志村道場/日本拳法同心会館
「HEAT8」
2008年12月14日(日)東京・ディファ有明
開場18:30 開始19:00
▼メインイベント(第11試合) HEAT総合ルール ヘビー級トーナメント(無差別級、ヒジなし)1回戦
○戦闘竜(アメリカ/志村道場/チームファイティングドラゴン)
KO 1R0分52秒 ※パウンド
●濱田順平(CMA誠ジム)
※戦闘竜が準決勝に進出
元力士でPRIDEヘビー級GPにも参戦したことがある戦闘竜がメインイベントに登場。戦闘竜は長期欠場の間、膝の手術を受けており、今回が復帰戦となった。濱田はDEEPを始め、様々な団体で経験を積んでいる空手ベースの総合格闘家。
1R、戦闘竜はパワフルな右フックで突進! 濱田を金網に吹っ飛ばす。濱田は金網を背にしながら首相撲からのヒザ蹴りを放つが、戦闘竜は構わずパンチを叩き込み、濱田をマットに叩きつける。このとき、濱田は右腕から先に付いてしまい、全体重がかかったことで骨折。
完全に動きが止まった濱田に対し、戦闘竜がパウンドを叩き込んだところでレフェリーが試合をストップ。戦闘竜がヘビー級らしい豪快なKOで復帰戦を飾った。
試合後、マイクを握った戦闘竜は「戦闘竜が戻ってきた! メインイベントと言われてて心配だったけど、いい試合ができて良かった。これからまた活躍して大きな舞台に出て行きたい」とマイクアピール。そして最後は「相撲は強いんだよ!!」というお決まりのフレーズで締めくくった。
▼セミファイナル(第10試合) HEATキックルール ヘビー級トーナメント(100kg以下、ヒジなし)1回戦
○天田ヒロミ(フリー)
TKO 3R2分32秒 ※セコンドからのタオル投入
●プリンス・アリ(イラン/イラン大誠塾)
※天田が準決勝に進出
天田は過去にK-1ジャパンGPで優勝を果たし、“ジャパンの特攻隊長”として活躍したハードパンチャー。アリは193cmと長身を誇るキックボクサーで、HEATではK-1オセアニア王者だったペック・アンドリューを下している。
1R、じりじりとプレッシャーをかけて前に出る天田に対し、アリはインローと左ミドルを返す。左フックと左ボディで前に出る天田。しかしアリがカウンターのパンチを合わせて、天田からダウンを奪う。
再開後、アリは天田のパンチを空振りさせて左フック! リーチ差もあってか、天田のパンチはなかなかアリの顔面には届かない。アリを金網に詰めて左右のフックを打つ天田。
アリはそれをブロックして距離を取る。その後もアリが距離を取りながら右ローを蹴っていくが、天田はその右ローに右ストレート! これでダウンを奪い返す。
2R、パンチで前に出る天田にジャブ&ローを合わせるアリ。アリの長いジャブが天田の顔面を捉える。アリのジャブに右のパンチをかぶせる天田。
そしてアリの左アッパーに左フックを合わせるが、アリは倒れない。しかし天田は前に出てパンチを出し続け、アリを金網に詰めると右フックからの連打! これでアリの動きが止まる! 必死に足を使って金網際から脱出するアリだったが、明らかに手数が減る。
3R、ジャブ&インローで距離を取るアリ。天田はそれを受けながらも突進し、右のパンチで前に出る。パンチだけでなく左右のローキックを蹴る天田。アリは左ミドルで天田を突き放す。天田のローブローによる中断後、天田はインローから右ストレート! アリは天田に背中を見せるようにして距離を取る。
しかし残り1分、天田がアリを下がらせて右ストレート! ついにアリからパンチでダウンを奪う。何とかファイティングポーズを取るアリだったが、アリのセコンドはタオルを投入。
先にダウンを奪われる苦しい展開の天田だったが、執念のパンチで逆転勝利をもぎとった。
▼第9試合 HEAT総合ルール ヘビー級トーナメント(無差別級、ヒジなし)1回戦
○ヤン・ドンイ(CMA KOREA−コリアトップチーム)
TKO 2R3分17秒 ※レフェリーストップ
●野地竜太(TEAM GARO)
※ドンイが準決勝に進出
パンクラス、MARSなど様々な団体を渡り歩き、現在はHEATを主戦場にしている野地。ドンイは“パウンディング”なる異名を持つ韓国のブルファイターで、日本では戦極のリングで元柔道金メダリストにパウエル・ナツラに勝利している。
1R、サウスポーのドンイは一気に突進して、野地を金網まで押し込むとテイクダウンを奪う。背中を見せて立ち上がろうとする野地だが、そこにドンイはパンチを連打! 一度は立ち上がるドンイ。
すぐにタックルでテイクダウンを奪うと、亀になる野地の後ろに回りこみ、バックポジションからパンチを落とす。
必死に立ち上がろうとする野地だが、ドンイはグラウンドで上のポジションをキープ。パンチを落としながら腕十字、三角絞めを仕掛ける。野地は上体を起こして頭を引き抜くと、ハーフガードで上になるが、ドンイのタックルで金網まで押し込まれてしまう。これを突き放してスタンドで距離を取る野地。
ドンイはすぐにタックルで野地を金網まで押し込む。
2R、ドンイのインローがローブローとなるが、再開後にドンイが片足タックルでテイクダウン。亀になる野地のバックに回るドンイは、細かくパンチを落としてそのポジションをキープする。何とここで野地がドンイの左足を取ってアキレス腱固め!
しかし極まりが浅く、ドンイに殴られてしまう。その後もドンイがバックポジションをキープし続け、最後はバックマウントからのパウンドでドンイがレフェリーストップを呼び込んだ。
▼第8試合 HEATキックルール ヘビー級トーナメント(100kg以下、ヒジなし)1回戦
○上原 誠(士道館村上塾)
TKO 2R1分10秒 ※セコンドからのタオル投入
●孫 武(中国/武林風)
※上原が準決勝に進出
今年のK-1トライアウトに合格後、K-1GPの地区予選にも抜擢されたことがある上原がトーナメントに参戦。対する孫は散打出身の選手で、昨年のK-1トライアウト大会に出場して勝利を収めている。
1R、いきなりバックキックを見せた上原。孫は左右の連打からヒザ蹴りを突き上げる。孫のバックキックを空振りさせて右フックで飛び込む上原。
左フックを当てると、そのまま孫を金網に詰めて右フックを強振する。孫は散打選手らしくサイドキックのフェイントを見せて前に出て、上原がパンチを出すとすぐに組み付く。
2R、左フックで前に出て行く上原は孫を金網に詰めて右フック! 孫のミドルをカットすると、すぐに右ストレートを合わせる。徐々にパンチで前に出て行く上原。そのパンチに合わせて組み付く孫だったが、上原を金網に押し込み、ブレイクがかかったところで、その場にうずくまる。
ローブローをアピールするようなしぐさを見せた孫だったが、レフェリーはすぐに立ち上がることを指示するが、孫は立ち上がれず。セコンドからタオルが投入され、試合終了となった。
▼第7試合 HEATキックルール ヘビー級トーナメント(100kg以下、ヒジなし)1回戦
○ムーン・ボーラム(韓国/Cheon Moo
Gym)
KO 2R1分07秒 ※右アッパー
●馬場伸孝(新宿レフティージム)
※ボーラムが準決勝に進出
元J-NETWORKヘビー級王者の馬場VS韓国のヘビー級ムエタイ戦士ボーラムの一戦。
1R、ボーラムはガードを高く上げて右ローキックを蹴る。馬場は右ストレートで飛び込んで右ロー、前蹴りでボーラムを突き放す。
しかしボーラムはじりじりと前に出て強烈な右ロー。馬場を金網に詰めると右ストレートから左フック、馬場が棒立ちになったところで右ローを蹴る。細かいパンチからの右ローで攻め込むボーラム。馬場はボーラムの圧力で下がる場面が目立つ。
残り30秒、パンチで飛び込んだ馬場にボーラムが右フック。ややボーラムの攻勢が目立つラウンドとなった。
2R、左フックからの右ストレートで前に出るボーラム。馬場のローに右ストレートを合わせて前に出て、すぐに右ロー。首相撲の攻防になっても、馬場を突き放して右ローを蹴る。そして馬場が距離を詰めてきたところで、ボーラムは馬場の両腕の間から右アッパー! これがきれいに馬場の顔面を打ち抜き、馬場がダウン! 馬場はそのまま立ち上がることが出来ず、ボーラムが鮮やかなKO勝利を収めた。
▼第6試合 HEAT総合ルール 88kg契約 ヒジなし ワンマッチ
○地主正孝(正道会館)
KO 2R4分57秒 ※右フック
●高瀬大樹(フリー)
PRIDEなどで活躍した高瀬が久しぶりに日本での総合の試合に登場。正道会館の所属で空手だけでなく総合でも実績を積む地主と対戦した。
1R、サウスポーの高瀬に対し、地主は右ミドルと右のテンカオ。高瀬のテイクダウンを阻止して、スタンドで試合を進める。インローで高瀬の前足を狙う地主。
これが一度ローブローになってしまうが、地主は右のインロー、ミドルで高瀬に距離を詰めさせない。左ストレートで飛び込む高瀬。地主はそれを突き放して距離を取る。
再び左の大振りのパンチで地主を金網に詰める高瀬。そこから首相撲に持ち込むが、地主はすぐに高瀬を突き放す。
右手を下げたところから高瀬はジャブを放つ。地主は右ストレートから右ハイキック! さらに高瀬のパンチに右のショートでパンチを合わせる。残り1分、右のアウトロー、左ミドルを蹴る高瀬。地主はそれを受けて右ストレート、右の前蹴りとミドルで距離を取る。ラウンド終盤、地主の右ストレートと高瀬の右フックが交錯する。
2R、高瀬がタックルでテイクダウンを試みるが、地主はそれを切る。引き込もうとする高瀬に対し、イノキ・アリ状態からローを蹴る地主。スタンドでの展開を要求する。右のインローを蹴る地主に対し、それをキャッチしてテイクダウンを狙う高瀬だが、地主は倒れない。
地主は高瀬の左ストレートをディフェンスして右のインローを蹴る。細かいパンチで前に出る高瀬。地主は足を使って距離を取り、高瀬に組み付かれるのを防ぐ。左ストレートで前に出る高瀬。地主は距離を取って右フック、右ミドルを返す。
距離が離れると高瀬も左のインローやミドルを蹴り返す。地主の右ローを受けると、両足を揺らして「効いてないよ」とアピールする高瀬。互いにローキックを蹴りあう中、地主が右フックを二発! 高瀬もすぐに右フックを返す。インローから右フックを返す高瀬。地主は左ミドルを受けると、すぐにインロー。
そして残り10秒、地主は高瀬のパンチをディフェンスした後に右フック! これが高瀬の顔面を打ち抜き、高瀬がダウン! 地主が追撃のパウンドを落とそうとしたところで、レフェリーが試合をストップ。残り3秒でのKO劇となった。
▼第5試合 HEATキックルール 無差別級 ヒジあり ワンマッチ
○恩田剛徳(志村道場)
判定2−0
●悠羽輝(和術慧舟會/DUROジム/J-NETWORKヘビー級4位)
距離を詰める恩田に対し、悠羽輝は下がりながらロー。一気につめた恩田がパンチのラッシュを仕掛けると、右ストレートをもらった悠羽輝がダウン寸前。
腰を一瞬落とした悠羽輝だが、持ちこたえパンチで応戦する。ペースを握る恩田はカカト落とし、上段後ろ回し蹴りの大技を見せ、余裕が伺われる。
2R、恩田が左フックから右ローを出したところ、ローブローとなる。再開後にノーガードの打ち合いを見せる両者。
恩田が圧力をかけ、悠羽輝を金網に追いこむと、左右のフックとヒジ。お互いにワンツーを交錯させ、悠羽輝のパンチで恩田がダウン寸前に追い込まれた。
3Rも変わらず恩田がプレッシャーをかける展開。悠羽輝は下がりながらパンチを返す。つめた恩田がヒジを振るう。攻め疲れか恩田は失速してしまう。悠羽輝は反撃し、逆にパンチでラッシュを仕掛ける。お互いにバテバテになりながら打ち合う展開。僅差の判定で恩田が勝利した。
▼第4試合 HEAT総合ルール ウェルター級トーナメント(77.1kg以下、ヒジなし)準決勝
○ジャスティン・ホルダス(アメリカ/Fairtex
U.S.A)
判定3−0
●新美吉太郎(ALIVE/修斗環太平洋ミドル級1位)
一気に組み付いた新見はコーナーに追い込むがブレイク。二度目のタックルからテイクダウンするも、上になったのはジャスティン。下の新美は三角絞めを決めかけたが、ジャスティンがすぐに引っこ抜く。新美は立ち上がると、ジャスティンと差し合いへ。距離を取ったジャスティンは飛び込みの右ストレート。そして再び上のポジションをとった。
下の新美は足を絡ませてバックを奪う。亀の状態のジャスティンにパウンドを落としながらスリーパー。しかし、ジャスティンがこれを上手く逃げ、立ち上がった。ジャスティンと新美が差しあいとなりゴング。
2R、左フック当てる新美に対し、ジャスティンはヒザ蹴りで応戦。金網に押し込んだ新見はヒザ。持ち鍛えたジャスティンはに新美をコーナーに押し込む。ジャスティンのプレッシャーに押され新美は下がる。
テイクダウンされながらも、フロントチョークを極めた新美だが、逃げられた。判定でジャスティンが勝利。
▼第3試合 HEATキックルール ミドル級トーナメント(70kg以下、ヒジなし)準決勝
○ファピカートRSプロモーション(タイ/一宮ムエタイジム)
判定2−0
●笛吹丈太郎(大和ジム)
※ファピカートが決勝に進出
1R、右ローを出し合う両者。ファピカートの入りに合わせて左ボディを合わせる笛吹。お互いに距離を取りながらはパンチを出すが、深追いはなし。お互いに様子を見るように攻撃を出し合う静かな出だしとなった。
2R、前蹴りで距離を取るファピカートに対し、笛吹はボディからフックと上下に散らすパンチ。笛吹が左右のフックで出ると、ファピカートが後列なヒザ! そして笛吹の蹴り足を掴んで右ストレートでダウンを奪うファピカート。笛吹の前蹴りを交わしてパンチを当てるなど主導権はファピカートにあり。
3R、余裕からかファピカートはガードを下げ気味に前に出る。笛吹が首相撲を仕掛けると、ファピカートのヒザがローブローとなり試合は一時中断。笛吹のダメージは深く、なかなか立ち上がることが出来ない。ファピカートに減点一。
再開後、お互いに前に出てパンチを交錯させる。笛吹はダウンを取り返すように細かいパンチのコンビネーションを出すも、ファピカートはスウェーで交わしヒットさせない。右ストレート、ヒザを当てた笛吹だが、ダウンを取るまでに至らず。ファピカートが決勝に駒を進めた。
▼第2試合 HEAT総合ルール ウェルター級トーナメント(77.1kg以下、ヒジなし)準決勝
○マックス・フェルナンデス(エクストリームバルボーザ)
1R1分22秒 ※アンクルホールド
●イム・ヒョンギュ(CMA KOREA-コリアトップチーム)
※マックスが決勝に進出
1R、一気にパンチで詰めるヒョンギュ。マックスはすぐにタックルしテイクダウンに成功。下のヒョンギュは腕十字へ。腕を伸ばされたマックスだったが、足を絡めるように脱出に成功する。
マックスはすぐにヒョンギュの足をキャッチしアンクルホールドへ。これがガッチリ極まり、マックスが勝利を収めた。
▼第1試合 HEATキックルール ミドル級トーナメント(70kg以下、ヒジなし)準決勝
○欽士(チームブレイクスルー)
判定3−0
●松本勇三(勇三道場)
※欽士が決勝に進出
1R、どっしり構える松本はワンツーから右ハイ。欽士は大振りのフックで一気のラッシュを仕掛ける。松本はガードするも、欽士の勢いに飲まれ吹っ飛んでしまう。松本は左ハイを狙うが、欽士の前進に押されているイメージが強い。
前のめりになりながら突進する欽士の左右のフックを食らう松本。ガードの上から叩き込まれるも、松本はダメージを蓄積したのか足元がふらつく。
2R、欽士のパンチにあわせて松本が左ハイ。パンチで前に出る欽士のパンチで松本はダウン!
そのまま勢いに乗る欽士は左右のパンチで一気につめる。棒立ちの松本は2度目のダウン。松本は逆転の左ハイを狙うも、禁止に距離をつぶされてしまう。それでも松本は右ハイ、上段後ろ回し蹴りを繰り出す。
3R、左ミドルに合わせて欽士が右フックでダウンを奪う。欽士は突き上げるようなアッパー、左右のフックで再び松本を防戦一方に追い込む。ここでもダウンを奪う。2Rと合わせ計4度のダウンを奪われるが、松本は最後まで攻め続ける。欽士が勝利した。
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