「スッグ・プンパンムアン」
2008年11月21日(金・現地時間)タイ・ルンピニースタジアム
▼第6試合 ムエタイルール 132ポンド契約3分5R
○石川直生(青春塾)
TKO 3R
●タヌンチャイ・ソー.ポンチャイ(タイ)
11月21日(金・現地時間)タイ・バンコクのルンピニースタジアムに出場した全日本スーパーフェザー級チャンピオン石川直生(青春塾)が、飛びヒザ蹴りで見事なKO勝ちを収めた。
1R、石川は外国人としては異例の赤コーナーから登場。開始ゴングが鳴るとローキックの蹴り合いから試合が始まる。そのうち、互いに意地になって深く踏み込んでバチバチと蹴りの応酬を展開。特にカヌンファイのローはかなりの威力で、石川の奥脚に深く入る場面もあった。
2R、さらにローを中心に前進してくるカヌンファイに対し、ラウンド終盤に石川がカウンターで飛びヒザ蹴りをヒット! これをまともに食らったカヌンファイは、カクンと膝から崩れ落ちてダウン。
なんとか立ち上がったカヌンファイだが、顎へのダメージは明らかだ。それでも、場内はカヌンファイに声援を送り続ける。観客からすれば、事前データのない石川のような日本人選手は“勝率も薄い”と判断され、場内の声援に左右されやすいムエタイの採点では、ダウンを取った後のこの時点でさえ全く不利な状況だ。
3R、リング上での技のヒット数は石川の方が勝っていた。後がないカヌンファイはラウンド早々からローの猛攻。レフリーがストップに入ってからも攻撃を止めないほどエキサイトし、石川を追い掛け回す。石川はリーチ差を上手く使い前蹴り、ロー、ボディーストレートと遠くからのヒットアンドウェーで攻め込んだ。
こうなれば、カヌンファイは距離をつめて首相撲の展開に持ち込みたいところ。1分過ぎ、石川は距離が詰まった一瞬に冷静に見極め、再び飛びヒザ蹴りをヒットさせる。これはスリップダウンとなったが、試合は再び石川優勢。
ルンピニーの観衆が大きくざわめく中、3度目の飛びヒザ蹴りがクリーンヒット! カヌンファイが2度目のダウンを喫すると、レフリーが試合をストップした。
試合後、場内は石川の飛びヒザ蹴りの華麗さに感激した様子で、大きなざわめきが会場にこだまする。しかし、もっと驚いたのは観客ならず、ルンピニースタジアム側だった。
審判を30年以上務めるスラチット氏は「あんな大技を出せる日本人がいるのか!! いやぁ、ビックリしたね。ルンピニーでああいう華麗な技は最近見ないからなぁ」と、石川の闘いのスタイルを褒め称えた。
プロモーターからは、異例の20,000バーツの賞金をゲットし「また来月もここで試合しろ!!」と、既にタイ国内でもファンが増えそうな予感。さて、石川はまたルンピニーに帰ってくるのか!? 本場のムエタイファンも、もう次の試合を待ち望んでいる。
石川は2007年6月17日・ラジャダムナンスタジアム大会で、チャーンヴィットノーイ・シットチャーンヴィット(タイ)に3RKO勝ちしたのに続き、タイのリングで2連続KO勝利。戦績を41戦26勝(13KO)12敗3分とした。
これで「NAOKICK試練の七番勝負」は4勝2敗で勝ち越しが決定。最後の七番目は場所を日本に戻し、1・4後楽園ホール大会で行われる予定だ。
情報提供・写真(C):シンラパムエタイ/Hiroshi Soda
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