるところに右フック! ここでトゥワントーンの出した蹴りが増田の下腹部をとらえてローブローの反則となる。再開後、増田はやはり右フックから左ストレート。
トゥワントーンは右ストレートで増田を後退させて右のヒザ蹴り。これが増田のボディをとらえると、一瞬、増田の動きが止まる。右ヒザ蹴りで前に出るトゥワントーン。
増田はそれを右前蹴りで突き放すが、トゥワントーンは前に出続ける。しかしここでトゥワントーンの蹴りが再び増田の下腹部をとらえ、このラウンド2度目のローブロー。増田にはダメージ回復の時間が与えられ、トゥワントーンには減点1が宣告される。
3R、一気に距離を詰めて首相撲に持ち込むトゥワントーン。増田の体に覆いかぶさるようにして、ヒザ蹴りを放ち、増田をマットに転がす。
トゥワントーンは完全に首相撲に攻撃の的を絞り、ブレイクがかかってもすぐに増田に組み付く。増田も必死にトゥワントーンの首相撲に対抗するが、どうしてもディフェンスに回らされてしまう。
増田はトゥワントーンの組際を狙って左ストレート、縦ヒジ、左ボディストレートを打っていくが、トゥワントーンはひたすら組み付いてくる。
4R、増田が左ストレート。トゥワントーンは右ストレートを伸ばして、右ヒザ蹴りから距離を詰めて首相撲に持ち込む。トゥワントーンに首をキャッチされると、横を向くようになってしまう増田。
やはり首相撲ではトゥワントーンが有利に進める。しかし増田もトゥワントーンの組際に右フック、左ストレート! 手数は少ないながらも確実にパンチを当てて、トゥワントーンにダメージを蓄積させていく。終盤、トゥワントーンは組み付くものの、明らかに動きが止まる。
5R、増田は逆転を目指して前に出る。トゥワントーンの右ミドルに増田が左ストレート! さらに返しの右フック! これでトゥワントーンがバランスを崩す。
トゥワントーンも必死に組み付いて、増田の追撃を阻止する。最後までパンチを出し続ける増田。しかしトゥワントーンの首相撲を崩すことが出来ず。終盤、トゥワントーンを追い詰めた増田だったが、トゥワントーンからポイントを挽回することが出来ず、判定で敗れた。
▼第11試合 タイ・カナダ国際戦 72kg契約 M-1ムエタイルール
○ゲンナロン・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックスジム/M-1ウェルター級王者)
判定3−0 ※50−46、50−45、49−46
●ヤン・カシューバ(カナダ/unite-K/ワールド士道館空手ミドル級’05優勝)
金髪でゴールドのガウンとキックパンツというド派手な格好でリングに現れたゲンナロン。ガウンとパンツには多くのスポンサー名が入り、ワイクーを踊れば応援団から大きな声援が起こる。
さらに驚きだったのは激励賞の数! 尋常ではない分厚さの激励賞の束が渡されると、会場からどよめきが起こった。
そんな周りの強烈なバックアップを受けて、ゲンナロンは1Rからエンジン全開。カシューバの左のパンチに右フックのカウンターを合わせ、首相撲の攻防になれば巧みな重心コントロールでカシューバをマットに転がす。さらに首相撲では上手くスペースを作ってヒジ打ちを叩き込むゲンナロン。構えをスイッチして裏拳のような裏ヒジを見せて、会場を沸かせる。
そして2R、右フックと右ヒジを連打するゲンナロン。首相撲でもヒザ蹴りとヒジ打ちでカシューバを一方的に攻め込み、カシューバの顔の左は真っ赤に腫れあがる。
そしてゲンナロンの右フックが決まり、カシューバがダウン! 再開後、ゲンナロンはカシューバをコーナーに詰めてパンチで滅多打ちにする。
3Rに入ると省エネモードに切り替えたゲンナロンはカウンターの右フック、首相撲でカシューバをこかすという戦法を取る。
4R開始直後にカシューバの連打を浴びてひやりとする場面があったものの、ゲンナロンは首相撲とヒジ打ちを駆使して、カシューバに有効打を許さない。5R、ゲンナロンはバックキックやカポエイラキックなど魅せ技を出す余裕を見せて大差の判定勝ち。今年3月以来の試合で勝利を手にした。
▼第10試合 55kg契約 3分5R
○藤原あらし(S.V.G./全日本バンタム級王者)
KO 3R1分10秒 ※左ローキック
●テッパラート・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックス)
今年6月コムサン・ペッポートーンにTKO負けを喫したM-1のリングにあらしが再出撃。あらしは昨年のタイ遠征時に着用したキックパンツで登場、今回が日本初となるテッパラートと対戦した。
1R、前蹴りと右ミドルで様子をうかがうテッパラート。サウスポーのあらしは右のジャブを突きながら、テッパラートの左に回りこんで左のローを蹴る。
それに右ミドルを返すテッパラート。すると突然、声を出しながら右ストレートの連打! 面食らったあらしはガードを固めてそれをディフェンスする。
それでも構わずテッパラートは右ストレート、右ミドルを蹴るが、あらしのガードは固い。このテッパラートの攻撃を落ち着いて凌いだあらしは左ミドルと左インロー、さらにテッパラートの荒いパンチにコンパクトな右フックを当てる。
2R、ここも右ストレートと右ミドルで前に出るテッパラート。あらしはしっかりそれをディフェンスして左ミドル、左ローを的確に当てて、テッパラートの足にダメージを蓄積させる。
さらにあらしは蹴りだけでなく左ストレート、回り込んでの右フックなどパンチも当てて、完全に試合のペースを掴む。
防戦一方となったテッパラートにあらしは左ミドルや右フックから左ローを連打! これでテッパラートは大きくバランスを崩し、足元はフラフラだ。
そして3R、あらしが左ローを連打すると、テッパラートはマットから飛びあがるようにしてダウン! 何とか立ち上がろうと試みたテッパラートだったが、セコンドからタオルが投入され、あらしがTKO勝利を収めた。
▼第9試合 62kg契約 3分5R
○カノンスック・ウィラサクレック(タイ/WSRフェアテックス/M-1フェザー級王者)
判定3−0 ※50−48、50−48、50−48
●西山誠人(アクティブJ/前WFCA世界ライト級王者)
1R、サウスポーのカノンスックに対し、西山は左アウトロー。常にカノンスックの右側に周り続ける。
カノンスックはじりじりと圧力をかけて左ストレートから右フック、強烈な左ローを蹴る。西山はカノンスックのローに右ストレートを合わせ、さらに右ボディストレート。カノンスックは左ローと右フックで攻撃を組み立てる。
2R、カノンスックの右足に左右のローを集める西山。カノンスックは西山をコーナーに追い詰めて左ストレート、左ハイキックを放つがクリーンヒットはない。西山はコーナーから脱出すると、足を止めることなく右ストレート、右ボディストレート、左アウトローを当てる。西山の細かい手数にやややりづらそうなカノンスック。再び西山をコーナーにつめて左ヒジを強震するが当たらない。
3R、このラウンドも西山は足を止めずに前後、左右に動いてローを蹴っていく。さらにカノンスックのボディにパンチを集める。カノンスックは前に出ながら左ミドル。
西山はそこに右ストレートを合わせる。西山がコーナーを背負うと右アッパーを突き上げ、左ストレートを打ち込むカノンスック。西山をそれをガードし、縦ヒジ、右ハイキックを蹴る。カノンスックは左ミドルを連打、組み付いて左のヒジ打ちを当てる。
4R、カノンスックは西山を下がらせて左ミドル。西山はそこに右ストレートを合わせたり、サイドステップで衝撃を逃がす。それならばとカノンスックは一気に距離を詰めて左ヒジを二発! これが西山の即頭部をとらえ、西山は思わずグローブでヒジ打ちが当たった箇所を触り、カットしていないかどうかをチェックする。カノンスックはここから手数を増やし、左ストレートで前に出て左ミドル! 西山はやや手数が減ってしまう。
5R、カノンスックはポイントで勝っていると判断してか、ここまでのラウンドのように自ら前には出ず、西山の動きに合わせて左ミドルを蹴るという戦い方にチェンジ。西山はカノンスックの左ミドルに右ストレートで飛び込んで行こうとするが当たりは浅い。
カノンスックは左ミドルだけでなく、左足で西山の前足をすくうようにしてバランスを崩すなど、西山に反撃のチャンスを作らせない。終盤、西山がその出足払いに左フックを合わせ、バックブローなどの奇襲技を見せるものの、カノンスックはそのまま逃げ切り。カノンスックが日本では初めてとなるフルラウンド判定勝利を収めた。
▼第8試合 M-1女子初代ミニフライ級王座決定トーナメント準決勝戦 2分3R延長1R
○岡田敦子(RAPTURE KING/J-GIRLS同級7位)
延長判定2−1 ※10−9、9−10、10−9
●ちはる(WSRフェアテックス)
▼第7試合 M-1女子初代ミニフライ級王座決定トーナメント準決勝戦 2分3R延長1R
○勝山舞子(上州松井ジム/元MTIA世界Sフライ級王者)
判定2−0 ※30−29、29−29、30−29
●ジェット・イズミ(フリー/元J-GIRLS王者)
▼第6試合 フェザー級 M-1エクステンションルール
○堀口貴博(WSRフェアテックス)
TKO 1R1分55秒 ※ドクターストップ
●野良猫星野(ワイルドシーサー/MA日本バンタム級10位)
▼第5試合 63kg契約 3分3R延長1R
○威幸(WSRフェアテックス)
判定3−0 ※30−28、30−28、30−28
●ケンジロウ(小鉄組)
▼第4試合 59kg契約 M-1エクステンションルール
○KING(土浦ジム/MA日本スーパーフェザー級8位)
負傷判定3−0 ※20−19、20−19、20−19
●木村裕樹(WSRフェアテックス)
▼第3試合 70kg契約 3分3R延長1R
○ジャフィット・カセバ(タンザニア共和国)
判定3−0 ※30−27、30−27、30−27
●喧四浪(GAREX)
▼第2試合 ヘビー級 M-1エクステンション特別ルール
○古田太一(アイアンアックス)
判定3−0 ※30−29、30−29、30−29
●柿崎孝司(WSRフェアテックス)
▼第1試合 ウェルター級 フレッシュマンルール
○橋本健一(谷山ジム)
KO 3R0分33秒 ※ヒザ蹴り
●新田 翔(WSRファテックス)
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